JPH0586087U - 簡易スイベルホース継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数が少なく安価であって、ホース接続
時にホースを捩らずに簡単に接続でき、シール性に優れ
ると共にシール部材を簡単に交換できる簡易スイベルホ
ース継手を提供する。 【構成】 一端外周に環状凸部７を他端側にホース嵌合
部８を有するニツプル６と、ニツプル６の一端外周に拡
径部１０を環状凸部７に嵌合させて周方向に回動可能に
設けられた一端に雄ネジ１１又は雌ネジを有するナツト
９と、ナツト９の内周面又はニツプル６の外周面に設け
た周溝に収納したＯリング１２のと、ナツト９の他端に
接してニツプル６の外周面に止着された係止部材１５と
を具え、係止部材１５をニツプル６から取り外すことに
よりＯリング１２の交換ができるようにした簡易スイベ
ルホース継手。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、各種機器にホース類を接続するための簡単なスイベルホース継手に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

ゴムホースや合成樹脂ホースを各種機器に接続する場合、雄ネジを備えた接続 金具をホースの一端に固定し、この接続金具の雄ネジを機器側のマニホールド等 の接続口の雌ネジに螺合する方法が通常である。

【０００３】 しかし、この方法でホースの一端に固定した接続金具を機器側接続口に螺合す るため接続金具を回転させると、必然的に接続金具に固定したホースも回転する ことになる。ところが、長尺又は大径のホースではホース自体を回転させること が困難であるし、更に他端が既に固定されている場合には一端の接続螺合時に回 転して捩れたままホースが配管されてしまう欠点があった。

【０００４】 そこで、接続時にホースを回転させなくても良いように、周方向に３６０°自 在に回転でき、ホースを捩らずに接続できるスイベル式継手が考案されている。 スイベル式継手は、自在に回転できるユニオンナツト又はスリーブナツトと、両 端に雄ネジを備えたアダプターとを備えたものが主流であり、例えば実開昭５８ −９１０９１号公報等に説明されている。即ち、かかるスイベル式継手は、図２ に示すように、一端内周に雌ネジを備えたスリーブナツト２をスリーブ３の一端 外周に形成した環状溝に嵌合させて周方向に回転可能に取り付け、このスリーブ ３の他端をホース１の一端に挿入した後、ホース１とスリーブ３の外周をソケツ ト４で締め付けて固定する。

【０００５】 一方、両端に雄ネジを備えたアダプター５は、片方のテーパーネジの雄ネジを 機器側接続口のテーパーネジの雌ネジ（図示せず）に螺合することにより、機器 側接続口にシール性を保って固定する。そこで、ホース１にスリーブ３を介して 取り付けたスリーブナツト２を回動させ、その雌ネジを機器側接続口に固定した アダプター５の他方の雄ネジに螺合することによって、機器側接続口にホース１ を捩ることなく接続することが出来るようになっている。

【０００６】 しかしながら、従来のスイベル式継手は、ユニオンナツト又はスリーブナツト ２の他にアダプター５等を必要とするため部品点数が多く、しかもユニオンナツ トやスリーブナツト２の雌ネジ及びこれに螺合するアダプター５の雄ネジは、シ ール性を要する場合に通常使用されるテーパーネジではなく、特殊なネジを使用 しているためコストが非常に高くなるという問題があった。

【０００７】 又、前記のごとくユニオンナツトやスリーブナツト２とアダプター５との間の シール性が良くないので、スリーブ３の一端とアダプター５の他端をテーパーに して圧接させることによりシール性を確保しているが、振動等によりスリーブナ ツト２が緩んでシール性が損なわれやすいという欠点があった。更に、スリーブ ナツト２をスリーブ３の環状溝に嵌合するためには、スリーブナツト２を外周か らカシメて縮径する必要があり、組み立て加工に手数を要した。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、かかる従来の事情に鑑み、部品点数が少なく安価であって、ホース 接続時にホースを捩らずに簡単に接続でき、シール性に優れると共にシール部材 を簡単に交換することが可能な簡易スイベルホース継手を提供することを目的と する。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案が提供する簡易スイベルホース継手は、一端 外周に環状凸部を有し、環状凸部から他端側に延長してホース嵌合部を形成した ニツプルと；ニツプルのホース嵌合部と同径或は大径で環状凸部より小径な中心 孔の一端に該環状凸部より大径の拡径部を形成し、ニツプルの一端外周に拡径部 を環状凸部に嵌合させて周方向に回動可能に設けられ、一端に雄ネジ又は雌ネジ を形成したナツトと；ナツトの内周面又はニツプルの外周面に設けた周溝に収納 してナツトの内周面とニツプルの外周面との間に配置した環状シール部材と；ナ ツトの他端に接してニツプルの外周面に止着され、ナツトとニツプルを互いに回 転可能に且つナツトをニツプルの軸方向に移動不能に係止する係止部材とを具え ；係止部材をニツプルから取り外すことによりナツトをニツプルの他端側に移動 してシール部材の交換ができるようにしたものである。

【００１０】

【作用】

本考案の簡易スイベルホース継手においては、ナツトはニツプルの回りに回転 可能で且つ軸方向に移動可能に設けてあり、しかもナツトは環状凸部によりニツ プルの一端外方に離脱することがなく、更に係止部材を止着すれば軸方向への移 動を規制できるようになっている。従って、ナツトを機器側接続口に螺合して接 続する場合にニツプルに固着したホースが捩れることががなく、又係止部材によ ってナツトは軸方向に移動できなくなるので、接続後に振動等によりナツトが緩 む危険がない。

【００１１】 又、ナツトとニツプルの間に装着する環状シール部材は、周溝内に配置される のでナツトの回転を妨げることがなく且つ十分なシール性を確保できるうえ、使 用中に劣化した場合には、係止部材を取り外した後ナツトを回転して機器側接続 口から取り外し、ホース側に移動させれば環状シール部材が露出するので、環状 シール部材を簡単に交換することができる。

【００１２】

【実施例】

本考案の簡易スイベルホース継手の一具体例を図１に示す。この簡易スイベル ホース継手は、実質的にニツプル６と、ナツト９と、Ｏリング１２等の環状シー ル部材と、係止部材１５とからなっている。ニツプル６はステンレス鋼からなる 略円筒体であり、その一端外周に環状凸部７を有し、環状凸部７以外は同一外径 で他端はホース１を挿着するホース嵌合部８になっている。

【００１３】 ナツト９もステンレス鋼からなり、その中心を軸方向に貫通した中心孔はニツ プル６のホース嵌合部８の外径と同径か若しくはやや大径で且つニツプル６の環 状凸部７の外径よりも小さな内径を有し、中心孔の一端内周にはニツプル６の環 状凸部７を収容し得る（従って環状凸部７より大きな内径の）拡径部１０が形成 してある。又、ナツト９の外周には一端から他端側にテーパーネジの雄ネジ１１ が設けてある。しかし、ナツト９のネジは、機器側接続口のネジに対応してナツ ト９の内周に形成した雌ネジであっても良いことは言うまでもない。

【００１４】 ナツト９はニツプル６の他端からその外周に挿入され、拡径部１０の他端での 中心孔との段差がニツプル６の環状凸部７に当接することで一端側に移動できな くなる。このナツト９がもはや一端側に移動できなくなった位置で、ニツプル６ の一端の環状凸部７はナツト９の内側に完全に収容されるようになっている。

【００１５】 ナツト９とニツプル６との間をシールするため、ニツプル６の環状凸部７の外 周に周溝を設け、その中にＮＢＲからなる運動用のＯリング１２等の環状シール 部材を収納し、ナツト９の拡径部１０の内周と圧接するように配置してある。Ｏ リング１２等の環状シール部材の位置は、ニツプル６とナツト９の間であれば上 記の位置に限られ、ナツト９側に周溝を設けて収納しても良い。

【００１６】 上記のごとくナツト９をニツプル６に挿入した後、ニツプル６の他端のホース 嵌合部８の外周にホース１を挿着し、ホース１の離脱を防止するため通常のごと くホース１とニツプル６が重なった部分にホース１の外周からソケツト１３をか ぶせ、カシメてホース１を締め付け固定する。ホース１の離脱防止のため、好ま しくはニツプル６の外周に複数の溝１４を周方向に形成して、ホース１との摩擦 抵抗を増大させることもできる。

【００１７】 このようにホース１を固定したニツプル６の一端を機器側接続口に当ててナツ ト９を螺合すれば、ナツト９とニツプル６は相互に回転可能であるから、ホース １を捩ることなく機器側接続口に取り付けることができる。その後、ニツプル６ の外周に係止ピンや係止リング等の係止部材１５を装着することにより、ナツト ９は軸方向への移動を停止され、振動等によっても使用中に緩むことがない。し かも、ニツプル６は、係止部材１５を装着した状態でもナツト９に対して回転可 能であるから、ホース１が捩れてもニツプル６が追随して回動するので、ホース １に無理な捩れが生じない。

【００１８】 係止部材１５を抜き取れば、ナツト９は軸方向に移動可能となるから、ナツト ９を機器側接続口から外してホース１側に移動すれば、使用中に劣化したＯリン グ１２等の環状シール部材を露出させて簡単に交換することができる。そのため には、ナツト９を機器側接続口に螺合して係止部材１５を装着したとき、ナツト ９の他端とホース１の一端との間を十分に空けて、即ち環状シール部材が露出す るまでナツト９を移動できる距離を空けて、固定ホース１をニツプル６に固定す る必要がある。

【００１９】 この様に、本考案の簡易スイベルホース継手では、前記し且つ図２に示した従 来のスイベル式継手のごとく特殊なスリーブナツトやアダプターを使用しなくて も、ナツト９を機器側接続口に螺合するだけで簡単にホース１を接続することが できる。しかも、ナツト９はニツプル６の外周で自在に回転できるから、螺合の ためナツト９を回してもニツプル６及びこれに連結されたホース１が捩れること がない。

【００２０】 機器側に接続して使用中にホース１に捩れが生じた場合にも、機器側に固定さ れたナット９に対してニツプル６が回動できるので、ニップル６がホース１に追 随して回動し、ホース１に無理な捩れを生じさせない。又、機器側に接続したナ ット９は係止部材１５で軸方向への移動を規制されるので、使用中に振動等によ りナット９が緩む危険がない。

【００２１】 更に、ニツプル６とナツト９の間にはナツト９が回転できるように僅かな隙間 があるが、両者の間には運動用のＯリング１２等の環状シール部材を配置してあ るので、油その他の流体がこの隙間から外部に漏れ出ることはない。又、ナツト ９の雄ネジ１１若しくは雌ネジには機器側接続口に合わせてテーパーネジを使用 できるから、接続口でのシール性も確保される。

【００２２】 ホース１に油その他の流体を流しながら使用すると、Ｏリング１２等の環状シ ール部材が劣化してシール性が損なわれる。この場合、本法案のスイベルホース 継手では、係止部材１５を抜き取ればナツト９が軸方向に移動可能となるから、 ナツト９を機器側接続口から外してホース１側に移動し、劣化したＯリング１２ 等の環状シール部材を新しいものと簡単に交換することができる。

【００２３】

【考案の効果】

本考案の簡易スイベルホース継手によれば、従来のスイベル式継手よりも部品 点数が少なく安価であると同時に、機器側への接続時にホースを捩ることなく簡 単に且つシール性良くホースを接続でき、接続後も機器側に固定したナットは係 止部材で軸方向に移動しないので振動等で緩まず、且つそのナットに対してニッ プルは回動できるので振動等によってもホースに無理な捩れが生じないうえ、使 用中に劣化した環状シール部材を簡単に交換することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の簡易スイベルホース継手の一具体例を
示す一部切欠側面図である。

【図２】従来のスイベル式継手の具体例を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１ ホース ２ スリーブナツト ３ スリーブ ４ ソケツト ５ アダプター ６ ニップル ７ 環状凸部 ８ ホース嵌合部 ９ ナット １０ 拡径部 １１ 雄ネジ １２ Ｏリング １３ ソケツト １４ 溝 １５ 係止部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端外周に環状凸部を有し、環状凸部か
   ら他端側に延長してホース嵌合部を形成したニツプル
   と；ニツプルのホース嵌合部と同径或は大径で環状凸部
   より小径な中心孔の一端に該環状凸部より大径の拡径部
   を形成し、ニツプルの一端外周に拡径部を環状凸部に嵌
   合させて周方向に回動可能に設けられ、一端に雄ネジ又
   は雌ネジを形成したナツトと；ナツトの内周面又はニツ
   プルの外周面に設けた周溝に収納してナツトの内周面と
   ニツプルの外周面との間に配置した環状シール部材と；
   ナツトの他端に接してニツプルの外周面に止着され、ナ
   ツトとニツプルを互いに回転可能に且つナツトをニツプ
   ルの軸方向に移動不能に係止する係止部材とを具え；係
   止部材をニツプルから取り外すことによりナツトをニツ
   プルの他端側に移動してシール部材の交換ができるよう
   にした簡易スイベルホース継手。