JPH0585803A - セラミツク多層基板用グリーンシート材の製造方法 - Google Patents
セラミツク多層基板用グリーンシート材の製造方法Info
- Publication number
- JPH0585803A JPH0585803A JP3250886A JP25088691A JPH0585803A JP H0585803 A JPH0585803 A JP H0585803A JP 3250886 A JP3250886 A JP 3250886A JP 25088691 A JP25088691 A JP 25088691A JP H0585803 A JPH0585803 A JP H0585803A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- green sheet
- slurry
- filler
- sheet material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Producing Shaped Articles From Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】フィラとガラスの混合に水を使用し、無機粉末
の混合によって得られたスラリを水に溶出した成分とと
もに乾燥してフィラ、ガラスおよびガラスから溶出した
成分の混合粉末をつくり、混合粉末に有機バインダ、分
散剤、可塑剤などを加えて混合し、スラリを形成した
後、スラリをドクターブレード法により支持体上に成形
してシート化する。 【効果】長時間放置してもグリーンシートの表面に析出
物を生じず、長期にわたって保存しても積層圧着性が低
下せず、また、配線パターン印刷後のはがれを生じず、
多層基板の歩留りが良好となる。
の混合によって得られたスラリを水に溶出した成分とと
もに乾燥してフィラ、ガラスおよびガラスから溶出した
成分の混合粉末をつくり、混合粉末に有機バインダ、分
散剤、可塑剤などを加えて混合し、スラリを形成した
後、スラリをドクターブレード法により支持体上に成形
してシート化する。 【効果】長時間放置してもグリーンシートの表面に析出
物を生じず、長期にわたって保存しても積層圧着性が低
下せず、また、配線パターン印刷後のはがれを生じず、
多層基板の歩留りが良好となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層基板用グリーンシー
ト材の製造方法に係り、特に、その製造時にドクターブ
レード法を適用した際、スラリのシート化が容易である
とともに、成形後に成形用支持体から剥離し、保存する
過程でシートの表面に析出物を生じない多層基板用グリ
ーンシート材の製造方法に関する。
ト材の製造方法に係り、特に、その製造時にドクターブ
レード法を適用した際、スラリのシート化が容易である
とともに、成形後に成形用支持体から剥離し、保存する
過程でシートの表面に析出物を生じない多層基板用グリ
ーンシート材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大形計算機をはじめとする電子機
器の高密度化、高速化志向の影響を受けて、高密度多層
配線基板への要請が高まっている。多層配線基板は絶縁
体層と配線層である導体パターン層とを交互に積層して
多層構造としたものである。
器の高密度化、高速化志向の影響を受けて、高密度多層
配線基板への要請が高まっている。多層配線基板は絶縁
体層と配線層である導体パターン層とを交互に積層して
多層構造としたものである。
【0003】このような回路基板の材料はシリコンチッ
プに整合した低い熱膨張係数と信号伝播速度の高速化が
可能な低い誘電率を合わせもつガラスと無機フィラの複
合体が用いられている。
プに整合した低い熱膨張係数と信号伝播速度の高速化が
可能な低い誘電率を合わせもつガラスと無機フィラの複
合体が用いられている。
【0004】ところで、この配線基板の製造工程は通
常、大きくわけて上記ガラス、フィラの複合体よりなる
成形シート、いわゆる、グリーンシートを製造する工程
と、得られたフィラ、ガラス複合体グリーンシートと導
体層とを交互に所定層積層したのみ焼結する工程とから
なっている。
常、大きくわけて上記ガラス、フィラの複合体よりなる
成形シート、いわゆる、グリーンシートを製造する工程
と、得られたフィラ、ガラス複合体グリーンシートと導
体層とを交互に所定層積層したのみ焼結する工程とから
なっている。
【0005】グリーンシートは一般に次のようにして製
造する。すなわち、フィラとガラスの粉末をエタノール
を分散媒として混合し、乾燥した後、該混合粉末に有機
バインダ、分散剤、可塑剤などを配合してスラリ化した
のち成形支持体、シリコン処理したマイラフィルム上に
スラリをドクターブレードによって成形し一定の厚さに
シート化し、乾燥させてからこのシートをフィルムから
剥離せしめてグリーンシートを完成する。
造する。すなわち、フィラとガラスの粉末をエタノール
を分散媒として混合し、乾燥した後、該混合粉末に有機
バインダ、分散剤、可塑剤などを配合してスラリ化した
のち成形支持体、シリコン処理したマイラフィルム上に
スラリをドクターブレードによって成形し一定の厚さに
シート化し、乾燥させてからこのシートをフィルムから
剥離せしめてグリーンシートを完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法で
はフィラとガラスの混合にエタノールを使用していたた
め、上記グリーンシートの保存においてシート表面に析
出物を生じ、グリーンシートの積層圧着性が低下するあ
るいはシート表面上への配線パターンの印刷形成ができ
なくなるという問題を生じる。このグリーンシート表面
上の析出物は空気中の水分によってガラス中のホウ酸が
生じたためである。
はフィラとガラスの混合にエタノールを使用していたた
め、上記グリーンシートの保存においてシート表面に析
出物を生じ、グリーンシートの積層圧着性が低下するあ
るいはシート表面上への配線パターンの印刷形成ができ
なくなるという問題を生じる。このグリーンシート表面
上の析出物は空気中の水分によってガラス中のホウ酸が
生じたためである。
【0007】本発明はこのような従来の問題を解決する
ものであり、フィラとガラスの混合において適正な分散
媒を選ぶことにより、保存過程でシート表面に析出を生
じ、シートの積層圧着性の低下や印刷配線パターンの剥
がれの発生を防止することができるようにしたセラミッ
ク多層基板用グリーンシート材を提供することにある。
ものであり、フィラとガラスの混合において適正な分散
媒を選ぶことにより、保存過程でシート表面に析出を生
じ、シートの積層圧着性の低下や印刷配線パターンの剥
がれの発生を防止することができるようにしたセラミッ
ク多層基板用グリーンシート材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミック多層
基板用グリーンシート材の製造方法は、フィラとガラス
の混合に水を使用し、無機粉末の混合によって得られた
スラリを水に溶出した成分とともに乾燥してフィラ、ガ
ラスおよびガラスから溶出した成分の混合粉末をつく
り、混合粉末に有機バインダ、分散剤、可塑剤などを加
えて混合し、スラリを形成した後、スラリをドクターブ
レード法により支持体上に成形・シート化したことを特
徴とする。
基板用グリーンシート材の製造方法は、フィラとガラス
の混合に水を使用し、無機粉末の混合によって得られた
スラリを水に溶出した成分とともに乾燥してフィラ、ガ
ラスおよびガラスから溶出した成分の混合粉末をつく
り、混合粉末に有機バインダ、分散剤、可塑剤などを加
えて混合し、スラリを形成した後、スラリをドクターブ
レード法により支持体上に成形・シート化したことを特
徴とする。
【0009】
【作用】従来のグリーンシート材の製造方法ではフィラ
とガラス混合においてガラスからホウ酸が溶出し、ガラ
スの組成がかわるのを防ぐため、分散剤には水を用いず
エタノールを用い、フィラとガラスとを混合していた。
しかし、この方法で製造した混合粉を用いてグリーンシ
ートを形成すると空気中の水分によってガラスの表面に
ホウ酸ができるため、グリーンシートの表面にホウ酸か
らなる析出物を生じ、グリーンシートの積層圧着が困難
となる。
とガラス混合においてガラスからホウ酸が溶出し、ガラ
スの組成がかわるのを防ぐため、分散剤には水を用いず
エタノールを用い、フィラとガラスとを混合していた。
しかし、この方法で製造した混合粉を用いてグリーンシ
ートを形成すると空気中の水分によってガラスの表面に
ホウ酸ができるため、グリーンシートの表面にホウ酸か
らなる析出物を生じ、グリーンシートの積層圧着が困難
となる。
【0010】本発明によればフィラとガラスの混合物の
製造において、分散媒として水を用いているため混合中
にガラスの表面からホウ素の酸化物が溶出してホウ酸と
なるが、ホウ酸を含んだスラリをそのまま乾燥すること
によりフィラ、ガラスおよびガラスからの溶出成分であ
るホウの混合粉末が得られる。混合粉末を用いてシート
成形を行なえばガラス表面からはすでにホウ素の酸化物
が溶出しているため、空気中の水分によってガラスの表
面に新たにホウ酸はできず、シート成形後グリーンシー
トの表面に析出物を生じない。また、シートを構成する
フィラ、ガラスおよびガラスから析出したホウ酸の表面
は有機バインダで覆われているため、積層圧着の低下を
まねかない。グリーンシートはフィラ、ガラスおよびガ
ラスから溶出したホウ酸からなるが、焼成工程でガラス
が溶融してホウ酸をガラスのネットワークに取り込むた
め、ガラスの組成はホウ酸が溶出する前の組成と同じと
なり、焼成後にはガラスの組成はかわらない。このため
フィラとガラスの混合において分散媒に水を用いても焼
成後にはガラスの組成は変わらない。
製造において、分散媒として水を用いているため混合中
にガラスの表面からホウ素の酸化物が溶出してホウ酸と
なるが、ホウ酸を含んだスラリをそのまま乾燥すること
によりフィラ、ガラスおよびガラスからの溶出成分であ
るホウの混合粉末が得られる。混合粉末を用いてシート
成形を行なえばガラス表面からはすでにホウ素の酸化物
が溶出しているため、空気中の水分によってガラスの表
面に新たにホウ酸はできず、シート成形後グリーンシー
トの表面に析出物を生じない。また、シートを構成する
フィラ、ガラスおよびガラスから析出したホウ酸の表面
は有機バインダで覆われているため、積層圧着の低下を
まねかない。グリーンシートはフィラ、ガラスおよびガ
ラスから溶出したホウ酸からなるが、焼成工程でガラス
が溶融してホウ酸をガラスのネットワークに取り込むた
め、ガラスの組成はホウ酸が溶出する前の組成と同じと
なり、焼成後にはガラスの組成はかわらない。このため
フィラとガラスの混合において分散媒に水を用いても焼
成後にはガラスの組成は変わらない。
【0011】
【実施例】以下、本発明方法を詳細に説明する。
【0012】まず、ガラス粉末75vol%およびフィラ
粉末25vol%を水を分散媒としてボールミルを用いて
24時間混合し、スラリ状の混合物を作成した。スラリ
を100℃以上の温度で四時間乾燥してガラス粉末とフ
ィラ粉末とからなる混合粉末を作成した。その後、混合
粉末に上記の他の成分、すなわち有機溶媒、有機バイン
ダ、分散剤、可塑剤などを配合してスラリ化した。
粉末25vol%を水を分散媒としてボールミルを用いて
24時間混合し、スラリ状の混合物を作成した。スラリ
を100℃以上の温度で四時間乾燥してガラス粉末とフ
ィラ粉末とからなる混合粉末を作成した。その後、混合
粉末に上記の他の成分、すなわち有機溶媒、有機バイン
ダ、分散剤、可塑剤などを配合してスラリ化した。
【0013】このスラリ作成時には原料粉末を均一に分
散させるため、全体の粘度を10〜200センチポアズ
程度に、さらに好ましくは50〜100センチポアズ程
度に調整することが望ましい。
散させるため、全体の粘度を10〜200センチポアズ
程度に、さらに好ましくは50〜100センチポアズ程
度に調整することが望ましい。
【0014】次いで、上記により得られたスラリをシリ
コン処理したマイラフィルムなどの上に成形・シート化
する。この工程に先立ち、スラリを脱泡し、最終的に得
られるグリーンシートの表面を平坦にし、かつ、充分な
機械的強度を与えるためスラリの粘度を1500〜10
000センチポアス、更に好ましくは3000〜600
0センチポアス程度に調整しておくことが望ましい。成
形・シート化は通常のドクターブレート法により行な
う。このときのシートの厚さは適宜に設定することがで
きる。その後、フィルム上のシートを乾燥する。乾燥法
は赤外線による加熱あるいは熱風乾燥などが適してい
る。最後に、シートを剥離せしめて多層回路用グリーン
シート材を完成する。
コン処理したマイラフィルムなどの上に成形・シート化
する。この工程に先立ち、スラリを脱泡し、最終的に得
られるグリーンシートの表面を平坦にし、かつ、充分な
機械的強度を与えるためスラリの粘度を1500〜10
000センチポアス、更に好ましくは3000〜600
0センチポアス程度に調整しておくことが望ましい。成
形・シート化は通常のドクターブレート法により行な
う。このときのシートの厚さは適宜に設定することがで
きる。その後、フィルム上のシートを乾燥する。乾燥法
は赤外線による加熱あるいは熱風乾燥などが適してい
る。最後に、シートを剥離せしめて多層回路用グリーン
シート材を完成する。
【0015】前述のガラスとしてはAl、Si、Bおよ
びアルカリ金属を主成分とする酸化物からなり、Al2O
3、SiO2、B2O3、Na2O、K2Oに換算して、Al2
O3は0.1〜10wt%、SiO2は60〜85wt
%、B2O3は10〜30wt%、Na2O、K2Oは1〜
5wt%とする。
びアルカリ金属を主成分とする酸化物からなり、Al2O
3、SiO2、B2O3、Na2O、K2Oに換算して、Al2
O3は0.1〜10wt%、SiO2は60〜85wt
%、B2O3は10〜30wt%、Na2O、K2Oは1〜
5wt%とする。
【0016】フィラとしてはアルミナ、コージェライ
ト、ムライト、α−石英、β−スポジューメンから選ば
れた少なくとも一種である。かかるガラス/フィラの複
合体においてB2O3が少ないと焼結温度が高くなり、配
線導体として金、銀または銅を用いることができなくな
る。
ト、ムライト、α−石英、β−スポジューメンから選ば
れた少なくとも一種である。かかるガラス/フィラの複
合体においてB2O3が少ないと焼結温度が高くなり、配
線導体として金、銀または銅を用いることができなくな
る。
【0017】また、フィラ含有量が45vol%を越える
と焼結性が悪くなり、焼結体は緻密化しなくなり機械的
強度が低下する。
と焼結性が悪くなり、焼結体は緻密化しなくなり機械的
強度が低下する。
【0018】本発明の方法はかかるフィラ/ガラス複合
体のシート化に適用してとくに有用である。
体のシート化に適用してとくに有用である。
【0019】このような組成をとるフィラ/ガラス複合
体は焼成温度1100℃以下、特に900〜1000℃
の低温焼成が可能であり、配線導体として低抵抗の金、
銀または銅を用いることができる。また、この基板は熱
膨張率が3.0〜5.0×10~6/℃程度と小さいた
め、Siのαと同程であり、直接LSIチップを実装す
る多層回路基板用に好適である。また、他の特性、例え
ば、誘電率εs4.5〜6.0程度、絶縁抵抗ρ1014
〜15Ω・cmと多層回路基板として充分な特性もある。ま
た、抗折強度も15kg/mm2以上と充分な強度をもつ。
体は焼成温度1100℃以下、特に900〜1000℃
の低温焼成が可能であり、配線導体として低抵抗の金、
銀または銅を用いることができる。また、この基板は熱
膨張率が3.0〜5.0×10~6/℃程度と小さいた
め、Siのαと同程であり、直接LSIチップを実装す
る多層回路基板用に好適である。また、他の特性、例え
ば、誘電率εs4.5〜6.0程度、絶縁抵抗ρ1014
〜15Ω・cmと多層回路基板として充分な特性もある。ま
た、抗折強度も15kg/mm2以上と充分な強度をもつ。
【0020】前述した有機溶剤はトリクロルエチレン、
テトラクロルエチレンおよびn−ブタノールからなるア
ゼオトロープ組成の有機溶剤、あるいは、メチルエチル
ケトン、n−ブタノール、アセトン、エチルアルコール
などの有機溶剤、また有機バインダはポリビニルブチラ
ール、アクリル酸エステル重合体もしくは共重合体、メ
タクリル酸エステル重合体もしくは共重合体、ジブチル
フタレート、エチルフタリル・ブチルグリコレートなど
の可塑剤を用いることができる。
テトラクロルエチレンおよびn−ブタノールからなるア
ゼオトロープ組成の有機溶剤、あるいは、メチルエチル
ケトン、n−ブタノール、アセトン、エチルアルコール
などの有機溶剤、また有機バインダはポリビニルブチラ
ール、アクリル酸エステル重合体もしくは共重合体、メ
タクリル酸エステル重合体もしくは共重合体、ジブチル
フタレート、エチルフタリル・ブチルグリコレートなど
の可塑剤を用いることができる。
【0021】次に本発明の具体的実施例について説明す
る。
る。
【0022】表示のガラス粉末とフィラを水あるいはエ
タノールを分散媒として所定の混合比でボールミルによ
り混合し、スラリ状の混合物を得た。このスラリを乾燥
してガラスを乾燥してガラス粉末とフィラの混合粉を作
成した。
タノールを分散媒として所定の混合比でボールミルによ
り混合し、スラリ状の混合物を得た。このスラリを乾燥
してガラスを乾燥してガラス粉末とフィラの混合粉を作
成した。
【0023】次いでこの混合粉末100重量部に対して
以下の成分をそれぞれ配合してスラリ化した。すなわ
ち、トリクロルエチレンが120.5重量部、テトラク
ロルエチレンが34.1重量部、n−ブタノールが4
5.5重量部、ポリビニルブチラールが5.9重量部で
ある。
以下の成分をそれぞれ配合してスラリ化した。すなわ
ち、トリクロルエチレンが120.5重量部、テトラク
ロルエチレンが34.1重量部、n−ブタノールが4
5.5重量部、ポリビニルブチラールが5.9重量部で
ある。
【0024】これらの混合時にはスラリの粘度を約50
0センチポアズにした。その後、スラリを脱泡し、再
び、粘度を5000センチポアズ程度に調整してから通
常のトクターブレード装置を使用してシリコン処理した
マイラフイルム上に厚さ230μmのシートを成形し
た。次いでマイラフイルム上のシートを熱風加熱装置に
より除々に温度を上昇させ、最終的に約120℃で約3
0分間乾燥させたのちシートをフィルムから剥離した。
0センチポアズにした。その後、スラリを脱泡し、再
び、粘度を5000センチポアズ程度に調整してから通
常のトクターブレード装置を使用してシリコン処理した
マイラフイルム上に厚さ230μmのシートを成形し
た。次いでマイラフイルム上のシートを熱風加熱装置に
より除々に温度を上昇させ、最終的に約120℃で約3
0分間乾燥させたのちシートをフィルムから剥離した。
【0025】このグリーンシートを通常の雰囲気で10
日間保管した後、シート上にAuペーストを用いてスク
リーンシート印刷により配線パターンを形成し、乾燥し
た。
日間保管した後、シート上にAuペーストを用いてスク
リーンシート印刷により配線パターンを形成し、乾燥し
た。
【0026】グリーンシートを複数枚重ね、100℃の
温度、150kg/cm2の圧力で加圧し、積層体を形成し
た。最後に上記積層体を950℃で二時間焼成して多層
回路基板を得た。
温度、150kg/cm2の圧力で加圧し、積層体を形成し
た。最後に上記積層体を950℃で二時間焼成して多層
回路基板を得た。
【0027】このようにして作成した1〜12の十二種
類のグリーンシート、及び多層回路基板について、グリ
ーンシート表面の析出物の有無、積層圧着時の剥がれ、
導体ペーストの印刷、乾燥後におけるグリーンシートに
対する密着性について観察した結果を下記の表1に示
す。
類のグリーンシート、及び多層回路基板について、グリ
ーンシート表面の析出物の有無、積層圧着時の剥がれ、
導体ペーストの印刷、乾燥後におけるグリーンシートに
対する密着性について観察した結果を下記の表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】表1より明らかなようにガラス中のBの割
合がB2O3に換算して15wt%以上のガラス粉末を用
いてガラス/フィラ混合粉末からなるグリーンシートを
作成する場合、分散媒にエタノールを用いるとグリーン
シート成形後の保管において空気中の水分によって析出
物を生じて積層圧着性が低下し、また印刷後の配線パタ
ーンが剥がれた。しかし、分散媒に水を用いると保管に
おいて析出物を生じず、積層圧着性も良好で、印刷後の
配線パターンの密着性も十分であった。
合がB2O3に換算して15wt%以上のガラス粉末を用
いてガラス/フィラ混合粉末からなるグリーンシートを
作成する場合、分散媒にエタノールを用いるとグリーン
シート成形後の保管において空気中の水分によって析出
物を生じて積層圧着性が低下し、また印刷後の配線パタ
ーンが剥がれた。しかし、分散媒に水を用いると保管に
おいて析出物を生じず、積層圧着性も良好で、印刷後の
配線パターンの密着性も十分であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、フィラとガラスの混合
粉末の作成において、分散媒に水を用いることにより、
長時間放置してもグリーンシートの表面に析出物を生じ
ず、長期にわたって保存しても積層圧着性が低下せず、
また、配線パターン印刷後パターンのはがれを生じず、
多層基板の歩留りが良好となる。
粉末の作成において、分散媒に水を用いることにより、
長時間放置してもグリーンシートの表面に析出物を生じ
ず、長期にわたって保存しても積層圧着性が低下せず、
また、配線パターン印刷後パターンのはがれを生じず、
多層基板の歩留りが良好となる。
Claims (3)
- 【請求項1】ガラス粉末と無機フィラを主成分として含
有するグリーンシートの製造において、前記ガラス粉末
と前記無機フィラを水を分散媒として混合した後、前記
ガラス粉末のスラリを乾燥して混合粉を調整し、前記混
合粉をドクターブレード法により支持体上に成形、シー
ト化したことを特徴とするセラミック多層基板用グリー
ンシート材の製造方法。 - 【請求項2】請求項1において、前記ガラス粉末がホウ
素およびケイ素の酸化物を主成分とする粉末である多層
基板用グリーンシート材の製造方法。 - 【請求項3】請求項1において、前記無機フィラがアル
ミナ、石英、ムライト、コージェライト、B−スポジュ
ーメンから選ばれた少なくとも一種である多層基板用グ
リーンシート材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3250886A JPH0585803A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | セラミツク多層基板用グリーンシート材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3250886A JPH0585803A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | セラミツク多層基板用グリーンシート材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0585803A true JPH0585803A (ja) | 1993-04-06 |
Family
ID=17214487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3250886A Pending JPH0585803A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | セラミツク多層基板用グリーンシート材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0585803A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9840438B2 (en) | 2014-04-25 | 2017-12-12 | Corning Incorporated | Antimicrobial article with functional coating and methods for making the antimicrobial article |
-
1991
- 1991-09-30 JP JP3250886A patent/JPH0585803A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9840438B2 (en) | 2014-04-25 | 2017-12-12 | Corning Incorporated | Antimicrobial article with functional coating and methods for making the antimicrobial article |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2906282B2 (ja) | ガラスセラミック・グリーンシートと多層基板、及び、その製造方法 | |
EP0132740B1 (en) | Method of forming a dielectric substrate | |
US3423517A (en) | Monolithic ceramic electrical interconnecting structure | |
GB1565421A (en) | Manufacture of electrical devices | |
JP2006165585A (ja) | セラミック多層プリント回路基板 | |
WO2000060613A1 (en) | Conductive paste, ceramic multilayer substrate, and method for manufacturing ceramic multilayer substrate | |
JPH0811696B2 (ja) | 多層ガラスセラミック基板とその製造方法 | |
JP5071559B2 (ja) | 積層型セラミック電子部品およびその製造方法 | |
KR940002032B1 (ko) | 그린쉬트 준비방법 | |
JPH0585803A (ja) | セラミツク多層基板用グリーンシート材の製造方法 | |
CN103748048A (zh) | 用于低k、低温共烧复合材料(ltcc)带材的组合物以及由此形成的低收缩、多层ltcc结构 | |
JPH07108832B2 (ja) | 低誘電率基板およびその製法 | |
JPH08125339A (ja) | 多層配線基板の製造方法 | |
JPH06334282A (ja) | セラミック多層基板用グリーンシート | |
JP2000026163A (ja) | 低誘電率基板の製法 | |
JP2892163B2 (ja) | 低温焼成ガラスセラミック体 | |
JPS62209895A (ja) | セラミツク多層配線基板用絶縁ペ−スト | |
JPH06338686A (ja) | 多層基板の製造方法 | |
JP3103686B2 (ja) | 多層回路基板 | |
JPH09153681A (ja) | 低温焼成基板製造用内蔵抵抗ペースト | |
JPH0616454A (ja) | 回路基板用ガラス材料及び回路基板 | |
JPH05315720A (ja) | ガラス又はガラス・セラミックス基板用導体材料 | |
JPH0547960A (ja) | ガラスセラミツク多層基板の製造方法 | |
JPH04291994A (ja) | 複合セラミックス回路基板の製造方法 | |
JPS6131347A (ja) | 磁器組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |