JPH0584784A - 圧縮機構を内蔵する射出成形用金型 - Google Patents
圧縮機構を内蔵する射出成形用金型Info
- Publication number
- JPH0584784A JPH0584784A JP24819591A JP24819591A JPH0584784A JP H0584784 A JPH0584784 A JP H0584784A JP 24819591 A JP24819591 A JP 24819591A JP 24819591 A JP24819591 A JP 24819591A JP H0584784 A JPH0584784 A JP H0584784A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compression
- cavity
- resin
- gate
- runner
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】一般の射出成形機に適用でき、しかも型締め時
において通常の型締め圧に加えて強力な圧縮を可能にし
て、高品質の成形製品を製造するとともに、多品種少量
生産の要求にも十分対応できる金型構造を提供する。 【構成】金型は1枚のランナーストリッパープレートと
前記キャビティを有する2枚の金型板とを備えており、
前記金型板の1枚には、一端面が前記ランナーと連通
し、2次スプルーを介して他端面にピンポイントゲート
を有する2次スプルーブシュが、前記ランナーストリッ
パプレートに向けて弾性的に付勢された状態で貫通して
設けられ、前記ランナーストリッパプレートには、型締
め機構の一部作動手段に連動して前記2次スプルーブシ
ュの前記一端面を押圧する圧縮部材を備えていることを
特徴としている。なお、好ましくは前記圧縮部材が前記
作動手段による力を増幅して前記2次スプルーブシュの
前記一端面を押圧する構造が採用される。
において通常の型締め圧に加えて強力な圧縮を可能にし
て、高品質の成形製品を製造するとともに、多品種少量
生産の要求にも十分対応できる金型構造を提供する。 【構成】金型は1枚のランナーストリッパープレートと
前記キャビティを有する2枚の金型板とを備えており、
前記金型板の1枚には、一端面が前記ランナーと連通
し、2次スプルーを介して他端面にピンポイントゲート
を有する2次スプルーブシュが、前記ランナーストリッ
パプレートに向けて弾性的に付勢された状態で貫通して
設けられ、前記ランナーストリッパプレートには、型締
め機構の一部作動手段に連動して前記2次スプルーブシ
ュの前記一端面を押圧する圧縮部材を備えていることを
特徴としている。なお、好ましくは前記圧縮部材が前記
作動手段による力を増幅して前記2次スプルーブシュの
前記一端面を押圧する構造が採用される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般の射出成形機に適
用でき、しかも型締め時において通常の型締め圧に加え
て強力な圧縮を可能にした金型構造に関する。
用でき、しかも型締め時において通常の型締め圧に加え
て強力な圧縮を可能にした金型構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂のような結晶性の高
い合成樹脂材料を使って射出成形する場合、成形製品の
表面には様々な欠陥が発生しやすい。しかも、キャビテ
ィ内に突起物を有し、キャビティ内における溶融樹脂の
流れを一旦分岐させたのち、再び合流させて樹脂充填が
なされるような場合は、特にその表面欠陥の発生を促進
する。
い合成樹脂材料を使って射出成形する場合、成形製品の
表面には様々な欠陥が発生しやすい。しかも、キャビテ
ィ内に突起物を有し、キャビティ内における溶融樹脂の
流れを一旦分岐させたのち、再び合流させて樹脂充填が
なされるような場合は、特にその表面欠陥の発生を促進
する。
【0003】例えば、四つ穴ボタンを射出成形する工程
は、可塑化−加圧流動−賦形−固化の順であり、このう
ち賦形から固化の段階において、可塑化された溶融樹脂
の流れは糸通し穴を賦形するためにキャビティ内に突出
する4本のピン部分で分岐流及び合流現象が起き、ウェ
ルドラインの発生が避けられない。また、特にポリアセ
タール樹脂は融点と結晶化温度の差が小さく、いわゆる
結晶化スピードが早いために、射出され金型内で急速に
冷却される樹脂はキャビティ内の圧力勾配差や冷却速度
差、更には通常の流動乱れに加えた前記分岐流などによ
り、特にヒケなどの外観不良が発生しやすい。
は、可塑化−加圧流動−賦形−固化の順であり、このう
ち賦形から固化の段階において、可塑化された溶融樹脂
の流れは糸通し穴を賦形するためにキャビティ内に突出
する4本のピン部分で分岐流及び合流現象が起き、ウェ
ルドラインの発生が避けられない。また、特にポリアセ
タール樹脂は融点と結晶化温度の差が小さく、いわゆる
結晶化スピードが早いために、射出され金型内で急速に
冷却される樹脂はキャビティ内の圧力勾配差や冷却速度
差、更には通常の流動乱れに加えた前記分岐流などによ
り、特にヒケなどの外観不良が発生しやすい。
【0004】かかる点を回避するには、例えば冷却温
度、キャビティ形状、ゲート径などの射出条件を適切に
設定することが必須とされるが、キャビティ内における
樹脂流れの配向に基づき縦横方向に生じる収縮率の差や
キャビティー形状による圧力勾配差、冷却速度差などに
基づいて発生するウェルドラインやヒケ等の外観不良を
なくす一つの手段として、溶融樹脂を更に圧縮すること
が考えられる。
度、キャビティ形状、ゲート径などの射出条件を適切に
設定することが必須とされるが、キャビティ内における
樹脂流れの配向に基づき縦横方向に生じる収縮率の差や
キャビティー形状による圧力勾配差、冷却速度差などに
基づいて発生するウェルドラインやヒケ等の外観不良を
なくす一つの手段として、溶融樹脂を更に圧縮すること
が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のこの
種の射出成形機は製品毎の専用機に限られており、通常
の射出成形機に圧縮機構を具備させようとすると大幅な
構造上の変更が余儀なくされ、しかも極めて複雑なもの
となる。これは、到底コストの上からも採用できるもの
でなく、特に近年のように多品種少量生産が要求される
時代では、製品毎の専用機を用意することは勿論のこ
と、製品毎に構造変更をすることは不可能なことであ
る。
種の射出成形機は製品毎の専用機に限られており、通常
の射出成形機に圧縮機構を具備させようとすると大幅な
構造上の変更が余儀なくされ、しかも極めて複雑なもの
となる。これは、到底コストの上からも採用できるもの
でなく、特に近年のように多品種少量生産が要求される
時代では、製品毎の専用機を用意することは勿論のこ
と、製品毎に構造変更をすることは不可能なことであ
る。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は射出成形機自体には何らの変更を加え
ることをせず、金型に多少の変更を加えるだけで成形時
の圧縮を可能にして高品質の成形製品を製造するととも
に、多品種少量生産の要求にも十分対応できるようにす
ることにある。
あり、その目的は射出成形機自体には何らの変更を加え
ることをせず、金型に多少の変更を加えるだけで成形時
の圧縮を可能にして高品質の成形製品を製造するととも
に、多品種少量生産の要求にも十分対応できるようにす
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め本発明は、スプルー、ランナー、ゲート及びキャビテ
ィを有し、ノズルから射出された溶融樹脂をスプルー、
ランナー、ゲートを通してキャビティに注入し製品を成
形する射出成形用金型において、前記金型は1枚のラン
ナーストリッパープレートと前記キャビティを有する2
枚の金型板とを備えており、前記金型板の1枚には、一
端面が前記ランナーと連通し、2次スプルーを介して他
端面にピンポイントゲートを有する2次スプルーブシュ
が、前記ランナーストリッパプレートに向けて弾性的に
付勢された状態で貫通して設けられ、前記ランナースト
リッパプレートには、型締め機構の一部作動手段に連動
して前記2次スプルーブシュの前記一端面を押圧する圧
縮部材を備えていることを特徴としている。なお、好ま
しくは前記圧縮部材が前記作動手段による力を増幅して
前記2次スプルーブシュの前記一端面を押圧する構造が
採用される。
め本発明は、スプルー、ランナー、ゲート及びキャビテ
ィを有し、ノズルから射出された溶融樹脂をスプルー、
ランナー、ゲートを通してキャビティに注入し製品を成
形する射出成形用金型において、前記金型は1枚のラン
ナーストリッパープレートと前記キャビティを有する2
枚の金型板とを備えており、前記金型板の1枚には、一
端面が前記ランナーと連通し、2次スプルーを介して他
端面にピンポイントゲートを有する2次スプルーブシュ
が、前記ランナーストリッパプレートに向けて弾性的に
付勢された状態で貫通して設けられ、前記ランナースト
リッパプレートには、型締め機構の一部作動手段に連動
して前記2次スプルーブシュの前記一端面を押圧する圧
縮部材を備えていることを特徴としている。なお、好ま
しくは前記圧縮部材が前記作動手段による力を増幅して
前記2次スプルーブシュの前記一端面を押圧する構造が
採用される。
【0008】
【作用】型締装置により型が閉められた状態で、可塑化
され溶融状態にある樹脂が射出ノズルから1次スプルー
ブシュのスプルー内に注入され、ランナー、2次スプル
ー及びピンポイントゲートを通ってキャビティ内に充填
される。
され溶融状態にある樹脂が射出ノズルから1次スプルー
ブシュのスプルー内に注入され、ランナー、2次スプル
ー及びピンポイントゲートを通ってキャビティ内に充填
される。
【0009】このとき、ゲートからキャビティ内に流入
する溶融樹脂は、キャビティの対向面から内面の外周に
向けて流れ、同時に冷却が進行する。通常の成形では、
樹脂の配向性に基づく縦横方向の収縮差、キャビティの
ゲート部と末端部における圧力勾配差や冷却速度差など
の影響によりウェルドラインやヒケが発生する。
する溶融樹脂は、キャビティの対向面から内面の外周に
向けて流れ、同時に冷却が進行する。通常の成形では、
樹脂の配向性に基づく縦横方向の収縮差、キャビティの
ゲート部と末端部における圧力勾配差や冷却速度差など
の影響によりウェルドラインやヒケが発生する。
【0010】本発明では、ピンポイントゲート内の樹脂
が固化された後、いわゆるゲートシールの状態になると
同時に、射出成形機に備えられた作動手段を作動させ
る。作動手段が作動すると圧縮部材にその動きが伝えら
れ、圧縮部材が2次スプルーブシュ9の端面をキャビテ
ィ方向に押圧する。
が固化された後、いわゆるゲートシールの状態になると
同時に、射出成形機に備えられた作動手段を作動させ
る。作動手段が作動すると圧縮部材にその動きが伝えら
れ、圧縮部材が2次スプルーブシュ9の端面をキャビテ
ィ方向に押圧する。
【0011】圧縮部材は、例えば梃子部材からなり、そ
の先端の押圧部と支持点間の距離を後端部と支持点間の
距離より短く設定して、その後端部の移動量に比して押
圧部の移動量は小さくし、且つ押圧部による押圧力を作
動手段による梃子部材の押上げ力を増幅し、2次スプル
ーブシュによるキャビティ内の樹脂を強力に圧縮する。
の先端の押圧部と支持点間の距離を後端部と支持点間の
距離より短く設定して、その後端部の移動量に比して押
圧部の移動量は小さくし、且つ押圧部による押圧力を作
動手段による梃子部材の押上げ力を増幅し、2次スプル
ーブシュによるキャビティ内の樹脂を強力に圧縮する。
【0012】この2次圧縮により、キャビティ内におけ
る樹脂流動の配向が緩和され収縮率と圧力勾配差がなく
なり、同時に樹脂内に密度差の生じている部分がなくな
って、ウェルドラインやヒケのない極めて精度の高い製
品が得られる。
る樹脂流動の配向が緩和され収縮率と圧力勾配差がなく
なり、同時に樹脂内に密度差の生じている部分がなくな
って、ウェルドラインやヒケのない極めて精度の高い製
品が得られる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図示実施例により具体的に説
明する。なお、以下の説明及び各図において金型が通常
具備する部材のうち本発明と直接関係のない部材につい
ては、その説明及び図示を省略している。
明する。なお、以下の説明及び各図において金型が通常
具備する部材のうち本発明と直接関係のない部材につい
ては、その説明及び図示を省略している。
【0014】図1は本発明の代表的な実施例である射出
成形機の四つ穴ボタン用金型を示し、符号1は固定側取
付プレート、2はランナーストリッパプレート、3は固
定側プレート、4は可動側プレート、5はスペーサブロ
ック、6は可動側取付けプレートである。
成形機の四つ穴ボタン用金型を示し、符号1は固定側取
付プレート、2はランナーストリッパプレート、3は固
定側プレート、4は可動側プレート、5はスペーサブロ
ック、6は可動側取付けプレートである。
【0015】固定側取付プレート1の中央部には1次ス
プルーブシュ7がロケートリング7−1により固定され
ており、1次スプルーブシュ7の先端はランナーストリ
ッパプレート2に形成されているランナー8まで延設さ
れている。また、固定側取付プレート1の段付き貫通穴
1−1には頭部付きランナーロックピン16が挿通さ
れ、その先端係合部は上記ランナー8に開口するランナ
ーストリッパプレート2の貫通孔2−1を貫通してい
る。
プルーブシュ7がロケートリング7−1により固定され
ており、1次スプルーブシュ7の先端はランナーストリ
ッパプレート2に形成されているランナー8まで延設さ
れている。また、固定側取付プレート1の段付き貫通穴
1−1には頭部付きランナーロックピン16が挿通さ
れ、その先端係合部は上記ランナー8に開口するランナ
ーストリッパプレート2の貫通孔2−1を貫通してい
る。
【0016】ランナーストリッパプレート2には、前記
1次スプルーブシュ7のスプルー7−2に連通するよう
にランナー8が形成されると共に、本発明の特徴部をな
す圧縮部材15が付設されている。図示実施例によれ
ば、前記圧縮部材15は一端に押圧片15−1が突出し
た略L字状をした梃子部材であり、該梃子部材15の長
さ方向の中心位置より所定の寸法比をもった押圧片寄り
の偏芯位置でピン17を介してランナーストリッパプレ
ート2に回動自在に枢着支持されている。
1次スプルーブシュ7のスプルー7−2に連通するよう
にランナー8が形成されると共に、本発明の特徴部をな
す圧縮部材15が付設されている。図示実施例によれ
ば、前記圧縮部材15は一端に押圧片15−1が突出し
た略L字状をした梃子部材であり、該梃子部材15の長
さ方向の中心位置より所定の寸法比をもった押圧片寄り
の偏芯位置でピン17を介してランナーストリッパプレ
ート2に回動自在に枢着支持されている。
【0017】固定側取付プレート3には2次スプルーブ
シュ挿入用の貫通孔と圧縮アームピン挿入用の貫通孔が
平行して形成されており、前記2次スプルーブシュ挿入
用の貫通孔には2次スプルーブシュ9が摺動自在に且つ
圧縮スプリング18により前記ランナーストリッパプレ
ート2の当接方向に付勢されて嵌挿され、前記圧縮アー
ムピン挿入用の貫通孔には圧縮アームピン14の先端部
が摺動自在に嵌挿されている。前記2次スプルーブシュ
9は軸線上にスプルー9−1とピンポイントゲート10
を有し、スプルー9−1の入口が丁度ランナーストリッ
パプレート2に形成されているランナー8に連通し、そ
の出口のピンポイントゲート10は当然にキャビティ1
1内に開口している。しかも、2次スプルーブシュ9の
ランナーストリッパプレート2側の端面の一部が、上記
梃子部材15の押圧片15−1に当接する位置に設定さ
れると共に、前記圧縮アームピン14の先端が上記梃子
部材15の後端部に当接する位置に設定される。
シュ挿入用の貫通孔と圧縮アームピン挿入用の貫通孔が
平行して形成されており、前記2次スプルーブシュ挿入
用の貫通孔には2次スプルーブシュ9が摺動自在に且つ
圧縮スプリング18により前記ランナーストリッパプレ
ート2の当接方向に付勢されて嵌挿され、前記圧縮アー
ムピン挿入用の貫通孔には圧縮アームピン14の先端部
が摺動自在に嵌挿されている。前記2次スプルーブシュ
9は軸線上にスプルー9−1とピンポイントゲート10
を有し、スプルー9−1の入口が丁度ランナーストリッ
パプレート2に形成されているランナー8に連通し、そ
の出口のピンポイントゲート10は当然にキャビティ1
1内に開口している。しかも、2次スプルーブシュ9の
ランナーストリッパプレート2側の端面の一部が、上記
梃子部材15の押圧片15−1に当接する位置に設定さ
れると共に、前記圧縮アームピン14の先端が上記梃子
部材15の後端部に当接する位置に設定される。
【0018】可動側プレート4のキャビティ11には糸
通し孔形成用の4本の突起11−1が突出しており、上
記固定側プレート3の圧縮アームピン挿入用貫通孔に対
応する位置には、同じく圧縮アームピン挿入用貫通孔1
1−2が形成されている。
通し孔形成用の4本の突起11−1が突出しており、上
記固定側プレート3の圧縮アームピン挿入用貫通孔に対
応する位置には、同じく圧縮アームピン挿入用貫通孔1
1−2が形成されている。
【0019】圧縮アームピン14の基端部は、可動側プ
レート4、スペーサブロック5及び可動側取付プレート
6により挟まれて形成される空間内に設置されたエジェ
クタプレート13に固着されている。
レート4、スペーサブロック5及び可動側取付プレート
6により挟まれて形成される空間内に設置されたエジェ
クタプレート13に固着されている。
【0020】前記可動側プレート4の中央部にはエジェ
クタロッド12の進退用貫通穴が形成されている。
クタロッド12の進退用貫通穴が形成されている。
【0021】以上の構成からなる図1に示す金型を使っ
て四つ穴ボタンを成形するときは、金型が図1に示す状
態、すなわち図示せぬ型締装置により型が閉められた状
態で、可塑化され溶融状態にあるポリアセタール樹脂が
図示せぬ射出ノズルから1次スプルーブシュ7のスプル
ー7−2内に注入され、ランナー8、2次スプルー9−
1及びピンポイントゲート10を通ってキャビティ11
内に充填される。
て四つ穴ボタンを成形するときは、金型が図1に示す状
態、すなわち図示せぬ型締装置により型が閉められた状
態で、可塑化され溶融状態にあるポリアセタール樹脂が
図示せぬ射出ノズルから1次スプルーブシュ7のスプル
ー7−2内に注入され、ランナー8、2次スプルー9−
1及びピンポイントゲート10を通ってキャビティ11
内に充填される。
【0022】このとき、ゲート10からキャビティ11
内に流入する溶融樹脂は、キャビティ11の対向面から
内面の外周に向けて流れるが、その途中で4本の突起1
1−1により分岐流及び合流現象が生じると同時に冷却
が進行する。通常の成形では、前記現象による樹脂の配
向性に基づく縦横方向の収縮差、キャビティのゲート部
と末端部における圧力勾配差や冷却速度差などの影響に
よりウェルドラインやヒケが発生する。
内に流入する溶融樹脂は、キャビティ11の対向面から
内面の外周に向けて流れるが、その途中で4本の突起1
1−1により分岐流及び合流現象が生じると同時に冷却
が進行する。通常の成形では、前記現象による樹脂の配
向性に基づく縦横方向の収縮差、キャビティのゲート部
と末端部における圧力勾配差や冷却速度差などの影響に
よりウェルドラインやヒケが発生する。
【0023】本発明では、ピンポイントゲート10の樹
脂が固化された後、いわゆるキャビティ11内の樹脂が
前記ゲート10内を溶融移動できない状態(ゲートシー
ルと呼称される。)になると同時に、図2に示すように
射出成形機のエジェクタ装置に取り付けられているエジ
ェクタロッド12を作動させてエジェクタプレート13
を押し上げる。
脂が固化された後、いわゆるキャビティ11内の樹脂が
前記ゲート10内を溶融移動できない状態(ゲートシー
ルと呼称される。)になると同時に、図2に示すように
射出成形機のエジェクタ装置に取り付けられているエジ
ェクタロッド12を作動させてエジェクタプレート13
を押し上げる。
【0024】エジェクタプレート13が押し上げられる
と、エジェクタプレート13に基端部が固定された圧縮
アームピン14にその動きが伝えられ、圧縮アームピン
14の先端がランナーストリッパプレート2内に取り付
けられた梃子部材15の後端部を押し上げ、梃子部材1
5の押圧片15−1はピン17を中心に回転して2次ス
プルーブシュ9の端面をキャビティ11方向に押圧す
る。
と、エジェクタプレート13に基端部が固定された圧縮
アームピン14にその動きが伝えられ、圧縮アームピン
14の先端がランナーストリッパプレート2内に取り付
けられた梃子部材15の後端部を押し上げ、梃子部材1
5の押圧片15−1はピン17を中心に回転して2次ス
プルーブシュ9の端面をキャビティ11方向に押圧す
る。
【0025】梃子部材15は、先端の押圧片15−1と
ピン17間の距離に比して後端部とピン17間の距離を
所望の設定比で大きくとってあるため、その後端部の移
動量に比して押圧片15−1の移動量は小さく、且つ押
圧片15−1による押圧力は圧縮アームピン14による
梃子部材15の押上げ力を増幅し、2次スプルーブシュ
9によるキャビティ11内の樹脂を強力に圧縮する。
ピン17間の距離に比して後端部とピン17間の距離を
所望の設定比で大きくとってあるため、その後端部の移
動量に比して押圧片15−1の移動量は小さく、且つ押
圧片15−1による押圧力は圧縮アームピン14による
梃子部材15の押上げ力を増幅し、2次スプルーブシュ
9によるキャビティ11内の樹脂を強力に圧縮する。
【0026】この2次圧縮により、キャビティ11内に
おける樹脂流動の配向が緩和され収縮率と圧力勾配差が
なくなり、同時に樹脂内に密度差の生じている部分がな
くなって、ウェルドラインやヒケのない極めて精度の高
い製品が得られる。
おける樹脂流動の配向が緩和され収縮率と圧力勾配差が
なくなり、同時に樹脂内に密度差の生じている部分がな
くなって、ウェルドラインやヒケのない極めて精度の高
い製品が得られる。
【0027】以上は本発明の好適な実施例について説明
したものであるが、上述の説明から明らかなごとく本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図3
にはその変形例の一つが概略で示されている。
したものであるが、上述の説明から明らかなごとく本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図3
にはその変形例の一つが概略で示されている。
【0028】該変形例によると、樹脂の流動路が1次ス
プルー7−2を経てランナー12を通り、2次スプルー
9−1にて逆方向に流動する金型構造において、2次ス
プルーブシュ9を可動側プレート3に取り付け、受け板
2’の2次スプルーブシュ9の樹脂入口に対応する部位
に貫通穴を形成し、該貫通穴に2次スプルーブシュ9を
成形製品の圧縮分Lだけ押し上げるための圧縮ロッド1
9が挿通される。該圧縮ロッド19のエジェクタプレー
ト13側の端部は受け板2’から僅かに突出している。
また、前記受け板2’の下面には一対のリンク固定ブロ
ック23,24が固設され、ピンで連結された2連の第
1リンク20と第2リンク21のそれぞれ中間部が、第
2リンク21の自由端の上面を前記圧縮ロッド19の突
出端面に当接させるようにして前記各リンク固定ブロッ
ク23,24により回動自在に枢支される。前記第1リ
ンク20の自由端の下面には、エジェクタプレート13
に固設された圧縮アームピン14の上端が当接される。
上記第1リンク20及び第2リンク21の各支点と作用
点の位置関係を適当に設定することにより、圧縮アーム
ピン14の押し上げ力を上記圧縮ロッド19に増力して
伝達することができ、所望の圧縮力が得られる。
プルー7−2を経てランナー12を通り、2次スプルー
9−1にて逆方向に流動する金型構造において、2次ス
プルーブシュ9を可動側プレート3に取り付け、受け板
2’の2次スプルーブシュ9の樹脂入口に対応する部位
に貫通穴を形成し、該貫通穴に2次スプルーブシュ9を
成形製品の圧縮分Lだけ押し上げるための圧縮ロッド1
9が挿通される。該圧縮ロッド19のエジェクタプレー
ト13側の端部は受け板2’から僅かに突出している。
また、前記受け板2’の下面には一対のリンク固定ブロ
ック23,24が固設され、ピンで連結された2連の第
1リンク20と第2リンク21のそれぞれ中間部が、第
2リンク21の自由端の上面を前記圧縮ロッド19の突
出端面に当接させるようにして前記各リンク固定ブロッ
ク23,24により回動自在に枢支される。前記第1リ
ンク20の自由端の下面には、エジェクタプレート13
に固設された圧縮アームピン14の上端が当接される。
上記第1リンク20及び第2リンク21の各支点と作用
点の位置関係を適当に設定することにより、圧縮アーム
ピン14の押し上げ力を上記圧縮ロッド19に増力して
伝達することができ、所望の圧縮力が得られる。
【0029】この変形例の場合も、樹脂の射出後にエジ
ェクタロッド12を突き出し作動させると、2連リンク
20,21を介して増力され、圧縮ロッド19の圧縮力
は圧縮アームピン14の押上げ力よりも大きくなり、成
形製品を所定の圧縮力で圧縮することが可能となる。
ェクタロッド12を突き出し作動させると、2連リンク
20,21を介して増力され、圧縮ロッド19の圧縮力
は圧縮アームピン14の押上げ力よりも大きくなり、成
形製品を所定の圧縮力で圧縮することが可能となる。
【0030】
【発明の効果】以上詳しく説明したごとく、本発明によ
れば外観不良が発生しやすい樹脂材料の射出成形にあっ
ても、通常の射出成形機本体には格別の変更を加えるこ
となく、単に金型構造を変更するだけで射出成形機本体
に付属する作動部材を利用して2次圧縮のできる射出成
形が可能となり、従って多品種少量生産にもよく対応で
き、特に外観の美麗さが要求される各種装飾品などの成
形には広く応用できるものである。
れば外観不良が発生しやすい樹脂材料の射出成形にあっ
ても、通常の射出成形機本体には格別の変更を加えるこ
となく、単に金型構造を変更するだけで射出成形機本体
に付属する作動部材を利用して2次圧縮のできる射出成
形が可能となり、従って多品種少量生産にもよく対応で
き、特に外観の美麗さが要求される各種装飾品などの成
形には広く応用できるものである。
【図1】本発明の代表的な実施例を示す射出成形機にお
ける金型の型閉め時の要部断面図である。
ける金型の型閉め時の要部断面図である。
【図2】同金型の2次スプルーブシュによる圧縮状態を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図3】本発明の変形例の一つを示す圧縮時における金
型の要部断面図である。
型の要部断面図である。
1 固定側取付板 1−1 段付き貫通穴 2 ランナーストリッパプレート 2’ 受け板 3 固定側プレート 4 可動側プレート 5 スペーサブロック 6 可動側取付板 7 1次スプルーブシュ 7−1 ロケートリング 7−2 1次スプルー 8 ランナー 9 2次スプルーブシュ 9−1 2次スプルー 10 ピンポイントゲート 11 キャビティ 11−1 突起 11−2 圧縮アームピン挿入用貫通穴 12 エジェクタロッド 13 エジェクタプレート 14 圧縮アームピン 15 梃子部材(圧縮部材) 15−1 押圧片 16 頭部付きランナーロックピン 17 ピン 18 圧縮スプリング 19 圧縮ロッド(圧縮部材) 20 第1リンク 21 第2リンク 23,24 リンク固定ブロック
Claims (2)
- 【請求項1】 スプルー、ランナー、ゲート及びキャビ
ティを有し、ノズルから射出された溶融樹脂をスプル
ー、ランナー、ゲートを通してキャビティに注入し製品
を成形する射出成形用金型において、 前記金型は、1枚のランナーストリッパープレートと前
記キャビティを有する2枚の金型板とを備え、 前記金型板の1枚には、一端面が前記ランナーと連通
し、2次スプルーを介して他端面にピンポイントゲート
を有する2次スプルーブシュが、前記ランナーストリッ
パプレートに向けて弾性的に付勢された状態で貫通して
設けられ、 前記ランナーストリッパプレートには、型締め機構の一
部作動手段に連動して前記2次スプルーブシュの前記一
端面を押圧する圧縮機構を備えてなる、ことを特徴とす
る圧縮機構を内蔵する射出成形用金型。 - 【請求項2】 前記圧縮機構が増圧構造を有する請求項
1記載の射出成形用金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24819591A JPH0584784A (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 圧縮機構を内蔵する射出成形用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24819591A JPH0584784A (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 圧縮機構を内蔵する射出成形用金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0584784A true JPH0584784A (ja) | 1993-04-06 |
Family
ID=17174617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24819591A Pending JPH0584784A (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 圧縮機構を内蔵する射出成形用金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0584784A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004033183A1 (en) * | 2002-10-08 | 2004-04-22 | Per Nielsen | Compressive injection moulding system |
JP2017109321A (ja) * | 2015-12-14 | 2017-06-22 | 旭化成株式会社 | ポリオキシメチレン樹脂成形体及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-09-27 JP JP24819591A patent/JPH0584784A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004033183A1 (en) * | 2002-10-08 | 2004-04-22 | Per Nielsen | Compressive injection moulding system |
JP2017109321A (ja) * | 2015-12-14 | 2017-06-22 | 旭化成株式会社 | ポリオキシメチレン樹脂成形体及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20070031533A1 (en) | Injection molding method and injection mold | |
JPH0584784A (ja) | 圧縮機構を内蔵する射出成形用金型 | |
JP2005262781A (ja) | 射出成形金型のスライド開き構造 | |
JPH03292116A (ja) | 樹脂成形品の成形方法及び成形用金型 | |
JP3005211B1 (ja) | 射出成形金型 | |
JP3763768B2 (ja) | 射出成形機 | |
JPH10109319A (ja) | 中空成形品の射出成形金型およびその成形方法 | |
JP2657193B2 (ja) | 射出成形金型装置 | |
CN219095792U (zh) | 双色配光镜的倒装注塑模具及其抽芯夹持机构 | |
JPH02141219A (ja) | 射出成形品の製法 | |
JP2509868Y2 (ja) | 射出成形用金型 | |
JPH0584788A (ja) | 射出成形方法と射出成形機 | |
JP4709417B2 (ja) | 射出成形機 | |
JP2002178371A (ja) | 射出成形金型 | |
JPH09234768A (ja) | 射出成形金型装置 | |
JPS6230086B2 (ja) | ||
JPH0739618Y2 (ja) | 射出成形金型装置 | |
JPH06320579A (ja) | 射出成形品成形用金型構造 | |
JPH05124067A (ja) | 成形金型 | |
JPH0516187A (ja) | 射出成形方法と射出成形機 | |
JPS5925651B2 (ja) | 射出成形用金型 | |
JP2003071888A (ja) | 射出成形装置 | |
JPH04327919A (ja) | 厚肉品の射出成形方法 | |
JP2003165144A (ja) | スタックモールド金型 | |
JPH01180316A (ja) | 射出成形用金型 |