JPH0584781B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、個々のタイルブロツクを、弾性固
定片などにより固定もしくは係着して張設保持す
るために用いるタイルブロツク張設用の取付け面
板壁構造に関し、更に詳しくは、建築物などの外
装壁、又は内装壁、もしくはその他の装飾壁など
に適用されるタイルブロツクの張設保持用の取付
け面板壁構造の改良に係るものである。

〔従来の技術〕

従来例による一般的なこの種のタイルブロツク
張設用の取付け面板の一例を第６図、及び第７図
に示す。

これらの従来例各図において、タイルブロツク
外装壁は、建築物などの躯体（図示せず）の外面
に、適宜下地板２を介して固着される取付け面板
１とタイルブロツク３とからなつており、前記取
付け面板１の板面上には、上下方向に所要間隔を
隔てた左右方向の所定位置にあつて、それぞれに
縦断面Ｌ字状をなす多数の係止爪１ａを切起すと
共に、これらの各係止爪１ａに対して、前記それ
ぞれの各タイルブロツク３の内面側に形成された
係止凹部３ａを、単純に引掛けるようにして取付
け係止させることで張設させている。

このようにタイルブロツク３での係止凹部３ａ
を、取付け面板１の係止爪１ａに引掛けて取付け
ることから、一般的には、このタイルブロツク３
の取付け係止を、取付け面板１の下側から上側に
向つて順次に行ない、このようにしてこれらの各
タイルブロツク３の張設による壁体を構成するの
である。

即ち、この従来例構造に適用される取付け面板
としては、前記したように、板面上で上下方向に
所要間隔を隔てた左右方向の所定位置に、それぞ
れに縦断面Ｌ字状をなす多数の係止爪１ａを切り
起して形成するのである。

又、この種の外壁構造に関しては、特開昭62−
185952号公報に記載された発明が知られている。
この発明の第２８図、第２９図には、下地部材の
上部、下部支持片と係合金具でタイルブロツク等
を係止させるに当たり、係合金具とタイルブロツ
クとの間にクサビを介在させると共に、タイルブ
ロツク間の隙間にはシール材を介在させる構成が
示されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、前記のように構成される従来例
での取付け面板とタイルブロツクとの組合せ構造
の場合には、取付け面板１の外面に切り起した各
係止爪１ａに対して、各タイルブロツク３の内面
側に形成された係止凹部３ａを、単純に引掛ける
ようにして取付け係止させるだけのものであるた
めに、その係止態様、張設態様が決して完全であ
るとは言い難く、又、各タイルブロツク３の取付
け係止を、取付け面板１の下側から上側に向つて
順次に行なうようにしなければならないので、既
設部分、つまり下方部分での既に張設されている
タイルブロツク３の壁面などを、上方部分での張
設時、或いは足場解体時などに傷付けたり、汚損
したりすることがあるほか、張設時に必要な足場
構造体についても、タイルブロツク３を最上部ま
で張設完了した後でないと解体できず、構築現場
での作業性が必ずしも良好でないと云う不利があ
る。

そして又、躯体側取付け面板１の外面に張設さ
れる個々のタイルブロツク３にあつて、たとえそ
の隣接相互間に形成される目地部分に目地材料を
充填封止させることで、張設面の隙間を閉塞した
としても、経年変化とか、或いは火災にあつたり
すると、この目地材料部分に割れなどを生じて、
雨水の浸入を許容するに至るもので、このように
して内部に浸入した雨水は、取付け面板１での各
係止爪１ａの切起し穴から、この取付け面板１の
内側、即ち、建築物の躯体側にまで浸水すること
があつて、これが雨漏りの原因になるものであつ
た。

更に、別の立場からは、取付け面板１自体が、
強度的に最も弱いとされる単なる平板面に対し
て、強度を損い易い多数の切起し穴を残して各係
止爪１ａを形成させ、しかもこれに対処するのに
何等の補強手段も講じられていないために、その
強度が大きく損なわれることになつて、比較的重
量のある数多くのタイルブロツク３を取付け支持
するのに適さないと云う欠点がある。

そこで、このような係止爪１ａでの切起し穴の
存在による難点を避けるために、従来、例えば、
アルミ押出し型材により、板面から切起しによら
ずに各係止爪１ａを一体的に製出させた取付け面
板１を用いることも考えられているが、このアル
ミ押出し型材は、通常、火災発生時の熱に対して
頗る脆弱であつて、その熱変態点を境にして変形
し、タイルブロツク３の張設状態の維持はおろか
その保持すらかなわずに、却つて、このタイルブ
ロツク３を剥落させることにもなりかねず危険で
すらあるなどの実用上好ましくない種々の問題点
を有するものであつた。

一方、前記特開昭62−185952号に記載された発
明では、タイルブロツク係合相互間に、シール材
をいちいち挿入しなければならないという面例が
あり、これを怠ると目地材が下地部材の方迄入り
込んでしまつて無駄を生じたり、的確な目地止め
効果が得られないという問題があつた。

従つて、この発明の目的とするところは、従来
例装置でのこのような問題点に鑑み、鋼板などの
強靭な金属材料を用い、板面上にあつて、タイル
ブロツクの張設保持部を一体的にフオーミング形
成して十分な強度を付与すると共に、タイルブロ
ツクを上側から下側へ張設可能にし、併せて、タ
イルブロツクの取付け止着を弾性固定片などの介
在で効果的かつ強固になし得るようにし、しか
も、目地材の無駄を防止するようにしたタイルブ
ロツク張設用の取付け面板壁構造を提供すること
である。

〔課題解決の手段〕

前記目的を達成させるために、この発明に係る
タイルブロツク張設用の取付け面板壁構造は、裏
面側に係合面、及び押圧面をそれぞれ形成した
個々のタイルブロツク３１を、弾性固定片などに
より固定もしくは係着して張設保持するための鋼
板などの強靭な金属材料からなる取付け面板壁構
造であつて、 該板面１１上に、前記タイルブロツク３１の張
設ピツチに対応した配置間隔で、上下方向の複数
段に亘り、逆蟻溝状に傾斜して対向突出される上
下一対の対向部１３，１４と、これらの各対向部
１３，１４間を結ぶ表面部１５とを有すると共
に、上方の対向部１３の上面を係合面１３ａに、
下方の対向部１４の下面を係着面１４ａに形成し
た係合凸条１２と、該係合凸条１２の下方にこの
係合凸条１２と一組をなして突出され、かつ、表
面部１９を有すると共に、上面を係着面１７ａと
した受止凸条１６とを、左右方向に連続してそれ
ぞれ一体的に成形させてなり、 前記タイルブロツク３１の係合面３７を前記係
合凸条１２の係合面１３ａに垂直方向で係合さ
せ、タイルブロツク３１の押圧面３８を前記弾性
固定片５１を介して前記各係着面１４ａ，１７ａ
に固定もしくは係着させるようにすると共に、上
下に隣接するタイルブロツク３１の下端縁対向部
４２と上端縁対向部４１とを前記受止凸条１６の
表面部１９に水平方向で受止させるようにしたこ
とを特徴としている。

〔作用〕

即ち、この発明においては、取付け面板を鋼板
などの強靭な金属材料で形成し、この板面上に逆
蟻溝状に傾斜して対向突出される上下一対の対向
部と、これらの各対向部間を結ぶ表面部とを有す
ると共に、上方の対向部の上部表面を係合面、下
方の対向部の下面を係着面にした係合凸条と、そ
の下方に同係合凸条と一組をなして突出形成し、
表面部を有すると共に、上面を係着面とした受止
凸条とを一体的に形成させ、タイルブロツクの係
合面を、前記係合凸条の係合面に垂直方向で係合
させ、タイルブロツクの押圧面を弾性固定片を介
して前記各係着面に固定もしくは係着させると共
に、上下に隣接するタイルブロツクの下端縁対向
部と上端縁対向部とを前記受止凸条の表面部に目
地間隔を置いて水平方向で受止させることによ
り、取付け面板に対しタイルブロツクを、極めて
簡単な操作で、上部側から下部側へ、或いは下部
側から上部側へ、頗る作業性よく、確実かつ強固
に張設保持させ得るのである。

又、この取付け面板は、タイルブロツクを垂直
方向で係合させる係合凸条と、水平方向で受止さ
せる受止凸条とを、フオーミング成形によつて板
面上に一体的に形成させており、同板面から直
接、切起されてはいないために、従来例でのよう
に切起し穴などを通した漏水の惧れを全く考慮す
る必要がなくなり、併せて、これらの各係合凸
条、受止凸条の存在により、却つて同面板強度を
向上できるほか、材料に鋼板などの強靭な金属を
用いていることから、熱などに対しても容易には
崩形したりせず、その強度を一層、助長し得る。

更に、この取付け面板の係合凸条と受止凸条と
の間隔の如何によつては、取付け面板を下地板に
固定するためのビスの頭部を隠すことが可能であ
り、又、これらの係合凸条と受止凸条との突設に
よつて、張設されるタイルブロツクの厚さを比較
的薄くしても、これに十分な質量感を与えられ、
同時にタイルブロツクと取付け面板との間に、多
くの空間部が形成されるため、断熱効果を向上し
得て、外部からの火災などの熱を有効に遮断でき
るのである。

しかも、受止凸条の表面部上に上下のタイルブ
ロツクの裏面の対向部がぴつたりと係着されるた
めに、タイルブロツクの安定した保持が可能であ
り、確実かつ強固な保持が可能となる。

更に、受止凸条の表面部上に上下のタイルの裏
面の対向部がぴつたりと係着されて隙間がなくな
ることにより、シール材等を用いる必要がなくな
る上、上下のタイル相互間隔に相当する目地部分
に目地材を充填する際に、目地材はタイルの裏面
から受止凸条と係合凸条との間の空隙部には殆ん
ど入ることがなく、従つて、目地材の使用量を大
幅に節約することができる。又、目地幅が少くな
るようにタイルを形成すれば、目地材の使用量は
更に少くてすむことになる。

〔実施例〕

以下、この発明に係るタイルブロツク張設用の
取付け面板の一実施例につき、第１図ないし第３
図を参照して詳細に説明する。

第１図、及び第２図はこの実施例を適用したタ
イルブロツク外装壁の一例による概要構成を示す
縦断側面図、及び同上要部構成を示す縦断斜視図
であり、第３図は同上取付け面板とタイルブロツ
ク、それにこれらの相互を係着させるための弾性
固定片をそれぞれに取出して示す分解斜視図であ
る。

即ち、第１図、ないし第３図に示すこの実施例
を適用したタイルブロツク外装壁の一例による構
成において、符号１１は建物の躯体側に装着され
る取付け面板を示し、又、３１はこの取付け面板
１１の表面部に張設して支持されるタイルブロツ
クであり、更に、５１はこれらの取付け面板１１
とタイルブロツク３１とを係着させるための弾性
固定片を示している。

ここで、建築物の躯体壁などに対し、直接的、
又は下地板６１を介して間接的に装着される前記
取付け面板１１の板面上に、第３図に詳細構造を
示したように、後述するタイルブロツク３１の所
定張設ピツチに対応した相互の配置ピツチ間隔に
より、上下方向の複数段に亘つて、逆蟻溝状に傾
斜して相互に対向突出される上下一対の各対向部
１３，１４と、これらの各対向部１３，１４間を
結んで凹面１５ａ形状をなす表面部１５とを形成
する。更に、上部側の対向部１３の表面を係合面
１３ａとし、下部側の対向部１４の表面を係着面
１４ａとした係合凸条１２をタイルブロツク側へ
より多く突出させ、かつ、面板正面の左右方向に
連続させて屈曲形成する。

更に、この係合凸条１２の下方に、同係合凸条
１２と一組をなして、逆蟻溝状に傾斜して相互に
対向突出される上下一対の各対向部１７，１８
と、これらの各対向部１７，１８間を結ぶ表面部
１９とを有していて、かつ、上部側及び下部側の
各対向部１７，１８の表面を係着面１７ａ，１８
ａとした受止凸条１６をタイルブロツク側へ前記
係合凸条１２よりも少く突出するように左右方向
に連続してそれぞれ一体的にフオーミング形成さ
せる。

尚、これらのフオーミング形成に際しては、折
曲される各稜角部にＲを与えてあり、この取付け
面板１１の単体については、例えば、金属薄鋼板
などの強靭な金属を材料に用い、許容される所定
幅で全一体的に製出され、その複数枚を上下方向
に適宜連接して使用する。

次に、前記取付け面板１１に取付けられるタイ
ルブロツク３１は、第３図から明らかなように、
前記取付け面板１１上の各係合凸条１２相互間の
配置ピツチ間隔よりも大きな上下方向幅にされた
本体３２を有しており、張設された時点では、上
下に隣接される本体３２の上下端面３３，３４間
の相互を、目地部分となる隙間３５を残してほぼ
平行に対向し得るようにしてある。

そして、前記タイルブロツク３１の本体３２の
裏面側中央部には、前記した取付け面板１１上の
係合凸条１２の上下方向幅よりも十分に広くした
上下方向幅で、蟻溝状に傾斜して相互に対向され
る上下一対の係合面３７、押圧面３８と、これら
の係合面３７、押圧面３８間を結ぶ凹部内面３９
とを形成した蟻溝状の係合凹溝３６を左右方向に
穿設させてあり、これらの各面のうち、押圧面３
８については、後述する第４図の使用態様の場合
と同様に、押止段部３８ａを形成させるのが好ま
しい。

尚、第３図中、４１は上端縁対向部、４２は下
端縁対向部を示す。

更に、前記取付け面板１１にタイルブロツク３
１を固定もしくは係着させる弾性固定片５１は、
第３図から明らかなように、例えば、バネ鋼、ス
テンレス鋼などのように、弾性、不銹性、ならび
に剛性に富む材料を用い、前記した係合凸条１２
の係着面１４ａと受止凸条１６の係着面１７ａと
の間に挟着されるように、上端部側に係着片５３
を屈曲形成させた基板部５２を設けると共に、こ
の基板部５２の上端部側からは、その板面を切起
して、係合凹溝３６の押圧面３８を押圧する押圧
片５４を立上げてあり、かつ、この押圧片５４の
先端側を下向きに折返して押止片５５を形成させ
たものである。

従つて、前記実施例による取付け面板１１を用
いて個々の各タイルブロツク３１を張設するのに
は、第１図に示されているように、建築物の躯体
壁などに固定されている下地板６１などに対し、
タツピングネジなどで、予めこの取付け面板１１
の複数枚を、所期通りに相互に連設して装着固定
させると共に、これらの各取付け面板１１上の係
合凸条１２の係着面１４ａと受止凸条１６の係着
面１７ａとの間に、弾性固定片５１の基板部５２
及び係着片５３を挟着してセツトさせるのであ
り、このように挟着セツトされた状態では、押圧
片５４とその先端部での押止片５５とが、係着面
１４ａに近付いた位置に突出して立上げられるこ
とになる。

続いて、このように取付け面板１１での係合凸
条１２のそれぞれ適所に弾性固定片５１を挟着支
持させた状態で、各タイルブロツク３１を次のよ
うにして張設させる。

まず、タイルブロツク３１の左右方向に蟻溝状
をなした係合凹溝３６の下部側の押圧面３８によ
り、弾性固定片５１の押圧片５４の押止片５５を
受止めた上で、この押止片５５の弾性に抗し、こ
れを下側から掬い上げるようにして押上げると共
に、ついで、このタイルブロツク３１の上部側の
係合面３７を、取付け面板１１の係合凸条１２の
上部側の係合面１３に引掛け係合させる。

即ち、この組付け操作によつて、タイルブロツ
ク３１は、所定方向に傾斜された押圧面３８に接
圧され付勢されている弾性固定片５１の押止片５
５、ひいては押止片５４の復帰弾圧力により、そ
の係合凹溝３６の係合面３７が係合凸条１２の係
合面１３に押付けられて、垂直方向の動きが拘束
さると共に、凹部内面３９が係合凸条１２の表面
部１５に、同裏面、即ち上端縁対向部４１が上部
側の受止凸条１６の表面部１９に、そして下端縁
対向部４２が下部側の表面部１９に、それぞれ押
付けられて、水平方向の動きが拘束されることに
なる。

このようにして取付け面板１１に対し、タイル
ブロツク３１を係着して張設でき、かつ係止凸条
１２の表面部１５に形成された凹面１５ａは、係
止凸条３６の凹部内面３９との間に若干の隙間を
形成するので、僅かでも浸入する雨水の水はけを
良好にする。

従つて、この第１図、第２図に示すタイルブロ
ツク３１の張設状態では、付勢されている弾性固
定片５１の押圧片５４が、タイルブロツク３１の
押圧面３８を下方内側に排斥するようにして弾圧
するために、張設されたタイルブロツク３１を、
従来のような単なる引掛け係合とは異なつて弾圧
的かつ強固に保持させ得る。

続いて、このように張設される上段側のタイル
ブロツク３１に対し、下段側でのタイルブロツク
３１を同様な操作で張設させることにより、これ
らの上下に隣接される各タイルブロツク３１の
上、下端面３３，３４間が、相互に目地部分とな
る隙間３５即ち、目地間隔を残してほぼ平行に対
向され、又、左右に隣接される各タイルブロツク
３１についても、前記と同様な張設操作を繰返す
ことにより、最終的には、これらの各取付け面板
１１上に、弾性固定片５１を介し各タイルブロツ
ク３１を、上下、ならびに左右方向に連接して良
好に張設できるのであり、形成された目地部分、
つまり隙間３５には、必要に応じて適宜、目地材
料を充填塗布させるのである。

又、前記取付け面板１１上の一組にされた各係
合凸条１２、受止凸条１６ついては、その板面上
に、上下方向に所定間隔をおいて左右方向に延び
るように全一体的にフオーミング成形されて賦形
されており、同板面から直接、切起されてはいな
いために、従来例のように切起し穴などを通した
漏水の惧れを全く考慮する必要がなくなり、併せ
て、これらの各係合凸条１２、受止凸条１６の存
在により、却つて同面板強度を向上できるほか、
材料に鋼板などの強靭な金属を用いていることか
ら、熱などに対しても容易には崩形したりせず、
その強度を一層、助長し得るのである。

第４図に示すこの実施例を適用したタイルブロ
ツク外装壁の他例による構成は、取付け面板１１
として、第１実施例の凹面１５ａの形状の点以外
は前記と同様の構成のものを用い、タイルブロツ
ク３１の形態を変更したものである。

即ち、前記タイルブロツク３１は、同第４図か
ら明らかなように、本体３２の上下方向幅を、前
記取付け面板１１上の一組の係合凸条１２、受止
凸条１６相互間の配置ピツチ間隔よりも大きくさ
せると共に、タイルブロツク３１の上端縁対向部
として表面側から所定の段差を与えた上端縁対向
部４１ａを形成する一方、タイルブロツク３１の
下端縁対向部として裏面側から所定の段差を与え
た下端縁対向部４２ａを形成させ、かつ押圧面３
８に押止段部３８ａを形成させたものである。

この場合にも、前記と同様に各取付け面板１１
上に、弾性固定片５１を介し各タイルブロツク３
１を、上下、ならびに左右方向に連接して張設さ
せることができ、ここでも前記実施例と同様な作
用、効果を得られる。

そして、この場合、このように取付け面板１１
に対して各タイルブロツク３１を張設させた状態
では、これらの各タイルブロツク３１の上下方向
幅が、取付け面板１１の各係合凸条１２、受止凸
条１６間相互の配置ピツチ間隔よりも大きくされ
ていることから、上下に隣接される各タイルブロ
ツク３１間で、下端縁対向部４２ａの内側に上端
縁対向部４１ａが入り込んで幾分かオーバーラツ
プされ、上段側のタイルブロツク３１の下端縁対
向部４２ａによつて、下段側のタイルブロツク３
１の上端縁対向部４１ａの少なくとも下端側一部
が外部から被覆されるために、目地部分としての
隙間３５から取付け面板１１の表面が隠されて、
タイルブロツク３１のみによる奇麗な張設面を実
現できる。

又、タイルブロツク３１の押圧面３８に形成さ
れた押止段部３８ａは、弾性固定片５１の押止片
５５の先端部を受止して、取付け面板１１の板面
に対するタイルブロツク３１の押付けを、より一
層、効果的なものにし得るのである。

第５図Ａ，Ｂ，Ｃは、更に本発明に係る取付け
面板の変形例を示したものであつて、第５図Ａは
係合凸条１２の形状をほぼ方形に形成したもので
あり、第５図Ｂは第１実施例のものの屈曲部分に
Ｒ処理を施したものであり、第５図Ｃは、第１実
施例の形状の一部を方形処理と水平処理とで変形
させたものである。この第５図Ａ，Ｂ，Ｃに示す
変形例のものは、いずれも第１実施例とほぼ同様
の作用効果を有する。

尚、前記実施例においては、この発明に係る取
付け面板に適用するタイルブロツクとして二種類
のものを挙げ、又、弾性固定片として一種類のも
のをを挙げているが、これらのものに限定される
ものではなく、この発明に係る取付け面板におけ
る係合凸条、及び受止凸条の構成に適合可能なも
のであれば、どのようなタイルブロツク、弾性固
定片であつてもよいことは勿論である。

〔発明の効果〕

本発明は、前記のような構成であるので、取付
け面板に対しタイルブロツクを、極めて簡単な操
作で、上部側から下部側へ、或いは、下部側から
上部側へ、頗る作業性よく、確実かつ強固に張設
保持させ得るのである。

又、この取付け面板は、タイルブロツクを垂直
方向で係合させる係合凸条と、水平方向で受止さ
せる受止凸条とを、フオーミング成形によつて板
面上に一体的に形成させており、同板面から直
接、切起されてはいないために、従来例でのよう
に切起し穴などを通した漏水の惧れを全く考慮す
る必要がなくなり、併せて、これらの各係合凸
条、受止凸条の存在により、却つて同面板強度を
向上できるほか、材料に鋼板などの強靭な金属を
用いていることから、熱などに対しても容易には
崩形したりせず、その強度を一層、助長し得る。

更に、この取付け面板の係合凸条と受止凸条と
の間隔の如何によつては、取付け面板を下地板に
固定するためのビスの頭部を隠すことが可能であ
り、又、これらの係合凸条と受止凸条との突設に
よつて、張設されるタイルブロツクの厚さを比較
的薄くしても、これに十分な質量感を与えられ、
同時にタイルブロツクと取付け面板との間に、多
くの空間部が形成されるため、断熱効果を向上し
得て、外部からの火災などの熱を有効に遮断でき
るのである。

しかも、受止凸条の表面部上に上下のタイルの
裏面の対向部がぴつたりと係着されるために、タ
イルブロツクの安定した保持が可能であり、確実
かつ強固な保持が可能となる。

更に、受止凸条の表面部上に上下のタイルの裏
面の対向部がぴつたりと係着されて隙間がなくな
ることにより、シール材等を用いる必要がなくな
る上、上下のタイル相互間隔に相当する目地部分
に目地材を充填する際に、目地材はタイルの裏面
から受止凸条と係合凸条との間の空隙部には殆ん
ど入ることがなく、従つて、目地材の使用量を大
幅に節約することができる。又、目地幅が少くな
るようにタイルを形成すれば、目地材の使用量は
更に少くてすむことになるという多くの特長を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る取付け面板の一実施例
を適用したタイルブロツク張設用の取付け面板壁
構造の概要構成を示す縦断側面図、第２図は同上
要部構成を押す斜視図、第３図は同上取付け面
板、タイルブロツク及び弾性固定片を示す分解斜
視図、第４図は別の実施例構成を示す縦断側面
図、第５図Ａ，Ｂ，Ｃは、それぞれ取付け面板の
変形例を示す側面図、第６図は従来例のタイルブ
ロツク外装壁の要部構成をす縦断側面図、第７図
は同上取付け面板を取り出して示す斜視図であ
る。 １１…取付け面板、１２…逆蟻溝状の係合凸
条、１３…係合凸条の上部側の対向部、１４…係
合凸条の下部側の対向部、１３ａ…係合凸条の上
部側の係合面、１４ａ…係合凸条の下部側の係着
面、１５…表面部、１５ａ…表面部の凹面、１６
…逆蟻溝状の受止凸条、１７…受止凸条の上部側
の対向部、１８…受止凸条の下部側の対向部、１
７ａ…上部側の係着面、１８ａ…下部側の係着
面、１９…表面部，３１…タイルブロツク。３２
…本体、３３…上端面、３４…下端面、３５…隙
間（目地部分）、３６…係合凹溝、３７…係合面、
３８…押圧面、３９…凹部内面、４０…裏面、４
１…上端縁対向部、４２…下端縁対向部。５１…
弾性固定片、５２…基板部、５３…係着片、５４
…押圧片、５５…押止片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 裏面側に係合面及び押圧面をそれぞれ形成し
   た個々のタイルブロツク３１を、弾性固定片など
   により固定もしくは係着して張設保持するための
   鋼板などの強靭な金属材料からなる取付け面板壁
   構造であつて、 該板面１１上に、前記タイルブロツク３１の張
   設ピツチに対応した配置間隔で、上下方向の複数
   段に亘り、逆蟻溝状に傾斜して対向突出される上
   下一対の対向部１３，１４と、これらの各対向部
   １３，１４間を結ぶ表面部１５とを有すると共
   に、上方の対向部１３の上面を係合面１３ａに、
   下方の対向部１４の下面を係着面１４ａに形成し
   た係合凸条１２と、該係合凸条１２の下方にこの
   係合凸条１２と一組をなして突出され、かつ、表
   面部１９を有すると共に、上面を係着面１７ａと
   した受止凸条１６とを、左右方向に連続してそれ
   ぞれ一体的に成形させてなり、 前記タイルブロツク３１の係合面３７を前記係
   合凸条１２の係合面１３ａに垂直方向で係合さ
   せ、タイルブロツク３１の押圧面３８を前記弾性
   固定片５１を介して前記各係着面１４ａ，１７ａ
   に固定もしくは係着させるようにすると共に、上
   下に隣接するタイルブロツク３１の下端縁対向部
   ４２と上端縁対向部４１とを前記受止凸条１６の
   表面部１９に水平方向で受止させるようにした ことを特徴とするタイルブロツク張設用の取付け
   面板壁構造。 ２ 係合凸条１２の表面部を、左右方向に連続す
   る凹面１５ａ形状に形成したことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項に記載のタイルブロツク張設
   用の取付け面板壁構造。 ３ 受止凸条１６に、逆蟻溝状に傾斜して対向突
   出される上下一対の対向部１７，１８を形成し、
   その上面を係着面１８ａにしたことを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載のタイルブロツク張
   設用の取付け面板壁構造。