JPH0584567U - 流量制御弁装置 - Google Patents

流量制御弁装置

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JPH0584567U
JPH0584567U JP3377392U JP3377392U JPH0584567U JP H0584567 U JPH0584567 U JP H0584567U JP 3377392 U JP3377392 U JP 3377392U JP 3377392 U JP3377392 U JP 3377392U JP H0584567 U JPH0584567 U JP H0584567U
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Inventor
茂行 宮澤
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自動車機器株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制限通路前後の圧力差で作動される流量制限
用の制御スリーブの動きを、圧力流体供給側での流れや
動圧による悪影響から保護し、安定化させる。 【構成】 筒状絞り部材6内で圧油通路11,12途中
のオリフィス15;16a,16b前後の差圧にて流量
制御用スプール弁3が作動される。筒状絞り部材は、弁
収納孔開口端を閉塞するコネクタ5軸芯部に一体的に設
けられ、内方端に孔内壁との間に供給通路を制限的に連
通する制限通路10を形成するフランジ部6aを有す
る。筒状絞り部材外周部には、制限通路前後の圧力差で
オリフィスを縮小制御する流量制限用の制御スリーブが
摺動自在に設けられる。制御スリーブの内方端側外周部
には圧力流体供給側室13が形成されるが、この制御ス
リーブを圧力流体供給側室から画成するカラー部材30
が設けられる。カラー部材は、制御スリーブに制限通路
上流側流体圧を導くダンパオリフィス31を有する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は流体機器としての油圧式の動力舵取装置等においてエンジンを駆動源 とする回転数感応型である油圧ポンプからの圧油を所要の流量特性にて制御し得 るように構成してなる流量制御弁装置に関し、特にポンプ回転数の上昇に伴なう ポンプ吐出流量の増加に対し流体機器への供給流量を減少させる流量の垂下特性 (ドルーピング;Drooping)をもち、さらにこの供給流量が流体機器側での圧力 上昇の影響を受けて復帰してしまう虞れのない、いわゆる無復帰ドルーピング特 性を有する流量制御弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば自動車に搭載され運転者の舵取操作力を軽減する動力舵取装置におい て、その油圧発生源となるポンプは、通常自動車のエンジンで回転駆動される。 そして、このポンプからの作動油の吐出量はエンジンの回転数の変化に比例して 増減する。
【0003】 したがって、このような回転数感応型のポンプには、エンジンの低回転域すな わちポンプ吐出量が少ないときでも前記動力舵取装置などの流体機器に充分な流 量を供給できる容量を有することが要求される。しかし、ポンプ容量をこのよう に設定しただけでは、エンジンの高回転域では不必要に大きな流量が動力舵取装 置に供給されることになるため、その余剰流量をタンク側に還流させることが必 要となる。
【0004】 このため、従来からポンプから動力舵取装置に至る油圧供給通路の途中にオリ フィスを設け、このオリフィス前後の差圧によって流量制御弁としてのスプール 弁を開弁し、動力舵取装置での作動に不要な圧油の一部(余剰流量)を流路抵抗 を生じさせない状態でタンク側に円滑に還流させ、動力舵取装置への供給流量を 一定量以下に維持し得るような構成とすることが、一般に行われている。
【0005】 ところで、上述した動力舵取装置に対する圧油供給系にあっては、自動車のエ ンジンの高回転域における圧油供給量が自動車の走行安定性の面で問題となる。 換言すると、自動車が高速走行している際には、ハンドルが軽すぎると運転者に とって不安感を生じ易いもので、これを取り除くために、圧油の供給量を、回転 数の上昇に伴なって、ある程度減少させる、いわゆるドルーピング特性を持たせ ることは、高速走行時の車輌安定性や適当な操舵感覚の付与、さらには省エネル ギ化に役立つものである。
【0006】 このため、従来から前述した流量制御用のオリフィスを、可変絞り構造として 構成し、停車中や低、中速走行時には、一定絞りとして機能させるとともに、高 速走行時には、該オリフィスを絞り込み、その結果生じる圧力差でタンクへの還 流量を増加させ、圧油の動力舵取装置側への供給量を減少させるようにした構造 によるものが知られている。
【0007】 しかし、このようなドルーピング特性を含めた流量制御を、オリフィスの単純 な可変制御によって行おうとすると、動力舵取装置の非作動時(無負荷時)にお いては、ドルーピングを始めとする所定の流量制御を行なえるも、動力舵取装置 が操舵のために作動されたときには圧油供給系で圧力上昇を生じ、これによって 供給通路内のオリフィス前後の差圧が変化し、その差圧に応じてスプール弁が余 剰流量の還流を制限するように作用し、これによって圧力上昇の度合いに応じて 折角減少させた供給流量が増加し、元の状態に復帰してしまうという好ましくな い現象を生じている。
【0008】 このため、前述した流量制御弁装置において、前記供給通路の一部に制限通路 を設け、この制限通路前後での圧力差に応動する流量制限用の制御スプールを設 けることによって、前記オリフィスの絞り量を縮小するように構成したものが、 たとえば特開昭57−4469号公報等を始めとして種々提案されている。すなわち、 オリフィスを、スプール弁の変位に関係なく、ポンプ回転数の上昇によるポンプ 吐出量の増加に基づいて可変制御可能とし、動力舵取装置側での圧力作用時に流 量が元の流量に復帰するのを防止し得るようにしたものである。
【0009】 そして、このようにすれば、前述した単純なオリフィスの可変制御による流量 制御にて生じる問題を、上述した制限通路とその前後の圧力差に応じてオリフィ スを可変制御する制御スプールとによって解消し得るもので、その有用性は大き い。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来構造による無復帰型のドルーピング特性を得るた めの流量制御弁装置にあっては、制限通路前後の圧力差が必要以上に上昇するの を抑制するために絞り制御手段として制御スプールを追加し、しかもこの制御ス プールを、流量制御用のオリフィスや圧力流体供給通路を有するユニオン内部に 摺動自在に内設しているもので、この制御スプールのユニオン内への組込み構造 や流量制御用のスプール弁等との関係によって、その構成部品点数が多く、構造 が複雑で、しかも流量制御特性を所要の状態とするために各部の加工精度やタイ ミング調整を要するものであり、さらにドルーピング特性を含めた流量制御特性 を、動力舵取装置等での作動に伴なう負荷圧力の上昇の如何にかかわらず、所要 の状態に調節することも困難であり、またこの流量制御弁装置全体の軸線方向で の大型化を避けられないものであった。
【0011】 このため、本出願人は、たとえば特開平1-132471号公報等により、圧力流体供 給口を有するコネクタ内部に一体的に設けたオリフィスを有する筒状絞り部材の 内方端側の外周部分に、制御スリーブを摺動自在に設け、この制御スリーブの動 きで、前記オリフィスを可変制御するように構成し、これにより構成の簡素化と 軸線方向長さの短縮化を図ってなるものを、先に提案している。
【0012】 しかしながら、上述した構成を採用した場合に、上述した制御スリーブが、ポ ンプからの圧力流体が供給される供給側室内に臨んで配置され、この室内に導入 される圧力流体の流れが直接当たることから、この供給側での動圧が作用し、こ れにより制御スリーブの動きが不安定となり、流量変動を生じ易いという問題を 避けられないもので、このような悪影響に対する何らかの対策を講じることが望 まれている。
【0013】 本考案はこのような事情に鑑みてなされたものであり、きわめて簡単な構成に よって、無復帰ドルーピング特性を含めた流量制御特性を得ることが可能で、制 限通路前後での圧力差が必要以上に上昇するのを抑制し得るとともに、その制御 を行なう制御スリーブの動きを、流量変動等の影響を受けずに、安定させること が可能となる流量制御弁装置を得ることを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このような要請に応えるために本考案に係る流量制御弁装置は、圧力流体供給 通路の一部に設けたオリフィス前後の差圧によってポンプからの余剰流量をタン ク側に還流させる流量制御用スプール弁と、ポンプハウジングに形成されたスプ ール弁の弁収納孔開口端を閉塞するように設けられかつ流体機器への圧力流体送 出口を有するコネクタと、弁収納孔内に内方端が臨むようにしてこのコネクタ軸 芯部に一体的に設けられかつ弁収納孔内壁との間に供給通路を制限的に連通する 制限通路を形成するフランジ部が内方端に形成されるとともに内部に前記オリフ ィスを有する筒状絞り部材と、この筒状絞り部材の外周部に摺動自在に設けられ かつ制限通路前後の圧力差によって作動されオリフィスを縮小制御する流量制限 用の制御スリーブと、この制御スリーブ内方端側に制限通路上流側の流体圧を作 用させるように筒状絞り部材の外周部に形成された圧力流体供給側室を備え、前 記筒状絞り部材外周部に摺動自在に設けた制御スリーブに対し、前記圧力流体供 給側室から画成するカラー部材を筒状絞り部材側に付設し、かつこのカラー部材 に制御スリーブに制限通路上流側の流体圧を導くダンパオリフィスを形成するよ うにしたものである。
【0015】
【作用】 本考案によれば、ポンプ回転数の上昇に伴なうポンプ吐出流量の増加に応じて 生じるオリフィス前後の差圧により流量制御用スプール弁を所要の状態で移動さ せ、余剰流量をタンク側に還流させ、流体機器への供給流量制御を適正に行なえ るとともに、制限通路前後の差圧力で作動される制御スリーブによってオリフィ スを縮小制御し、ポンプ回転数が上昇して供給側通路からの流量が増加したとき に、制限通路前後での差圧力が必要以上に上昇することを抑制し、所望のドルー ピング特性を得ることが可能で、結果として無復帰ドルーピング特性をもつ流量 制御を所要の状態で行なえる。
【0016】 また、本考案によれば、筒状絞り部材の圧力流体供給側室に対向する位置に嵌 装される制御スリーブを、ダンパオリフィスを有するカラー部材によって、圧力 流体供給側室から画成して配置させ、圧力流体が制御スリーブに直接当たること で作用する動圧による悪影響を防ぎ、制御スリーブの動きを安定させ、流量変動 による影響のない流量制御を所要の状態で行なえる。
【0017】
【実施例】
図1は本考案に係る流量制御弁装置の一実施例を示すものであり、同図におい て、本実施例では、本考案装置を油圧式動力舵取装置への圧油供給系に用いた場 合を説明する。
【0018】 まず、全体の概略構成を簡単に説明すると、符号1はポンプハウジング、2は このハウジング1内に開口側が大径に形成されている弁収納孔で、この弁収納孔 2の小径部2a内に、リリーフバルブ付きのスプール弁3が摺動自在に収納保持 され、かつ大径部2bは、図示を省略した動力舵取装置(その流路切換弁側)P Sに接続される圧油送出口4とこれに連続する軸孔部5aを有するコネクタ5が 、ハウジング1に螺合して固定されることにより閉塞され、かつこのコネクタ5 の内方端5cの一部が大径部2b内に臨んでいる。
【0019】 6は前記コネクタ5の軸孔部5a内に一端が嵌入されて一体的に組付けられる とともに他端を前記大径部2b内に臨ませて配置される筒状絞り部材で、この筒 状絞り部材6の他端には略カップ状を呈するフランジ部6aが形成され、このフ ランジ部6aが、前記大径部2bの小径部2a側への連設部分にまで臨みかつそ の周縁部が前記大径部2b内壁部と所定間隙をおいて対向することによりその間 にポンプPから供給される圧油の流量を制限する制限通路10を形成するように なっている。
【0020】 また、前記弁収納孔2において大径部2bには供給側通路7が開口され、オイ ルポンプPが接続されるとともに、小径部2aには還流側通路8が開口され、タ ンクTに接続されている。そして、小径部2a内のスプール弁3が、スプリング 9によって大径部2b側に付勢され、弁非作動時はその先端部3aを筒状絞り部 材6の端部開口部6bに当接して停止されるとともに、供給側通路7と還流側通 路8とはスプール弁3のランド部3bによって遮断されるようになっている。
【0021】 ここで、ポンプPから供給側通路7を介して前記大径部2b内に流入する圧油 は、後述する圧油供給側室に入り、ここから大径部2bの内壁と前記フランジ部 6aとの間の制限通路10を通って弁スプール3の先端部3aに流体圧を作用さ せているものであり、ポンプPから圧油が給送されているときには、その流体圧 によって付勢力に抗してわずかに図中左行される弁スプール先端部3aによる間 隙通路または弁スプール先端部3a、筒状絞り部材6の他端開口部6b間でいず れかに形成したスリット等の通路溝を通って、筒状絞り部材6の開口部6b内に 導入され、その内部の圧油通路11,12、コネクタ5の圧油送出口4から、P S側に供給されるようになっている。
【0022】 さらに、上述したポンプPから供給側通路7を介して、小径部2aにある還流 側通路8および圧油通路12への流れについて説明する。 すなわち、圧油供給側室13から上述したフランジ部6aと大径部2b内壁と の間に形成される制限通路10を経てスプール弁3の先端側室14に至る圧油は 、その流体圧をスプール弁先端部3aに常時作用させているとともに、このスプ ール弁先端部3aが当接している筒状絞り部材開口部6bとの間の流路を介して 開口部6bから圧油通路11に流入し、オリフィス15;16a,16bによる 経路を経た流量が増加すると、スプール弁3の先端側室14の下流側のオリフィ スに因って、「スプール弁3先端側室14の圧力>圧油通路12での圧力=環状 溝5bによる環状空間18での圧力=スプリング室9aでの内圧力」の関係とな り、これにより差圧力を生じて、スプール弁3が図中左方向に移動することにな る。
【0023】 そして、この移動量が比較的大きく、スプール弁3の先端部3aに近接するラ ンド部3bによって還流側通路8とスプール弁先端側室14との遮断状態が解消 された場合には、第2図から明らかなように、圧油供給側室13からの流量は、 その一部が開口部6bから圧油通路11に、残りが還流側通路8へ流れることに なる。
【0024】 また、前記筒状絞り部材6の内部で軸線方向に沿って形成されている圧油通路 11,12の間には、小径な絞り通路孔によって固定オリフィス15が形成され 、さらにこの固定オリフィス15よりも開口部6b寄りの上流側部分には、この 部材6の内、外を連通する二つのメータリングオリフィス16a,16bが、軸 線方向の位置をずらして形成されている。これら両オリフィス16a,16bは 、後述する制御スリーブ20が、スプリング21によってフランジ部6a側に付 勢された状態でこの筒状絞り部材6の外周部でコネクタ5の内方端5c筒状部分 との間の環状空間部分でその軸線方向に向って摺動自在に支持されていることに より、開閉されるようになっている。
【0025】 すなわち、制御スリーブ20は、常時は筒状絞り部材6の外周部でスプール弁 3側の一部に形成された段差部6cに当接している図1の状態から、その両端に 作用する制限通路10前、後の流体圧力差によって、図中右側に移動し(図2、 図3参照)、これにより前記メータリングオリフィス16a,16bが順次閉塞 されるようになっている。また、固定オリフィス15の下流側部分には、前記圧 油通路12と筒状絞り部材6外側の環状空間18とを連通する連通孔17が穿設 されている。
【0026】 さらに、前記コネクタ5の内方端5c内側の凹部5bと前述した流量制限用の 制御スリーブ20とによって筒状絞り部材6外周部に形成されている環状空間1 8は、制御スリーブ20を付勢するスプリング21が配設されるとともに、コネ クタ内方端5cの一部に穿設したダンパオリフィスとなる絞り通路5d、ポンプ ハウジング1の一部に形成した通路24,25a,25bを介して、流量制御用 のスプール弁3のスプリング室9aに接続されている。
【0027】 なお、図中23は上述した筒状絞り部材6の外周部に形成されている段差部6 cに付勢して係止されている流量制限用としての制御スリーブ20に、制限通路 10の上流側の流体圧を作用させる受圧面である。
【0028】 さて、本考案によれば、上述したようにポンプPからの圧油が導入される筒状 絞り部材6外周側に摺動自在に支持されている流量制限用の制御スリーブ20の 外周部分で、前記ポンプPからの圧油が供給側通路7を介して導入されている圧 油供給側室13との間に、カラー部材30を介在させて設け、供給側室13内に 流入するポンプPからの圧油の動圧が、制御スリーブ20に直接作用することを 防ぐとともに、このカラー部材30の一部に複数の小孔31をダンパオリフィス として設け、前記制限通路10上流側の供給側室13内の流体圧を、カラー部材 30によって画成されている空間内にある制御スリーブ20の受圧面23に作用 させ得るように構成したところに特徴を有している。
【0029】 ここで、上述したカラー部材30は、一端側がフランジ状に形成されている筒 体として形成され、かつコネクタ5の内方端5cとこのコネクタ5に一体的に組 付け固定される筒状絞り部材6のフランジ部6aとの間に、挾み込んだ状態で組 付け保持させるようにしている。
【0030】 このような構成によれば、上述した制限通路10前、後の圧力差に応じて作動 され流量制御用スプール弁3を作動させるオリフィス15;16a,16bでの 絞り量を可変制御し供給流量としてドルーピング特性を得ることを可能とする制 御スリーブ20に、圧油供給側室13に流入するポンプPからの圧油が、直接的 に作用することを防ぎ、この制御スリーブ20を、動圧による発振現象を防ぎ、 所要の状態に可動制御でき、これにより安定した流量の制限機能を働かせ、圧油 の供給特性として無復帰ドルーピング特性を有する流量制御弁装置を得ることが 可能となる。
【0031】 特に、ポンプPからの圧油が、流量制限用として可変オリフィス15;16a ,16bを制御する制御スリーブ20に対し直接当たるようになっていると、動 圧が作用し、この制御スリーブ20の動きが不安定となって、弁機構としての供 給流量に変動が生じ易いものであったが、本考案によれば、前述したカラー部材 30の存在によってこのような問題を防ぎ、しかもこのカラー部材30に設けた 小孔31によるダンパオリフィス機能によって、制御スリーブ20に制限通路1 0上流側の圧力を安定して与え、発振現象を防止し、その安定した動きによって 無復帰ドルーピング特性をもち、流量変動がない流量制御を行なえるという利点 を奏するものである。
【0032】 また、上述した構成による流量制御弁装置では、ポンプPの回転数の上昇に伴 なうポンプPからの吐出流量の増加に応じて流量制御用スプール弁3を所要の状 態で移動させ、余剰流量をタンクT側に還流させ、動力舵取装置PSへの供給流 量制御を適正に行なえるとともに、制限通路10前後の差圧力と前記オリフィス 15;16a,16bの下流側の圧力の差圧とによって作動される制御スリーブ 20により、オリフィス16a,16bを縮小制御し、所望のドルーピング特性 を得ることが可能となるものである。
【0033】 すなわち、ポンプPからの圧油は、供給側通路7から供給側室13、制限通路 10、弁スプール先端側室14、筒状絞り部材6の開口部6b、圧油通路11を 通り、さらに固定オリフィス15や前記メータリングオリフィス16a,16b 、スプリング21の配設空間18、連通孔17を介して圧油通路12側に至り、 この通路12からコネクタ5の圧油送出口4から動力舵取装置PS側に送られる 。
【0034】 また、前記筒状絞り部材6において固定オリフィス15上流側の圧油通路11 内の圧油は、前記スプール弁3の先端部3aにその圧力を作用させるとともに、 メータリングオリフィス16a,16bや固定オリフィス15下流側の圧油通路 12は、制御スリーブ20を付勢するスプリング21の配設空間18、コネクタ 5のダンパオリフィス5d、通路24,25a,25bを経て前記スプール弁3 の他方室であるスプリング室9aに接続されている。
【0035】 したがって、流量制御用のスプール弁3は、固定オリフィス15およびメータ リングオリフィス16a,16b前後の差圧が、スプール弁3の両端面に作用し 、ポンプ回転数の上昇に伴なって増加するポンプ吐出流量が一定値を越え、スプ リング9の付勢力に打ち勝つと、スプール弁3を、図2に示すように図中左側に 移動させ、ポンプPからの圧油の一部をタンクT側に余剰流量として還流させる 。
【0036】 また、供給側室13内の圧力と前記制限通路10および各オリフィス15;1 6a,16bの下流側であるスプリング配設空間18での圧力差が所定値以上に なると、制御スリーブ20は、小孔31を介して作用する制限通路10上流側の 圧油圧力によって、スプリング21に抗して図中右側に移動するようになってい る(図2、図3参照)。
【0037】 以上のような構成による流量制御弁装置によれば、自動車のエンジンにて駆動 されるポンプPが低速回転域(低流量域)では、スプール弁3はスプリング9の 付勢力によって筒状絞り部材6のフランジ部6a部分に当接またはわずかな流路 を介して対向し、圧油通路11と還流側通路8との間を遮断しており、制御スリ ーブ20も、スプリング21の付勢力で図1に示されるように筒状絞り部材6上 でフランジ部6a背面側の段差部6cに当接して停止された状態となっている。 したがって、ポンプPから吐出された圧油の全量が動力舵取装置PS側に供給さ れる。(図4においてAで示した部分に相当する。)
【0038】 次で、ポンプ回転数が次第に上昇すると、吐出流量が増大し、固定オリフィス 15およびメータリングオリフィス16a,16b前後の差圧力が、流量制御用 のスプール弁3に作用し、このスプール弁3が図中左側に移動し始め、供給側で ある先端側室14や圧油通路11が還流側通路8に連通されると、余剰流量が還 流され、動力舵取装置PSに供給される流量は、図4においてBで示したように 略一定量(Q1)に維持される。
【0039】 さらに、ポンプ回転数が上昇し、ポンプ吐出流量がさらに増加すると、今度は 制限通路10前、後の圧力差が大きくなり、これが制御スリーブ20をスプリン グ21の付勢力に打ち勝って図中右側に移動させる。その結果、制御スリーブ2 0は、まず、第1のメータリングオリフィス16aを絞り始め、次で第2のメー タリングオリフィス16bをも次第に絞り、これらのオリフィス16a,16b および固定オリフィス15前後の差圧が増大してスプール弁3をさらに右側に移 動させ、還流量を増大させる(図2、図3参照)。
【0040】 したがって、このようなスプール弁3の動きによって、動力舵取装置PSへの 供給流量が図4においてCで示すように減少し、さらに図3に示したように二つ のメータリングオリフィス14,15が閉塞された状態となると、固定オリフィ ス13前後の差圧力によって、図4中Dで示すように、一定量(Q2)にて保た れることになる。 この結果、動力舵取装置PSへの供給流量が減少させられ、いわゆるドルーピ ング特性を得て、操舵感覚の適正化を図り、車輌の高速走行時の安定性が高めら れるとともに、高速走行時における消費馬力の軽減を図ることができる。
【0041】 したがって、本考案によれば、ポンプPからの供給流量が変動したり、動圧が 直接作用することによる制御スリーブ20の無用な発振、移動を防ぐことができ 、これにより制限通路10前、後での圧力差によって、制御スリーブ20の適切 な動きを得て、無復帰ドルーピング特性をもつ流量制御機能を発揮させ得るもの である。
【0042】 なお、本考案は上述した実施例構造には限定されず、流量制御弁装置各部の形 状、構造等を適宜変形、変更し得ることは言うまでもない。たとえば筒状絞り部 材6のフランジ部6aや開口部6bの形状、オリフィス15;16a,16b等 といった各部の位置、形状、数等としては、上述した実施例構造に限らず、種々 の変形例が考えられるものである。
【0043】 また、上述した実施例では、カラー部材30をコネクタ5の内方端とその内部 に嵌挿して設けられる筒状絞り部材6内方端のフランジ部6aとの間に挾み込ん で固定して配置させた場合を説明したが、固定部としての筒状絞り部材6側に付 設されておればよいことは言うまでもない。
【0044】
【考案の効果】
以上説明したように本考案に係る流量制御弁装置によれば、圧力流体供給通路 途中のオリフィス前後の差圧によって作動される流量制御用スプール弁と、ポン プハウジングの弁収納孔開口端を閉塞して設けられ流体機器への圧力流体送出口 を有するコネクタの軸芯部に一体的に設けられかつ内方端に弁収納孔内壁との間 に供給通路を制限的に連通する制限通路を形成するフランジ部が形成されるとと もに前記オリフィスを有する筒状絞り部材と、この筒状絞り部材外周部に摺動自 在に設けられ制限通路前後の圧力差によって作動されてオリフィスを縮小制御す る流量制限用の制御スリーブと、この制御スリーブ内方端側に制限通路上流側の 流体圧を作用させるように筒状絞り部材の外周側に形成された圧力流体供給側室 を備え、この圧力流体供給側室から制御スリーブを画成するカラー部材を、筒状 絞り部材側に付設し、かつこのカラー部材に制御スリーブに制限通路上流側の流 体圧を導くダンパオリフィスを形成するようにしたので、簡単な構成にもかかわ らず、以下のような実用上種々優れた効果がある。
【0045】 (1)圧力流体供給側室に対向して筒状絞り部材外周部に嵌装される制御スリー ブを、この圧力流体供給側室からダンパオリフィスを有するカラー部材によって 隔離し、圧力流体が制御スリーブに直接当たることで作用する動圧による従来の 悪影響を防ぎ、制御スリーブの動きを安定させ、流量変動による影響のない流量 制御を所要の状態で行なえる。
【0046】 (2)ポンプ回転数の上昇に伴なうポンプ吐出流量の増加に応じて生じるオリフ ィス前後の差圧により流量制御用スプール弁を所要の状態で移動させ、余剰流量 をタンク側に還流させ、流体機器への供給流量制御を適正に行なえるとともに、 制限通路前後の差圧力で作動される制御スリーブによってオリフィスを縮小制御 し、ポンプ回転数が上昇して供給側通路からの流量が増加したときに、制限通路 前後での差圧力が必要以上に上昇することを抑制し、所望のドルーピング特性を 得ることが可能で、結果として無復帰ドルーピング特性をもつ流量制御を所要の 状態で行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る流量制御弁装置の一実施例を示す
要部断面図である。
【図2】図1で示した流量制御弁装置の作動状態を説明
する要部断面図である。
【図3】図1で示した流量制御弁装置の作動状態を説明
する要部断面図である。
【図4】本考案に係る流量制御弁装置による流量制御特
性を説明するための特性図である。
【符号の説明】 1 ポンプハウジング 2 弁収納孔 2a 小径部 2b 大径部 3 流量制御用スプール弁 4 圧油送出口(圧力流体送出口) 5 コネクタ 5a 軸孔部 6 筒状絞り部材 6a フランジ部 6b 端部開口部 6c 段差部 7 供給側通路 8 還流側通路 9 スプリング 9a スプリング室 10 制限通路 11 圧油通路(圧力流体通路) 12 圧油通路(圧力流体通路) 13 圧油供給側室 14 スプール先端側室 15 固定オリフィス 16a メータリングオリフィス 16b メータリングオリフィス 17 連通孔 18 環状空間 20 流量制限用の制御スリーブ 21 スプリング 23 受圧面 24 通路 25a 通路 25b 通路 30 カラー部材 31 小孔(ダンパオリフィス)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプから吐出された圧力流体を流体機
    器に給送する供給通路途中にオリフィスを設け、このオ
    リフィス前後の差圧によって流量制御用のスプール弁を
    開弁し、圧力流体の一部を還流させるように構成されて
    いる流量制御弁装置において、 ポンプハウジングに形成したスプール弁の弁収納孔開口
    端を閉塞するように設けられかつ流体機器への圧力流体
    送出口を有するコネクタと、前記弁収納孔内に内方端が
    臨むようにしてこのコネクタ軸芯部に一体的に設けられ
    かつ前記弁収納孔内壁との間に供給通路を制限的に連通
    する制限通路を形成するフランジ部が内方端に形成され
    るとともに内部に前記オリフィスを有する筒状絞り部材
    と、この筒状絞り部材の外周部に摺動自在に設けられか
    つ前記制限通路前後の圧力差によって作動され前記オリ
    フィスを縮小制御する流量制限用の制御スリーブと、こ
    の制御スリーブの内方端側に前記制限通路上流側の流体
    圧を作用させるように筒状絞り部材の外周部に形成され
    た圧力流体供給側室とを備えてなり、 前記筒状絞り部材の外周部に摺動自在に設けられた制御
    スリーブに対し、前記圧力流体供給側室から画成するカ
    ラー部材を筒状絞り部材側に付設し、かつこのカラー部
    材に前記制御スリーブに制限通路上流側の流体圧を導く
    ダンパオリフィスを形成したことを特徴とする流量制御
    弁装置。
JP3377392U 1992-04-23 1992-04-23 流量制御弁装置 Pending JPH0584567U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009286379A (ja) * 2008-06-02 2009-12-10 Jtekt Corp パワーステアリング装置

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