JP2556168Y2 - パワーステアリング装置用流量制御弁 - Google Patents

パワーステアリング装置用流量制御弁

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JP2556168Y2
JP2556168Y2 JP1990080682U JP8068290U JP2556168Y2 JP 2556168 Y2 JP2556168 Y2 JP 2556168Y2 JP 1990080682 U JP1990080682 U JP 1990080682U JP 8068290 U JP8068290 U JP 8068290U JP 2556168 Y2 JP2556168 Y2 JP 2556168Y2
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繁二 國本
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Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、自動車等に備えられるパワーステアリング
装置に用いる、圧力作動油の供給流量を制御する流量制
御弁に関する。
《従来の技術》 油圧式の自動車用パワーステアリング装置のパワーソ
ースとしては、例えばベーンポンプ等の回転式容積形オ
イルポンプが広く使用されており、それらのポンプは通
常、エンジンによって駆動される。従ってエンジンの回
転速度が上昇するとポンプの回転速度も上昇し、ポンプ
から吐出される圧油の量が増大する。
一方、パワーステアリング装置の操舵助勢力を発生す
る油圧回路は、通常、その油圧回路を流れている作動油
の流量とそれによって発生される操舵助勢力の程度とが
対応するように設計されている。従って所望の程度の助
勢が得られるようにするためには、油圧回路を流れる作
動油の流量が、所望の助勢の程度に対応した流量となる
ように制御する必要がある。
多くの場合、油圧回路を流れる作動油流量は、実際に
ステアリング操作が行われているか、それともハンドル
が一定位置に保持されているかには、直接的に大きな影
響を受けないように設計されている。ただし、油圧回路
の入力部(作動油供給部)における油圧は、ステアリン
グ操作が行われると上昇するようになっている。
従って、一般的な油圧式の自動車用パワーステアリン
グ装置には、オイルポンプの回転数の高低にも、また油
圧回路の入力部の圧力変動にも影響されることなく、所
望の助勢程度に対応した流量の作動油を油圧回路へ供給
することができるようにするための流量制御弁が備えら
れている。
助勢の程度は、運転操作のし易さという点からは、通
常一定であることが必ずしも最良ではないことが知られ
ている。むしろ自動車の走行速度に応じて、停車中の据
切り時(エンジンはアイドル状態)や低速走行時(エン
ジンは低速回転状態)には助勢を比較的大きくし、一
方、高速時には助勢を比較的小さくすることが望まし
い。そのため、オイルポンプの回転速度が所定値以上に
なったならば油圧回路への作動油の供給量を減少させ
る、いわゆるフローダウン機能を備えた流量制御弁が提
案されている。
この種の従来の流量制御弁の例を、第4図、第5図、
第6図(a)、及び第6図(b)を参照して説明する。
第4図はフローダウン機能を備えた従来の流量制御弁
であり、基本的には、常に一定の流量の作動油を吐出ポ
ートへ送給するように働くメイン流路と、ポンプからの
圧油の流入流量の少ない領域においてのみ、吐出ポート
へ作動油を送給するサブ流路とを並列的に組み合わせ、
それらの送給量の和が実際に油圧回路へ供給される作動
油供給量となるようにしたものである。
第4図に示すように、スプリング室40の中にスプール
42が摺動自在に配設され、このスプール42の前後に、夫
々、第1圧力室P1と第2圧力室P2とが画成されている。
スプール42はスプリング43によって第1圧力室P1の側へ
付勢されている。
第1圧力室P1は、ポンプからの圧油が流入する流入ポ
ート44と常時直接に連通しており、また、油圧回路へ向
けて作動油を吐出供給するための吐出ポート46とはメイ
ンオリフィス48を介して連通している。第1圧力室P1は
更に、リザーバタンクへ余剰作動油を還流させるための
ドレンポート50に対して、スプール42の位置に応じて異
なる開度で連通自在とされている。スプール42が移動す
ると第1圧力室P1からドレンポート50への還流流路の有
効流路断面積が変化し、それによって第1圧力室P1の圧
力が変化する。第2圧力室P2は、オリフィス54と油路52
とを介して吐出ポート46と連通されており、これによっ
て両者の圧力は実質的に等しくなる。オリフィス54は、
スプール42の動作を安定させるために介装されている。
以上に説明した部分によって、メインオリフィス48を
通る通路であるメイン流路の流量が制御されている。こ
のメイン流路の作用について以下に説明する。
スプール42の位置は、その前後の第1及び第2圧力室
P1、P2の間の差圧と、スプリング43による付勢力とがバ
ランスする位置に定まる。スプリング43の付勢力は、ス
プール42が移動してもそれ程大きな変化を生じすことは
ない。例えば、エンジンの回転速度が上昇してポンプか
ら第1圧力室P1への圧油流入量が増加した場合には、ス
プール42が図中右動し、第1圧力室P1からドレンポート
50への還流流路の有効断面積が増大する。従って、ポン
プからの圧油流入量が上昇しても、第1圧力室P1の圧力
の上昇は回避されるため、第1及び第2圧力室P1、P2の
間の差圧は、これに影響を受けることなく略々一定値に
保持される。一方、ステアリング操作が行われて吐出ポ
ート46内の圧力が上昇した場合には、この吐出ポート46
に連通している第2圧力室P2の圧力も上昇することか
ら、スプール42が図中左動して還流流路の有効断面積が
減少する。これに応じて第1圧力室P1の圧力が上昇する
ため、第1及び第2圧力室P1、P2の間の差圧は吐出ポー
ト46の圧力の変動にも影響されず、この場合にも略々一
定値に保持される。この双方の圧力室P1とP2との間の差
圧はメインオリフィス48の前後の差圧に等しいため、こ
のメインオリフィス48を通って第1圧力室P1から吐出ポ
ート46へ流れる作動油の流量(即ちメイン流路の作動油
供給流量)は、第6図(a)に示すように略々一定のQ2
に保持される。
第4図の流量制御弁は、更にサブ流路を備えている。
このサブ流路はスプール室40に形成されたサブオリフィ
ス56を通る流路である。サブオリフィス56は第2流入ポ
ート58からスプール室40への出口に設けられており、こ
の第2流入ポート58とスプール42の中央部に形成された
環状溝60とによって、スプール42の位置に応じてサブ流
路を開閉制御する開閉機構が構成されている。環状溝60
は更に、吐出ポート46に連通している前記油路52に、連
通ポート62を介して常時連通している。
以上のサブ流路の作用について以下に説明する。スプ
ール42は、ポンプからの圧油流入量が比較的少ないポン
プの低回転時には図中左方に位置していてサブ流路を開
放している。このとき、油路回路への作動油供給量はメ
イン流路の流量とサブ流路の流量との和Q1(第6図
(b)参照)となっている。ポンプの回転数が上昇して
圧油の流入量が増加するにつれてスプール42は第2図中
右動し、流入量が所定の値に達すると(ポンプ回転数が
第6図(b)に示すR1に達すると)サブ流路を閉塞し始
め、そして更に右動すると(ポンプ回転数がR2の点に達
すると)サブ流路を完全に閉塞する。ポンプ回転数がR2
以上の領域においては、作動油の供給量はメイン流路を
介して供給されるだけの量Q2となる。これによって、第
6図(b)に実線で示すような、低速では油圧回路への
作動油供給量が大きく高速ではその供給量が減少する、
フローダウン機能が得られている。
しかしながら以上の第4図の流量制御弁には、ステア
リング操作により吐出ポート46内の圧力が上昇した際
に、フローダウン機能が失われ、ないしは不十分なもの
となることがあるという問題があった。
即ち、吐出ポート46内の圧力が上昇したならば、それ
と連通している第2圧力室P2の圧力も上昇するため、第
1圧力室P1と第2圧力室P2との差圧を一定に保つように
移動するスプール42は、第4図中左方へ移動して第1圧
力室P1の圧力を上昇させようとする。このときスプール
42が、それまで閉塞していたサブ流路を開放してしまっ
たり、あるいはサブ流路の開度を増大させることがあ
り、それによって第6図(b)にハッチングで示す分だ
け吐出流量が増加してしまい、同図に点線で示すように
特性変化してフローダウン機能に支障が生じるのであ
る。
この問題を解決するための流量制御弁が、特開昭60−
136673号公報に開示されており、それを第5図に示す。
同公報の流量制御弁は、ポンプから吐出される作動油
のうち、必要流量をパワーステアリング装置に導き、余
剰油流量をドレン通路に戻すようにした流量制御弁であ
って、一端にパワーステアリング装置へ作動油を導く吐
出孔101を備えた中空状のコネクタ100の、他端に設けた
メインオリフィス102を、ポンプからの吐出油を導く導
入通路104にのぞんで開口させ、このコネクタ100の中空
内部には、前記吐出孔101に連通する連通孔105と、この
連通孔105とメインオリフィス102との間に形成されて中
空内部を軸方向に区画して、連通孔105側にサブスプー
ル収容孔106を形成する隔成部107とを設け、前記サブス
プール収容孔106内には、サブスプール108を嵌挿して、
隔成部107側に導入圧力室110を形成すると共に、このサ
ブスプール108の先端に設けた絞り部109を前記連通孔10
5内に挿入して可変絞りのサブオリフィス112を形成し、
かつ、このサブオリフィス112に連なる連通路113が開口
する後端を、前記隔成部107を貫通して突出させ、前記
導入圧力室110に導入通路104の圧力を導くことにより、
サブスプール108に対しメインオリフィス102の前後の差
圧を作用させて、この差圧の増大によって、前記サブオ
リフィス112の絞り度合を強め、かつ、この差圧と対抗
するサブスプール用スプリング115を付勢し、更に、前
記ドレン通路が開口するメインスプール収容孔116内
に、前記余剰油流量を制御するメインスプール118を嵌
挿してこの内部を一次圧力室120と二次圧力室122とに隔
成し、この一次圧力室120内には前記メインオリフィス1
02を通過した後の作動油を、二次圧力室122内には前記
サブオリフィス112を通過した後の作動油の圧力をそれ
ぞれ導くことにより、メインスプール118に対し前記サ
ブオリフィス112の前後差圧を作用させ、この差圧の増
大によって、前記ドレン通路の開口面積を増大させ、か
つ、この差圧に対抗するメインスプール用スプリング12
3を付勢するようにした流量制御弁である。
この第5図の従来の流量制御弁においては、メインス
プール118のほかに、このメインスプール118とは別体の
サブスプール108を、コネクタ100の中空内部に形成され
たサブスプール収容孔106内に摺動可能に嵌挿し、この
サブスプール108の先端に設けた絞り部を、作動油の吐
出孔に連通する連通穴内に挿入して可変絞りのサブオリ
フィス112を形成する一方、このサブオリフィス112に連
なる連通路が開口するサブスプール108の後端を、コネ
クタ100の中空内部を軸方向に区画するための画成部に
対して貫通させてそれらの間に導入圧力室110を形成
し、この導入圧力室110に、ポンプから吐出される作動
油が導かれる導入通路104の圧力を導くようにしたの
で、サブスプール108に対しメインオリフィス102の前後
の差圧を作用させて、この差圧の増大によって、前記サ
ブオリフィス112の絞り具合を強めることができ、それ
によってフローダウン機能が確実に得られるようになっ
ている。
《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、この第5図に示した種類の流量制御弁
では、メインとサブの2つのスプールを複合して構成し
てあるため、流量制御弁の構造が複雑であり、部品点数
が多く、組立にも手間と時間とを必要とするという問題
があった。
従って本考案の目的は、簡明な構成でフローダウン機
能を確実に得ることができる流量制御弁を提供すること
にある。
《課題を解決するための手段》 本考案は、上記目的を達成するために、圧油が流入す
る流入ポートと、パワーステアリング装置の油圧回路へ
作動油を吐出供給する吐出ポートと、それら流入及び吐
出ポートの間に設けたメインオリフィスと、余剰の圧油
を還流させるドレンポートとを備え、スプール室内のス
プールの移動により前記メインオリフィスの前後の差圧
を制御して吐出流量制御を行うようにしたパワーステア
リング装置用流量制御弁において、前記流入ポートとメ
インオリフィスとの間に、サブオリフィスを設け、この
サブオリフィス通過前の圧力が作用してドレン流量を増
加させる方向にスプールを移動させる受圧部と、サブオ
リフィス通過後の圧力が作用してドレン流量を減少させ
る方向にスプールを移動させる受圧部とを有するサブピ
ストンを、前記スプールに形成したことにより、圧油流
入量に応じて作動油吐出流量が減少するようにしたこと
を特徴とする。
《作用》 従って、本考案によれば、サブオリフィス前後の圧力
差がサブピストンに作用して、スプールの流量制御作用
を司ると共に、サブオリフィスがメインオリフィスの前
に配置されているので、パワーステアリング操作の負荷
変動の影響を受けることなく、流量制御作用を好適に行
う。
《実施例》 以下に本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。
第1図は、本考案の一実施例に係る流量制御弁を示す
断面図である。この流量制御弁は、ケーシング10の内部
に形成されたスプール収容孔12の開放端(図中左端)に
略々円筒形のコネクタプラグ14を嵌挿取付することによ
り形成した、スプール室15を備えている。コネクタプラ
グ14とスプール孔12との間は液密状態とし、そのために
必要とあらば、パッキン13等を介装するようにする。
コネクタプラグ14は、その図中左側の部分がパワース
テアリング装置の油圧回路へ向けて作動油を吐出供給す
るための吐出ポート16として形成されており、また、そ
の図中右側の部分が、後述するスプールのサブピストン
部を摺動自在に収容するシリンダ部18として形成されて
いる。これらの吐出ポート16とシリンダ部18とは隔壁部
20で互いに区画されており、この隔壁部20の中央には、
後述するスプールの流路管部が挿通される開口21が形成
されている。開口21の周囲にはシリンダ部18側へ突出し
た突起21aが形成してあり、これはスプールのサブピス
トン部と隔壁部20との間に空間を確保し、圧油流入量が
零になったときにも後述する補助圧力室が保持されるよ
うにするためのものである。
スプール室15の周壁には、オイルポンプからの圧油が
流入する流入ポート22と、余剰の圧油をリザーバタンク
へ還流させるドレンポート23とが形成されている。
スプール室15の中にはスプール24が摺動自在に配設さ
れており、このスプール24はメインピストン部24aと、
このメインピストン部24aから第1図中の左方へ軸方向
に延出している小径の円筒形の流路管部24bとを有して
おり、更にこの流路管部24bの中間の位置にサブピスト
ン部24cを備えている。メインピストン部24aの第1図中
左側には、サブピストン部24cとの間に第1圧力室P1が
画成されており、また、メインピストン部24aの図中右
側には第2圧力室P2が画成されている。第2圧力室P2は
ケーシング10に形成した連通路27と、コネクタプラグ14
に形成した連通穴14aとを介して、吐出ポート16と圧力
的に連通している。流路管部24bはその先端が隔壁部20
の開口21を貫通して吐出ポート16の内部へ延出してお
り、これらの流路管部24bと開口21とはガイドブッシュ2
1bによって互いに滑らかに摺動するようになっており、
しかもそれらの間の摺接部から圧油の漏出が実質的に生
じないような液密状態で互いに接するようになってい
る。流路管部24bの内部の流路25は、その先端において
吐出ポート16と連通していると共に、流路管部24b上に
形成されているメインオリフィス26を介して、第1圧力
室P1と連通している。
スプール24はスプリング28によって第2圧力室P2側か
ら第1圧力室P1側へ向けて付勢されている。第1圧力室
P1はスプール24の位置に応じてドレンポート23と連通自
在である。スプール24が第1圧力室側へ移動するとそれ
によってドレンポート23の有効流路断面積が減少し、ま
た第2圧力室側へ移動するとそれによってドレンポート
23の有効流路断面積が増大するようになっている。これ
によって第1圧力室P1からドレンポート23を介してリザ
ーバタンクへ還流する圧油の還流流量が制御され、また
それに対応して、吐出ポート16からパワーステアリング
装置の油圧回路へ、作動油が所望の供給流量で吐出供給
される。
スプール室15の内部には更に、スプール24のサブピス
トン部24cとコネクタプラグ14の隔壁部20との間に、補
助圧力室P3が画成されている。この補助圧力室P3は、流
入ポート22と直接連通していると共に、コネクタプラグ
14とスプール孔12の壁面との間に形成されたサブオリフ
ィス29を介して第1圧力室P1に連通している。ポンプで
発生された圧油は、流入ポート22からこのサブオリフィ
ス29を経由して第1圧力室P1へ流入し、その際に、この
サブオリフィス29のために、補助圧力室P3と第1圧力室
P1との間に流入ポート22からの圧油流入量に応じた差圧
が発生する。
補助圧力室P3と第1圧力室P1との間を区画しているス
プール24のサブピストン部24cは、コネクタプラグ14の
シリンダ部18の内部に摺動自在に収容されているため、
スプール24がこの差圧によって第2圧力室P2側へ付勢さ
れるようにする差圧受圧部として機能する。
以上の流量制御弁の動作について以下に説明する。説
明を容易にするために、先ず最初に補助圧力室P3の作用
がなかった場合を仮に想定して、その場合の動作を考え
ると、スプール24は第1圧力室P1と第2圧力室P2との間
の差圧と、スプリング28による付勢力とがバランスする
ように移動することになるため、第4図に示した従来の
流量制御弁のメイン流路による供給流量特性と同様、第
6図(c)の一点鎖線で示すような略々一定の作動油吐
出流量特性が得られることになる。実際には、この特性
に、前記差圧による流量補正が加えられる。即ち、補助
圧力室P3と第1圧力室P1との間の差圧は、サブオリフィ
ス29によって発生されるものであるため、ポンプから流
入ポートへ流入する圧油流量の二乗に比例するものとな
る。この差圧がサブピストン部24cに作用すると、スプ
ール24に加わる力がバランスせねばならないため、スプ
ール42が第2圧力室側に移動し、この際、ドレンポート
23の有効流路断面積が増加し、ドレンポート23を介しリ
ザーバタンクへの還流流量が増加し、その増加分だけ、
メインオリフィス26を通って吐出ポート16へ流れる作動
油の流量が減少する。そのため本考案の流量制御弁の実
際の吐出流量特性は、第6図(c)の実線のように、フ
ローダウン特性を示す。
このようにして得られるフローダウン機能は常に安定
しており、ステアリング操作のために吐出ポート16内の
圧力が上昇し、その結果スプール24が第1圧力室P1側へ
移動してもそれによって影響を受けることはない。なぜ
ならば、このフローダウン機能を発生させている、補助
圧力室と第1圧力室との間の差圧は、流入ポートからの
圧油流入量だけに依存して定まり、スプール24の位置と
は無関係だからである。
第2図は、本考案の他の実施例に係る流量制御弁を示
す断面図である。この流量制御弁は、第1図に示す実施
例と同様に、ケーシング10の内部に形成されたスプール
収容孔12の開放端(図中左端)に略々円筒形のコネクタ
プラグ14を嵌挿取付することにより形成した、スプール
室15を備えている。コネクタプラグ14とスプール孔12と
の間は液密状態とし、そのために必要とあらば、パッキ
ン13等を介装するようにしており、コネクタプラグ14
は、その図中左側の部分がパワーステアリング装置の油
圧回路へ向けて作動油を吐出供給するための吐出ポート
16として形成されて、また、その図中右側の部分は、隔
壁部20として形成され、吐出ポート16とシリンダ部18と
を互いに区画しており、この隔壁部20の中央には、後述
するスプール24の流路管部24bが挿通される開口21が形
成されている。開口21の周囲には後述の補助圧力室P3側
へ突出した突起21aが形成してある。又、スプール室15
の周壁には、オイルポンプからの圧油が流入する流入ポ
ート22と、余剰の圧油をリザーバタンクへ還流させるド
レンポート23とが形成されている。
スプール室15の中にはスプール24が摺動自在に配設さ
れており、このスプール24はメインピストン部24aと、
このメインピストン部24aから第1図中の左方へ軸方向
に延出している小径の円筒形の流路管部24bとを有して
いる。メインピストン部24aの図中右側には第2圧力室P
2が画成されている。第2圧力室P2はケーシング10に形
成した連通路27と、コネクタプラグ14に形成した連通穴
14aとを介して、吐出ポート16と圧力的に連通してい
る。流路管部24bはその先端が隔壁部20の開口21を貫通
して吐出ポート16の内部へ延出しており、これらの流路
管部24bと開口21とはガイドブッシュ21bによって互いに
滑らかに摺動するようになっており、しかもそれらの間
の摺接部から圧油の漏出が実質的に生じないような液密
状態で互いに接するようになっている。流路管部24bの
内部の流路25は、その先端において吐出ポート16と連通
していると共に、流路管部24b上に形成されているメイ
ンオリフィス26を介して、第1圧力室P1と連通してい
る。
スプール24はスプリング28によって第2圧力室P2側か
ら第1圧力室P1側へ向けて付勢されている。第1圧力室
P1はスプール24の位置に応じてドレンポート23と連通自
在である。スプール24が第1圧力室P1側へ移動するとそ
れによってドレンポート23の有効流路断面積が減少し、
また第2圧力室P2側へ移動するとそれによってドレンポ
ート23の有効流路断面積が増大するようになっている。
これによって第1圧力室P1からドレンポート23を介して
リザーバタンクへ還流する圧油の還流流量が制御され、
またそれに対応して、吐出ポート16からパワーステアリ
ング装置の油圧回路へ、作動油が所望の供給流量で吐出
供給される。
第2図に示す実施例では、前記流路管部24bの中間の
位置に、ランド241cを備えてサブピストン部として後述
の差圧受圧部を形成している。そしてメインピストン部
24aの第2図中左側には、ランド241cとの間に第1圧力
室P1が画成されている。スプール24のサブピストン部と
してのランド241cとコネクタプラグ14の隔壁部20との間
に、補助圧力室P3をスプール室15の内部において画成し
て、この補助圧力室P3には流入ポート22と直接連通して
いると共にランド241cとスプール孔12の壁面との間に形
成されたサブオリフィス291を介して第1圧力室P1に連
通している。ポンプで発生された圧油は、流入ポート22
からこのサブオリフィス291を介して第1圧力室P1に連
通している。
ポンプで発生された圧油は、流入ポート22からこのサ
ブオリフィス291を経由して第1圧力室P1へ流入し、そ
の際に、このサブオリフィス291のために、補助圧力室P
3と第1圧力室P1との間に流入ポート22から圧油流入量
に応じた差圧が発生する。補助圧力室P3と第1圧力室P1
との間を区画しているスプール24のランド241cは、スプ
ール24がこの差圧によって第2圧力室P2側へ付勢される
ようにする差圧受圧部として機能する。
以上の流量制御弁の動作について以下に説明する。説
明を容易にするために、第1図の説明と同様、先ず最初
に補助圧力室P3の作用がなかった場合を仮に想定して、
その場合の動作を考えると、スプール24は第1圧力室P1
と第2圧力室P2との間の差圧と、スプリング28による付
勢力とがバランスするように移動することになるため、
第4図に示した従来の流量制御弁のメイン流路による供
給流量特性と同様、第6図(c)の一点鎖線で示すよう
な略々一定の作動油吐出流量特性が得られることにな
る。実際には、この特性に、前記差圧による流量補正が
加えられる。即ち、補助圧力室P3と第1圧力室P1との間
の差圧は、サブオリフィス291によって発生されるもの
であるため、ポンプから流入ポートへ流入する圧油流量
の二乗に比例するものとなる。この差圧がサブピストン
部241cに作用すると、スプール24に加わる力がバランス
せねばならないため、スプール24が第2圧力室側に移動
し、この際、ドレンポート23の有効流路断面積が増加
し、ドレンポート23を介しリザーバタンクへの還流流量
が増加し、その増加分だけ、メインオリフィス26を通っ
て吐出ポート16へ流れる作動油の流量が減少する。その
ため本考案の流量制御弁の実際の吐出流量特性は、第6
図(c)の実線のように、フローダウン特性を示す。
このようにして得られたフローダウン機能は第1図の実
施例と同様、常に安定しており、ステアリング操作のた
めに吐出ポート16内の圧力が上昇し、その結果スプール
24が第1圧力室P1側へ移動してもそれによって影響を受
けることはない。
第3図は、更に他の実施例を示すもので第2図に示し
た実施例のランド241cが流路管部24bに一体に設けられ
たものに対し、該流路管部24b上を摺動自在に挿入した
リング状ランド242cで構成し、このリング状ランド242c
とメインピストン部24aとの間にスプリング30を縮設
し、パワーステアリング装置の操作により吐出ポート16
の圧力が急激に変化したことにより、スプール24が移動
する際にリング状ランド242cが急激に移動しても差圧が
変化するのをスプリング30により防止しようとしたもの
である。
なお、上記実施例では、流路管部24bに設けたメイン
オリフィス26はこの流路管部24bの側壁を穿設して形成
しているが、これに限定されることなく、側壁の穿設部
は単なる圧油の入口孔として、その代わりに流路管部24
bの吐出ポート16側先端を絞ってメインオリフィス26を
形成してもよい。
《考案の効果》 以上説明したように、本考案によれば、パワステアリ
ング装置用流量制御弁において、流入ポートとメインオ
リフィスとの間に、サブオリフィスを設け、このサブオ
リフィス通過前の圧力が作用してドレン流量を増加させ
る方向にスプールを移動させる受圧部と、サブオリフィ
ス通過後の圧力が作用してドレン流量を減少させる方向
にスプールを移動させる受圧部とを有するサブピストン
を、前記スプールに形成したことにより、圧油流入量に
応じて作動油吐出流量が減少するように構成したことか
ら、サブオリフィス前後の圧力差がサブピストンに作用
して、スプールの流量制御作用を司ると共に、サブオリ
フィスがメインオリフィスの前に配置されているので、
パワーステアリング操作の負荷変動の影響を受けること
なく、流量制御作用を好適に行うことができ、この結
果、ステアリング操作によって吐出ポート内の圧力が上
昇しても、それによってフローダウン機能に支障を生じ
ることのない常に確実に動作するパワーステアリング装
置用流量制御弁が、1つだけのスプールを備えた極めて
簡明な構成によって実現されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本考案に係る流量制御弁の一実施例
を示す断面図、第4図と第5図は夫々従来の流量制御弁
の例を示す断面図、第6図(a)は第2図の流量制御弁
のメイン流路の作動油供給流量特性を示す線図、第6図
(b)は第5図の流量制御弁の作動油吐出流量特性を示
す線図、第6図(c)は本考案に係る第1図乃至第3図
の流量制御弁の作動油吐出流量特性を示す線図である。 15…スプール室、16…吐出ポート、21…開口、22…流入
ポート、23…ドレンポート、24…スプール、24b…流路
管部、24c、241c、242c…差圧受圧部(サブピストン
部、ランドリング状ランド)、26…メインオリフィス、
28…スプリング、29…サブオリフィス、P1…第1圧力
室、P2…第2圧力室、P3…補助圧力室。

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧油が流入する流入ポートと、パワーステ
    アリング装置の油圧回路へ作動油を吐出供給する吐出ポ
    ートと、それら流入及び吐出ポートの間に設けたメイン
    オリフィスと、余剰の圧油を還流させるドレンポートと
    を備え、前記流入ポートからの流入量に応じてスプール
    室内のスプールが移動して前記ドレンポートからのドレ
    ン流量を増減させ、前記メインオリフィスを介して前記
    吐出ポートから供給される吐出流量制御を行うようにし
    たパワーステアリング装置用流量制御弁において、 前記流入ポートとメインオリフィスとの間に、サブオリ
    フィスを設け、このサブオリフィス通過前の圧力が作用
    してドレン流量を増加させる方向にスプールを移動させ
    る受圧部と、サブオリフィス通過後の圧力が作用してド
    レン流量を減少させる方向にスプールを移動させる受圧
    部とを有するサブピストンを、前記スプールに設けたこ
    とにより、圧油流入量に応じて作動油吐出流量が減少す
    るようにしたことを特徴とするパワーステアリング装置
    用流量制御弁。
  2. 【請求項2】前記スプール室内の前記スプールの前後に
    第1圧力室と第2圧力室とを画成し、前記サブオリフィ
    スの上流側に補助圧力室を設け、前記スプールに設けた
    サブピストンを、その一側が前記補助圧力室に臨み他側
    が前記第1圧力室に臨むように形成したことを特徴とす
    る請求項(1)記載のパワーステアリング装置用流量制
    御弁。
  3. 【請求項3】前記スプールに、前記スプール室の前記第
    1圧力室側の壁部に設けた開口を液密的に貫通して前記
    吐出ポート内へ延出する流路管部を設け、該流路管部に
    前記メインオリフィスを形成することにより前記第1圧
    力室を前記吐出ポートに連通させたことを特徴とする請
    求項(2)記載のパワーステアリング装置用流量制御
    弁。
  4. 【請求項4】前記スプールに設けたサブピストンを、前
    記スプールに摺動自在に挿入したリング状ランドで形成
    し、該リング状ランドとスプールとの間にスプリングを
    縮設したことを特徴とする請求項(1)記載のパワース
    テアリング装置用流量制御弁。
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