JP2525715Y2 - パワーステアリング装置用流量制御弁 - Google Patents

パワーステアリング装置用流量制御弁

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JP2525715Y2
JP2525715Y2 JP9002390U JP9002390U JP2525715Y2 JP 2525715 Y2 JP2525715 Y2 JP 2525715Y2 JP 9002390 U JP9002390 U JP 9002390U JP 9002390 U JP9002390 U JP 9002390U JP 2525715 Y2 JP2525715 Y2 JP 2525715Y2
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【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、自動車等に備えられるパワーステアリング
装置に用いる、圧力作動油の供給流量を制御する流量制
御弁に関する。
《従来の技術》 油圧式の自動車用パワーステアリング装置のパワーソ
ースとしては、例えばベーンポンプ等の回転式容積形オ
イルポンプが広く使用されており、それらのポンプは通
常、エンジンによって駆動される。従ってエンジンの回
転速度が上昇するとポンプの回転速度も上昇し、ポンプ
から吐出される圧油の量が増大する。
一方、パワーステアリング装置の操舵助勢力を発生す
る油圧回路は、通常、その油圧回路を流れている作動油
の流量とそれによって発生される操舵助勢力の程度とが
対応するように設計されている。従って所望の程度の助
勢が得られるようにするためには、油圧回路を流れる作
動油の流量が、所望の助勢の程度に対応した流量となる
ように制御する必要がある。
多くの場合、油圧回路を流れる作動油流量は、実際に
ステアリング操作が行なわれているか、それともハンド
ルが一定位置に保持されているかには、直接的に大きな
影響を受けないように設計されている。ただし、油圧回
路の入力部(作動油供給部)における油圧は、ステアリ
ング操作が行なわれると上昇するようになっている。
従って、一般的な油圧式の自動車用パワーステアリン
グ装置には、オイルポンプの回転数の高低にも、また油
圧回路の入力部の圧力変動にも影響されることなく、所
望の助勢程度に対応した流量の作動油を油圧回路へ供給
することができるようにするための流量制御弁が備えら
れている。
助勢の程度は、運転操作のし易さという点からは、常
時一定であることが必ずしも最良ではないことが知られ
ている。むしろ自動車の走行速度に応じて、停車中の裾
切り時(エンジンはアイドル状態)や低速走行時(エン
ジンは低速回転状態)には助勢を比較的大きくし、一
方、高速時には助勢を比較的小さくすることが望まし
い。そのため、オイルポンプの回転速度が所定値以上に
なったならば油圧回路への作動油の供給量を減少させ
る、いわゆるフローダウン機能を備えた流量制御弁が提
案されている。
この種の従来の流量制御弁の例を、第3図、第4図、
第5図(a)及び第5図(b)を参照して説明する。
第3図はフローダウン機能を備えた従来の流量制御弁
であり、基本的には、常に一定の流量の作動油を吐出ポ
ートへ送給するように働くメイン通路と、ポンプからの
圧油の流入流量を少ない領域においてのみ、吐出ポート
へ作動油を送給するサブ通路とを並列的に組み合せ、そ
れらの送給量の和が実際に油圧回路へ送給される作動油
供給量となるようにしたものである。
第3図に示すように、スプール室40の中にスプール42
が摺動自在に配設され、このスプール42の前後に、それ
ぞれ第1圧力室P1と第2圧力室P2とが画成されている。
スプール42はスプリング43によって第1圧力室P1の側へ
付勢されている。
第1圧力室P1は、ポンプからの圧油が流入する流入ポ
ート44と常時直接に連通しており、また、油圧回路へ向
けて作動油を吐出供給するための吐出ポート46とはメイ
ンオリフィス48を介して連通している。第1圧力室P1は
更に、リザーバタンクへ余剰作動油を還流させるための
ドレンポート50に対して、スプール42の位置に応じて異
なる開度で連通自在とされている。スプール42が移動す
ると第1圧力室P1からドレンポート50への還流流路の有
効流路断面積が変化し、それによって第1圧力室P1の圧
力が変化する。第2圧力室P2は、オリフィス54と油路52
とを介して吐出ポート46と連通されており、これによっ
て両者の圧力は実質的に等しくなる。オリフィス54はス
プール42の動作を安定させるために介装されている。
以上に説明した部分によって、メインオリフィス48を
通る通路であるメイン流路の流量が制御されている。こ
のメイン流路の作用について以下に説明する。
スプール42の位置は、その前後の第1及び第2圧力室
P1,P2の間の差圧と、スプリング43による付勢力とがバ
ランスする位置に定まる。スプリング43の付勢力は、ス
プール42が移動してもそれ程大きな変化を生じることは
ない。例えば、エンジンの回転速度が上昇してポンプか
ら第1圧力室P1への圧油流入量が増加した場合には、ス
プール42が図中右動し、第1圧力室P1からドレンポート
50への還流流路の有効断面積が増大する。
従って、ポンプからの圧油流入量が上昇しても、第1
圧力室P1の圧力の上昇は回避されるため、第1及び第2
圧力室P1,P2の間の差圧は、これに影響を受けることな
く略々一定値に保持される。一方、ステアリング操作が
行なわれて吐出ポート46内の圧力が上昇した場合には、
この吐出ポート46に連通している第2圧力室P2の圧力も
上昇することから、スプール42が図中左動して還流流路
の有効断面積が減少する。これに応じて第1圧力室P1の
圧力が上昇するため、第1及び第2圧力室P1,P2の間の
差圧は吐出ポート46の圧力の変動にも影響されず、この
場合にも略々一定値に保持される。この双方の圧力室P1
とP2との間の差圧はメインオリフィス48の前後の差圧に
等しいため、このメインオリフィス48を通って第1圧力
室P1から吐出ポート46へ流れる作動油の流量(即ちメイ
ン通路の作動油供給流量)は、第5図(a)に示すよう
に略々一定のQ2に保持される。
第3図の流量制御弁は、更にサブ流路を備えている。
このサブ流路はスプール室40に形成されたサブオリフィ
ス56を通る流路である。サブオリフィス56は第2流入ポ
ート58からスプール室40への出口に設けられており、こ
の第2流入ポート58とスプール42の中央部に形成された
環状溝60とによって、スプール42の位置に応じてサブ流
路を開閉制御する開閉機構が構成されている。環状溝60
は更に、吐出ポート46に連通している前記油路52に、連
通ポート62を介して常時連通している。
以上のサブ流路の作用について以下に説明する。スプ
ール42は、ポンプからの圧油流入量が比較的少ないポン
プの低回転時には図中左方に位置していてサブ流路を開
放している。このとき、油圧回路への作動油供給量はメ
イン流路の流量とサブ流路の流量との和Q1(第5図
(b)参照)となっている。ポンプの回転数が上昇して
圧油の流入量が増加するにつれてスプール42は第3図中
右動し、流入量が所定の値に達すると(ポンプ回転数が
第5図(b)に示すR′1に達すると)サブ流路を閉塞
し始め、そして更に右動すると(ポンプ回転数がR′2
の点に達すると)サブ流路を完全に閉塞する。ポンプ回
転数R′2以上の領域においては、作動油の供給量はメ
イン流路を介して供給されるだけの量Q2となる。これに
よって、第5図(b)に実線で示すような低速では油圧
回路への作動油供給量が大きく、高速ではその供給量が
減少するスローダウン機能が得られている。
しかしながら以上の第3図の流量制御弁には、ステア
リング操作により吐出ポート46内の圧力が上昇した際
に、フローダウン機能が失われ、ないしは不十分なもの
となることがあるという問題があった。
即ち、吐出ポート46内の圧力が上昇したならば、それ
と連通している第2圧力室P2の圧力も上昇するため、第
1圧力室P1と第2圧力室P2との差圧を一定に保つように
移動するスプール42は、第3図中左方へ移動して第1圧
力室P1の圧力を上昇させようとする。このときスプール
42が、それまで閉塞していたサブ流路を開放してしまっ
たり、あるいはサブ流路の開度を増大させることがあ
り、それによって第5図(b)にハッチングで示す分だ
け吐出流量が増加してしまい、同図に点線で示すように
特性変化してフローダウン機能に支障が生じるのであ
る。
この問題を解決するための流量制御弁が、特開昭60−
136673号公報に開示されており、それを第4図に示す。
同公報の流量制御弁は、ポンプから吐出される作動油
のうち、必要流量をパワーステアリング装置に導き、余
剰油流量をドレン通路に戻すようにした流量制御弁であ
って、一端にパワーステアリング装置へ作動油を導く吐
出孔101を備えた中空状のコネクタ100の、他端に設けた
メインオリフィス102を、ポンプからの吐出油を導く導
入通路104に臨んで開口させ、このコネクタ100の中空内
には、前記吐出孔101に連通する連通孔105と、この連通
孔105とメインオリフィス102との間に形成されて中空内
部を軸方向に区画して、連通孔105側にサブスプール収
容孔106を形成す隔成部107とを設け、前記サブスプール
収容孔106内には、サブスプール108を嵌挿して、隔成部
107側に導入圧力室110を形成すると共に、このサブスプ
ール108の先端に設けた絞り部109を前記連通孔105内に
挿入して可変絞りのサブオリフィス112を形成し、か
つ、このサブオリフィス112に連なる連通路113が開口す
る後端を、前記隔成部107を貫通して突出させ、前記導
入圧力室110に導入通路104の圧力を導くことにより、サ
ブスプール108に対しメインオリフィス102の前後の差圧
を作用させて、この差圧の増大によって、前記サブオリ
フィス112の絞り度合を強め、かつ、この差圧と対向す
るサブスプール用スプリング115を付勢し、更に、前記
ドレン通路が開口するメインスプール収容孔116内に、
前記余剰油流量を制御するメインスプール118を嵌挿し
てこの内部を一次圧力室120と二次圧力室122とに隔成
し、この一次圧力室120内には前記メインオリフィス102
を通過した後の作動油を、二次圧力室122内には前記サ
ブオリフィス112を通過した後の作動油の圧力をそれぞ
れ導くことにより、メインスプール118に対し前記サブ
オリフィス112の前後差圧を作用させ、この差圧の増大
によって、前記ドレン通路の開口面積を増大させ、か
つ、この差圧に対向するメインスプール用スプリング12
3を付勢するようにした流量制御弁である。
この第4図の従来の流量制御弁においては、メインス
プール118のほかに、このメインスプール118とは別体の
サブスプール108を、コネクタ100の中空内部に形成され
たサブスプール収容孔106内に摺動可能に嵌挿し、この
サブスプール108の先端に設けた絞り部を、作動油の吐
出孔に連通する連通孔内に挿入して可変絞りのサブオリ
フィス112を形成する一方、このサブオリフィス112に連
なる連通路が開口するサブスプール108の後端を、コネ
クタ100の中空内部を軸方向に区画するための画成部に
対して貫通させて、それらの間に導入圧力室110を形成
し、この導入圧力室110に、ポンプから吐出される作動
油から導かれる導入通路104の圧力を導くようにしたの
で、メインスプール118の移動とは無関係に、ポンプの
吐出量の増加によるメインオリフィス102の流路抵抗に
よって得られた圧力、即ち導入圧力室110の圧力上昇に
伴う軸方向推力によって、サブオリフィス112の開口面
積を減少するようにして、パワーステアリング装置の作
動により吐出孔101の圧力が上昇しても、サブオリフィ
ス112からパワーステアリング装置へ供給される圧力作
動油の流量を増大させることがなく、前記サブオリフィ
ス112の開口面積の変化に基づくフローダウン特性を安
定的に維持させるよう意図されている。
しかしながら、この第4図に示した種類の流量制御弁
では、メインとサブの2つのスプールを複合して構成し
てあるため、流量制御弁の構造が複雑であり、部品点数
が多く、組立にも手間と時間とを必要とするという問題
がった。
そこで、本出願人は先に簡明な構成でフローダウン機
能を確実に得ることができる流量制御弁を提供すべく提
案した。この流量制御弁によれば第6図に示す如く、ケ
ーシング10の内部に形成されたスプール収容孔12の開放
端(図中左端)に略々円筒形のコネクタプラグ14を嵌挿
取付けすることにより形成したスプール室15を備えてい
る。コネクタプラグ14とスプール孔12との間には液密状
態にするためにパッキン13等を介装するようにしてお
り、コネクタプラグ14は、その図中左側の部分がパワー
ステアリング装置の油圧回路へ向けて作動油を吐出供給
するための吐出ポート16として形成されて、またその図
中右側の部分は、隔成部20として形成され、吐出ポート
16とシリンダ部18とを互いに区画しており、この隔壁部
20の中央には、後述するスプール24の流路管部24bが挿
通される開口21が形成されている。開口21の周囲には後
述の補助圧力室P3側へ突出した突起21aが形成してあ
る。又、スプール室15の周壁には、オイルポンプからの
圧油が流入する流入ポート22と、余剰の圧油をリザーバ
タンクへ還流させるドレンポート23とが形成されてい
る。
スプール室15の中にはスプール24が摺動自在に配置さ
れており、このスプール24はメインピストン部24aと、
このメインピストン部24aから第1図中の左方へ軸方向
へ延出している小径の円筒形の流路管路24bとを有して
いる。メインピストン部24aの図中右側には第2圧力室P
2が画成されている。第2圧力室P2はケーシング10に形
成した連通路27と、コネクタプラグ14に形成した連通孔
14aとを介して、吐出ポート16と圧力的に連通してい
る。流路管部24bはその先端が隔壁部20の開口21を貫通
して吐出ポート16の内部へ延出しており、これらの流路
管部24bと開口21とはガイドブッシュ21bによって互いに
滑らかに摺動するようになっており、しかもそれらの間
の摺接部から圧油の漏出が実質的に生じないような液密
状態で互いに接するようになっている。流路管部24bの
内部の流路25は、その先端において吐出ポート16と連通
していると共に、流路管部24b上に形成されているメイ
ンオリフィス26を介して第1圧力室P1と連通している。
スプール24はスプリング28によって第2圧力室P2側か
ら第1圧力室P1側へ向けて付勢されている。第1圧力室
P1はスプール24の位置に応じてドレンポート23と連通自
在である。スプール24が第1圧力室P1側へ移動するとそ
れによってドレンポート23の有効流路面積が減少し、ま
た第2圧力室P2側へ移動するとそれによってドレンポー
ト23の有効流路断面積が増大するようになっている。こ
れによって第1圧力室P1からドレンポート23を介してリ
ザーバタンクへ還流する圧油の還流流量が制御され、ま
たそれに対応して吐出ポート16からパワーステアリング
装置の油圧回路へ、作動油が所望の供給流量で吐出供給
される。
第6図では、前記流量管部24bの中間の位置に、ラン
ド24cを備えてサブピストン部として後述の差圧受圧部
を形成している。そしてメインピストン部24aの第2図
中左側には、ランド24cとの間に第1圧力室P1が画成さ
れている。スプール24のサブピストン部としてのランド
24cとコネクタプラグ14の隔壁部20との間に、補助圧力
室P3をスプール室15の内部において画成して、この補助
圧力室P3には流入ポート22と直接連通していると共に、
コネクタプラグ14とスプール孔12の壁面との間に形成さ
れたサブオリフィス29を介して第1圧力室P1に連通して
いる。ポンプで発生された圧油は、流入ポート22からこ
のサブオリフィス29を介して第1圧力室P1に連通してい
る。
ポンプで発生された圧油は、流入ポート22からこのサ
ブオリフィス29を経由して第1圧力室P1へ流入し、その
際に、このサブオリフィス29のために、補助圧力室P3と
第1圧力室P1との間に流入ポート22から圧油流入量に応
じた差圧が発生し、補助圧力室P3と第1圧力室P1との間
を区画しているスプール24のランド24cが、スプール24
がこの差圧によって第2圧力室P2側へ付勢されるように
する差圧受圧部として機能し、前述の第4図の従来装置
同様第5図(c)の実線で示すような常に安定したフロ
ーダウン機能を得るように意図している。
《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、上記のように構成する流量制御弁にお
いては、スプール24はランド24c前後の差圧即ち補助圧
力室P3と第1圧力室P1とに生じる差圧によって動作する
ようにしたため、流入ポート22からの全吐出量がスプー
ル孔12及びランド24cが形成するサブオリフィス29を通
過することとなり、この結果、フローダウン後の高回転
域中一定以上の高ポンプ吐出圧域では、作動油全量がド
レンポート23側に還流され、メインオリフィス26を通過
して吐出ポート16への吐出量が零となる状態が生起し、
このため、パワーステアリング操作に支障を来すことが
考えられる。
そこで、本考案は流入ポートからサブオリフィスを介
さずに吐出ポート側に圧油の一部を常に流入するように
して、高回転域時の吐出ポートへの吐出量零問題を解決
したパワーステアリング装置用流量制御弁を提供するこ
とを目的としている。
《課題を解決するための手段》 本考案は、上記目的を達成するために、圧油が流入す
る流入ポートと、パワーステアリング装置の油圧回路へ
作動油を吐出供給する吐出ポートと、それら流入及び吐
出ポートの間に設けたメインオリフィスと、余剰の圧油
を還流させるドレンポートとを備え、スプール室内のス
プールの移動により前記メインオリフィス前後の差圧を
制御して吐出流量制御を行なうようにしたパワーステア
リング装置用流量制御弁において、前記流入ポートとメ
インオリフィスとの間に、第1サブオリフィスを設け、
この第1サブオリフィス前後の圧力が作用する受圧部
を、前記流入スプールに形成し、且つ前記流入ポートと
前記吐出ポートとの間に第2サブオリフィスを設けたこ
とを特徴とするものである。
《作用》 従って本考案によれば、流入ポートとメインオリフィ
スとの間に第1サブオリフィスを設け、この第1サブオ
リフィス前後の圧力が作用する受圧部をスプールに形成
し、且つ流入ポートと吐出ポートとの間に第2サブオリ
フィスを設けたので、1つのスプールによって圧油流入
量に応じて作動油吐出流量を減少させるフローダウンが
確実に得られる構成簡便にして、且つ第2サブオリフィ
スが常に吐出ポート側に開口して高回転域時の吐出ポー
トへの吐出量の零問題を解消し、フローコンスタントを
達成している。
《実施例》 以下、本考案の実施例につき第1図及び第2図に第6
図で示した本出願人の先の提案による流量制御弁と対応
する要素については、同一符号を付して説明する。
第1図は、本考案の一実施例に係る流量制御弁を示す
断面図である。この流量制御弁は、ケーシング10の内部
に形成されたスプール収容孔12の開放端(図中左端)に
略々円筒形のコネクタプラグ14を嵌挿取付けすることに
より、スプール室15を形成している。コネクタプラグ14
とスプール孔12との間は要すればパッキ13等を介装して
液密状態となっている。
コネクタプラグ14は、その図中左側にはパワーステア
リング装置への作動油を供給する吐出ポート16が形成さ
れ、且つ図中右側には隔壁部20として吐出ポート16とス
プール室15とを互いに区画しており、この隔壁部20の中
央には、スプール24の流路管部24bが挿通される開口21
が形成されている。開口21の周囲には、補助圧力室P3側
へ突出した突起21aが形成してある。またスプール室15
の周壁にはオイルポンプからの圧油が流入する流入ポー
ト22と、余剰の圧油をリアーバタンクへ還流させるドレ
ンポート23とが一体に形成されている。
前記流路管路24bの中間の位置にランド24cを備えてサ
ブピストン部としての差圧受圧部を形成している。そし
て、メインピストン部24aの第1図中左側には、ランド2
4cとの間に第1圧力室P1が画成され、サブピストンとし
てのランド24cとコネクタプラグ14の隔壁部20との間
に、補助圧力室P3を画成している。この補助圧力室P3に
は流入ポート22と直接連通していると共に、ランド24c
とスプール孔12の壁面との間に形成された第1サブオリ
フィス29を介して第1圧力室P1と連通している。
前記隔壁部20には、補助圧力室P3から吐出ポート16に
連通する第2サブオリフィス30を穿設してあり、流入流
路22からの圧油を前記第1サブオリフィス29を介さずに
直接吐出ポート16に流入させるようになっている。
なお、上記メインピストン部24aの図中右側には、第
2圧力室P2が画成され、第2圧力室P2とコネクタプラグ
14に形成した連通孔14aとを介して吐出ポートと圧力的
に連通している。またスプール24はスプリング28によっ
て第2圧力室P2側から第1圧力室P1側へ向けて付勢され
ている。
以上の流量制御弁の動作について以下に説明する。第
1図の流量制御弁は、前述の第6図に示すと同様、第1
圧力室P1と第2圧力室P2との間の差圧に第1サブオリフ
ィス29によって発生する補助圧力室P3と第1圧力室P1と
の間の差圧が加わり、スプリング28による付勢力とのバ
ランスにおいて、スプール24を移動制御し、第5図
(c)に示すようにポンプ回転数がR1よりR2に変化する
につれて、二点鎖線で示す流量補正を行ないつつ実線で
示す流量制御が行なわれる。
更に、本考案では隔壁部20に流入ポート22に直接連通
する第2サブオリフィス30を形成しているので、この第
2サブオリフィス30より、作動油が第1サブオリフィス
29を介さずに、流入ポート22から直接吐出ポート16に流
入するようになっており、この第2サブオリフィス30か
ら吐出ポート16に流入する流量は、ポンプ回転数の制御
域以後即ち、第5図(c)のR1で示す回転数以後のフロ
ーダウン制御域では、スプール24の圧力を一定に保つ働
きのため、ほぼ一定に保持されることとなる。
従って、フローダウン制御域以後、さらにポンプ回転
数が上昇し、第1サブオリフィスを通過した圧油の全量
がドレンポート23側に還流され、メインオリフィス26よ
り吐出ポート16への吐出量が零となる状態、第5図
(c)のR3の状態が生起しても、第2サブオリフィス30
から吐出ポート16に流入する。この流入量Qは、第2サ
ブオリフィスの開口面積A、圧油圧Pとの関係は次式の
ように表わされ(ρは圧油の比重を表わす。)、 A、ΔP及びρはコンスタントであるから、流入量Qは
一定量となり、これによりフローコンスタントが実現さ
れ、運転者のパワーステアリング操作の助勢作用を確実
に呈することとなる。
第2図は本考案の他の実施例を示すもので、コネクタ
プラグ14の隔壁部20の中央に、スプール24の流路管部24
bが挿通される開口21を形成し、この開口21と流路管路2
4bとの間に第2サブオリフィス301を形成した点以外の
構成は、第1図に示す実施例と同様である。
前記第2サブオリフィス301は単に開口21と流路管部2
4bとの間に周状間隙を設けて形成しても良いが、開口21
又は流路管部24bの周壁に設けたスリットとして形成す
るのが好ましい。更には、このスリットは開口21と流路
管部24bとの間に滑らかな摺動を達成するためのガイド
ブッシュ211bに設けるようにしても良い。
なお、上記実施例では、ランド24cは流路管部24bに一
体に設けたものを示したが、これに限定されるものでは
なく、該流路管部24b上を摺動自在に挿入されるリング
状ランドで構成し、このリング状ランドとメインピスト
ン部24aとの間にスプリングを縮設し、パワーステアリ
ング装置の操作により吐出ポート16の圧力が急激に変化
したことにより、スプール24が移動しようとする際に、
リング状ランドがスプリングに抗して移動してスプール
24の移動を規制し、急激な差圧変化を防止するようにす
ることが考えられる。
更に、上記実施例では、流路管部24bに設けたメイン
オリフィス26は、この流路管部24bの側壁を穿設して形
成されているが、側壁の穿設部は単なる圧油の入口孔と
して、その代りに流路管部24bの吐出ポート側先端を絞
ってメインオリフィスを形成しても良い。
《考案の効果》 以上説明したように、本考案によれば、流入ポートと
メインオリフィスとの間に第1サブオリフィスを設け、
この第1サブオリフィス前後の圧力が作用する受圧部を
スプールに形成したことにより、ステアリング操作によ
って吐出ポート内の圧力が上昇しても、それによってフ
ローダウン機能に使用を生じることのない常に確実に動
作するパワーステアリング装置用流量制御弁が、1つだ
けのスプールを備えた極めて簡明な構成によって実現さ
れる効果が得られる。
また、前記流入ポートと前記吐出ポートとの間に第2
サブオリフィスを形成したため、第2サブオリフィスは
スプールの動作に関係なく、常に吐出ポート側に開口し
ている。従って、常に一定量の作動油が流入ポートより
吐出ポートに流入していることとなり、高回転域時のド
レンポートに圧油全量が流出し吐出ポートへの吐出量が
零となる問題を解決し、フローコンスタントを達成し
て、運転者のパワーステアリング操作を常に支障を来す
ことなく円滑に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】 第1図及び第2図は本考案に係る流量制御弁の一実施例
を示す断面図、第3図及び第4図はそれぞれ従来の流量
制御弁の例を示す断面図、第5図(a)は第3図の流量
制御弁のメイン流路の作動油供給流量特性を示す線図、
第5図(b)は第4図の流量制御弁の作動油吐出流量特
性を示す線図、第5図(c)は本考案に係る第1図及び
第2図の流量制御弁の作動油吐出流量特性を示す線図、
第6図は本出願人の先の提案による流量制御弁の断面図
である。 14…コネクタプラグ、15…スプール室、16…吐出ポー
ト、20…隔壁部、21…開口、21b、211b…ガイドブッシ
ュ、22…流入ポート、23…ドレンポート、24…スプー
ル、24b…流路管部、24c…ランド(差圧受圧部)、26…
メインオリフィス、29…第1サブオリフィス、30…第2
サブオリフィス、P1…第1圧力室、P2…第2圧力室、P3
…補助圧力室。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧油が流入する流入ポートと、パワーステ
    アリング装置の油圧回路へ作動油を吐出供給する吐出ポ
    ートと、それら流入及び吐出ポートの間に設けたメイン
    オリフィスと、余剰の圧油を還流させるドレンポートと
    を備え、前記流入ポートからの流入量に応じてスプール
    室内にスプールが移動して前記ドレンポートからのドレ
    ン流量を増減させ、前記メインオリフィスを介して前記
    吐出ポートから供給される吐出流量制御を行なうように
    したパワーステアリング装置用流量制御弁において、 前記流入ポートとメインオリフィスとの間に、第1サブ
    オリフィスを設け、この第1サブオリフィス前後の圧力
    が作用する受圧部を、前記スプールに形成し且つ、前記
    流入ポートと前記吐出ポートとの間に第2サブオリフィ
    スを設けたことを特徴とするパワーステアリング装置用
    流量制御弁。
JP9002390U 1990-08-30 1990-08-30 パワーステアリング装置用流量制御弁 Expired - Lifetime JP2525715Y2 (ja)

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