JPH0582564U - インクリボンカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱転写プリンタに装着してキャリッジの往路
及び復路に共に印刷可能とし、しかもインクリボンの同
一箇所において印字するのを避けて印刷の不鮮明を防止
でき、更にプリンタの制御を複雑化することのないイン
クリボンカセットを提供する。 【構成】 プリンタのキャリッジの往路印刷用のインク
リボンと、その供給スプ−ル及び巻取スプ−ルを備える
と共に、キャリッジの復路印刷用のインクリボンと、そ
の供給スプ−ル及び巻取スプ−ルをも備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はプリンタに装着して使用するインクリボンカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

熱転写プリンタは、一般的に、ワイヤドットプリンタやインクジェットプリン タに比べて印刷速度が遅いという不満がある。これは、従来の熱転写プリンタは キャリッジの往路のみ印刷し、復路は単に元の位置に復帰するだけで印刷を行わ なかったためである。

【０００３】 熱転写プリンタの印刷速度を上げるためには、キャリッジの復路でも印刷可能 とする必要がある。そして、キャリッジの復路でも印刷可能とするには、インク リボンも往路とは逆方向に走行させなければならない。ところが、インクリボン を逆方向に走行させると、インクリボンの同一箇所で印字する場合が生じて印刷 が不鮮明になる問題がある。そこで、この問題を解決するために、特公平３−７ ８２７４号公報に示されたように、サーマルヘッドにより複数の印字列の印字が 可能な幅寸法のインクリボンを使用し、インクリボンとサーマルヘッドとの対向 位置をインクリボンの複数の印字列に合わせて切換える切換機構を備えた熱転写 プリンタが考えられている。

【０００４】 然しながら、上記公知例の熱転写プリンタのごとく、インクリボンとサーマル ヘッドとの対向位置をインクリボンの複数の印字列に合わせて切換えることは制 御が複雑化する弊があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、熱転写プリンタに装着してキャリッジの往路及び復路に共に 印刷可能とし、しかもインクリボンの同一箇所において印字するのを避けて印刷 の不鮮明を防止でき、更にプリンタの制御を複雑化することのないインクリボン カセットを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のインクリボンカセットは、プリンタのキ ャリッジの往路印刷用のインクリボンと、その供給スプ−ル及び巻取スプ−ルを 備えると共に、キャリッジの復路印刷用のインクリボンと、その供給スプ−ル及 び巻取スプ−ルをも備えたものである。

【０００７】

【作用】

キャリッジの往路印刷用のインクリボンと、復路印刷用のインクリボンとを備 えたことにより、熱転写プリンタのキャリッジの往復路においてそれぞれ印刷可 能となり、且つインクリボンの往路で印字した箇所に再び復路で印字することが ない。また、一本のインクリボンに複数の印字列を設定して往路の印刷と復路の 印刷を一本のインクリボンで行う場合に比べてプリンタの制御が容易となる。

【０００８】

【実施例】

以下、図面に基づき実施例について詳説する。このインクリボンカセットは熱 転写プリンタ、特に往路印刷用のサーマルヘッドと、復路印刷用のサーマルヘッ ドを併設して、往復印刷を可能とした熱転写プリンタに装着されて使用されるも のである。図中１はカセットケースで、その内部の両側の中高部にそれぞれ中仕 切り２，３を設け、その両側の中仕切り２，３の中間部に切欠開放部４を設けて いる。カセットケース１の内部の一方の中仕切り２の下方空間には往路印刷用イ ンクリボン５の供給スプール６を配し、他方の中仕切り３の下方空間には復路印 刷用インクリボン７の供給スプール８をそれぞれ配している。また、一方の中仕 切り２の上方空間で上記の往路印刷用インクリボン５の供給スプール６の真上位 置には復路印刷用インクリボン７の巻取スプール９を配し、他方の中仕切り３の 上方空間で上記の復路印刷用インクリボン７の供給スプール８の真上位置には往 路印刷用インクリボン５の巻取スプール１０をそれぞれ配している。また、カセ ットケース１の前面で往路印刷用インクリボン５の巻取スプール１０の前方位置 にはプリンタの往路印刷用サーマルヘッドが往路印刷用インクリボン５に接触す る往路印字部１１を配し、復路印刷用インクリボン７の巻取スプール９の前方位 置にはプリンタの復路印刷用サーマルヘッドが復路印刷用インクリボン７に接触 する復路印字部１２をそれぞれ配し、往路印字部１１と復路印字部１２は同一高 さに位置している。往路印刷用インクリボン５は、供給スプール６から送り出さ れた後に切欠開放部４を通って中仕切り２，３の上側に出てから一旦カセットケ ース１の外部へ露出して往路印字部１１を通過してから再びカセットケース１の 内部へ入って巻取スプール１０に巻き取られる。復路印刷用インクリボン７も同 様に供給スプール８から送り出された後に切欠開放部４を通って中仕切り２，３ の上側に出てから一旦カセットケース１の外部へ露出して復路印字部１２を通過 してから再びカセットケース１の内部へ入って巻取スプール９によって巻き取ら れる。尚、往路印刷用インクリボン５と復路印刷用インクリボン７はプリンタに よって互いに逆方向へ走行させられ、切欠開放部４を通過するときに交差してい る。

【０００９】 尚、往路印刷用インクリボンと、復路印刷用インクリボンの双方を備える場合 に、往路印刷用インクリボンと復路印刷用インクリボンを上下に２段配置するこ とも考えられるが、そのような構造にすると、上下のインクリボンの間に隙間が 生ずるのを避けられないので、例えば往路で２．５行印刷した後で復路印刷した 場合に文字が切れる等の不都合が生ずることがある。そして、この問題を解決す るには印刷用紙を前後させるなどプリンタの制御が複雑化する不利がある。従っ て、上記実施例のように、往路印刷用インクリボン５と、復路印刷用インクリボ ン７を途中で交差させて、往路印字部１１と復路印字部１２を上記実施例のよう に同一高さとするのが望ましい。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は上記の通りであり、熱転写プリンタに装着することによって熱転写プ リンタの往復印刷を可能として印刷速度を上げることができる。しかも、インク リボンの同一箇所で印字することがなく印刷の不鮮明を防止することができる。 更に、プリンタ制御の複雑化を避けられる有利もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】蓋を外した状態の斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線における断面図である。

【符号の説明】

１ カセットケース ２ 中仕切り２ ３ 中仕切り３ ４ 切欠開放部 ５ 往路印刷用インクリボン ６ 供給スプール ７ 復路印刷用インクリボン ８ 供給スプール ９ 巻取スプール９ １０ 巻取スプール １１ 往路印字部 １２ 復路印字部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリンタのキャリッジの往路印刷用のイ
   ンクリボンと、その供給スプ−ル及び巻取スプ−ルを備
   えると共に、キャリッジの復路印刷用のインクリボン
   と、その供給スプ−ル及び巻取スプ−ルをも備えたこと
   を特徴とするインクリボンカセット。