JPH0580755U - プラテンの支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】プラテンに記録紙を巻装して紙送りするプリン
タ等において紙の再巻き込みを防止する。 【構成】プラテン軸受２にはプラテン１の外径より突出
した突出部２ａを具備しており、この突出部２ａは記録
紙の幅の中に配置されている。よって、印字後の記録紙
はこの突出部２ａによってプラテン１から離されるため
に、印字後の記録紙を再びプラテン１に巻き込んで紙づ
まりになることは無い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、円筒形のゴムプラテンに紙を巻装して紙送りするプリンタ等のプラ テンの支持構造に関するものであり、更に詳細にはプラテン軸受の形状に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、円筒形のゴムプラテンに記録紙を巻装して紙送りするプリンタでは、記 録紙はプラテンの外周側面に沿って紙送りされるために、記録紙はプラテンの曲 率により曲げられ、そのため、印字後の記録紙が再びプラテンに沿って巻き付い てしまう現象がある。一般にこれを紙の再巻き込みといっている。そこで、この 紙の再巻き込みを防止するために、図５に示すように印字後の記録紙を正しい排 出方向へ導く排紙案内６をプラテン１の上部に微小な隙間を隔てて設ける場合が ある。なぜ微小な隙間を隔てるかというと、接触させてしまうとプラテン１を回 転させる時の負荷が増大し、正確な紙送りができなくなったりすることや排紙案 内６でプラテン１の表面を傷つける等の不具合点があるためである。なお、プラ テン１は左右の軸部を一対の軸受５によって、フレーム３に支持されており、軸 受２はプラテン１の外径より小さいものが一般的であり、軸受５と記録紙４は接 触することはない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来の技術では、プラテンと排紙案内とは必ず隙間ができてしまう ため、高湿度の環境下のように記録紙がプラテンに密着してしまうような場合に は記録紙が排紙案内に沿って排出されるのではなく、プラテンと排紙案内との間 の隙間に入り込んでしまい、紙の再巻き込みになる場合がある。また、完全に入 り込んでしまわなくても排紙案内の端部にあたって紙づまりする場合がある。す なわち、従来技術における排紙案内では、全ての環境下において、絶対確実に紙 の再巻き込みを防止できるものではない。

【０００４】 そこで、本考案は従来のこのような課題を解決するためのもので、その目的と するところは、簡単な構造で絶対確実に紙の再巻き込みを防止できる技術を提供 するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は従来の前述した課題を解決するために、円筒形のプラテンと 、プラテンの外径より外側に突出する突出部を具備するプラテン軸受と、プラテ ン軸受と係合するフレームとを有し、突出部は、記録紙の幅よりも内側の部分で 、しかもプラテンより紙送り方向下流側に配置されることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案の上記の構成によれば、記録紙をプラテンに巻装して送っていくと、あ る時点で記録紙はプラテン軸受の突出部と接触し、その後、記録紙はプラテンか ら離されて排出される。よって、記録紙を再巻き込みすることを確実に防ぐこと ができる。

【０００７】

【実施例】

以下に、本考案を実施例に基づいて説明する。図１は本考案に係るプラテン１ とプラテン軸受２との斜視図であり、プラテン１はプラテン軸１ｂの中央部に円 筒形のゴム部１ａが圧入された構造である。一対のプラテン軸受２は各々プラテ ン軸１ｂに左右から装着されている。プラテン軸受２にはプラテン１のゴム部１ ａの外径よりも外側に突出した突出部２ａと、プラテン軸受２をフレームに固着 し、位置決めする係合部２ｂを具備している。図２は前述したプラテン１及び、 プラテン軸受２をフレーム３に装着した状態を示している。フレーム３にはプラ テン軸受２を支持するための支持部３ａが左右の側面に設けられている。

【０００８】 さて、プラテン１及びプラテン軸受２のフレーム３への装着方法であるが、こ れは図１に示すようにプラテン１に一対のプラテン軸受２を装着したものを１組 として、これをまず矢印Ａ方向から支持部３ａに入れ、次に矢印Ｂ方向に回転さ せて位置決めする。突出部２ａが長く設定されているため、この部分をレバー部 分として手で操作すれば良く、手作業で簡単にプラテン軸受２をフレーム３に固 着することができる。このとき、プラテン軸受２の突出部２ａはフレーム３の左 右の側面より内側に位置する。フレーム３の内側の幅Ｗは記録紙の幅より僅かに 大きく設定されており、記録紙はこのフレーム３の内側の側面部に案内されプラ テン１のゴム部１ａに巻装されて紙送りされる。すなわち、プラテン軸受２の突 出部２ａは記録紙の幅の中に位置することになる。

【０００９】 図３は本考案に係るプラテンの支持構造の断面図であり、記録紙４がプラテン １に巻装されて、図示しない印字ヘッドにより印字された後、プラテン軸受２の 突出部２ａと接して矢印Ｃ方向に紙送りされる状態を示している。ここで注目す べき点は突出部２ａが記録紙４をプラテン１から離すように作用している点であ る。ここで、比較のために、従来のプラテンの支持構造における断面図を図４に 示す。プラテン１を軸支するプラテン軸受５はプラテン１の外径より小さいため 印字後の記録紙４は矢印Ｄのようにプラテン１に再巻き込みしてしまう場合があ る。こうなると紙づまりとなってしまう。

【００１０】 このように、図３と図４を比較してわかるように、本考案のプラテンの支持構 造によれば、プラテン軸受２が記録紙４をプラテン１から確実に離してＣ方向に 排出させるために紙の再巻き込みは皆無となるという効果をもたらす。よって、 従来は紙の再巻き込み防止のため、図５に示すような排紙案内６を設けていたが 、本考案によってこの排紙案内６は不要になり、プリンタの部品点数の削減とな る。また、間接的な効果として、プラテン軸受２の突出部２ａは長く設定でき、 手で操作しやすい形状とすることも容易であるので、プラテン軸受２をフレーム ３に固着する組立がしやすくなり、また、分解もしやすくなる。

【００１１】 以上本考案を一実施例について説明した。本考案の特徴であるところの突出部 を具備するプラテン軸受によってプラテンを支持する構造では紙の再巻き込みが 完全に防止できるという効果は本文で記述した一実施例にのみ捕らわれるもので はなく、プラテン軸受の一部が記録紙と接しプラテンから記録紙を離す構造であ れば広く本考案の効果が得られるものである。

【００１２】

【考案の効果】

以上述べたように本考案のプラテンの支持構造では、プラテン軸受の一部をプ ラテン外径より外側に突出させ、その突出部を記録紙の幅の中に配置するという 本願特有の構成により、全ての環境下において確実に紙の再巻き込みを防止でき るようになった。なお、本考案はこのような効果をプラテン軸受の形状を変える だけで得られるため、従来必要であった排紙案内が不要になりプリンタの部品点 数の削減ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るプラテンとプラテン軸受との斜視
図。

【図２】本考案に係るプリンタの部分斜視図。

【図３】本考案に係るプラテン部の断面図。

【図４】従来のプリンタのプラテン部の断面図。

【図５】従来のプリンタの部分斜視図。

【符号の説明】

１ プラテン ２ プラテン軸受 ２ａ 突出部 ３ フレーム ４ 記録紙 ５ プラテン軸受 ６ 排紙案内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒形のプラテンと、該プラテンの外径
   より外側に突出する突出部を具備するプラテン軸受と、
   該プラテン軸受と係合するフレームとを有し、 前記突
   出部は、記録紙の幅よりも内側の部分で、しかも前記プ
   ラテンより紙送り方向下流側に配置されることを特徴と
   するプラテンの支持構造。