JPH0580412B2 - - Google Patents

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JPH0580412B2
JPH0580412B2 JP60071763A JP7176385A JPH0580412B2 JP H0580412 B2 JPH0580412 B2 JP H0580412B2 JP 60071763 A JP60071763 A JP 60071763A JP 7176385 A JP7176385 A JP 7176385A JP H0580412 B2 JPH0580412 B2 JP H0580412B2
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ferrous
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Masaru Kawabata
Masao Kunishige
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粒子形状が球型を呈しており、且
つ、カサ密度が0.40〜1.10g/cm3であつて、しか
も分散性に優れている球型を呈したヘマタイト粒
子粉末及びその製造法に関するものである。
本発明によつて製造される球型を呈したヘマタ
イト粒子粉末の主な用途は、塗料用赤色顔料粉末
である。
〔従来技術〕
従来、ヘマタイト粒子は、赤色顔料として広く
一般に使用されており、省エネルギー時代におけ
る作業能率の向上並びに塗膜物性の改良という観
点から、塗料の製造に際して、ヘマタイト粒子粉
末のビヒクル中への分散性の改良が、益々、要望
されている。
塗料の製造に際して、顔料粉末のビヒクル中へ
の分散性が良好であるか否かは、塗料の製造工程
における作業能率を左右するとともに、塗膜の諸
物性を決定する極めて重要な因子となる。
このことは、例えば、色材協会誌49巻第1号
(1976年)の第8頁の次のような記載からも明ら
かである。
「…塗膜の具備すべき諸特性は一口にいつて、
同一顔料であれば塗膜中における顔料の分散性に
より、その大部分が決定されるといつても過言で
はないように思われる。塗膜中の顔料の分散性が
良好であれば、色調は鮮明となり、着色力、いん
ぺい力等顔料本来の基本的性質も向上することは
理論の教えるところである。また塗膜の光沢、鮮
映性、機械的性質、塗膜の耐透気性などが良好と
なり、これは塗膜の耐久性を向上させる結果とな
る。このように塗膜中の顔料の分散性は塗膜の諸
物性を決定するきわめて大事な要因であることが
理解できる。」 従来、ヘマタイト粒子粉末の製造法としては、
第一鉄塩水溶液とアルカリとを反応させて得られ
た水酸化第一鉄を含む反応水溶液に酸素含有ガス
を通気することにより、水溶液中から出発原料粒
子としてのマグネタイト粒子を生成させ、次い
で、該マグネタイト粒子を空気中で加熱酸化して
ヘマタイトとする方法が知られている。
上記ヘマタイト粒子粉末の製造にあたり、水溶
液中から生成するマグネタイト粒子粉末の粒子形
状は、反応水溶液中のPHにより種々異なることが
知られている。
即ち、この事実は、粉体粉末冶金協会昭和46年
度秋季大会講演概要集第112頁第14〜19行の「硫
酸第一鉄水溶液(139g/0.7)に空気を吹き込
み、撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液(40〜
44g/0.3)を加え、50℃に昇温して5時間保
つて微粒子を得た。粒子の外形を変えるためPHを
変化させた。PHは水酸化ナトリウムの量をコント
ロールし、酸性側(NaOH40〜41g/0.3)で
凝六面体粒子を、アルカリ性側(43g以上/0.3
)で八面体粒子を、中性附近(NaOH42g/
0.3)では多面体化した球状に近い粒子を得
た。」なる記載及び特公昭44−668号公報の特許請
求の範囲の「…Fe(OH)2コロイドを含むPH10以
上の水溶液を45℃以上70℃以下の温度に保持し、
撹拌により液中に存在する沈澱粒子が充分に運動
している状態で酸化反応を行うことにより、…粒
状または立方状(六面体)を呈した…黒色強磁性
粒子(マグネタイト粒子)より成る沈澱を製造
…」なる記載から明らかである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
分散性が優れたヘマタイト粒子は現在最も要求
されているところであるが、ヘマタイト粒子を製
造する前述の公知方法により得られる粒子粉末
は、未だ分散性の優れたものであるとは言い難
い。
本発明者は、ヘマタイト粒子の形状に着目し、
優れた分散性を有するヘマタイト粒子を得ようと
すれば、カサ密度が大きい球型を呈した粒子であ
ることが必要であり、そのようなヘマタイト粒子
を得ようとすれば、出発原料粒子であるマグネタ
イト粒子が、カサ密度が大きい球形を呈した粒子
であることが必要であると考えた。
一方、前述した通り、球型を呈したマグネタイ
ト粒子は、中性付近の水溶液中で生成されること
が知られているが、この場合には、第一鉄塩水溶
液中のFe2+の全量をマグネタイト粒子に変換す
ることは困難で未反応のFe2+が残存する為、収
率が低く、その上未反応のFe2+は排水公害の原
因となるのでその対策が必要であつた。
第一鉄塩水溶液中のFe2+の全量からマグネタ
イト粒子を生成し収率を高めようとすれば、第一
鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液に対し1当量以上
のアルカリとを反応させる必要があり、この場合
にはPH11程度以上のアルカリ反応水溶液となり、
生成マグネタイト粒子は六面体または八面体粒子
となる為、かさ密度が小さいものであつた。
従来、第一鉄塩水溶液中のFe2+の全量から球
型を呈したマグネタイト粒子を製造する方法とし
て例えば、特開昭49−35900号公報に記載の方法
がある。
即ち、特開昭49−35900号公報に記載の方法は、
第一鉄塩水溶液または、第一鉄塩とC2o+等の2
価金属塩の混合水溶液に、該水溶液中に含まれる
酸根に対し当量以下のアルカリ金属の炭酸塩を加
え、煮沸温度以下の温度で酸化反応を行い、強磁
性粒子母体を生成させる第一工程と、溶液中に残
存する未反応の2価金属イオンの全てが上記強磁
性微粒子母体上に析出するに充分な量のアルカリ
金属の水酸化物を加えることにより強磁性微粒子
(MOFe2O3 M:Fe+2又はFe+2の一部または全部
をCo+2等の2価金属で置換したものM:Fe+2
場合がマグネタイト)を生成する第二工程からな
るものである。
しかしながら、上記方法により得られた球型を
呈したマグネタイト粒子は、後述する比較例3に
示す通り、得られるマグネタイト粒子の球型性は
不十分であり、従つて、生成粒子は、粒子相互間
で凝集しており、カサ密度も小さいものである。
これは、特開昭49−35900号公報に記載の方法に
より得られるマグネタイト粒子は、第一工程にお
いて硫酸第一鉄とアルカリ金属の炭酸塩とから得
られる炭酸鉄の加水分解反応により生成されるも
のであるから、マグネタイト核粒子が急速に析出
生成される為、形状の十分な制御ができなかつた
ものと考えられ、従つて、球型を呈したヘマタイ
ト用出発原料としては不適当である。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者は、球型を呈したカサ密度の高いヘマ
タイト粒子粉末を高い収率で製造する方法につい
て種々検討を重ねた結果、本発明に到達したので
ある。
即ち、本発明は、粒子形状が球型を呈してお
り、且つ、カサ密度が0.40〜1.10g/cm3であるこ
とからなる球型を呈したヘマタイト粒子粉末及び
第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+
対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリとを少なく
とも75℃以上の温度で反応させて得られた水酸化
第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に70℃
〜100℃の温度範囲で加熱しながら酸素含有ガス
を通気して前記水酸化第一鉄コロイドを酸化し、
次いで、反応母液中に残存するFe2+に対し1.00当
量以上の水酸化アルカリを該加熱酸化条件と同一
条件下で添加することにより球型を呈したマグネ
タイト粒子を生成し、常法により水洗、別、乾
燥した後、該球型を呈したマグネタイト粒子を空
気中450〜700℃で加熱酸化することにより球形を
呈したヘマタイト粒子を得ることからなる球形を
呈したヘマタイト粒子粉末の製造法である。
〔作用〕
先ず、本発明に係る球型を呈したヘマタイト粒
子粉末は、出発原料粒子である球型を呈したマグ
ネタイト粒子を空気中450〜700℃で加熱酸化する
ことにより、粒子相互間の凝集等がなく、カサ密
度が大きい粒子粉末が得られるので塗料の製造に
当たつて、分散性に優れた効果をもたらす。
次に、本発明実施にあたつての諸条件について
述べる。
本発明における第一鉄塩水溶液としては、硫酸
第一鉄、塩化第一鉄等が用いられる。
本発明における水酸化アルカリは、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸
化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等
のアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物を使用
することができる。
本発明における水酸化第一鉄コロイドを沈澱さ
せる為に使用する水酸化アルカリの量は、第一鉄
塩水溶液中のFe2+に対し0.80〜0.99当量である。
0.80当量未満又は0.99当量を越える場合には、
球型を呈したマグネタイト粒子を生成することが
困難である。本発明における第一鉄塩水溶液と水
酸化アルカリとを反応させる際の温度は少なくと
も75℃以上である。75℃未満の場合には、球型を
呈したマグネタイト粒子を生成させることができ
ない。
本発明における水酸化第一鉄コロイドを含む第
一鉄塩反応水溶液に酸素含有ガスを通気する際の
反応温度は70℃〜100℃である。
70℃未満である場合には、針状晶ゲータイト粒
子が混在し、100℃を越える場合でも球型を呈し
たマグネタイト粒子は生成するが工業的ではな
い。
酸化手段は酸素含有ガス(例えば空気)を液中
に通気することにより行う。
本発明における水酸化第一鉄コロイドの酸化後
の反応母液中、残存Fe2+に対して添加する水酸
化アルカリの量は、1.00当量以上である。
1.00当量未満ではFe2+が全量沈澱しない。1.00
当量以上の工業性を勘案した量が好ましい量であ
る。
本発明における反応母液中に残存するFe2+
対し水酸化アルカリを添加する際の反応温度及び
酸化手段は、前出水酸化第一鉄コロイドを含む第
一鉄塩反応水溶液に酸素含有ガスを通気する際の
条件と同一でよい。
本発明における出発原料粒子の空気中における
加熱温度は450〜700℃である。
450℃未満である場合には、マグヘマイト粒子
からヘマタイト粒子へ変態しない。
一方700℃を越える場合には、粒子成長が激し
く粒子形状の変化が大きく球型性が失われる。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により本発明を説明
する。
尚、以下の実施例並びに比較例における平均粒
子径はBET法により、カサ密度はJIS K 5101
に記載の方法により測定し、粒子形状は電子顕微
鏡により観察した。
<出発原料マグネタイト粒子の製造> 実施例 1 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備された2.64−N
のNaOH水溶液20に加え(Fe2+に対し0.88当量
に該当する。)、PH6.9、温度90℃においてFe
(OH)2を含む第一鉄塩水溶液の生成を行つた。
上記Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度90
℃において毎分100の空気を240分間通気した。
次いで、上記反応母液中に3.78−NのNaOH水
溶液2を加え(残存Fe2+に対し1.05当量に該当
する。)、PH11.8、温度90℃において毎分20の空
気を60分間通気してマグネタイト粒子を生成し
た。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、
粉砕した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図1に示す
電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、
粒子相互間の凝集等がなく球型を呈した粒子であ
り、且つ、粒度が均斉なものであつた。
また、この球型を呈したマグネタイト粒子粉末
は、平均粒子径が0.18μmで、カサ密度0.54g/
cm3であり、分散性の極めて良好なものであつた。
実施例 2 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備された2.79−N
のNaOH水溶液20に加え(Fe2+に対し0.93当量
に該当する。)、PH6.7、温度75℃においてFe
(OH)2を含む第一鉄塩水溶液の生成を行つた。
上記Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度75
℃において毎分100の空気を240分間通気した。
次いで、上記反応母液中に3.78−NのNaOH水
溶液2を加え(残存Fe2+に対し1.05当量に該当
する。)、PH11.8、温度75℃において毎分20の空
気を60分間通気してマグネタイト粒子を生成し
た。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、
粉砕した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図2に示す
電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、
粒子相互間の凝集等がなく球型を呈した粒子であ
り、且つ、粒度が均斉なものであつた。
また、この球型を呈したマグネタイト粒子粉末
は、平均粒子径が0.11μmで、カサ密度0.46g/
cm3であり、分散性の極めて良好なものであつた。
比較例 1 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備された3.45−N
のNaOH水溶液20に加え(Fe2+に対し1.15当量
に該当する。)、PH12.8、温度90℃においてFe
(OH)2を含む水溶液の生成を行つた。
上記Fe(OH)2を含む水溶液に温度90℃におい
て毎分100の空気を220分間通気してマグネタイ
ト粒子を生成した 得られたマグネタイト粒子粉末は、図3に示す
電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、
六面体を呈した粒子であつた。
この六面体を呈したマグネタイト粒子粉末は、
平均粒子径が0.17μmで、カサ密度0.25g/cm3
あつた。
比較例 2 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備された1.92−N
のNaOH水溶液20に加え(Fe2+に対し0.64当量
に該当する。)、PH4.8、温度90℃においてFe
(OH)2を含む第一鉄塩水溶液の生成を行つた。
上記Fe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度90
℃において毎分100の空気を190分間通気してマ
グネタイト粒子を生成した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図4に示す
電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、
不定形粒子であつた。
この不定形のマグネタイト粒子粉末は、平均粒
子径が0.19μmで、カサ密度0.34g/cm3であつた。
比較例 3 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20
を、あらかじめ、反応器中に準備された2.85−N
のNaCH3水溶液20に加え(Fe2+に対し0.95当
量に該当する。)、PH6.6、温度90℃において
FeCO3を含む第一鉄塩水溶液の生成を行つた。
上記FeCO3を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃に
おいて毎分100の空気を240分間通気してマグネ
タイト粒子を含む体一鉄塩水溶液を生成した。
次いで、上記マグネタイト粒子を含む等一鉄塩
水溶液に1.58−NのNaOH水溶液2を加え
(Fe2+に対し1.05当量に該当する。)、PH11.6、温
度90℃において毎分20の空気を60分間通気して
マグネタイト粒子を生成した。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、
粉砕した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図5に示す
電子顕微鏡写真(×20000)に示す通り、不定形
粒子であつた。
このマグネタイト粒子粉末の平均粒子径は
0.12μmであり、カサ密度0.29g/cm3であつた。
<球型を呈したヘマタイト粒子粉末の製造> 実施例 3 実施例1で得られた球型を呈したマグネタイト
粒子100gを電気炉を用い空気中650℃で60分間加
熱酸化してヘマタイト(α−Fe2O3)粒子を得
た。
得られたヘマタイト粒子粉末は、図6に示す電
子顕微鏡写真(×20000)から明らかに通り、粒
子相互間の凝集等のない球型を呈した粒子であつ
た。
また、この球型を呈したヘマタイト粒子粉末
は、平均粒子径が0.20μm、カサ密度0.56g/cm3
であり、分散性の極めて良好なものであつた。
実施例 4 実施例2で得られた球型を呈したマグネタイト
粒子100gを電気炉を用い空気中500℃で60分間加
熱酸化してヘマタイト(α−Fe2O3)粒子を得
た。
得られたヘマタイト粒子粉末は、図7に示す電
子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、粒
子相互間の凝集等のない球型を呈した粒子であつ
た。
また、この球型を呈したヘマタイト粒子粉末
は、平均粒子径が0.13μm、カサ密度0.50g/cm3
であり、分散性の極めて良好なものであつた。
比較例 4 比較例1で得られたマグネタイト粒子100gを
電気炉を用い空気中650℃で60分間加熱酸化して
ヘマタイト(α−Fe2O3)粒子を得た。
得られたヘマタイト粒子粉末は電子顕微鏡観察
の結果六面体を呈した平均粒子径0.20μm、カサ
密度0.28g/cm3の粒子であつた。
比較例 5 比較例2で得られたマグネタイト粒子100gを
電気炉を用い空気中650℃で60分間加熱酸化して
ヘマタイト(α−Fe2O3)粒子を得た。
得られたヘマタイト粒子粉末は電子顕微鏡観察
の結果、不定形を呈した平均粒子径0.23μm、カ
サ密度0.37g/cm3の粒子であつた。
比較例 6 比較例3で得られたマグネタイト粒子100gを
電気炉を用い空気中650℃で60分間加熱酸化して
ヘマタイト(α−Fe2O3)粒子を得た。
得られたヘマタイト粒子粉末は電子顕微鏡観察
の結果、不定形を呈した平均粒子径0.18μm、カ
サ密度0.34g/cm3の粒子であつた。
〔効果〕
本発明に係る球型を呈したヘマタイト粒子粉末
は、前出実施例に示した通り、粒子形状が球型で
あることに起因して、粒子相互間の凝集等がな
く、カサ密度が大きく、その結果、分散性が優れ
たものであるから、現在、最も要求されている塗
料用赤色顔料粉末として好適である。
また、本発明によれば、第一鉄塩水溶液中に未
反応のFe2+を残すことなくFe2+の全量から出発
原料である球型をしたマグネタイト粒子粉末が得
られるので高い収率で、且つ、排水公害の原因と
なるFe2+を排出することなく球型を呈したヘマ
タイト粒子粉末を得ることができる。
塗料の製造に際して、本発明により得られた球
型を呈したヘマタイト粒子粉末を用いた場合に
は、ビヒクル中への分散が良好であるので、光
沢、鮮明性、耐久性の塗膜特性の改良が可能とな
り、又、作業能率も向上する。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図5は、いずれもマグネタイト粒子粉
末の粒子形態を示す電気顕微鏡写真(×20000)
であり、図1及び図2はそれぞれ実施例1及び実
施例2で得られた球型を呈したマグネタイト粒子
粉末、図3は比較例1で得られた六面体を呈した
マグネタイト粒子粉末、図4は比較例2で得られ
た不定形のマグネタイト粒子粉末、図5は比較例
3で得られた球型性の不充分なマグネタイト粒子
粉末である。図6及び図7は、いずれも球型を呈
したヘマタイト粒子粉末の粒子形態を示す電子顕
微鏡写真(×20000)であり、図6及び図7は、
それぞれ実施例3及び実施例4で得られたヘマタ
イト粒子粉末である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 粒子形状が球型を呈しており、且つ、カサ密
    度が0.40〜1.10g/cm3であることを特徴とする球
    型を呈したヘマタイト粒子粉末。 2 第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の
    Fe2+に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリとを
    少なくとも75℃以上で反応させて得られた水酸化
    第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に70〜
    100℃の温度範囲で加熱しながら酸素含有ガスを
    通気して前記水酸化第一鉄コロイドを酸化し、次
    いで、反応母液中に残存するFe2+に対し1.00当量
    以上の水酸化アルカリを該加熱酸化条件と同一条
    件下で添加することにより球型を呈したマグネタ
    イト粒子を生成し、常法により水洗、別、乾燥
    した後、該球型を呈したマグネタイト粒子を空気
    中450〜700℃で加熱酸化することにより球形を呈
    したヘマタイト粒子を得ることを特徴とするカサ
    密度が0.40〜1.10g/cm3である球形を呈したヘマ
    タイト粒子粉末の製造法。
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