JPH0580406A - 高速給送用装置を装着可能なカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速給送用装置が装着されてフィルム給送が
高速にて行われたとしても、良好な磁気記録を行うこと
が可能となる。 【構成】 高速給送用装置Ｂが装着されてフィルム給送
の高速化が設定されている場合には、磁気記録手段１
２，Ｈの駆動用電源を、カメラ側の電源電池から高速給
送用装置側の電源電池に切換える電源切換手段２５を設
け、フィルムの給送速度が高速で行われる場合は、この
際の書込み用の電源として、高電圧を有する高速給送用
装置の電源電池を選択するようにして、書込み電流の立
上がり時間を急峻なものにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フィルム給送中に該フ
ィルムに備わった磁気記憶部へ情報の書込みを行う記録
手段を備えた、高電圧の電源電池を有する高速給送用装
置を装着可能なカメラの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、フィルムの全部、つまりフィルム
先端部までも収納したフィルムカ−トリッジを用い、こ
のフィルムカ−トリッジがカメラに装填された場合に
は、このフィルムカ−トリッジ内の供給スプ−ルを回転
させることによって該フィルムカ−トリッジ（これを押
出し式のフィルムカ−トリッジと呼ぶ）内よりフィルム
を押出す方式が米国特許第４８３４３０６号にて提案さ
れている。

【０００３】また、フィルムに磁気記憶部を備えたカメ
ラシステムが米国特許第４８６４３３２号にて提案され
ている。

【０００４】また、最近のカメラの殆どはフィルム自動
給送機能を有しているが、更にモ−タドライブ装置を装
着することにより、フィルム給送速度を高速にするカメ
ラシステムが既に製品化されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来例において、
フィルムへの磁気記録時には、磁気ヘッドによって磁気
記憶部が正側、負側それぞれ磁気飽和するまで磁界をか
けて、消磁手段を用いることなくオ−バ−ライトという
方式によりディジタル的に記録している。

【０００６】また、磁気ヘッドは構造上インダクタンス
成分があり、ディジタル記録の電流の立上がりは電源電
圧とインダクタンスに依存することになる。

【０００７】そこで、上記の様なモ−タドライブ装置が
装着され、フィルムの高速給送が行われると、フィルム
上の単位長さ当たりに記録する情報量がある程度決めら
れていることから、書込み周波数を高くしなければなら
なくなった。この時、書込み電流の立上がり時間が一定
で周波数が高くなる為に、情報の書込みが完全に磁気飽
和しないで記録することになり、前から書かれている磁
気情報が完全に消去することができなくなったり、再生
した時の波形が充分に再生出来ないことが生じた。

【０００８】本発明の目的は上記の点に鑑み、高速給送
用装置が装着されてフィルム給送が高速にて行われたと
しても、良好な磁気記録を行うことのできる高速給送用
装置を装着可能なカメラを提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、高速給送用装
置が装着されてフィルム給送の高速化が設定されている
場合には、磁気記録手段の駆動用電源を、カメラ側の電
源電池から高速給送用装置側の電源電池に切換える電源
切換手段を設けている。

【００１０】

【作用】フィルムの給送速度が高速で行われる場合は、
この際の書込み用の電源として、高電圧を有する高速給
送用装置の電源電池を選択するようにして、書込み電流
の立上がり時間を急峻なものにしている。

【００１１】

【実施例】図１は本発明の第１の実施例におけるカメラ
等の主要部分の内部構成を示す斜視図であり、Ａがカメ
ラ、Ｂがモ−タドライブ装置である。

【００１２】図１において、１は後述のフィルムＦのパ
−フォレ−ションＰ１，Ｐ２を検知して該フィルムＦの
１駒割出しの為の信号や情報の書込み終了タイミングの
信号を発生するフォトリフレクタ、２はスプ−ル内に配
置されたフィルム給送モ−タ、３は減速及び巻上げ・巻
戻しの切換えを行うギヤ列、４は巻戻しフォ−ク、Ｃは
押出し式のフィルムカ−トリッジ、Ｆはベ−ス側に磁気
記憶部Ｔが備わった前出のフィルム、Ｐ１，Ｐ２は１つ
の撮影画面に対応して配置される前出のパ−フォレ−シ
ョン、ＨはフィルムＦ上の磁気記憶部Ｔに情報の書込
み、或はここより情報の読出しを行う磁気ヘッドであ
る。５はフィルムＦを磁気ヘッドＨに押付けるパッド
で、中央部にフィルムＦと磁気ヘッドＨのヘッドギャッ
プの密着性を高める為の凹部を持つ。

【００１３】２３はモ−タドライブ装置Ｂ内に配置され
るフィルム給送モ−タであり、フィルム給送モ−タ２に
比べてパワ−が大であり、上記ギヤ列３と噛み合う様に
なっている。

【００１４】図２は上記カメラＡ及びモ−タドライブ装
置Ｂの回路構成を示す図である。

【００１５】図２において、７はカメラの電源電池、８
はカメラの各種動作を制御するマイクロコンピュ−タ等
の制御回路、９は写真撮影を開始させるためのレリ−ズ
スイッチ、１０はフィルムＦの巻上げ及び巻戻しを行う
ために前記フィルム給送モ−タ２を駆動するフィルム給
送回路、１１は前記フォトリフレクタ１よりのパ−フォ
レ−ション信号を制御回路８の対応信号に変換するパル
ス検知回路、１２はフィルムＦの磁気記憶部Ｔへ各種情
報を記録するために前記磁気ヘッドＨを駆動する磁気記
録回路、１３は前記磁気ヘッドＨによりフィルムＦの磁
気記憶部Ｔから読出されるアナログ信号の増幅すると共
にこのアナログ信号をディジタル信号に変換して制御回
路８の対応信号にする磁気再生回路、１４は周知の測
光、測距及びシャッタ制御を行うＡＥ・ＡＦ・ＳＨ回
路、１５はフィルムＦの撮影駒数を表示すると共に異常
警告を行う液晶表示器、１６はカメラＡに外部装置が装
着されることによりＯＮするスイッチである。

【００１６】２１はフィルム給送モ−タ２３の駆動源で
あるところの電源電池であり、上記の電源電池７により
高い電圧を有するもので、カメラＡ側の電源電池７とは
別にモ−タドライブ装置Ｂ側に備わっている。２２はフ
ィルム給送モ−タ２３の駆動を制御するフィルム給送回
路、２４はカメラＡとモ−タドライブ装置Ｂを電気的に
接続する為の接点である。２５は磁気ヘッドＨに加える
電源を切換える切換手段である。

【００１７】図３は前記制御回路８の動作を示すフロ−
チャ−トであり、以下これにしたがって説明する。 ［ステップ１］ 不図示のフィルム在否スイッチの状態
よりフィルムカ−トリッジＣが装填されたか否かの判別
を行い、装填されたことを判別することによりステップ
２へ進む。 ［ステップ２］ モ−タドライブ装置Ｂが装着されてい
るか否かをスイッチ１６の状態により判別し、装着され
ていればステップ３へ進み、装着されていなければステ
ップ５へ進む。 ［ステップ３］ モ−タドライブ装置Ｂ側のフィルム給
送回路２２及びフィルム給送モ−タ２３の作動が可能な
状態にする。

【００１８】なお、ここでは、実際にフィルム給送モ−
タ２３は回転させず、制御回路８の制御信号が、モ−タ
ドライブ装置Ｂ側のフィルム給送回路２２に入力される
ようにしている。 ［ステップ４］ カメラＡ側のフィルム給送モ−タ２及
びフィルム給送回路１０が動作不能な状態とする。そし
てステップ６へ進む。

【００１９】ここで、上記の作動不能状態とは、フィル
ム給送モ−タ２の端子の両端が電気的にどこにも接続さ
れず、空転するようになる状態である。 ［ステップ５］ ここではモ−タドライブ装置Ｂが装填
されていないので、カメラＡ側のフィルム給送回路１０
及びフィルム給送モ−タ２の作動が可能な状態にする。 ［ステップ６］ 上記ステップ３或はステップ５により
選択されたフィルム給送回路及びフィルム給送モ−タ
（フィルム給送系）を駆動してフィルムＦの巻上げを開
始する。したがって、フィルム給送回路２２及びフィル
ム給送モ−タ２３が選択されていれば、フィルムＦは高
速給送されることになり、フィルム給送回路１０及びフ
ィルム給送モ−タ２が選択されていれば、標準の速度に
て給送されることになる。 ［ステップ７］ 磁気ヘッドＨ及び磁気再生回路１３を
駆動して、巻上げられているフィルムＦの磁気記憶部Ｔ
に予め記憶されているフィルム情報や規定駒数等の情報
再生を開始する。 ［ステップ８］ 再生された信号よりフィルム情報や規
定駒数等を読出してカメラに設定する。 ［ステップ９］ パルス検知回路１１を介してフォトリ
フレクタ１からのパ−フォレ−ション信号を検知し、撮
影駒数が第１駒目に達したか否かを判別し、達していな
ければステップ８へ戻り、達することによりステップ１
０へ進む。 ［ステップ１０］ 選択されたフィルム給送系により行
われているフィルムＦの巻上げ動作を停止する。 ［ステップ１１］ 磁気ヘッドＨ及び磁気再生回路１３
による情報の読出しを停止する。 ［ステップ１２］ レリ−ズスイッチ９がＯＮされたか
否かを判別し、ＯＮされたことを判別することによりス
テップ１３へ進む。 ［ステップ１３］ ＡＥ・ＡＦ・ＳＨ回路１４により被
写体輝度情報を得てシャッタ開閉の条件を決定する。 ［ステップ１４］ ここではＡＥ・ＡＦ・ＳＨ回路１４
により被写体距離情報を得て鏡筒を駆動し、被写体にピ
ントを合せる。 ［ステップ１５］ ＡＥ・ＡＦ・ＳＨ回路１４を駆動
し、上記ステップ１３において得られたシャッタ開閉条
件に基づいてシャッタの開閉制御、つまり露光制御を行
う。 ［ステップ１６］ ステップ２と同様、モ−タドライブ
装置Ｂが装着されているか否かをスイッチ１６の状態に
より判別し、装着されていればステップ１７へ進み、装
着されていなければステップ２０へ進む。 ［ステップ１７］ モ−タドライブ装置Ｂ側のフィルム
給送回路２２及びフィルム給送モ−タ２３の作動が可能
な状態にする。 ［ステップ１８］ カメラＡ側のフィルム給送モ−タ２
及びフィルム給送回路１０が動作不能な状態とする。 ［ステップ１９］ 磁気記録回路及び磁気ヘッドＨへ供
給する書込み用電源としてモ−タドライブ装置Ｂ側の電
源電池２１が接続されるよう、切換手段２５を切換え
る。即ち、接点ｂ側に切換える。そしてステップ２２へ
進む。 ［ステップ２０］ ここではモ−タドライブ装置Ｂが装
填されていないので、カメラＡ側のフィルム給送回路１
０及びフィルム給送モ−タ２の作動が可能な状態にす
る。 ［ステップ２１］ 磁気記録回路及び磁気ヘッドＨへ供
給する書込み用電源としてカメラＡの電源電池７が接続
されるよう、切換手段２５を切換える。即ち、接点ａ側
に切換える。 ［ステップ２２］ 上記ステップ１７或はステップ２０
によって選択されたフィルム給送系によって撮影駒の巻
上げを開始する。したがって、ステップ６と同様、フィ
ルム給送回路２２及びフィルム給送モ−タ２３が選択さ
れていれば、フィルムＦは高速給送されることになり、
フィルム給送回路１０及びフィルム給送モ−タ２が選択
されていれば、標準の速度にて給送されることになる。 ［ステップ２３］ 磁気ヘッドＨ及び磁気記録回路１３
を駆動し、フィルム給送中の撮影駒へ撮影年月日やシャ
ッタ秒時、絞り値等の書込みを行う。この際、書込み用
の電源としては、上記ステップ１９或はステップ２１に
よって選択されたものが用いられる。したがって、高速
給送時には高電圧により情報の書込みが行われることに
なり、立上がり電流波形が鋭くなるため、前の情報の消
去が不完全であったり、この時の書込み情報の再生が正
常に行われないといったことがなくなる。 ［ステップ２４］ パルス検知回路１１を介してフォト
リフレクタ１より１駒分のパ−フォレ−ション信号が入
力したか否かを判別し、入力したことを判別することに
よりステップ２５へ進む。 ［ステップ２５］ 液晶表示器１５にて表示される駒数
表示をカウントアップする。 ［ステップ２６］ 選択されたフィルム給送系により行
われているフィルムＦの巻上げを停止する。 ［ステップ２７］ ここでは不図示のフィルム最終駒を
検知する手段に取り込んだ規定駒数情報と現在の駒数を
比較し、フィルムが終了している（残り駒がない）場合
はステップ２８へ進み、終了していない場合はステップ
１２へ戻る。 ［ステップ２８］ ステップ１６と同様、モ−タドライ
ブ装置Ｂが装着されているか否かをスイッチ１６の状態
により判別し、装着されていればステップ２９へ進み、
装着されていなければステップ３１へ進む。 ［ステップ２９］ モ−タドライブ装置Ｂ側のフィルム
給送回路２２及びフィルム給送モ−タ２３の作動が可能
な状態にする。 ［ステップ３０］ カメラＡ側のフィルム給送モ−タ２
及びフィルム給送回路１０が動作不能な状態とする。そ
してステップ３２へ進む。 ［ステップ３１］ ここではモ−タドライブ装置Ｂが装
填されていないので、カメラＡ側のフィルム給送回路１
０及びフィルム給送モ−タ２の作動が可能な状態にす
る。 ［ステップ３２］ 上記ステップ２９或はステップ３１
によって選択されたフィルム給送系によってフィルムＦ
の巻戻しを行う。そして、フィルムＦの巻戻しが終了す
ると上記のフィルム給送系の駆動を停止させてステップ
３３へ進む。

【００２０】なお、フィルム巻戻しの完了は、フィルム
Ｆのパ−フォレ−ションを所定時間検出できなかったこ
と等により判別可能である。 ［ステップ３３］ 不図示のフィルム在否スイッチの状
態よりフィルムカ−トリッジＣがカメラより抜き取られ
たか否かの判別を行い、抜き取られたことを判別するこ
とによりステップ１へ戻る。

【００２１】図４は本発明の第２の実施例におけるカメ
ラＡ及びこれに装着される外部装置Ｄの構成を示す回路
図であり、上記第１の実施例と同じ部分は同一の符合を
付してある。

【００２２】この実施例は、高い電圧の電源電池２１を
書込み用電源として選択するのみならず、ブ−スタ−用
としてフィルム給送回路１０及びフィルム給送モ−タ２
に供給できるようにし、フィルム給送の高速化を図るよ
うにしたものである。

【００２３】４１はフィルム給送回路１０（及びフィル
ム給送モ−タ２）に供給される電源を切換える為の切換
手段であり、接点ａ側に切換わっている時には電源電池
７が電源として接続され、この際は標準の速度にてフィ
ルム供給がなされ、又接点ｂ側に切換わっている時には
外部装置Ｄ側の上記電源電池７よりも高電圧のブ−スタ
−用の電源電池２１が電源として接続され、この際は高
速にてフィルム給送がなされる。又、この際第１の実施
例で述べたように、切換手段２５も同時に切換わること
になる。

【００２４】４２は外部装置ＤとカメラＡを電気的に接
続する接点である。

【００２５】図５は本発明の第３の実施例におけるカメ
ラＡ及びこれに装着される外部装置Ｄの構成を示す回路
図であり、上記第２の実施例を更に改良したものであ
る。

【００２６】この実施例では、フィルム給送回路１０及
び磁気記録回路１２に供給する電源として、カメラＡ側
の電源電池７とこの電源電池７と外部装置Ｂ側の電源電
池２１の加算値のいずれかを必要に応じて選択できるよ
う、切換手段５１，５２を制御することにより行うよう
にしている。

【００２７】以上の各実施例によれば、フィルム給送速
度として高速側が選択された場合には、磁気記録回路及
び磁気ヘッドの電源として高圧側の電源を選択するよう
にしている為、フィルム給送速度が高速になったとして
も、書込み電流の立上がり時間も改善され、前の情報の
消去が不完全であったり、この時の書込み情報の再生が
正常に行われないといったことがなくなる。つまり、良
好な磁気記録を行うことが可能となる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高速給送用装置が装着されてフィルム給送の高速化が設
定されている場合には、磁気記録手段の駆動用電源を、
カメラ側の電源電池から高速給送用装置側の電源電池に
切換える電源切換手段を設け、フィルムの給送速度が高
速で行われる場合は、この際の書込み用の電源として、
高電圧を有する高速給送用装置の電源電池を選択するよ
うにして、書込み電流の立上がり時間を急峻なものにし
ている。よって、高速給送用装置が装着されてフィルム
給送が高速にて行われたとしても、良好な磁気記録を行
うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例におけるカメラ及びモ−
タドライブ装置の主要部分の内部構成を示す斜視図であ
る。

【図２】図１のカメラ及びモ−タドライブ装置の主要部
分の電気回路図である。

【図３】図２の制御回路の動作を示すフロ−チャ−トで
ある。

【図４】本発明の第２の実施例におけるカメラ及び外部
装置の主要部分の電気回路図である。

【図５】本発明の第３の実施例におけるカメラ及び外部
装置の主要部分の電気回路図である。

【符合の説明】

２ フィルム給送モ−タ ７ 電源電池 ８ 制御回路 １０ フィルム給送回路 １２ 磁気記録回路 ２１ 電源電池 ２２ フィルム給送回路 ２５ 切換手段 ４１ 切換手段 ５１，５２ 切換手段 Ａ カメラ Ｂ モ−タドライブ装置 Ｄ 外部装置 Ｈ 磁気ヘッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルム給送中に該フィルムに備わった
   磁気記憶部へ情報の書込みを行う磁気記録手段を備え
   た、高電圧の電源電池を有する高速給送用装置を装着可
   能なカメラにおいて、高速給送用装置が装着されてフィ
   ルム給送の高速化が設定されている場合には、上記磁気
   記録手段の駆動用電源を、カメラ側の電源電池から前記
   高速給送用装置側の電源電池に切換える電源切換手段を
   設けたことを特徴とする高速給送用装置を装着可能なカ
   メラ。