JPH0579387A - 車両用内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

車両用内燃機関の燃料噴射装置

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JPH0579387A
JPH0579387A JP23642191A JP23642191A JPH0579387A JP H0579387 A JPH0579387 A JP H0579387A JP 23642191 A JP23642191 A JP 23642191A JP 23642191 A JP23642191 A JP 23642191A JP H0579387 A JPH0579387 A JP H0579387A
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vehicle
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加減速運転時に車両が前後振動を発生するの
を阻止する。 【構成】 燃料の噴射が行われている状態から加速運転
が開始されたときにはまず初めにそのときの要求噴射量
new でもってt1 時間だけ予備噴射を行い、次いで加
速開始後ts 時間経過した後にそのときの要求噴射量Q
new でもって本噴射を開始する。燃料の噴射が停止され
ている状態から加速運転が行われたときにはまず初めに
噴射量Qmin でもってtbl時間だけ燃料噴射を行った
後に上述の予備噴射および本噴射を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用内燃機関の燃料噴
射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アクセルペダルの踏み込み量および機関
回転数から要求噴射量を決定し、この要求噴射量に応じ
た燃料を噴射するようにした内燃機関では加減速運転時
において機関出力が急激に上昇或いは下降したときに車
両が前後に振動するという問題を生ずる。このように車
両が前後振動を発生する理由について最初に説明する。
【0003】図1は車両の駆動系を模式的に表わしてお
り、Aは機関、Bは機関出力軸、Cは機関出力軸Bから
駆動輪Dに至る動力伝達系を夫々示している。動力伝達
系Cにはクラッチ、変速機、プロペラシャフト等が含ま
れるがこれらの各要素をまとめて一本の棒で示してい
る。このように表わすと車両走行時には動力伝達系Cに
捩れが生じ、このとき動力伝達系Cの両極端間に生ずる
相対的な捩れ角を以下相対捩れ角と称する。この相対捩
れ角が図1においてθで示される。要求噴射量が一定で
あって変化せず、車両が定常運転を行っているときには
この相対捩れ角θは要求噴射量に応じた、即ち機関出力
に応じた一定の捩れ角に維持されており、以下この要求
噴射量に応じた一定の捩れ角を収束捩れ角と称する。こ
の収束捩れ角が図2においてθa ,θb で示される。
【0004】即ち、図2において要求噴射量が一定値Q
a に維持されていて変化せず、この状態で定常運転が行
われていると相対捩れ角θは一定の収束捩れ角θa に維
持され、要求噴射量が一定値Qb に維持されていて変化
せず、この状態で定常運転が行われていると相対捩れ角
θは一定の収束捩れ角θb に維持される。このように定
常運転が行われているときには相対捩れ角θは要求噴射
量に応じた収束捩れ角に維持されることになる。
【0005】ところが要求噴射量が急変する過渡運転時
には相対捩れ角θが要求噴射量に応じた収束捩れ角に維
持されなくなる。即ち、図2に示されるようにアクセル
ペダルが急激に踏み込まれて要求噴射量がQa からQb
に急変したとすると機関出力が急激に立上るが車両は大
きな質量を有するために車両の速度は機関出力の立上り
にただちに追従して増大することができない。従ってこ
のとき相対捩れ角θが要求噴射量Qb に応じた収束捩れ
角θb よりも大きくなり、機関出力の増大分の一部が弾
性エネルギとして動力伝達系Cに蓄えられる。次いで図
2に示されるように車両速度が増大して車両加速度Gが
増大する。このとき駆動輪Dには機関の出力トルクに加
えて動力伝達系Cに蓄えられた弾性エネルギによるトル
クが加わるために車両加速度Gは機関出力により定まる
加速度Gb よりも大きくなる。車両加速度Gが機関出力
により定まる加速度Gb よりも大きくなると動力伝達系
Cの相対捩れ角θが低下し、車両加速度Gも低下して相
対捩れ角θは要求噴射量Q b に応じた収束捩れ角θb
りも小さくなり、車両加速度Gは機関出力により定まる
加速度Gb よりも小さくなる。
【0006】従って要求噴射量Qが急激に増大せしめら
れると動力伝達系Cの相対捩れ角θが振動すると共に車
両加速度Gが振動し、斯くして車両が前後振動を発生す
ることになる。動力伝達系Cには振動減衰系が存在する
ので動力伝達系Cの相対捩れ角θの振幅および車両加速
度Gの振幅は次第に小さくなり、斯くして車両の前後振
動も次第に減衰していく。加速開始後、車両速度が上昇
してくると車両加速度Gb は次第に低下してくるが車両
速度が上昇しても要求噴射量Qが一定である限り車両に
対する駆動力は一定であるので要求噴射量QがQb であ
る限り相対捩れ角θはθb に維持される。なお、図2か
らわかるようにこのような車両の前後振動は要求噴射量
QがQb からQa に低下した場合にも生ずる。
【0007】ところでアクセルペダルが急激に踏み込ま
れたときに図2において破線で示すように要求噴射量Q
を予め定められたゆっくりとした速度で上昇させ、また
アクセルペダルの踏み込み量が急激に減少せしめられた
ときには要求噴射量Qを破線で示すようにゆっくりとし
た速度で減少せしめるようにすれば車両の前後振動を低
減しうるように考えられる。しかしながらこのように過
渡運転時に要求噴射量Qをゆっくりとした速度で変化さ
せた場合には図2において破線で示すように車両の加速
度Gの立上りが緩慢となるために加速応答性が悪化する
という問題を生ずる。また、このように過渡運転時に要
求噴射量Qをゆっくりとした速度で変化させると車両加
速度Gの振幅は小さくなるものの、相変らず車両の前後
振動を発生するという問題がある。
【0008】そこで車両の前後振動を発生させることな
く加速応答性のよい燃料噴射制御を行うために第1の要
求噴射量でもって定常運転しているときには機関出力軸
から駆動輪に至る動力伝達系の両極端間における相対捩
れ角が第1の要求噴射量に応じた収束捩れ角に維持さ
れ、加速すべく燃料噴射量が第1の要求噴射量から第2
の要求噴射量に変化したときには相対捩れ角が第2の要
求噴射量に応じた収束捩れ角を中心として周期的に変動
する車両において、加速すべく要求噴射量が第1の要求
噴射量から第2の要求噴射量に変化したときに予備噴射
を行い次いで第2の要求噴射量でもって主噴射を行う噴
射制御装置を具備し、主噴射開始時における相対捩れ角
がほぼ第2の要求噴射量に応じた収束捩れ角となりかつ
主噴射開始後に相対捩れ角がほぼ第2の要求噴射量に応
じた収束捩れ角に維持されるように予備噴射の噴射量、
噴射期間および主噴射の開始時期を設定するようにした
燃料噴射装置が本出願人により既に提案されている(特
願平2−144465号参照)。
【0009】この燃料噴射方法を用いると加速が開始さ
れたときに機関出力がただちに上昇し、しかも車両が前
後に振動するのを阻止することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら例えば減
速運転が行われていて燃料噴射が停止されている状態か
ら加速運転が行われて燃料噴射が再開されたときにこの
燃料噴射方法を用いても車両の前後振動の発生を阻止す
ることはできない。即ち、この燃料噴射方法は図1にお
いて機関Aにより駆動輪Dを駆動していて機関A側の動
力伝達系Cの端部に機関Aの回転方向の相対捩れ角θが
発生しており、このような状態において加速運転が行わ
れたときに車両が前後に振動しないようにしたものであ
る。
【0011】しかしながら燃料噴射が停止せしめられて
いると駆動輪Dが機関Aを駆動する形となるので機関A
側の動力伝達系Cの端部には機関Aの回転方向と反対向
きの相対捩れ角θが生じている。従ってこのような状態
のときに加速運転が開始されて予備噴射が行われると予
備噴射により発生する機関図示トルクの一部が機関Aの
摩擦トルクに打ち勝って動力伝達系Cに存在するバック
ラッシュ相当分だけ動力伝達系Cをこれまでとは逆向き
に捩り、機関A側の動力伝達系Cの端部に機関Aの回転
方向の相対捩れ角θを発生されるのに使用される。その
結果、加速運転時に車両の前後振動の発生を阻止するの
に必要な予備噴射量に対して実際に車両の前後振動の発
生を阻止するために用いられる予備噴射量が少なり、斯
くして車両の前後振動が発生するという問題を生じるこ
とになる。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明によれば、第1の要求噴射量でもって定常運
転しているときには機関出力軸から駆動輪に至る動力伝
達系の両極端間における相対捩れ角が第1の要求噴射量
に応じた収束捩れ角に維持され、加速すべく燃料噴射量
が第1の要求噴射量から第2の要求噴射量に変化したと
きには相対捩れ角が第2の要求噴射量に応じた収束捩れ
角を中心として周期的に変動する車両において、加速す
べく要求噴射量が第1の要求噴射量から第2の要求噴射
量に変化したときに予備噴射を行い次いで第2の要求噴
射量でもって主噴射を行う噴射制御装置を具備し、主噴
射開始時における相対捩れ角がほぼ第2の要求噴射量に
応じた収束捩れ角となりかつ主噴射開始後に相対捩れ角
がほぼ第2の要求噴射量に応じた収束捩れ角に維持され
るように予備噴射の噴射量、噴射期間および主噴射の開
始時期を設定し、更に予め定められた機関運転状態のと
きに燃料の噴射を停止する燃料噴射停止装置を具備し、
燃料噴射停止装置による燃料噴射の停止作用が解除され
て燃料の供給が再開されたときに噴射制御装置が機関の
摩擦トルクにほぼ相当する機関図示トルクを得るのに必
要な燃料噴射を行った後に予備噴射、次いで主噴射を行
なう。
【0013】
【作用】燃料噴射が停止さている状態から加速運転が開
始されたときに機関の摩擦トルクにほぼ相当する機関図
示トルクを得るのに必要な燃料噴射を行って動力伝達系
をこれまでとは逆向きに捩った後に予備噴射、次いで主
噴射が行われる。
【0014】
【実施例】図3を参照すると、1は機関本体、2は燃料
噴射弁、3は機関出力軸、4は変速機を夫々示し、変速
機4の出力軸5は駆動輪に連結される。変速機4が自動
変速機の場合には機関出力軸3と変速機4間にはトルク
コンバータ6が配置され、変速機4が手動変速機の場合
には機関出力軸3と変速機4間にはクラッチ装置6が配
置される。変速機4には必要に応じてギヤ位置を検出す
るギヤ位置検出装置7が取付けられ、クラッチ装置6に
は必要に応じてクラッチ作動検出装置8が取付けられ
る。燃料噴射弁2からの燃料噴射は電子制御ユニット1
0の出力信号に基いて制御される。
【0015】電子制御ユニット10はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス11によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)12、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)13、CPU(マイクロプロセ
ッサ)14、入力ポート15および出力ポート16を具
備する。入力ポート15にはギヤ位置検出装置7および
クラッチ作動検出装置8に加えてクランク角センサ1
7、負荷センサ18、車速センサ19、スロットルスイ
ッチ20が接続される。クランク角センサ17はクラン
クシャフトが一定クランク角度、例えば30度回転する
毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート
15に入力される。従ってこの出力パルスから機関回転
数を計算することができる。一方、アクセルペダル21
の踏み込み量は負荷センサ18によりAD変換されて入
力ポート15に入力される。また、車速センサ19は例
えば出力軸5が一定角度回転する毎に出力パルスを発生
し、この出力パルスが入力ポート15に入力される。一
方、機関本体1の吸気通路内にはスロットル弁(図示せ
ず)が配置されており、このスロットル弁にスロットル
スイッチ20が取付けられる。このスロットルスイッチ
20はスロットル弁がアイドリング開度になったときに
オンとなり、このスロットルスイッチ20の出力信号が
入力ポート15に入力される。また、出力ポート16は
対応する駆動回路22を介して燃料噴射弁2に接続され
る。
【0016】次に燃料噴射が行われている状態から加速
運転等の過渡運転状態に移る基本的に場合について図4
から図7を参照しつつまず初めに説明する。図4に示す
一実施例を参照すると、アクセルペダルが急激に踏み込
まれて要求噴射量QがQa からQb に変化したときには
まず初めに何サイクルかに亘って予備噴射Q1 を行い、
次いで要求噴射量Qb に応じた主噴射Q2 を行う。予備
噴射Q1 を行なうと機関出力が急激に立上るために動力
伝達系の相対捩れ角θが上昇し、相対捩れ角θが上昇す
ると車両加速度Gが上昇する。次いで相対捩れ角θが要
求噴射量Qb により定まる収束捩れ角θb に達しかつ車
両加速度Gが主噴射Q 2 開始時の車両加速度Gb に等し
くなったときに主噴射Q2 が開始される。このような時
期に主噴射Q2 が開始されると加速開始後の車両加速度
GがGb に維持されるので車両は前後振動を生じなくな
る。即ち加速運転時に相対捩れ角θがθ b となり得るよ
うに予備噴射Q1 の量を定め、相対捩れ角θがθb とな
りかつ車両加速度GがGb になったときに主噴射Q2
開始すれば車両が前後振動を生じなくなる。図7は動力
伝達系が振動減衰系を有していない場合を示しており、
この場合には車両加速度Gがピークになったところで要
求噴射量Q2 に応じた加速直後の加速度Gb となる。し
かしながら実際には動力伝達系は振動減衰系を含んでお
り、この場合には動力伝達系の相対捩れ角θをθb とす
るのに必要なエネルギに加えて振動減衰系に喰われるエ
ネルギを機関出力が与えなければならず、振動減衰系に
喰われるエネルギの一部によって車両に加速度Gが与え
られる。従って動力伝達系が振動減衰系を有する場合に
は図4に示されるように相対捩れ角θがθb に達するま
でに車両加速度Gは一時的にGb よりも大きくなる。
【0017】図4は予備噴射Q1 が行われる各サイクル
の噴射量が主噴射Q2 の各サイクルの要求噴射量Qb
等しく、しかも予備噴射Q1 と主噴射Q2 間に噴射量が
a であるサイクルを介在させている場合を示してい
る。しかしながら図5に示すように予備噴射Q1 の各サ
イクルにおける噴射量を主噴射Q2 の各サイクルにおけ
る噴射量よりも小さくすると共に予備噴射Q1 に続けて
主噴射Q2 を行うこともできるし、又図6に示すように
予備噴射Q1 の各サイクルにおける噴射量を曲線的に変
化させることもできる。
【0018】減速運転時には加速度と同様な考え方で一
時的に噴射量を減らした後、暫らくしてから要求噴射量
とする。この場合も、図4から図6に示されるように種
々の減らし方がある。次に図8および図9を参照しつつ
予備噴射の噴射期間および噴射量、並びに主噴射の噴射
開始時期についての解析結果について説明する。
【0019】解析するに当ってまず初めに制御対象を図
8に示すようにモデル化する。図8に示すように質量m
1 の機関と質量m2 の車両とがばね定数k、減衰係数c
の動力伝達系により連結されているものとし、機関が駆
動力F1 を発生したときの機関の変位をx1 、車両の変
位をx2 とする。駆動輪の半径をr、機関出力軸の変位
をx1(rad)で表わすとx1 ・r=x2 となるので機関の
質量m1 はこの関係を考慮した等価的な質量を表わして
いる。またこの等価質量m1 は変速機の変速比によって
変化する。なお、機関の駆動力F1 は要求噴射量に対応
している。
【0020】噴射パターンについては図9に示すように
アクセルペダルが急激に踏み込まれたときから一定の予
備噴射期間t1 のあいだ機関に駆動力F01を発生させ、
即ち何サイクルかに亘っての要求噴射量をFoiとし、こ
の予備噴射期間経過後アクセルペダルが踏み込まれてか
らts 時間後に要求されている駆動力F0 を発生させ
る、即ち要求されている噴射量F0 を噴射させるものと
する。
【0021】このような条件で以下解析する。まず初め
に図8のモデルに対して微分方程式をたてると次のよう
になる。
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
【0024】とおいて(1),(2)式をラプラス変換す
ると次のようになる。
【0025】
【数3】
【0026】(3),(4)式をx1 ,x2 について解く
と次のようになる。
【0027】
【数4】
【0028】入力として単位インパルスが加わったとす
るとF(s)=1であり、このとき(6)式は次のよう
に表わすことができる。
【0029】
【数5】
【0030】(7)式を逆変換すると次式のようにな
る。
【0031】
【数6】
【0032】
【数7】
【0033】次にばね定数がkである動力伝達系のばね
の伸びに過渡変位を求める。(1)式をm1 で除し、
(2)式をm2 で除して(1),(2)式の各辺を夫々減
算すると次のようになる。
【0034】
【数8】
【0035】x12=x1 −x2 とおいて(13)式をラ
プラス変換し、単位インパルスが加わったものとして逆
変換すると(13)式は次のようになる。
【0036】
【数9】
【0037】次に矩形波Foi・t1 が加わったときのば
ねの過渡変位x12を(14)式で表わされる単位インパ
ルス印加時の変位x12の重ね合わせで次式により求め
る。
【0038】
【数10】
【0039】(15)式を解くと次のようになる。
【0040】
【数11】
【0041】次に図9に示すようにアクセルペダルを急
激に踏み込んだときからts 時間後にFo なる駆動力を
機関に与えたときに車両が振動しない条件について検討
する。機関にFo なる駆動力が与えられたときに車両が
前後振動を発生しない条件とは機関にFo なる駆動力が
与えられたときに車両の加速度が変化しないことであ
る。云い換えると機関にFo なる駆動力が与えられる前
後においてばねの過渡変位x12が変化せず、しかも車両
の加速度が変化しないという2つの条件を同時に満たす
ことである。機関にFo なる駆動力が与えられたときの
車両の加速度をa s とするとこれら2つの条件は以下の
ように表わすことができる。
【0042】
【数12】
【0043】(17)式はt=ts におけるばね力kx12
(ts ) が機関にFO なる駆動力が与えられたときにばね
に作用する力に等しいことを表わしている。云い換える
と機関にFO なる駆動力が与えられる前後においてばね
力kx12が変化しないこと、即ちばねの過渡変位x12が変
化しないことを表わしている。一方(18)式はt=t
s における車両の加速度x2(ts ) が機関にFO なる駆動
力が与えられたときの車両の加速度as に等しいこと、
即ち機関にFO なる駆動力が与えられる直前の車両の加
速度が機関にFO なる駆動力が与えられたときの車両の
加速度as に等しいことを表わしている。
【0044】即ち、(18)式は満たされているが(1
7)式が満たされていないと駆動力FO の発生時にばね
力kx12によって車両に正又は負の加速度が作用するため
に車両が前後に振動し、(17)式は満たされているが
(18)式が満たされていないと駆動力FO の発生時に
駆動力FO によって車両に正又は負の加速度が作用する
ために車両が前後に振動する。従って駆動力FO の発生
時に車両が前後振動を発生しないようにするには(1
7)式および(18)式を同時に満たす必要がある。
【0045】ところでばねの過渡変位x12は動力伝達系
の相対捩れ角θに対応しており、従って(17)式は駆
動力FO の発生の前後で相対捩れ角θが変化しないこと
を意味している。云い換えると駆動力FO の発生直前に
相対捩れ角θが駆動力FO により定まる収束捩れ角にな
っていることを意味している。一方(18)式を満たさ
ず車両が前後振動をすると相対捩れ角θは駆動力FO
より定まる収束捩れ角を中心として振動し、(18)式
が満たされると駆動力FO が発生した後も相対捩れ角θ
が収束捩れ角に維持される。従って(17)式および
(18)式を同時に満たすということは駆動力FO の発
生直前に相対捩れ角θが収束捩れ角となっており、駆動
力FO の発生後に相対捩れ角が収束捩れ角に維持される
ことを意味している。
【0046】従って駆動力FO の発生直前に相対捩れ角
θが収束捩れ角となり、駆動力FO の発生後に相対捩れ
角が収束捩れ角に維持されるように、即ち(17)式お
よび(18)式を同時に満たすように予備噴射の噴射
量、噴射時期および主噴射の開始時期を定めれば車両が
前後振動を発生しなくなる。次に(17)式および(1
8)式を満たすような予備噴射の噴射量、噴射時期およ
び主噴射の開始時期を求める。
【0047】まず初めに(16)式と(17)式からx
12を消去し、
【0048】
【数13】
【0049】とおくと次式が得られる。
【0050】
【数14】
【0051】
【数15】
【0052】次に(19)式−(20)式、および(1
9)式+(20)式を計算すると次のようになる。
【0053】
【数16】
【0054】これら(21)式および(22)式から次
の2つの式が求まる。
【0055】
【数17】
【0056】(23)式のts はt1 の関数であり、
(24)式のFoiはt1 ,t2 の関数である。従ってま
ず初めにt1 を適当な値に設定すれば(23)式からt
s が求まり、(24)式からFoiが求まり、予備噴射量
をFoi、予備噴射時間をt1 、主噴射の開始時期をts
とすれば加速運転時に車両が前後振動を生じないことに
なる。また、図8に示されるようにアクセルペダルの踏
み込み量が急激に減少せしめられたときから時間t1
亘って噴射量をFoiだけ減少させ、アクセルペダルの踏
み込み量の減少時からts 時間後に要求噴射量とすれば
減速運転時に車両が前後振動を生ずるのを阻止すること
ができる。
【0057】図10に示されるようにt1 の設定のしか
たによって予備噴射量Foiは種々に変化する。この場合
どのような予備噴射パターンを採用してもかまわない。
動力伝達系が振動減衰系を有しない場合にはt1
s ,Fo ,Foiの関係は次式で示すように極めて簡単
となる。
【0058】
【数18】
【0059】この場合、Fo =Foiとすると図11
(A)に示すような噴射パターンとなり、Foi=Fo
2とすると図11(B)に示すような噴射パターンとな
る。図12は実際の燃料噴射装置に適用した場合の噴射
パターンの一実施例を示している。この実施例は予備噴
射量を主噴射量と同じにした場合を示しており、この場
合には(23)式および(24)式からt1 ,ts が一
義的に定まる。即ち、この実施例では加速が開始される
前の要求噴射量がQold であり、加速が行われた後の要
求噴射量がQnew であるとすると加速が開始されたとき
に噴射量Qne w でもってt1 時間だけ予備噴射が行わ
れ、加速開始後ts 時間経過した後に噴射量Qnewでも
って本噴射が行われる。
【0060】燃料噴射が行われている状態から加速運転
が行われた場合には例えば図12に示すような噴射パタ
ーンで燃料を噴射すれば加速後車両が前後振動を生じな
い。しかしながら燃料の噴射が停止されている状態から
加速運転が行われた場合には冒頭で述べたように動力伝
達系のバックラッシュの存在により図12に示すような
噴射パターンで噴射しても加速後車両が前後振動を生ず
ることになる。そこで本発明では燃料の噴射が停止され
ている状態から加速運転が行われた場合にはまず初めに
図13に示されるように噴射量Qmin でtbl時間だけ
燃料噴射を行い、その後例えば図12に示すような噴射
パターンで予備噴射および本噴射を行うようにしてい
る。なお、図13(A)は燃料噴射が停止されている状
態から加速運転が開始された場合を示しており、この場
合には噴射量Qmin でtbl時間だけ燃料噴射が行われ
た後にただちに予備噴射が開始される。一方、図13
(B)は燃料噴射が停止されている状態から機関回転数
が設定値以下となって燃料の噴射が開始された場合を示
しており、この場合には燃料噴射が開始されたときに噴
射量Qmin でtbl時間だけ燃料噴射された後に機関の
運転状態により定まる要求噴射量でもって燃料が噴射さ
れる。
【0061】図13(A)および(B)において噴射量
min と噴射時間tblは機関の摩擦トルクTf をやや
上回る機関図示トルクを発生しうるように、より詳細に
云うと機関本体1の燃焼室から燃焼圧が伝達される部分
の全ての摩擦トルクTf をやや上回る機関図示トルクを
発生しうるように定められている。この摩擦トルクT f
は図14(A)に示すように機関回転数Nの関数であ
り、従ってこの摩擦トルクTf をやや上回る機関図示ト
ルクを発生させるのに必要な噴射量Qmin および噴射時
間tblは機関回転数Nの関数となる。この場合、噴射
量Qmin および噴射時間tblの双方又はいずれか一方
を機関回転数Nに応じて変化させることになるが図13
(A)および(B)に示す実施例では噴射時間tblを
固定し、噴射量Qmin を機関回転数Nに応じて変化させ
るようにしている。図14(B)はこの場合の噴射量Q
m と機関回転数Nとの関係を示しており、この関係は予
めROM12内に記憶されている。
【0062】図15から図19は図13に示す噴射パタ
ーンを用いたときの制御ルーチンを示している。また、
図20は燃料噴射が行われている状態から加速運転が開
始された場合を示しており、図21は燃料噴射が停止さ
れている状態から加速運転が開始された場合を示してい
る。次に図15から図19に示す制御ルーチンについて
順次説明する。
【0063】ところで前述したように図12および図1
3に示す噴射パターンを用いた場合には(23)式およ
び(24)式からt1 ,ts が一義的に定まる。ところ
が機関の等価質量m1 は変速ギヤ比の2乗に比例するの
で(22)式および(23)式から算出されるt1 ,t
s は変速ギヤ比によって変化する。そこで図12および
図13の予備噴射パターンを用いる場合には変速ギヤ比
に応じたt1 およびt s の値を予め求めておいてこれを
用いるようにしている。図15はギヤ比を直接検出する
ことなく変速ギヤ比を車速センサ19の出力パルスから
求めるようにしたルーチンを示している。このようにす
るとギヤ比を検出するための検出装置を設ける必要がな
いという利点がある。なお、このルーチンは例えば一定
時間毎の割込みによって実行される。
【0064】図15を参照するとまず初めにステップ1
00において車速センサ19の出力パルス間隔TP に機
関回転数NEを乗算することによって減速比xが求めら
れる。次いでステップ101では図22に示す関係から
変速段GSが求められる。図22は各変速段(1速、2
速…5速)を対応した整数GSで表わし、これら整数G
Sと対応する減速比x1 ,x2 …x5 との関係を示して
いる。例えば減速比がx2 であるするとGS=2であ
り、これは変速段が第2速であることを示している。図
22に示す関係は予めROM12内に記憶されており、
ステップ101ではROM12内に記憶された関係から
減速比xに基いてGSが計算される。
【0065】次いでステップ102ではNが1だけイン
クリメントされ、ステップ103に進む。ステップ10
3ではGSがN−0.1とN+0.1の間にあるか否か
が判別される。N−0.1≦GS≦N+0.1であると
きにはステップ104に進んでGS=Nとされる。次い
でステップ107に進んでN=0とされる。一方、ステ
ップ103においてGS<N−0.1又はN+0.1<
GSであると判別されたときはステップ105に進んで
N=5であるか否かが判別される。N=5でないときに
は再びステップ103に戻る。N=5のとき、即ち減速
比xに対応する変速段が存在しないときはステップ10
6に進んでGS=0とされ、ステップ107に進んでN
=0とされる。
【0066】図16は図15により得られた変速段GS
に基いてt1 ,ts を計算するためのルーチンを示して
おり、このルーチンは例えば一定時間毎の割込みによっ
て実行される。図16を参照するとまず初めにステップ
200においてGS=0であるか否かが判別される。G
S=0でないときはステップ201に進んで図23に示
す関係からt1 が計算され、次いでステップ202に進
んで図23に示す関係からts が計算される。図23に
示すt1 ,ts とGSとの関係は予めROM12内に記
憶されている。
【0067】図17は燃料噴射停止時にセットされるカ
ットフラグの処理ルーチンを示しており、このルーチン
は例えばメインルーチン内で繰返し実行される。図17
を参照するとまず初めにステップ300においてカット
フラグがセットされているか否かが判別される。カット
フラグがセットされていないときにはステップ301に
進んでスロットルスイッチ20がオンであるか否か、即
ちスロットル弁がアイドリング開度であるか否かが判別
される。スロットル弁がアイドリング開度であるときに
はステップ302に進んで機関回転数Nが一定値、例え
ば1200r.p.m 以上であるか否かが判別される。N≧
1200r.p.m のときにはステップ303に進んでカッ
トフラグがセットされる。即ち、スロットル弁がアイド
リング開度であってN≧1200r.p.m のときは減速運
転時であると判断し、カットフラグがセットされる。
【0068】カットフラグがセットされるとステップ3
00からステップ304に進んでスロットルスイッチ2
0がオンであるか否か、即ちスロットル弁がアイドリン
グ開度であるか否かが判別される。スロットル弁がアイ
ドリング開度であるときにはステップ305に進んで機
関回転数Nが1000r.p.m よりも低いか否かが判別さ
れる。N≦1000r.p.m のときにはステップ306に
進んでカットフラグがリセットされる。一方、N>10
00r.p.m でもスロットル弁が開弁せしめられればステ
ップ304からステップ306にジャンプしてカットフ
ラグがリセットされる。カットフラグがセットされると
燃料噴射が停止せしめられる。
【0069】図18は予備噴射を実行するための制御開
始処理ルーチンを示しており、このルーチンは2msec毎
に実行される。図18を参照するとまず初めにステップ
400においてカットフラグがセットされているか否か
が判別される。例えば定常運転が行われているとすると
カットフラグはセットされていないのでステップ405
にジャンプし、フラグFがセットされているか否かが判
別される。通常このフラグFはセットされていないので
ステップ406に進む。
【0070】ステップ406では現在記憶されている前
回の要求噴射量Qnew がQold とされる。次いでステッ
プ407ではアクセルペダル21の踏み込み量を表わす
負荷センサ18の出力信号と機関回転数から要求噴射量
new が計算される。この要求噴射量Qnew は図24に
示すようにアクセルペダル21の踏み込み量Lと機関回
転数Nの関数として予めROM12内に記憶されてい
る。次いでステップ408では2msec内における要求噴
射量の差(Qnew −Qold ) の絶対値が一定値ΔQ以上
であるか否かが判別される。|Qnew −Qold |>ΔQ
のときにはステップ409に進んでフラグFがセットさ
れ、次いでステップ410に進んでカウント値CTSが
1だけインクリメントされる。従って図20に示すよう
にアクセルペダルが急激に踏み込まれて要求噴射量がQ
old からQnew にΔQ以上変化するとフラグFがセット
されると共にカウント値CTSのカウントアップ作用が
開始される。
【0071】図19は燃料噴射制御ルーチンを示してお
り、このルーチンは一定のクランク角度毎に実行され
る。図19を参照するとまず初めにステップ500にお
いてカットフラグがセットされているか否かが判別され
る。今、カットフラグはセットされていないのでステッ
プ501に進んでGS=0であるか否かが判別される。
GS=0のときにはステップ509に進んでフラグFが
リセットされる。次いでステップ507に進んで要求噴
射量Qnew が噴射量Qとされ、次いでステップ508に
おいて燃料噴射弁2からの燃料噴射作用が行われる。一
方、GS=0でないときにはステップ502に進んでフ
ラグFがセットされているか否かが判別される。フラグ
Fがリセットされているときにはステップ507にジャ
ンプする。これに対してフラグFがセットされていると
き、即ち加速運転が行われたときにはステップ503に
進んでカウント値CTSがt1 /2よりも小さいか否
か、即ちt1 時間経過していないか否かが判別される。
1 時間経過していないときにはステップ507に進ん
でアクセルペダル21が踏み込まれた後の要求噴射量Q
new が噴射量Qとされる。従って図20に示されるよう
に加速開始後t1 時間のあいだの各サイクルにおける実
噴射量Qは要求噴射量Qnew とされる。
【0072】t1 時間経過するとステップ503からス
テップ504に進んでカウント値CTSがts /2より
も小さいか否か、即ち加速開始後ts 時間経過していな
いか否かが判別される。ts 時間経過していないときに
はステップ510に進んで加速開始前の要求噴射量Q
old が噴射量Qとされ、ステップ508に進む。従って
図20に示されるようにt1 時間経過後、ts 時間経過
するまでの間の各サイクルにおける実噴射量Qは要求噴
射量Qold とされる。
【0073】ts 時間経過するとステップ504からス
テップ505に進んでフラグFがリセットされ、次いで
ステップ506に進んでカウント値CTS=0とされ
る。次いでステップ507を経てステップ508に進
み、加速開始後の要求噴射量Qne w が噴射される。従っ
て図20に示されるように加速開始後ts 時間を経過す
ると各サイクルにおける実噴射量Qは要求噴射量Qnew
とされる。
【0074】なお、GS=0のときにはステップ501
からステップ507にジャンプするので加速運転が行わ
れれば要求噴射量Qnew で噴射され続ける。GS=0と
なるのは例えば変速機4がニュートラル位置にあると
き、或いはクラッチが切断されているとき、或いは半ク
ラッチのときである。これらの状態のときに予備噴射を
行うと良好な車両運転性が得られないのでこれらの状態
のときにはアクセルペダル21が踏み込まれれば要求噴
射量Qnew で噴射し続けるようにしている。
【0075】一方、燃料カットフラグがセットされると
ステップ500を経た後ただちに処理サイクルを完了す
るのでこのときには燃料噴射が停止される。また、カッ
トフラグがセットされると図18のステップ400から
ステップ401に進んでフラグFがセットされ、次いで
ステップ402では機関回転数Nに基いて図14(B)
に示す関係から噴射量Qmin が算出される。次いでステ
ップ403ではQold およびQnew がQminとされる。
次いでステップ404ではカウント値CTSが(ts
tbl)/2msecとされ、ステップ405に進む。
【0076】ステップ405ではフラグFがセットされ
ていると判断されるのでステップ410に進み、カウン
ト値CTSが1だけインクリメントされる。しかしなが
らカットフラグがセットされている限り次の処理サイク
ルのステップ404においてカウント値CTSは再び
(ts −tbl)/2msecとされる。従って図21に示
すようにカットフラグがセットされている間、カウント
値CTSは実質的に(t s −tbl)/2msecに維持さ
れる。一方、カットフラグがリセットされて燃料の噴射
が再開されるとステップ400からステップ405にジ
ャンプし、次いでステップ410にジャンプする。従っ
てカットフラグがリセットされると図21に示すように
カウント値CTSのカウントアップ作用が開始される。
【0077】一方、カットフラグがセットされるとGS
=0であるときは除いて図19のステップ500からス
テップ501および502を通ってステップ503に進
む。このときCTS≦t1 /2msecであればステップ5
07に進んで噴射量QがQne w とされる。しかしながら
このときQnew =Qmin とされているので噴射量QはQ
min となる。一方、CTS>t1 /2msecのときはステ
ップ504に進み、このときにCTS≦ts /2msecで
あればステップ510に進んで噴射量QがQol d とされ
る。しかしながらこのときQold =Qmin とされている
ので噴射量QはQmin となる。次いでCTS>ts /2
msecになるとステップ505に進んでフラグFがリセッ
トされ、次いでステップ506に進んでCTS=0とさ
れる。
【0078】一方、フラグFがリセットされると図18
のステップ405からステップ406に進み、次いでス
テップ407に進んで図24に示すマップから噴射量Q
new が算出される。従って図21に示すようにカットフ
ラグがリセットされた後カウント値CTSがts /2ms
ecに達するまでの間、即ちカットフラグがリセットされ
た後tbl時間経過するまでの間、噴射量QがQmin
されることになる。図21に示すようにアクセルペダル
21が踏込まれることによってカットフラグがリセット
された場合には、即ち減速運転中に加速運転が開始され
た場合にはステップ408において|Qnew −Qold
>ΔQと判断されるのでステップ409に進んで再びフ
ラグFがセットされ、次いで410においてカウント値
CTSが零からカウントアップされる。従って図21に
示すようにt1 時間だけ予備噴射が行われた後に本噴射
が開始される。
【0079】このように燃料の噴射が停止されている状
態から加速運転が開始されると噴射量Qmin でもってt
bl時間だけ燃料噴射を行った後に予備噴射が開始さ
れ、次いで本噴射が開始される。前述したように噴射量
min でもってtbl時間だけ燃料噴射を行うとこの燃
料噴射によって動力伝達系はバックラッシュ相当分だけ
これまでは反対側に捩られ、従ってその後予備噴射およ
び本噴射を行うことによって加速完了後車両が前後振動
を生ずるのを阻止することができることになる。
【0080】
【発明の効果】燃料が噴射されている状態で加速運転が
行われた場合でも燃料の噴射が停止されている状態で加
速運転が行われた場合でも車両に前後振動を発生させる
ことなく応答性のよい加速運転を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の駆動系を模式的に示す図である。
【図2】加速時に発生する車両の前後振動を説明するた
めのタイムチャートである。
【図3】内燃機関の全体図である。
【図4】噴射パターンを示す図である。
【図5】噴射パターンを示す図である。
【図6】噴射パターンを示す図である。
【図7】噴射パターンを示す図である。
【図8】制御対象をモデル化した図である。
【図9】噴射パターンを示す図である。
【図10】種々の予備噴射パターンを示す図である。
【図11】動力伝達系が振動減衰系を有していないとき
の噴射パターンを示す図である。
【図12】燃料が噴射されている状態から加速運転が開
始されたときの噴射パターンを示す図である。
【図13】燃料噴射が停止されている状態から加速運転
が開始されたときの噴射パターンを示す図である。
【図14】摩擦トルクTf ,噴射量Qmin と機関回転数
Nとの関係を示す線図である。
【図15】ギア位置を検出するためのフローチャートで
ある。
【図16】t1 ,ts を計算するためのフローチャート
である。
【図17】カットフラグを制御するためのフローチャー
トである。
【図18】噴射制御開始処理を実行するためのフローチ
ャートである。
【図19】噴射制御を実行するためのフローチャートで
ある。
【図20】燃料の噴射が行われている状態から加速運転
が行われたときのタイムチャートである。
【図21】燃料の噴射が停止されている状態から加速運
転が行われたときのタイムチャートである。
【図22】変速段GSと減速比xとの関係を示す線図で
ある。
【図23】t1 ,ts とGSとの関係を示す線図であ
る。
【図24】要求噴射量Qを示す図である。
【符号の説明】
2…燃料噴射弁 3…機関出力軸 A…機関 B…機関出力軸 C…動力伝達系 D…駆動輪

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の要求噴射量でもって定常運転して
    いるときには機関出力軸から駆動輪に至る動力伝達系の
    両極端間における相対捩れ角が第1の要求噴射量に応じ
    た収束捩れ角に維持され、加速すべく燃料噴射量が第1
    の要求噴射量から第2の要求噴射量に変化したときには
    該相対捩れ角が第2の要求噴射量に応じた収束捩れ角を
    中心として周期的に変動する車両において、加速すべく
    要求噴射量が第1の要求噴射量から第2の要求噴射量に
    変化したときに予備噴射を行い次いで第2の要求噴射量
    でもって主噴射を行う噴射制御装置を具備し、該主噴射
    開始時における上記相対捩れ角がほぼ第2の要求噴射量
    に応じた収束捩れ角となりかつ主噴射開始後に上記相対
    捩れ角がほぼ第2の要求噴射量に応じた収束捩れ角に維
    持されるように予備噴射の噴射量、噴射期間および主噴
    射の開始時期を設定し、更に予め定められた機関運転状
    態のときに燃料の噴射を停止する燃料噴射停止装置を具
    備し、該燃料噴射停止装置による燃料噴射の停止作用が
    解除されて燃料の供給が再開されたときに上記噴射制御
    装置が機関の摩擦トルクにほぼ相当する機関図示トルク
    を得るのに必要な燃料噴射を行った後に上記予備噴射、
    次いで主噴射を行なう車両用内燃機関の燃料噴射装置。
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