JP2861270B2 - 車両用内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

車両用内燃機関の燃料噴射装置

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JP2861270B2
JP2861270B2 JP2144464A JP14446490A JP2861270B2 JP 2861270 B2 JP2861270 B2 JP 2861270B2 JP 2144464 A JP2144464 A JP 2144464A JP 14446490 A JP14446490 A JP 14446490A JP 2861270 B2 JP2861270 B2 JP 2861270B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車両用内燃機関の燃料噴射装置に関する。
〔従来の技術〕
アクセルペダルの踏み込み量および機関回転数から要
求噴射量を決定し、この要求噴射量に応じた燃料を噴射
するようにした内燃機関では加減速運転時において機関
出力が急激に上昇或いは下降したときに車両が前後に振
動するという問題を生ずる。このように車両が前後振動
を発生する理由について最初に説明する。
第14図は車両の駆動系を模式的に表わしており、Aは
機関、Bは機関出力軸、Cは機関出力軸Bから駆動輪D
に至る動力伝達系を夫々示している。動力伝達系Cには
クラッチ、変速機、プロペラシャフト等が含まれるがこ
れらの各要素をまとめて一本の棒で示している。このよ
うに表わすと車両走行時には動力伝達系Cに捩れが生
じ、このとき動力伝達系Cの両極端間に生ずる相対的な
捩れ角を以下相対捩れ角と称する。この相対捩れ角が第
14図においてθで示される。要求噴射量が一定であって
変化せず、車両が定常運転を行っているときにはこの相
対捩れ角θは要求噴射量に応じた、即ち機関出力に応じ
た一定の捩れ角に維持されており、以下この要求噴射量
に応じた一定の捩れ角を収束捩れ角と称する。この収束
捩れ角が第15図においてθa,θbで示される。即ち、第
15図において要求噴射量が一定値Qaに維持されていて変
化せず、この状態で定常運転が行われていると相対捩れ
角θは一定の収束捩れ角θaに維持され、要求噴射量が
一定値Qbに維持されていて変化せず、この状態で定常運
転が行われていると相対捩れ角θは一定の収束捩れ角θ
bに維持される。このように定常運転が行われていると
きには相対捩れ角θは要求噴射量に応じた収束捩れ角に
維持されることになる。
ところが要求噴射量が急変する過渡運転時には相対捩
れ角θが要求噴射量に応じた収束捩れ角に維持されなく
なる。即ち、第15図に示されるようにアクセルペダルが
急激に踏み込まれて要求噴射量がQaからQbに急変したと
すると機関出力が急激に立上るが車両は大きな質量を有
するために車両の速度は機関出力の立上りにただちに追
従して増大することができない。従ってこのとき相対捩
れ角θが要求噴射量Qbに応じた収束捩れ角θbよりも大
きくなり、機関出力の増大分の一部が弾性エネルギとし
て動力伝達系Cに蓄えられる。次いで第15図に示される
ように車両速度が増大して車両加速度Gが増大する。こ
のとき駆動輪Dには機関の出力トルクに加えて動力伝達
系Cに蓄えられた弾性エネルギによるトルクが加わるた
めに車両加速度Gは機関出力により定まる加速度Gbより
も大きくなる。車両加速度Gが機関出力により定まる加
速度Gbよりも大きくなると動力伝達系Cの相対捩れ角θ
が低下し、車両加速度Gも低下して相対捩れ角θは要求
噴射量Qbに応じた収束捩れ角θbよりも小さくなり、車
両加速度Gは機関出力により定まる加速度Gbよりも小さ
くなる。従って要求噴射量Qが急激に増大せしめられる
と動力伝達系Cの相対捩れ角θが振動すると共に車両加
速度Gが振動し、斯くして車両が前後振動を発生するこ
とになる。動力伝達系Cには振動減衰系が存在するので
動力伝達系Cの相対捩れ角θの振幅および車両加速度G
の振幅は次第に小さくなり、斯くして車両の前後振動も
次第に減衰していく。加速開始後、車両速度が上昇して
くると車両加速度Gbは次第に低下してくるが車両速度が
上昇しても要求噴射量Qが一定である限り車両に対する
駆動力は一定であるので要求噴射量QがQbである限り相
対捩れ角θはθbに維持される。なお、第15図からわか
るようにこのような車両の前後振動は要求噴射量QがQb
からQaに低下した場合にも生ずる。
そこでこのような車両の前後振動を低減するためにア
クセスペダルが急激に踏み込まれたときに第15図におい
て破線で示すように要求噴射量Qを予め定められたゆっ
くりとした速度で上昇させ、またアクセルペダルの踏み
込み量が急激に減少せしめられたときには要求噴射量Q
を破線で示すようにゆっくりとした速度で減少せしめる
ようにした内燃機関が公知である(特開昭60−19943号
公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながらこのように過渡運転時に要求噴射量Qを
ゆっくりとした速度で変化させた場合には第15図におい
て破線で示すように車両の加速度Gの立上りが緩慢とな
るために加速応答性が悪化するという問題を生ずる。ま
た、このように過渡運転時に要求噴射量Qをゆっくりと
した速度で変化させると車両加速度Gの振幅は小さくな
るものの、相変らず車両の前後振動を発生するという問
題がある。
本発明の目的は車両の前後振動を発生させることなく
加速応答性のよい燃料噴射装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために本発明によれば第1の要
求噴射量でもって定常運転しているときには機関出力軸
から駆動輪に至る動力伝達系の両極端間における相対捩
れ角が第1の要求噴射量に応じた収束捩れ角に維持さ
れ、加速すべく燃料噴射量が第1の要求噴射量から第2
の要求噴射量に変化したときには相対捩れ角が第2の要
求噴射量に応じた収束捩れ角を中心として周期的に変動
する車両において、予め定められた検出タイミング毎に
要求噴射量を求めて連続する2つの検出タイミングにお
ける要求噴射量が第1の要求噴射量から第2の要求噴射
量に上昇したときに第1の要求噴射量に予備噴射量を重
畳させて予備噴射を行った後に主噴射を行う噴射制御装
置を具備し、第2の要求噴射量でもって主噴射を開始し
た場合の相対捩れ角がほぼ第2の要求噴射量に応じた収
束捩れ角となり主噴射開始後に相対捩れ角がほぼ第2の
要求噴射量に応じた収束捩れ角に維持されるように主噴
射量Foから次式に基づいて予備噴射量Foi、予備噴射時
間t1および予備噴射が開始されてから主噴射が開始され
るまでの時間tsを設定するようにしている。
ここで上式におけるωoおよびζは、制御対象をモデル
化して質量m1の機関と質量m2の車両とがばね定数k、減
衰係数cの動力伝達系により連結されているものとした
ときに次式によって与えられる。
〔作用〕 第15図の符号を用いると、要求噴射量が第1の要求噴
射量Qaから第2の要求噴射量Qbに変化したときに予備噴
射を行った後に主噴射を行う。予備噴射量は動力伝達系
の相対捩れ角θが第2の要求噴射量Qbでもって主噴射を
行った場合の相対捩れ角θbとなるのに必要な噴射量で
あり、相対捩れ角θがθbとなりかつ相対捩れ角θがそ
のまま維持され得るときに主噴射が開始される。このよ
うな予備噴射作用が検出タイミング毎に繰返えされる。
〔実施例〕
第3図を参照すると、1は機関本体、2は燃料噴射
弁、3は機関出力軸、4は変速機を夫々示し、変速機4
の出力軸5は駆動輪に連結される。燃料噴射弁2からの
燃料噴射は電子制御ユニット10の出力信号に基いて制御
される。
電子制御ユニット10はディジタルコンピュータからな
り、双方向性バス11によって相互に接続されたROM(リ
ードオンリメモリ)12、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)13、CPU(マイクロプロセッサ)14、入力ポート15
および出力ポート16を具備する。
入力ポート15にはクランク角センサ17および負荷セン
サ18が接続される。クランク角センサ17はクランクシャ
フトが一定クランク角度、例えば30度回転する毎に出力
パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート15に入力
される。従ってこの出力パルスから機関回転数を計算す
ることができる。一方、アクセルペダル19の踏み込み量
は負荷センサ18によりAD変換されて入力ポート15に入力
される。出力ポート16は対応する駆動回路20を介して燃
料噴射弁2に接続される。
次に第4図を参照しつつ過渡運転時の噴射制御方法の
基本原理について説明する。
第4図(A)を参照すると、アクセルペダルが急激に
踏み込まれて要求噴射量QがQaからQbに変化したときに
はまず初めに何サイクルかに亘って予備噴射Q1を行い、
次いで要求噴射量Qbに応じた主噴射Q2を行う。予備噴射
Q1を行なうと機関出力が急激に立上るために動力伝達系
の相対捩れ角θが上昇し、相対捩れ角θが上昇すると車
両加速度Gが上昇する。次いで相対捩れ角θが要求噴射
量Qbにより定まる収束捩れ角θbに達しかつ車両加速度
Gが主噴射Q2開始時の車両加速度Gbに等しくなったとき
に主噴射Q2が開始される。このような時期に主噴射Q2
開始されると加速開始後の車両加速度GがGbに維持され
るので車両は前後振動を生じなくなる。即ち、加速運転
時に相対捩れ角θがθbとなり得るように予備噴射Q1
量を定め、相対捩れ角θがθbとなりかつ車両加速度G
がGbになったときに主噴射Q2を開始すれば車両が前後振
動を生じなくなる。第4図(D)は動力伝達系が振動減
衰系を有していない場合を示しており、この場合には車
両加速度Gがピークになったところで要求噴射量Q2に応
じた加速直後の加速度Gbとなる。しかしながら実際には
動力伝達系は振動減衰系を含んでおり、この場合には動
力伝達系の相対捩れ角θをθbとするのに必要なエネル
ギに加えて振動減衰系に喰われるエネルギを機関出力が
与えなければならず、振動減衰系に喰われるエネルギの
一部によって車両に加速度Gが与えられる。従って動力
伝達系が振動減衰系を有する場合には第4図(A)に示
されるように相対捩れ角θがθbに達するまでに車両加
速度Gは一時的にGbよりも大きくなる。
第4図(A)は予備噴射Q1が行われる各サイクルの噴
射量が主噴射Q2の各サイクルの要求噴射量Qbと等しく、
しかも予備噴射Q1と主噴射Q2間に噴射量がQaであるサイ
クルを介在させている場合を示している。しかしながら
第4図(B)に示すように予備噴射Q1の各サイクルにお
ける噴射量を主噴射Q2の各サイクルにおける噴射量より
も小さくすると共に予備噴射Q1に続けて主噴射Q2を行う
こともできるし、又第4図(C)に示すように予備噴射
Q1の各サイクルにおける噴射量を曲線的に変化させるこ
ともできる。
減速運転時には加速度と同様な考え方で一時的に噴射
量を減らした後、暫らくしてから要求噴射量とする。こ
の場合も、第4図(A)から(C)に示されるように種
々の減らし方がある。
次に第5図および第6図を参照しつつ予備噴射の噴射
期間および噴射量、並びに主噴射の噴射開始時期につい
ての解析結果について説明する。
解析するに当ってまず初めに制御対象を第5図に示す
ようにモデル化する。
第5図に示すように質量m1の機関と質量m2の車両とが
ばね定数k、減衰係数cの動力伝達系により連結されて
いるものとし、機関が駆動力F1を発生したときの機関の
変位をx1、車両の変位をx2とする。駆動輪の半径をr、
機関出力軸の変位をx1(rad)で表わすとx1・r=x2
なるので機関の質量m1はこの関係を考慮した等価的な質
量を表わしている。なお、機関の駆動力F1は要求噴射量
に対応している。
噴射パターンについては第6図に示すようにアクセル
ペダルが急激に踏み込まれたときから一定の予備噴射期
間t1のあいだ機関に駆動力Folを発生させ、即ち何サイ
クルかに亘っての要求噴射量をFoiとし、この予備噴射
期間経過後アクセルペダルが踏み込まれてからts時間後
に要求されている駆動力Foを発生させる、即ち要求され
ている噴射量F0を噴射させるものとする。
このような条件で以下解析する。
まず初めに第5図のモデルに対して微分方程式をたて
ると次のようになる。
m1 1=F1(t)−k(x1−x2)−c(12)…(1) m2 2=k(x1−x2)+c(12) …(2) F(s)=L[F1(t)]、x1(o)=x2(o)=0、1 (o)=2(o)=0とおいて(1),(2)式をラプラ
ス変換すると次のようになる。
m1S2x1=F(s)−kx1+kx2−cSx1+cSx2 …(3) m2S2x2=kx1−kx2+cSx1−cSx2 …(4) (3),(4)式をx1,x2について解くと次のように
なる。
入力として単位インパルスが加わったとするとF
(s)=1であり、このとき(6)式は次のように表わ
すことができる。
ここで (7)式を逆変換すると次式のようになる。
(8)式について2を求めると夫々次のよう
になる。
次に矩形波Foi・t1が加わったときの車両の加速度2
を(10)式で表わされる単位インパルス印加時の加速度
2の重ね合わせで次式により求める。
(11)式を解くと次のようになる。
次にばね定数がkである動力伝達系のばねの伸びの過渡
変位を求める。
(1)式をm1で除し、(2)式をm2で除して(1),
(2)式の各辺を夫々減算すると次のようになる。
x12=x1−x2とおいて(13)式をラプラス変換し、単位
インパルスが加わったものとして逆変換すると(13)式
は次のようになる。
次に矩形波Foi・t1が加わったときのばねの過渡変位x
12を(14)式で表わされる単位インパルス印加時の変位
x12の重ね合わせで次式により求める。
(15)式を解くと次のようになる。
次に第6図に示すようにアクセルペダルを急激に踏み
込んだときからts時間後にFoなる駆動力を機関に与えた
ときに車両が振動しない条件について検討する。
機関にFoなる駆動力が与えられたときに車両が前後振
動を発生しない条件とは機関にFoなる駆動力が与えられ
たときに車両の加速度が変化しないことである。云い換
えると機関にFoなる駆動力が与えられる前後においてば
ねの過渡変位x12が変化せず、しかも車両の加速度が変
化しないという2つの条件を同時に満たすことである。
機関にFoなる駆動力が与えられたときの車両の加速度を
asとするとこれら2つの条件は以下のように表わすこと
ができる。
(17)式はt=tsにおけるばね力kx12(ts)が機関にFo
なる駆動力が与えられたときにばねに作用する力に等し
いことを表わしている。云い換えると機関にFoなる駆動
力が与えられる前後においてばね力kx12が変化しないこ
と、即ちばねの過渡変化x12が変化しないことを表わし
ている。
一方(18)式はt=tsにおける車両の加速度
2(ts)が機関にFoなる駆動力が与えられたときの車両
の加速度asに等しいこと、即ち機関にFoなる駆動力が与
えられる直前の車両の加速度2が機関にFoなる駆動力
が与えられたときの車両の加速度asに等しいことを表わ
している。
即ち、(18)式は満たされているが(17)式が満たさ
れていないと駆動力Foの発生時にばね力kx12によって車
両に正又は負の加速度が作用するために車両が前後に振
動し、(17)式は満たされているが(18)式が満たされ
ていないと駆動力Foの発生時に駆動力Foによって車両に
正又は負の加速度が作用するために車両が前後に振動す
る。従って駆動力Foの発生時に車両が前後振動を発生し
ないようにするには(17)式および(18)式を同時に満
たす必要がある。
ところでばねの過渡変位x12は動力伝達系の相対捩れ
角θに対応しており、従って(17)式は駆動力Foの発生
の前後で相対捩れ角θが変化しないことを意味してい
る。云い換えると駆動力Foの発生直前に相対捩れ角θが
駆動力Foにより定まる収束捩れ角になっていることを意
味している。一方(18)式を満たさず車両が前後振動を
すると相対捩れ角θは駆動力Foにより定まる収束捩れ角
を中心として振動し、(18)式が満たされると駆動力Fo
が発生した後も相対捩れ角θが収束捩れ角に維持され
る。従って(17)式および(18)式を同時に満たすとい
うことは駆動力Foの発生直前に相対捩れ角θが収束捩れ
角となっており、駆動力Foの発生後に相対捩れ角が収束
捩れ角に維持されることを意味している。
従って駆動力Foの発生直前に相対捩れ角θが収束捩れ
角となり、駆動力Foの発生後に相対捩れ角が収束捩れ角
に維持されるように、即ち(17)式および(18)式を同
時に満たすように予備噴射の噴射量、噴射時期および主
噴射の開始時期を定めれば車両が前後振動を発生しなく
なる。
次に(17)式および(18)式を満たすような予備噴射
の噴射量、噴射時期および主噴射の開始時期を求める。
まず初めに(16)式と(17)式からx12を消去し、 とおくと次式が得られる。
次に(12)式と(18)式から2を消去すると次式が得
られる。
次に(19)式−(20)式、および(19)式+(20)式を
計算すると次のようになる。
epsin(x-y)−sinx=0 …(21) これら(21)式および(22)式から次の2つの式が求ま
る。
(23)式のtsはt1の関数であり、(24)式のFoi
t1,tsの関数である。従ってまず初めにt1を適当な値に
設定すれば(23)式からtsが求まり、(24)式からFoi
が求まり、予備噴射量をFoi、予備噴射時間をt1、主噴
射の開始時期をtsとすれば加速運転時に車両が前後振動
を生じないことになる。また、第6図に示されるように
アクセルペダルの踏み込み量が急激に減少せしめられた
ときから時間t1に亘って噴射量をFoiだけ減少させ、ア
クセルペダルの踏み込み量の減少時からts時間後に要求
噴射量とすれば減速運転時に車両が前後振動を生ずるの
を阻止することができる。
第7図に示されるようにt1の設定のしたかたによって
予備噴射量Foiは種々に変化する。この場合どのような
予備噴射パターンを採用してもかまわない。
動力伝達系が振動減衰系を有しない場合にはt1,ts
Fo,Foiの関係は次式で示すように極めて簡単となる。
この場合、Fo=Foiとすると第8図(A)に示すよう
な噴射パターンとなり、Foi=Fo/2とすると第8図
(B)に示すような噴射パターンとなる。
第9図はアクセルペダルの踏み込み量が瞬時に増大し
て要求噴射量がQoLdからQnewに瞬時に増大した場合につ
いて本発明による基本原理を適用した場合を示してい
る。
第9図(A)は予備噴射量を主噴射量と同じにした場
合を示しており、この場合には(23)式および(24)式
からt1,tsが一義的に定まる。従ってこの場合にはアク
セルペダルが踏み込まれてからt1時間のあいだの各サイ
クルにおける噴射量を要求噴射量Qnewとし、t1時間経過
後、ts時間経過するまでのあいだの各サイクルにおける
噴射量を要求噴射量QoLdとし、ts時間経過後の各サイク
ルにおける噴射量を要求噴射量Qnewとすれば加速後車両
が前後振動を生じないことになる。
一方、第9図(B)は予備噴射期間t1をtsと等しくし
た場合を示しており、この場合にはtsおよびFoi/Fo
一義的に定まる。なお、第9図(B)ではα=(=1−
Foi/Fo)が用いられており、このαが一義的に定まる
ことになる。この場合にはΔQ=Qnew−QoLdとするとア
クセスペダルが踏み込まれてからts時間のあいだの各サ
イクルにおける噴射量を(Qnew−α・ΔQ)とし、ts
間経過後の各サイクルにおける噴射量を要求噴射量Qnew
とすれば加速後車両が前後振動を生じないことになる。
このようにアクセルペダルの踏み込み量がステップ状
に変化したときには第9図(A)又は(B)に示す噴射
方法を採用することによって加速度の車両の前後振動の
発生を抑制することができる。しかしながら実際にはア
クセルペダルの踏み込み量はステップ状に変化せず、こ
の場合には第9図(A)又は(B)に示す噴射方法をそ
のまま用いることはできない。しかしながらアクセルペ
ダルの踏み込み量がステップ状に変化しない場合であっ
ても第9図(A)又は(B)に示す基本原理を利用すれ
ば加速後の車両の前後振動の発生を阻止することがで
き、その方法を第1図および第2図に示す。
第1図はアクセルペダルの踏み込み量がステップ状に
変化しない場合において第9図(A)に示す基本原理を
利用した場合を示しており、第2図はアクセルペダルの
踏み込み量がステップ状に変化しない場合において第9
図(B)に示す基本原理を利用した場合を示している。
そこでまず初めに第1図を参照してアクセルペダルの踏
み込み量がステップ状に変化しない場合の噴射方法につ
いて説明する。
第1図に示されるようにアクセルペダルの踏み込み量
が変化したとするとこのときに予め定められた検出タイ
ミングt1,t2,t3,t4毎にアクセルペダルの踏み込み量
L1,L2,L3,L4を検出し、これら踏み込み量L1,L2
L3,L4に応じた要求噴射量Qnew1,Qnew2,Qnew3,Qnew4
を求める。そして各検出タイミングt1,t2,t3,t4毎に
第9図(A)に示す基本原理に従って予備噴射量および
主噴射量を求め、これらを順次重ね合せていく。即ち、
検出タイミングt1に達する前の要求噴射量がQoLd1であ
ったとすると検出タイミングt1においてアクセルペダル
の踏み込み量L1から要求噴射量Qnew1を求め、t1時間要
求噴射量Qnew1で予備噴射を行った後に(ts−t1)時間
要求噴射量QoLd1で噴射し、次いで要求噴射量Qnew1で主
噴射を行う。次いで検出タイミングt2ではアクセルペダ
ルの踏み込み量L2から求められた要求噴射量Qnew2でt1
時間予備噴射を行い、次いで(ts−t1)時間要求噴射量
Qnew1で噴射し、次いで要求噴射量Qnew2で主噴射を行
う。このように各検出タイミング毎にアクセルペダルの
踏み込み量がステップ状に変化したものと考え、即ち例
えば検出タイミングt2においてはアクセルペダルの踏み
込み量がL1からL2にステップ状に変化したものと考えて
各検出タイミング毎に第9図(A)に示す基本原理に基
き前回の検出タイミングにおける要求噴射量をベースと
して予備噴射量と主噴射量を計算し、各検出タイミング
毎にこれらを順次重ね合せていく。このようにすると各
検出タイミングにおける噴射制御によって動力伝達系に
捩れが与えられて主噴射開始時に車両に前後振動が発生
しないように制御されるので重ね合せの理によって加速
後に車両に前後振動が発生しないことになる。
第1図に示す実施例では検出タイミングの間隔をts
一致させているので例えば検出タイミングt2ではみかけ
上は要求噴射量Qnew1による主噴射は行われず、要求噴
射量Qnew2による予備噴射が行われる。この場合、検出
タイミングの間隔をtsよりも長くすれば要求噴射量Q
new1による主噴射が行われた後に要求噴射量Qnew2によ
る予備噴射が行われることになる。しかしながら検出タ
イミングの間隔をtsに一致させておくと噴射制御のため
のルーチンが極めて簡単となるので第1図に示す実施例
では検出タイミングの間隔をtsに一致させている。
第2図は第9図(B)に示す基本原理を利用した場合
を示しており、この場合にも第2図に示されるように予
め定められた検出タイミングt1,t2,t3,t4毎にアクセ
ルペダルの踏み込み量L1,L2,L3,L4を検出し、これら
踏み込み量L1,L2,L3,L4に応じた要求噴射量Qnew1,Q
new2,Qnew3,Qnew4を求める。そして各検出タイミング
t1,t2,t3,t4毎に第9図(B)に示す基本原理に従っ
て予備噴射量および主噴射量を求め、これらを順次重ね
合せていく。即ち、検出タイミングt1に達する前の要求
噴射量がQoLd1であったとすると検出タイミングt1にお
いてアクセルペダルの踏み込み量L1から要求噴射量Q
new1を求め、ts時間噴射量α・(Qnew1−QoLd1)で予備
噴射を行った後に要求噴射量Qnew1で主噴射を行う。次
いで検出タイミングt2ではアクセルペダルの踏み込み量
L2から要求噴射量Qnew2を求め、噴射量α・(Qnew2−Q
new1)でts時間予備噴射を行った後に要求噴射量Qnew2
で主噴射を行う。このように各検出タイミング毎にアク
セルペダルの踏み込み量がステップ状に変化したものと
考え、即ち例えば検出タイミングt2においてはアクセル
ペダルの踏み込み量がL1からL2にステップ状に変化した
ものと考えて各検出タイミング毎に第9図(B)に示す
基本原理に基き前回の検出タイミングにおける要求噴射
量をベースとして予備噴射量と主噴射量を計算し、各検
出タイミング毎にこれらを順次重ね合せていく。このよ
うにすると各検出タイミングにおける噴射制御によって
動力伝達系に捩れが与えられて主噴射開始時に車両に前
後振動が発生しないように制御されるので前述したよう
に重ね合せの理によって加速後に車両に前後振動が発生
しないことになる。
第2図に示す実施例で検出タイミングの間隔をtsに一
致させているので例えば検出タイミングt2ではみかけ上
は要求噴射量Qnew1による主噴射は行われず、噴射量α
・(Qnew1−QoLd1)による予備噴射が行われる。この場
合、検出タイミングの間隔をtsよりも長くすれば要求噴
射量Qnew1による主噴射が行われた後に噴射量α・(Q
new1−QoLd1)による予備噴射が行われることになる。
しかしながら検出タイミングの間隔をtsに一致させてお
くと噴射制御のためのルーチンが極めて簡単となるので
第2図に示す実施例でも検出タイミングの間隔をtsに一
致させている。
次に第1図および第2図を参照しつつ第10図から第13
図を参照して実際の噴射量を計算方法について説明す
る。
第10図はアクセルペダルの踏み込み量に応じた要求噴
射量の計算ルーチンを示しており、このルーチンは第1
図および第2図に示されるいずれの噴射方法にも共通で
ある。なお、このルーチンは2msec毎の時間割込みによ
って実行される。
第10図を参照するとまず初めにステップ100において
カウント値CTSが1だけインクリメントされる。次いで
ステップ101ではカウント値CTSがts/2と等しいか否かが
判別される。第1図および第2図に示される実施例では
ts=140msecに予め設定されており、従ってステップ101
ではカウント値CTSが140msecに相当するカウント値(ts
/2=70)になっているか否かが判別される。カウント値
CTSがts/2ではないときには処理ルーチンを完了し、カ
ウント値CTSがts/2と等しくなったときはステップ102に
進んでCTS=0とされる。従ってカウント値CTSは第1図
および第2図に示されるように140msec毎に、即ち時間t
s毎に零とされ、次いでカウントアップ作用が開始され
る。カウント値CTSが零になったときが第1図および第
2図の検出タイミングt1,t2,t3,t4であり、従って第
1図および第2図に示される実施例では検出タイミング
は140msec毎の一定周期となっている。
ステップ102においてカウント値CTSが零とされると、
即ち検出タイミングになるとステップ103に進んで前回
の検出タイミング時に計算された要求噴射量QnewがQoLd
とされる。次いでステップ104では現在のアクセルペダ
ル19の踏み込み量Lを表わす負荷センサ18の出力信号と
機関回転数NEから要求噴射量Qnewが計算される。この要
求噴射量Qnewと、アクセルペダル19の踏み込み量L、機
関回転数NEとの関係は第13図に示すようなマップの形で
予めROM 12内に記憶されている。
第11図は第1図に示す噴射制御を実行するためのルー
チンを示しており、このルーチンは一定クランク角度毎
の割込みによって実行される。
第11図を参照するとステップ200においてカウント値C
TSがt1/2よりも小さいか否か、即ち検出タイミングから
t1時間経過したか否かが判別される。t1時間経過してい
ないときは噴射量が要求噴射量Qnewとされ、次いでステ
ップ203において燃料噴射弁2からの噴射作用が行われ
る。一方、t1時間経過したときにはステップ202に進ん
で噴射量Qが要求噴射量QoLdとされ、ステップ203に進
む。
第12図は第2図に示す噴射制御を実行するためのルー
チンを示しており、このルーチンは一定クランク角度毎
の割込みによって実行される。
第12図を参照するとステップ300においてΔQ(=Q
new−QoLd)が計算され、次いでステップ301においてQ
newからα・ΔQを減算することによって噴射量Qが計
算される。次いでステップ302において燃料噴射弁2か
らの噴射が実行される。
なお、定常運転時にはQnew=QoLdとなり、従って第11
図および第12図からこのときの要求噴射量はQnewとなる
ことがわかる。また、第11図のルーチンからわかるよう
に第1図の噴射方法を採用した場合には減速運転時には
第4図(A)に示す噴射パターンの重ね合せとなり、第
12図のルーチンからわかるように第2図の噴射方法を採
用した場合には減速運転時には第4図(B)に示す噴射
パターンの重ね合せとなる。
〔発明の効果〕
車両に前後振動を発生させることなく応答性のよい加
速運転を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は加速時における噴射パターンの第1実施例を示
すタイムチャート、第2図は加速時における噴射パター
ンの第2実施例を示すタイムチャート、第3図は内燃機
関の全体図、第4図は基本的な種々の噴射パターンを示
す図、第5図は制御対象をモデル化した図、第6図は基
本的な噴射パターンを示す図、第7図は基本的な種々の
予備噴射パターンを示す図、第8図は動力伝達系が振動
伝達系を有していないときの基本的な噴射パターンを示
す図、第9図はタイムチャート、第10図は噴射量を計算
するためのフローチャート、第11図は第1図に示す噴射
制御を行うためのフローチャート、第12図は第2図に示
す噴射制御を行うためのフローチャート、第13図は要求
噴射量を示す線図、第14図は車両の駆動系を模式的に示
す図、第15図は加速時に発生する車両の前後振動を説明
するためのタイムチャートである。 2…燃料噴射弁、3……機関出力軸、m1…機関の等価質
量、m2…車両の質量、k…動力伝達系のばね定数、c…
動力伝達系の減衰係数。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/00 - 41/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の要求噴射量でもって定常運転してい
    るときには機関出力軸から駆動輪に至る動力伝達系の両
    極端間における相対捩れ角が第1の要求噴射量に応じた
    収束捩れ角に維持され、加速すべく燃料噴射量が第1の
    要求噴射量から第2の要求噴射量に変化したときには該
    相対捩れ角が第2の要求噴射量に応じた収束捩れ角を中
    心として周期的に変動する車両において、予め定められ
    た検出タイミング毎に要求噴射量を求めて連続する2つ
    の検出タイミングにおける要求噴射量が第1の要求噴射
    量から第2の要求噴射量に上昇したときに第1の要求噴
    射量に予備噴射量を重畳させて予備噴射を行った後に主
    噴射を行う噴射制御装置を具備し、第2の要求噴射量で
    もって該主噴射を開始した場合の上記相対捩れ角がほぼ
    第2の要求噴射量に応じた収束捩れ角となりかつ主噴射
    開始後に上記相対捩れ角がほぼ第2の要求噴射量に応じ
    た収束捩れ角に維持されるように主噴射量Foから次式に
    基づいて予備噴射量Foi、予備噴射時間t1および予備噴
    射が開始されてから主噴射が開始されるまでの時間ts
    設定するようにした車両用内燃機関の燃料噴射装置。 ここで上式におけるωoおよびζは、制御対象をモデル
    化して質量m1の機関と質量m2の車両とがばね定数k、減
    衰係数cの動力伝達系により連結されているものとした
    ときに次式によって与えられる。
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