JPH0578624B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、シリンダ錠の取付装置に関するもの
である。

（従来の技術とその問題点） 従来、自動車のドアにシリンダ錠を取り付ける
には、シリンダ錠をドアパネルに設けた取付孔に
挿入するとともに、ホルダ外周に設けた溝に止め
金（バネ板）を装着して、その止め金のバネ性に
よりドアパネルを挾着している。

一方、たとえば、自動車盗難を防止するため
に、前記のようにして取り付けたシリンダ錠に、
その回動を検出するキーシリンダスイツチとドア
ロツク装置の施、解錠を検出するドアロツクスイ
ツチとを設け、キー以外の手段でドアロツク装置
が解錠されると警報等を発するようにしたものが
提案されている。

しかしながら、前記自動車盗難防止装置におい
ては、キーシリダスイツチがシリンダ錠とは別に
ドアパネル側に取り付けられていた。

そのため、シリンダ錠をドライバー等で無理矢
理回動すると、シリンダー錠とキーシリンダスイ
ツチとが相対的に回動し、キーシリンダスイツチ
が作動することになる。つまり、キーでシリンダ
錠が解錠されたのと同じ状態となる。

したがつて、この状態でドアロツク装置を解除
することにより盗難行為を行うことができるとい
う問題点を有していた。

したがつて、本出願人は、前記問題点を解決す
るために、前記ドアパネルの取付孔に挿入したシ
リンダ錠のホルダに、キーシリンダスイツチを組
み付けた取付部材を一体回動するように取り付け
るとともに、ホルダに設けた溝に止め金を装着し
て、その止め金のバネ性により、取付部材を介し
てドアパネルを挾着して、シリンダ錠を取り付け
るようにした自動車盗難防止装置を提案した。

しかしながら、前記取付部材は略コ字形脚部を
有し、この脚部でホルダ外周を若干挾着している
が、シリンダ錠を無理に大型のドライバ状の工具
等で回動すると、この回動荷重により脚部が開い
てシリンダ錠と相対回動し、誤動作を行うという
問題点を有する。このことは前記取付部材に限ら
ず、他の部材をシリンダ錠に取り付ける場合でも
同様である。

本発明は、簡単な構成で、取付部材の相対回動
を防止して盗難を完全に防止し得るシリンダ錠の
取付装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、前記目的を達成するために、シリン
ダ錠をドアパネルに設けた取付孔に挿入するとと
もに、シリンダ錠の回動を検出するキーシリンダ
スイツチを備えた略コ字形の取付部材の脚部をシ
リンダ錠のホルダ外周に装着したのち、ホルダ外
周に設けた溝に止め金を装着することによりシリ
ンダ錠をドアパネルに取り付けるシリンダ錠の取
付装置において、 前記シリンダ錠のホルダ外面に突条を設けると
ともに、前記取付部材の脚部に前記突条が嵌合す
る凹部を設け、前記止め金に前記脚部の両側を抱
持する折曲部を設けたものである。

（実施例） つぎに、本発明を一実施例である図面にしたが
つて説明する。

本発明にかかるシリンダ錠の取付装置は、第１
図、第２図に示すように、大略、シリンダ錠２と
止め金１１と取付部材１５とからなる。

シリンダ錠２は、第３図、第４図に示すよう
に、従来のものと同様、シリンダインナー３にロ
ツクレバー４が所定の遊びをもつて取り付けら
れ、また、シリンダインナー３には、下記するキ
ーシリンダスイツチ２０の可動片２１を動作させ
る動作片５が設けてある。

さらに、ホルダ６の両外側は平面部７が形成さ
れており、平面部７には凹部１０が設けてあると
ともに、この平面部７には、断面略半円形で、か
つ、上端がホルダ６の外径と同一高さの突条８が
設けられ、この突条８には２個の溝９ａ，９ｂが
所定間隔を保つて設けてある。溝９ｂは取付部材
１５を組み付けず、直接ドアパネル１にシリンダ
錠２を取り付ける時に使用されるものである。す
なわち、シリンダ錠２は取付部材１５を組み付け
る場合でも、組み付けない場合でも、ドアパネル
１に取り付けることができるようになつている。

止め金１１は、第５図〜第７図に示すように、
略コ字形のバネ板からなり、その脚部１２，１２
に折曲部１３を設けることによりバネ性が付与さ
れ、かつ、基部両側は折り曲げられ、折曲部１
４，１４となつている。

一方、基部端部は折曲部１４の上方に折曲され
ている。そして、前記両脚部１２，１２は前記溝
９ａを介して平面部７に装着されるようになつて
いる。

取付部材１５は、合成樹脂製で、第８図、第９
図に示すように、台板部１６と、該台板部１６よ
りＬ字状に突出し、前記平面部７を挾着する略コ
字形の脚部１７，１７とからなる。脚部１７，１
７は、その内方に、前記突条８に嵌合する凹部１
８と、前記凹部１０に嵌合する突部１９とを備え
ている。

なお、前記キーシリンダスイツチ２０は台板部
１６に組み付けてある。また、前記凹部１０と突
部１９は一方側だけに設けてもよい。

前記構成からなるシリンダ錠２、止め金１１お
よび取付部材１５は、下記のようにしてドアパネ
ル１に取り付けられる。

すなわち、従来同様、第３図に示すように、シ
リンダ錠２をドアパネル１に設けた図示しない取
付孔に挿入し、ロツクレバー４および動作片５を
取り付ける。

つぎに、キーシリンダスイツチ２０を組付けた
取付部材１５を、その脚部１７，１７をシリンダ
錠２のロツクレバー４側から前記平面部７に対面
させながら嵌入する。

そして、凹部１８が突条８に嵌合するとともに
突部１９が凹部１０にそれぞれ嵌合する。この状
態において、キーシリンダスイツチ２０の可動片
２１は、第１図に示すように、シリンダインナー
３の動作片５の回動軌跡上に位置する。

その後、止め金１１を、その脚部１２を溝９ａ
内に位置させて、前記取付部材１５の脚部１７，
１７側から装着する。装着されると、折曲部１３
が前記取付部材１５の脚部１７，１７をドアパネ
ル１側にそのバネ性で圧着するとともに、折曲部
１４，１４が脚部１７，１７の両側を抱持するこ
とになる。

すなわち、取付部材１５の脚部１７，１７は、
止め金１１の折曲部１４，１４で抱持されてシリ
ンダ錠２に一体的に取り付けられているので、脚
部１７，１７の広がりが防止される。このため、
シリンダ錠２の突条８と取付部材１５の凹部１８
との嵌合、およびシリンダ錠２の凹部１０と取付
部材１５の突部１９との嵌合が維持されて、シリ
ンダ錠２は脚部１７，１７間で空回りすることが
ないので、シリンダ錠２が回動すれば取付部材１
５はそのシリンダ錠２と確実に一体回動するよう
になる。

従つて、シリンダ錠２が大型のドライバ等で無
理に回動された場合、取付部材１５がシリンダ錠
２と一体回動するので、キーシリンダスイツチ２
０が作動することはない。この結果、キー以外の
手段でドアロツクが解除されたことが判別されて
警報等が発せられるので、盗難が完全に防止され
る。

（発明の効果） 以上の説明で明らかなように、本発明にかかる
シリンダ錠の取付装置によれば、取付部材の脚部
両側は止め金の折曲部で抱持されて、脚部が広が
るのを防止されているため、シリンダ錠の突条と
取付部材の凹部との嵌合が維持されて、取付部材
はシリンダ錠と相対回動することがない。この結
果、シリンダ錠が無理に回動されても取付部材に
設けたキーシリンダスイツチが作動することはな
く、完全な盗難防止が図られるという効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はシリンダ錠を別部材とともに
ドアパネルに取り付けた状態の正面図と側面図、
第３図、第４図は、シリンダ錠の側面図と正面
図、第５図は止め金の斜視図、第６図は第５図の
正面図、第７図は第５図の側面図、第８図は取付
部材の正面図で、第９図は第８図の側面図であ
る。 １〜ドアパネル、２〜シリンダ錠、６〜ホル
ダ、７〜平面部、８〜突条、９ａ〜溝、１０〜凹
部、１１〜止め金、１１，１７〜脚部、１４〜折
曲部、１５〜取付部材、１６〜台板部、１８〜凹
部、１９〜突部、２０〜キーシリンダスイツチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シリンダ錠をドアパネルに設けた取付孔に挿
   入するとともに、シリンダ錠の回動を検出するキ
   ーシリンダスイツチを備えた略コ字形の取付部材
   の脚部をシリンダ錠のホルダ外周に装着したの
   ち、ホルダ外周に設けた溝に止め金を装着するこ
   とによりシリンダ錠をドアパネルに取り付けるシ
   リンダ錠の取付装置において、 前記シリンダ錠のホルダ外面に突条を設けると
   ともに、前記取付部材の脚部に前記突条が嵌合す
   る凹部を設け、前記止め金に前記脚部の両側を抱
   持する折曲部を設けたことを特徴とするシリンダ
   錠の取付装置。