JPH0578446B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、自動車の窓開口縁部と、これに嵌め
込まれ接着剤で固着される窓ガラスの周縁部との
間に出来る間隙を被い隠すため装着される装飾用
の周縁モールに関する。

［従来の技術］ 自動車の窓ガラスの周縁部に沿つて出来る間隙
を被覆するための周縁モールに関しては例えば実
公昭58−49847号公報で知られる様に広く公知と
なつている。

この周縁モールは、窓ガラス周縁部の間隙を被
覆し装飾する外、この間隙に侵入する雨水を排除
し、ゴミの侵入を防止する目的をもつており、こ
のため窓ガラスと窓の開口縁部に対し強く密着す
るよう接着されている。

既に知られるように、この周縁モールは上記間
隙を被うため窓ガラスの周縁部との窓の開口縁部
との間に渡る帯板状をなす主体部分と、この主体
部分の下面から垂設されて間隙内部に突き入れら
れ、窓ガラスの周縁部に係止するか、若しくはこ
の窓ガラスを固着するため充填される接着剤に接
着させて固定される脚部とを有し、且つこれらを
合成樹脂を材料に一体成形してなるが、装着に当
つては素材の弾性を利用して主として主体の両側
縁部を窓ガラス上面及び窓開口部に各圧接させて
取付けるものとしてある。この様にして窓ガラス
の周縁に沿つて接着される当該周縁モールは接着
剤による止め付けもあつて強固に固着されるが、
この周縁モールは前述した様に間隙を閉ざす主体
部分については窓ガラス並びに窓の開口縁部に対
して単に圧接させ、素材の弾性を利用して密着さ
せるものであることから自動車のホデイを歪みに
よつて窓の開口縁部が歪むことに圧接する主体部
分とずれを生じて異音を発することがある。こと
にボデイの歪みは一般に走行時に起こり、連続す
るためキシミ音となつて運転者、乗客に大きな不
快感を与えるものとなつており、ときにはエンジ
ン等の故障音とも錯覚される危険があつた。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明は、上述した様な周縁モールとボデイ、
更には窓に嵌め込まれた窓ガラスとの摺り合せに
よつて生ずる異音の発生に鑑み、これを解決すべ
く開発されたもので、特に本発明周縁モールと窓
開口部、及び窓ガラスとの密着性を確保し、窓開
口部と窓ガラス間の間隙を有効に密封しつつ、こ
れら開口部と窓ガラスに対する圧接状態の下でボ
デイの歪みに伴い生ずる異音の発生を効果的に防
止することを目的として研究開発されたものであ
る。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、上記目的に基づきなされたもので、
その特徴とするところは窓の開口縁部に設けられ
る接着窪みに窓ガラスの周縁部を嵌め入れこの窪
みのフランジ部と窓ガラス下面との間に充填する
接着剤で固着するに当り上記接着窪みと窓ガラス
縁部との間に介挿して両者の間隙を被う周縁モー
ルであつて、上記窓ガラスと窓の開口縁部に渡り
上記間隙を被う帯板状の主体と、主体の下面から
垂下し前記接着剤に脚端を突き入れる脚部と、こ
の脚部から前記窓ガラス側と窓の装着窪みの起上
り壁側に向けてそれぞれ延接する第１、第２の係
止片を有してなる合成樹脂製の自動車の窓ガラス
用周縁モールにおいて、少なくとも前記窓ガラス
と窓の開口縁部に各接触する前記主体の両側縁部
につき低摩擦処理を施してなることを特徴とした
自動車の窓ガラス用周縁モールを提供することに
ある。

本発明の上記低摩擦処理の一つは窓ガラス並び
に窓開口縁部に直接接触する主体の両側縁部につ
き、これを形成する材料合成樹脂中に滑性に優れ
る滑り材、ワツクスとして例えばパラフインワツ
クスを混入し、その接触部における滑りを良好に
して異音の発生を防止すること、或は上記接触部
表面に滑合性に優れたテープを貼着して摩擦力を
低下させること、或はまた上記テープに代えて接
触部表面に低摩擦の塗料を塗布し窓ガラス並びに
窓開口縁部との圧接による摩擦力を低下させるこ
と等が挙げられる。

［作用］ この様に窓ガラス並びに窓開口縁部に対して直
接圧接した状態で接触される部分につき低摩擦処
理された周縁モールは自動車ボデイの歪みによつ
て窓開口縁部と、或はこの開口縁部に接着固定さ
れる窓ガラスと摺れ合つたときその滑合性によつ
て強い摺り合いから回避される結果きしみによる
異音の発生から開放されることになる。

次に、本発明を図示する実施例につき更に詳述
することにする。

［実施例］ 図面第１図は本発明に係る周縁モールの一実施
例を示す斜視図、第２図は使用状態を示す縦断面
図であり、図中の符号１は周縁モール、２は自動
車の窓３の開口縁部に沿つて設けられた装着窪
み、４は装着窪み２のフランジ部５に対面するよ
うに収められた窓ガラス、６はこの窓ガラスを固
着するための接着剤で、７は接着剤の流出を防ぐ
ダムラバーである。

周縁モール１は幾分肉厚にした中心部から肉薄
にして撓み性を高めた部分を延設して全体として
帯板状をなすようにした主体１ａと、この主体１
ａの下面から長さ方向に沿つて全長に亘り垂下す
る脚部１ｂと、脚部１ｂの脚端からその一側面に
沿つて折り返すように延設した第１の係止片１ｃ
と、この第１の係止片とは逆の方向に付き出し脚
部に対しては略直角をなすように延設した第２の
係止片１ｄとを一体に有してなり、ここでは更に
主体１ａの上面中央部に長さの全長に亘つて装飾
用のテープ８を貼着してある。

この周縁モールは適度の剛性と柔軟性を有した
合成樹脂、この実施例では塩化ビニル樹脂を材料
に押出し成形法によつて一体に成形するものと
し、特にこの実施例では周縁モールの本体部分を
上記合成樹脂で成形するのに対して主体１ａの肉
厚な一片の側縁部１ｅと、他縁の肉薄片部１ｂ及
び第２係止片１ｄの各部についてその素材の合成
樹脂中にパラフインワツクスを混入させた原料に
して一体成形したものとしてある。

この様に部分的にパラフインワツクスを混入し
てなる周縁モール１は、第２図に示した様に窓の
装着窪み２に窓ガラス４の周縁部を嵌め入れフラ
ンジ部５との間に介挿する接着剤６で固着する際
に接着窪みの起上り壁９と窓ガラス周縁部との間
に出来る間隙１０を通して脚部１ｂを挿入するこ
とによつてその装着が行なわれる。

間隙に挿入された脚部１ｂは第１の係止片１ｃ
を窓ガラスの縁部で一旦内側に撓めたのち、その
自由端に設ける係止部１ｇを窓ガラスの縁部下面
に掛止め、且つその一面を脚端と共に前記接着剤
６中に押入れて接合させ、他方脚部１ｂの反対側
に付き出す第２の係止片１ｄを起上がり壁９面に
付き当て、その反発力を活用して脚部自体をガラ
ス側に押付け、前記第１の係止片の係合を確保す
ることになる。そして、この脚部１ｂの挿入に伴
い周縁モールの主体１ａは窓ガラス４の周縁部上
面と開口縁部表面部１１に跨つて側縁部１ｅと肉
薄片部１ｆを圧接させ間隙１０を密閉することに
なる。

本発明周縁モールはかくの如く使用されるもの
で、窓ガラス周縁部に対する接着によつて間隙１
０を閉ざすと共に、この実施例では窓ガラスの上
面、窓の開口縁部に対してはパラフインワツクス
を混入した合成樹脂からなる主体の側縁部１ｅ、
肉薄片部１ｆ、そして第２係止片１ｄを圧接させ
るものとなり、各圧接部における滑りを良好にす
ることになる。

図面第３図は本発明周縁モールの他の実施例を
示す使用状態の縦断面図である。

この実施例は周縁モール１の第１の係止片１ｃ
を塩化ビニル樹脂とし、その他の部分即ち主体１
ａ、脚部１ｂ、第２係止片１ｄの各部をパラフイ
ンワツクスを混入した塩化ビニル樹脂にして一体
成形した場合である。

また、第４図は本発明のその他の実施例を示す
使用状態の縦断面図であり、この実施例は周縁モ
ール１全体をパラフインワツクス入りの合成樹脂
を原料に成形し、接着材６に接面する第１係止片
１ｃ及び脚部１ｂの下端に亘る表面に接着性に優
れる接合テープ１２を貼着した場合である。

これら２つの実施例はいずれも窓ガラス４並び
に窓の開口縁部に圧接する部分を滑合性に優れた
パラフインワツクス入り合成樹脂とすることで、
それぞれに対する摩擦抵抗を少さくし、摺り合せ
によつて生ずるきしみを回避するものとしてあ
る。

尚、両実施例において各図面の符号１３は周縁
モール１を補強するための脚部の中心部に沿つて
全長に亘り埋設した金属製の補強板である。

［発明の効果］ 本発明周縁モールを各実施例を基に説明した
が、上述説明において明らかな様に、本発明周縁
モールは自動車のボデイたる窓の開口縁部に対
し、またこの窓に嵌め込まれ接着剤を以て固着さ
れ一体となる窓ガラスに対して圧接される接触部
につき滑性に優れるパラフインワツクスの混入等
によつて低摩擦処理を施したことから、走行時に
おけるボデイの歪み等によつてこの圧接した接触
部にずれを生じた場合強い摺れ合いを生ずること
がなく、従つてきしみ等の異音発生を有効に回避
することができるものとなつている。

そして、本発明の周縁モールは部分的に、或は
全部にパラフインワツクス等の滑合性に優れた素
材を混入する場合でも通常の合成樹脂の押出成形
と同様に一体的な成形が可能であるため製造性に
優れ、従来の製品に比較して遜色のない製品を提
供することができる。

勿論、テープによる場合にはこのテープを所要
部所に貼着すればよく、またテープ代えて所要部
所の表面に滑合性に優れる塗剤を塗布する場合に
はローラ等で塗布処理することができるので容易
に製造することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る周縁モールの一実施例を
示す斜視図、第２図は使用状態の縦断面図、第３
図及び第４図はその他の実施例を示す使用状態の
縦断面図である。 １……周縁モール、１ａ……主体、１ｂ……脚
部、１ｃ……第１の係止片、１ｄ……第２の係止
片、１ｅ，１ｆ……主体の側縁部、２……窓、３
……装着窪み、４……窓ガラス、５……フランジ
部、６……接着剤、１０……間隙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 窓の開口縁部に設けられる装着窪みに窓ガラ
   スの縁部を嵌め入れこの窪みのフランジ部と窓ガ
   ラス下面との間に充填する接着剤で固着するに当
   り上記接着窪みと窓ガラス縁部との間に介挿して
   両者の間隙を被う周縁モールであつて、上記窓ガ
   ラスと窓の開口縁部間に渡り上記間隙を被う帯板
   状の主体と、主体の下面から垂下し前記接着剤に
   脚端を突き入れる脚部と、この脚部から前記窓ガ
   ラス側と窓の装着窪みの起上り壁側に向けてそれ
   ぞれ延設する第１、第２の係止片を有してなる合
   成樹脂製の自動車の窓ガラス用周縁モールにおい
   て、少なくとも前記窓ガラスと窓の開口縁部に各
   接触する前記主体の両側縁部につき低摩擦処理を
   施してなることを特徴とした自動車の窓ガラス用
   周縁モール。