JPH0578286A - N−トリフルオロメチル芳香族アミン誘導体及びその製造法 - Google Patents

N−トリフルオロメチル芳香族アミン誘導体及びその製造法

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JPH0578286A
JPH0578286A JP26828091A JP26828091A JPH0578286A JP H0578286 A JPH0578286 A JP H0578286A JP 26828091 A JP26828091 A JP 26828091A JP 26828091 A JP26828091 A JP 26828091A JP H0578286 A JPH0578286 A JP H0578286A
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爲次郎 檜山
Manabu Kuroboshi
学 黒星
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忍 若栗
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式R12NCF3(式中、R1は置換もし
くは未置換アリール基を表し、R2は置換もしくは未置
換の直鎖あるいは分枝状アルキル基を表す)で表される
N−トリフルオロメチル芳香族アミン誘導体、及び、フ
ッ化物イオン源を、ハロニウムイオン発生剤存在下、一
般式R12NC(S)SR3(式中、R1及びR2は前記
の意味を表し、R3は置換もしくは未置換アリール基ま
たは置換もしくは未置換の直鎖あるいは分枝状アルキル
基を表す。)で表されるジチオカルバミン酸エステルと
反応させることによって、前記N−トリフルオロメチル
芳香族アミン誘導体を製造する方法。 【効果】 マウスリンパ性白血病細胞の増殖阻害活性を
有するN−トリフルオロメチル芳香族アミン誘導体を、
短行程で収率良く穏和な条件で製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般式(I)
【0002】
【化4】
【0003】(式中R1は置換または未置換アリール基
を表し、R2は置換もしくは未置換の直鎖あるいは分枝
状アルキル基を表す。R1とR2とは結合している窒素原
子と一緒になって環を形成しても良い。)で表されるN
−トリフルオロメチル芳香族アミン誘導体及びその製造
法に関する。
【0004】一般式(I)で表されるN−トリフルオロ
メチル芳香族アミン誘導体は、マウスリンパ性白血病細
胞の増殖阻害活性があり(試験例1)、抗腫瘍剤として
の用途が期待できる。
【0005】
【従来技術】N−トリフルオロメチルアミンとしては、
N,N−ジアリール−N−トリフルオロメチル芳香族ア
ミン誘導体及び、N,N−ジアルキル−N−トリフルオ
ロメチルアミン誘導体が2、3知られているのみであ
る。これらは殺ダニ剤の一部として利用されたり(特開
昭57−128603)、フッ素化剤として利用されて
いるのにすぎない。これらを合成する方法としては、
(1)N−ホルミル化合物を四フッ化イオウとフッ化カ
リウムとで処理する方法(たとえばJ. Fluori
ne Chem., 23, 207 (198
3).)、(2)N−トリクロロメチル化合物中の塩素
をフッ素に置換する方法(たとえばGer. Offe
n., DE 3044216)などがある。
【0006】しかし、(1)の方法で用いる四フッ化イ
オウは毒性の高い低沸点化合物(四フッ化イオウの沸点
は−40℃)であり、取扱いが困難である。また、しば
しば高温下、ハステロイCなどの特殊な材質からなるオ
ートクレーブ中で反応させる必要がある。さらに四フッ
化イオウは反応性が高いため、たとえばアルコールのよ
うな官能基をもつ基質には適用できない。(2)の方法
においては、N−トリクロロメチル体をつくるのが面倒
であるうえ、フッ素置換反応の収率が低いなどの問題が
ある。従って、N−トリフルオロメチル芳香族アミン類
のより実用的な合成法が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはN−トリ
フルオロメチル化合物を合成するにあたり、(1)安価
で、(2)安全であり、(3)ガラス容器をも用いるこ
とのでき、(4)酸性条件下で不安定な基質にも適用で
き、(5)穏やかな条件でフッ素化できる反応条件を鋭
意検討した結果、ジチオカルバミン酸エステルにフッ化
物イオン源とハロニウムイオン発生剤とを反応させると
目的とするN−トリフルオロメチル芳香族アミン誘導体
を効率よくかつ高選択的に製造できることを見つけた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(I)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R1は置換もしくは未置換のアリ
ール基、R2は置換もしくは未置換のアリール基または
置換もしくは未置換の直鎖あるいは分枝状アルキル基を
表す。R1とR2とは、結合している窒素原子と一緒にな
って環を形成しても良い。)で表されるN−トリフルオ
ロメチル芳香族アミン誘導体、及び、ハロニウム発生剤
の存在下、フッ化物イオン源と一般式(II)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R1は置換もしくは未置換のアリ
ール基、R2、R3は各々独立に置換もしくは未置換のア
リール基または置換もしくは未置換の直鎖あるいは分枝
状アルキル基を表す。R1とR2とは、結合している窒素
原子と一緒になって環を形成しても良い。)で表される
ジチオカルバミン酸エステルとを反応させることによっ
て前記一般式(I)で表されるN−トリフルオロメチル
芳香族アミン誘導体を製造する方法に関する。
【0013】前記一般式(II)で表されるジチオカル
バミン酸エステルは(1)アミンを塩基共存下二硫化炭
素と反応させ、さらに求電子剤で処理する方法、(2)
S−置換チオウレタンをイオウ化剤で処理する方法、
(3)アミンを塩化ジチオ炭酸エステルで処理する方
法、(4)アミンをチオ炭酸二塩化物で処理して生じる
チオカルバミン酸塩化物をメルカプタンで処理する方法
などにより容易に合成できる。
【0014】前記一般式(I)及び(II)中、R1
びR3の置換もしくは未置換のアリール基としては置換
または未置換のフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフ
チル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、9−ア
ンスリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピロリ
ル基、3−ピロリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル
基、4−ピリジル基、2−チエニル基、3−チエニル
基、2−ピリミジル基、2−キノリル基、3−キノリル
基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル
基、7−キノリル基、8−キノリル基、などをあげるこ
とができる。芳香環上の置換基としては、炭素数1から
20までの直鎖あるいは分枝状アルキル基、フェニル
基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、
1−アンスリル基、2−アンスリル基、9−アンスリル
基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピロリル基、3
−ピロリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−
ピリジル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピ
リミジル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キ
ノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノ
リル基、8−キノリル基などのようなアリール基、ビニ
ル基、プロペニル基、ブテニル基のようなアルケニル
基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘプチルオ
キシ基、オクチルオキシ基のようなアルコキシル基、ア
セトキシル基、ブトキシル基のようなアシルオキシル
基、メトキシメチルオキシ基、メトキシエトキシメチル
オキシ基のようなアルコキシメチルオキシル基、フェニ
ルオキシル基、ナフトキシル基のようなアリールオキシ
ル基、2−オキサ−3−ヒドロキシメチル−4,5,6
−トリヒドロキシシクロヘキシルオキシ基のような糖骨
格を有する基、エポキシドのような環状エ−テル構造を
有する基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル
基などのアルコキシカルボニル基、ハロゲン、スルホニ
ル基、1−オキサエチル基、1−オキサプロピル基、2
−オキサプロピル基、1−オキサブチル基、2−オキサ
ブチル基、3−オキサブチル基、1−オキサヘプチル基
などのようなカルボニル基を鎖中に含むアルキル基、ヒ
ドロキシル基、ニトロ基、シアノ基などをあげることが
でき、また、これらの、芳香環に置換する置換基上には
さらにアルキル基、アリール基、アルケニル基、ニトロ
基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシル
基、ヒドロキシル基、ハロゲン、スルホニル基、エポキ
シドのような環状エ−テル構造や糖骨格を有する基など
が置換していてもよい。
【0015】R2及びR3の置換もしくは未置換のアルキ
ル基としては炭素数1から20までの直鎖あるいは分枝
状アルキル基を用いることができる。このアルキル基上
にはフェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−
ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、9
−アンスリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピ
ロリル基、3−ピロリル基、2−ピリジル基、3−ピリ
ジル基、4−ピリジル基、2−チエニル基、3−チエニ
ル基、2−ピリミジル基、2−キノリル基、3−キノリ
ル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル
基、7−キノリル基、8−キノリル基などのようなアリ
ール基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基のような
アルケニル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、
ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基のようなアルコキ
シル基、アセトキシル基、ブトキシル基のようなアシル
オキシル基、メトキシメチルオキシ基、メトキシエトキ
シメチルオキシ基のようなアルコキシメチルオキシル
基、フェニルオキシル基、ナフトキシル基のようなアリ
ールオキシル基、2−オキサ−3−ヒドロキシメチル−
4,5,6−トリヒドロキシシクロヘキシルオキシ基の
ような糖骨格を有する基、エポキシドのような環状エ−
テル構造を有する基、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘプチルオキシ
カルボニル基などのアルコキシカルボニル基、ハロゲ
ン、スルホニル基、1−オキサエチル基、1−オキサプ
ロピル基、2−オキサプロピル基、1−オキサブチル
基、2−オキサブチル基、3−オキサブチル基、1−オ
キサヘプチル基などのようなカルボニル基を鎖中に含む
アルキル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基など
が置換することができる。また、これらの、アルキル基
に置換する置換基上にはさらに、アルキル基、アリール
基、アルケニル基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカ
ルボニル基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、ハロゲ
ン、スルホニル基、エポキシドのような環状エ−テル構
造や糖骨格を有する基が置換してもよい。
【0016】R1とR2とは結合している窒素原子と一緒
になって環を形成しても良く、一般式(II)で表され
る化合物としてたとえば2,3−ジヒドロインドール、
1,2,3,4−テトラヒドロ−1−キノリンなどから
誘導されるジチオカルバミン酸エステルを例示すること
ができる。
【0017】本発明に用いるフッ化物イオン源としては
フッ化水素、フッ化水素とピリジン、トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミンなどのようなアミンと
の錯体、一般式(III)
【0018】
【化7】
【0019】で表される二水素三フッ化四級アンモニウ
ム、一般式(IV)
【0020】
【化8】
【0021】で表される二水素三フッ化ホスホニウムな
どがあげられる。一般式(III)で表される二水素三
フッ化四級アンモニウムとしてはたとえば、二水素三フ
ッ化テトラメチルアンモニウム、二水素三フッ化テトラ
エチルアンモニウム、二水素三フッ化テトラブチルアン
モニウム(TBAH23)、二水素三フッ化ベンジルト
リメチルアンモニウム、二水素三フッ化ベンジルトリエ
チルアンモニウム、二水素三フッ化セチルトリメチルア
ンモニウムをあげることができる。これらは50%フッ
酸、フッ化カリウム及びフッ化四級アンモニウムから容
易に合成できる(Bull. Soc. Chim.
Fr.,910 (1986))。一般式(IV)で表
される二水素三フッ化四級ホスホニウムとしてはたとえ
ば、二水素三フッ化テトラメチルホスホニウム、二水素
三フッ化テトラエチルホスホニウム、二水素三フッ化テ
トラブチルホスホニウム、二水素三フッ化ベンジルトリ
メチルホスホニウム、二水素三フッ化ベンジルトリエチ
ルホスホニウム、二水素三フッ化セチルトリメチルホス
ホニウムをあげることができる。これらは47%フッ酸
と水酸化四級ホスホニウムから容易に合成できる(第1
5回フッ素化学討論会講演要旨集p136, O−5
0)。使用量はフッ素の量として1当量ないし大過剰量
の範囲であるが、経済性を考慮して1〜5当量が好まし
い。
【0022】発明に用いるハロニウムイオン発生剤とし
て、N−クロロコハク酸イミド(NCS)、1,3−ジ
ブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBH)、N
−ブロモコハク酸イミド(NBS)、N−ブロモアセト
アミド(NBA)、2,4,4,6−テトラブロモ−
2,5−シクロヘキサジエノン、N−ヨードコハク酸イ
ミド(NIS)を例示できる。使用量は1当量ないし大
過剰量の範囲であるが、経済性を考慮して1〜3当量が
好ましい。
【0023】反応に際し、溶媒を使用してもよい。溶媒
としては反応に関与しないものならば何でも使用でき、
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキ
シエタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、
四塩化炭素などを例示することができる。また、適宜こ
れらの混合物として使用してもよい。
【0024】反応は基質にもよるが、−100℃から2
00℃の温度範囲で実施できる。しかし、経済性考慮の
うえ、反応時間を短縮し、かつ選択性を高めるためには
−20℃から100℃の間で行うのが好ましい。
【0025】本方法によれば、非常に穏やかな反応条件
下フッ素化が進行し、特にフッ化物イオン源として上記
一般式(III)あるいは(IV)で示される二水素三
フッ化物イオンを用いいることにより従来法が適用でき
ない基質、たとえば酸に弱い官能基を持つ基質や熱的に
不安定な基質のトリフルオロメチル化も問題なく進行
し、収率よく目的物が得られる利点がある。
【0026】以下に実施例によって本発明を更に詳細に
説明する。
【0027】
【実施例】
実施例1. N−(4−メトキシフェニル)−N−メチ
ル−N−トリフルオロメチルアミンの合成
【0028】
【化9】
【0029】N−(4−メトキシフェニル)−N−メチ
ルジチオカルバミン酸メチル (114 mg, 0.
5 mmol)とTBAH23 (750 mg,
2.5mmol)のジクロロメタン (1.5 mL)
溶液にNBS (360 mg, 2 mmol)を室
温で加え、同温度で1時間かき混ぜた。反応混合物を飽
和炭酸水素ナトリウム−亜硫酸水素ナトリウム混合液に
あけ、ジエチルエーテル (10 mL x 3)で抽
出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ
過、溶媒の減圧留去、残渣の分取用シリカゲル薄層クロ
マトグラフィーによる精製により、表題化合物(90
mg,0.44 mmol, 88%)を得た。
【0030】1H−NMR: (CDCl3−Me4
i) δ 7.23 (d, J = 9.1 Hz,
2 H)、 6.88 (d, J = 9.1 H
z, 2H),3.81 (s, 3 H), 2.9
8 (q, J = 1.2 Hz, 3 H).
【0031】19F−NMR: (CDCl3−CFC
3) δ −61.98 (s).
【0032】MS: m/z (相対強度) 206
(M++1,10), 205 (M+, 100),
191 (10), 190 (94), 186
(9),162 (22).
【0033】実施例2. N−ブチル−N−(4−メト
キシフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合成
【0034】
【化10】
【0035】N−ブチル−N−(4−メトキシフェニ
ル)ジチオカルバミン酸メチル (135 mg,
0.5 mmol)とTBAH23 (750 mg,
2.5mmol)のジクロロメタン (1.5 m
L)溶液にNBS (360 mg, 2 mmol)
を室温で加え、同温度で1時間かき混ぜた。実施例1と
同様な後処理、精製により、表題化合物(100mg,
0.40 mmol,81%)を得た。
【0036】IR: (neat) 3048, 29
54, 2938, 2874, 2840, 178
3, 1720, 1610, 1582, 151
3, 1462, 1441, 1380, 134
6, 1280, 1269, 1248, 122
0, 1180, 1168, 1140, 109
8, 1060, 1038, 952, 908,
835, 800,734 cm-1.
【0037】1H−NMR: (CDCl3−Me4
i) δ 7.21 (d, J =8.9 Hz,
2 H), 6.88 (d, J = 8.9 H
z, 2H), 3.81 (s, 3 H), 3.
26 (t, J = 6.4Hz, 2 H),
1.4−1.3 (m, 4 H), 0.88
(t, J = 7.1 Hz, 3 H).
【0038】19F−NMR: (CDCl3−CFC
3) δ −59.19 (s).
【0039】MS: m/z (相対強度) 248
(M++1,4), 247 (M+, 26), 22
6 (14), 225(100), 205
(9), 204 (75), 191 (11),1
83 (9), 182 (85), 176 (1
0), 169 (58), 154 (24), 1
49 (54), 136 (15), 135(5
4), 134 (17), 126 (9), 12
0 (30).
【0040】実施例3. N−ベンジル−N−(4−メ
トキシフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合
【0041】
【化11】
【0042】N−ベンジル−N−(4−メトキシフェニ
ル)ジチオカルバミン酸メチル (152 mg,
0.5 mmol)とTBAH23 (750 mg,
2.5 mmol)のジクロロメタン (1.5m
L)溶液にNBS (360mg, 2 mmol)を
室温で加え、同温度で1時間かき混ぜた。実施例1と同
様な後処理、精製により、表題化合物(136mg,
0.49 mmol, 97%)を得た。
【0043】IR: (neat) 3090, 30
62, 3034, 3000, 2952, 292
8, 2834, 1720, 1608, 158
1, 1511, 1454, 1440, 138
0, 1291, 1248, 1223, 118
0, 1167, 1100, 1078, 105
2, 1034, 990, 908, 836, 8
01, 734, 698 cm-1.
【0044】1H−NMR: (CDCl3−Me4
i) δ 7.3−7.2 (m, 5H), 7.1
3 (d, J =8.8 Hz, 2 H), 6.
79(d, J = 8.8 Hz, 2 H),
4.47 (s, 2 H), 3.77 (s, 3
H).
【0045】19F−NMR: (CDCl3−CFC
3) δ −58.74 (s).
【0046】MS: m/z (相対強度) 282
(M++1,6), 281 (M+, 34), 20
4 (3), 190 (8), 126 (2),
92(8), 91 (100). .
【0047】実施例4. N−ベンジル−N−(4−メ
トキシフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合
【0048】
【化12】
【0049】N−ベンジル−N−(4−メトキシフェニ
ル)ジチオカルバミン酸メチル (152 mg,
0.5 mmol)とTBAH23 (300 mg,
1mmol)のジクロロメタン (1.5 mL)溶
液にNBS (360 mg, 2 mmol)を室温
で加え、同温度で1時間かき混ぜた。実施例1と同様な
後処理、精製により、表題化合物(118 mg,
0.42 mmol,84%)を得た。
【0050】実施例5. N−ベンジル−N−(4−メ
トキシフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合
【0051】
【化13】
【0052】N−ベンジル−N−(4−メトキシフェニ
ル)ジチオカルバミン酸メチル (152 mg,
0.5 mmol)とTBAH23 (180 mg,
1.2 mmol)のジクロロメタン (1.5m
L)溶液にNBS (360mg, 2 mmol)を
室温で加え、同温度で1時間かき混ぜた。実施例1と同
様な後処理、精製により、表題化合物(98 mg,
0.35 mmol,70%)を得た。
【0053】実施例6. N−ベンジル−N−(4−フ
ルオロフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合
【0054】
【化14】
【0055】N−ベンジル−N−(4−フルオロフェニ
ル)ジチオカルバミン酸メチル (146 mg,
0.5 mmol)とTBAH23 (750 mg,
2.5 mmol)のジクロロメタン (1.5m
L)溶液にNBS (360mg, 2 mmol)を
室温で加え、同温度で1時間かき混ぜた。実施例1と同
様な後処理、精製により、表題化合物(113mg,
0.42 mmol, 84%)を得た。
【0056】IR: (neat) 3090, 30
70, 3035, 2925, 2878, 190
0, 1892, 1769, 1721, 160
8, 1510, 1452, 1378, 131
0, 1260, 1220, 1182, 115
7, 1100, 1078, 1054, 991,
840, 820, 758, 728, 699
cm-1.
【0057】1H−NMR: (CDCl3−Me4
i) δ 7.4−7.2 (m, 5H), 7.1
6 (dd, J = 9.2, 5.0 Hz, 2
H), 6.96 (dd, J = 9.2,
8.9 Hz, 2 H), 4.50 (s, 2
H).
【0058】19F−NMR: (CDCl3−CFC
3) δ −58.68 (s, 3F), −11
5.26 (tt, J = 8.9, 4.9 H
z, 1F).
【0059】MS: m/z (相対強度) 270
(M++1,1), 269 (M+, 7), 92
(8), 91 (100) .
【0060】実施例7. N−ベンジル−N−(4−ク
ロロフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合成
【0061】
【化15】
【0062】N−ベンジル−N−(4−クロロフェニ
ル)ジチオカルバミン酸メチル (154 mg,
0.5 mmol)とTBAH23 (750 mg,
2.5mmol)のジクロロメタン (1.5 m
L)溶液にNBS (360 mg, 2 mmol)
を室温で加え、同温度で1時間かき混ぜた。実施例1と
同様な後処理、精製により、表題化合物(126mg,
0.44 mmol,88%)を得た。
【0063】IR: (neat) 3092, 30
71, 3038, 2927, 1877, 195
2, 1897, 1721, 1652, 160
0, 1496, 1454, 1374, 131
0, 1258, 1229, 1189, 109
8, 1054, 1017, 996, 908,
837, 724, 698 cm-1.
【0064】1H−NMR: (CDCl3−Me4
i) δ 7.4−7.3 (m, 5H), 7.2
3 (d, J =8.8 Hz, 2 H), 7.
09(d, J = 8.8 Hz, 2 H),
4.52 (s, 2 H).
【0065】19F−NMR: (CDCl3−CFC
3) δ −58.20 (s).
【0066】MS: m/z (相対強度) 288
(M++3,0.3), 287(M++2, 3),
286 (M++1, 1), 285 (M+
9), 92 (8), 91 (100).実施例
8. N−ベンジル−N−(4−シアノフェニル)−N
−トリフルオロメチルアミンの合成
【0067】
【化16】
【0068】N−ベンジル−N−(4−シアノフェニ
ル)ジチオカルバミン酸メチル (149 mg,
0.5 mmol)とTBAH23 (750 mg,
2.5mmol)のジクロロメタン (1.5 m
L)溶液にNBS (360 mg, 2 mmol)
を室温で加え、同温度で1時間かき混ぜた。実施例1と
同様な後処理、精製により、表題化合物(108 m
g, 0.39 mmol,78%)を得た。
【0069】IR: (neat) 3092, 30
64, 3032, 2928, 2224, 172
0, 1608, 1515, 1452, 137
8, 1332, 1296, 1260, 122
4, 1194, 1108, 1080, 106
0, 1000, 834, 736, 697 cm
-1.
【0070】1H−NMR: (CDCl3−Me4
i) δ 7.55 (d, J =8.8 Hz,
2 H), 7.4−7.2 (m, 5 H),
7.19(d, J = 8.8 Hz,2 H),
4.71 (s, 2 H).
【0071】19F−NMR: (CDCl3−CFC
3) δ −56.90 (s).
【0072】MS: m/z (相対強度) 277
(M++1,0.6), 276(M+, 3), 92
(8), 91(100).
【0073】実施例9. N−ベンジル−N−(4−シ
アノフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合成
【0074】
【化17】
【0075】N−ベンジル−N−(4−シアノフェニ
ル)ジチオカルバミン酸メチル (149 mg,
0.5 mmol)とTBAH23 (750 mg,
2.5mmol)のジクロロメタン (1.5 m
L)溶液にDBH (570 mg, 2 mmol)
を0℃で加え、室温で1時間かき混ぜた。実施例1と同
様な後処理、精製により、表題化合物(128 mg,
0.46 mmol,93%)を得た。
【0076】実施例10. N−ベンジル−N−(4−
シアノフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合
【0077】
【化18】
【0078】N−ベンジル−N−(4−シアノフェニ
ル)ジチオカルバミン酸メチル (149 mg,
0.5 mmol)とフッ化水素−ピリジン錯体(70
/30w%, 95 mg, 2.5 mmol)のジ
クロロメタン (1.5 mL)溶液にNBS (36
0 mg, 2 mmol)を0℃で加え、室温で1時
間かき混ぜた。実施例1と同様な後処理、精製により、
表題化合物(134mg, 0.48 mmol, 9
7%)を得た。
【0079】実施例11. N−ベンジル−N−(4−
シアノフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合
【0080】
【化19】
【0081】N−ベンジル−N−(4−シアノフェニ
ル)ジチオカルバミン酸メチル (149 mg,
0.5 mmol)とフッ化水素−トリエチルアミン錯
体 (モル比3:1, 100 mg, 2.5 mm
ol)のジクロロメタン (1.5 mL)溶液にNB
S (360 mg, 2 mmol)を0℃で加え、
室温で1時間かき混ぜた。実施例1と同様な後処理、精
製により、表題化合物(136 mg, 0.49 m
mol, 99%)を得た。
【0082】実施例12. N−メチル−N−(4−ニ
トロフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合成
【0083】
【化20】
【0084】N−メチル−N−(4−ニトロフェニル)
ジチオカルバミン酸メチル (121 mg, 0.5
mmol)とTBAH23 (750 mg, 2.
5mmol)のジクロロメタン (1.5 mL)溶液
にNBS (360 mg, 2 mmol)を室温で
加え、同温度で1時間かき混ぜた。実施例1と同様な後
処理、精製により、表題化合物(75 mg, 0.3
4 mmol, 68%)を得た。
【0085】IR: (neat) 3120, 30
85, 2956, 2928, 2850, 172
0, 1601, 1518, 1478, 144
1, 1380, 1334, 1263, 120
1, 1141, 1100, 1062, 901,
849, 751, 731, 692 cm-1.
【0086】1H−NMR: (CDCl3−Me4
i) δ 8.21 (d, J =9.3 Hz,
2 H), 7.26 (d, J = 9.3 H
z, 2H), 3.19 (q, J = 1.2
Hz, 3 H).
【0087】19F−NMR: (CDCl3−CFC
3) δ −58.88 (s).
【0088】MS: m/z (相対強度) 221
(M++1,10), 220 (M+, 100),
201 (13), 190 (41), 162
(17), 159 (23).
【0089】実施例13. N−メチル−N−(4−ニ
トロフェニル)−N−トリフルオロメチルアミンの合成
【0090】
【化21】
【0091】N−メチル−N−(4−ニトロフェニル)
ジチオカルバミン酸メチル (121 mg, 0.5
mmol)とTBAH23 (750 mg, 2.
5mmol)のジクロロメタン (1.5 mL)溶液
にDBH (570 mg, 2 mmol)を0℃で
加え、室温で1時間かき混ぜた。実施例1と同様な後処
理、精製により、表題化合物(103 mg, 0.4
7 mmol, 94%)を得た。
【0092】実施例14. N−ベンジル−N−(1−
ナフチル)−N−トリフルオロメチルアミンの合成
【0093】
【化22】
【0094】N−ベンジル−N−(1−ナフチル)ジチ
オカルバミン酸メチル (162mg, 0.5 mm
ol)とTBAH23 (750 mg, 2.5 m
mol)のジクロロメタン (1.5 mL)溶液にN
BS (360 mg,2 mmol)を室温で加え、
同温度で1時間かき混ぜた。実施例1と同様な後処理、
精製により、表題化合物(120 mg,0.40 m
mol, 80%)を得た。
【0095】IR: (neat) 3095, 30
64, 3034, 2950, 2928, 287
7, 1950, 1880, 1818, 172
1, 1599, 1510, 1498, 145
4, 1398, 1380, 1358, 130
0, 1269, 1247, 1218,1201,
1170, 1099, 1078, 1060,
1030, 964, 909, 800, 778,
758, 736, 700 cm-1
【0096】1H−NMR: (CDCl3−Me4
i) δ 8.2−8.1 (m, 1H), 7.9
−7.8 (m, 2 H), 7.5−7.4
(m, 4H), 7.17 (s, 5 H),
4.63 (d, J = 3.3 Hz, 2
H).
【0097】19F−NMR: (CDCl3−CFC
3) δ −57.66 (s).
【0098】MS: m/z (相対強度) 302
(M++1,5), 301 (M+, 23), 22
4 (3), 92 (8), 91 (100).
【0099】実施例15. N−トリフルオロメチル−
2,3−ジヒドロインド−ルの合成
【0100】
【化23】
【0101】2,3−ジヒドロインドリルジチオカルバ
ミン酸メチル (105 mg,0.5 mmol)と
TBAH2F3 (750 mg,2.5 mmol)の
ジクロロメタン (1.5 mL)溶液にNBS (3
60 mg, 2 mmol)を室温で加え、同温度で
1時間かき混ぜた。実施例1と同様な後処理、精製によ
り、表題化合物(71 mg, 0.38 mmol,
76%)を得た。
【0102】IR: (neat) 3074, 30
50, 3035, 2992, 2954, 291
8, 2885, 2851, 1794, 172
0, 1602, 1483, 1440, 137
4, 1339, 1318, 1301, 127
0, 1242, 1200, 1180, 116
9, 1120, 1090, 1058, 951,
874, 809, 750,720, 682 c
-1.
【0103】1H−NMR: (CDCl3−Me4
i) δ 7.4−7.2 (m, 2H), 7.2
−6.9 (m, 2 H), 3.73 (t, J
=8.4 Hz, 2 H), 3.11(t, J
= 8.4 Hz, 2H).
【0104】19F−NMR: (CDCl3−CFC
3) δ −61.74 (s).
【0105】試験例 (癌細胞増殖阻害作用)
【0106】マウスリンパ性白血病培養細胞(P38
8)を10%仔牛胎児血清含有のRPMI−1640培
養液に加え、培養細胞数を5x103個/mLに調製
し、本発明の新規ジフルオロ化合物を所定の濃度となる
ように添加し、37℃で4日間培養した。MTT法によ
って定量し、対照区に対する増殖阻害率から、50%細
胞増殖阻害濃度IC50を求めた結果を表1に示す。
【0107】表1. N−トリフルオロメチル芳香族ア
ミン誘導体のマウスリンパ性白血病培養細胞(P38
8)に対するIC50
【0108】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、R1は置換もしくは未置換アリール基を表し、
    2は置換もしくは未置換の直鎖あるいは分枝状アルキ
    ル基を表す。R1とR2とは結合している窒素原子と一緒
    になって環を形成しても良い。)で表されるN−トリフ
    ルオロメチル芳香族アミン誘導体。
  2. 【請求項2】ハロニウム発生剤の存在下、フッ化物イオ
    ン源と下記一般式 【化2】 (式中、R1は置換もしくは未置換アリール基を表し、
    2は置換もしくは未置換の直鎖あるいは分枝状アルキ
    ル基を表し、R3は置換もしくは未置換アリール基また
    は置換もしくは未置換の直鎖あるいは分枝状アルキル基
    を表す。R1とR2とは結合している窒素原子と一緒にな
    って環を形成しても良い。)で表される芳香族ジチオカ
    ルバミン酸エステルとを反応させることを特徴とする、
    下記一般式 【化3】 (式中、R1、R2は前記の意味を表す。)で表されるN
    −トリフルオロメチル芳香族アミン誘導体の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114181128A (zh) * 2021-11-10 2022-03-15 青岛科技大学 一种光诱导s-烷基二硫代氨基甲酸酯类化合物的合成方法及应用
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