JPH0577902B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔分野〕 本発明は運転者の選択により変速パターンを切
替ることのできる電子制御式自動変速機の変速パ
ターン切替装置に関する。

〔従来技術〕 電子制御式自動変速機では、車速、エンジン負
荷、出力軸トルク、運転者により操作され変速可
能範囲を選定するための選速弁の設定位置など車
両走行条件と電子制御装置の記憶部に予め格納し
た変速パターンデータとを比較して、油圧制御装
置内に設けたソレノイド弁を作動させ自動制御が
なされている。また前記変速パターンデータとし
て動力性能に重点をおいたパワー走行パターン、
燃費に重点をおいたエコノミー走行パターン、動
力性能と燃費とを妥協させて設定したノーマル走
行パターンなど複数の変速パターンデータを備
え、運転席に設けた手動など人動スイツチにより
運転者が所望のパターンを選択できるようになつ
ている。

しかるに従来のこの種の電子制御式自動変速機
の変速パターン切替装置においては、人動スイツ
チとしてオルタネイテイブ式のものが用いられて
おり、運転者が一旦スイツチを操作したらその状
態がエンジンの停止、再始動に無関係に継続され
るため、運転者がスイツチの切替を忘れ、不適切
な変速パターンで走行する場合が生じやすい欠点
があつた。

〔発明の目的〕 本発明の目的は、運転者のスイツチの切替忘れ
による不適切な変速パターンでの走行を防止でき
る電子制御式自動変速機の変速パターン切替装置
の提供にある。

〔発明の構成〕

本発明の電子制御式自動変速機の変速パターン
切替装置は、運転者の人動による変速パターン切
替スイツチの出力、走行速度、エンジン負荷、出
力軸トルク、選速弁の設定位置など車両走行条件
を入力とし、予め記憶部に格納された複数の変速
パターンデータの内運転者が選択した変速パター
ンデータに基づいて油圧制御装置内に設けられた
ソレノイド弁を作動して変速機を自動制御する電
子制御式自動変速機において、モーメンタリー式
人動スイツチと、該人動スイツチの入力を保持す
る保持回路と、エンジンの停止信号またはエンジ
ンの再始動信号を入力として前記保持回路を自動
復帰させる自動復帰回路を備え、エンジンの停止
時またはエンジンの再始動時はノーマル走行パタ
ーンなど予め設定した所定の変速パターンに自動
復帰させることを構成とする。

〔発明の効果〕

上記構成により本発明の電子制御式自動変速機
の変速パターン切替装置は、つぎの効果を奏す
る。

モーメンタリー式人動スイツチと、該人動スイ
ツチの入力を保持する保持回路と、エンジンの停
止信号またはエンジンの再始動信号を入力として
前記保持回路を自動復帰させる自動復帰回路を備
え、エンジンの始動時またはエンジンの再始動時
は所定の変速パターンに自動復帰させるので、当
初運転者が車両の走行環境条件を勘案して選択し
たパターンを継続的に維持することなく、再始動
時には標準パターンに設定できるので、スイツチ
の切替え忘れをした場合でも当初の変速パターン
に拘束されることなく、逐次走行環境条件に適し
た変速パターンの設定が可能となる。

つぎに本発明を図に示す実施例に基づき説明す
る。

第１図は、歯車装置、およびその構成要素を入
力軸または出力軸に連結するか構成要素相互間で
連結するかまたは固定部材に固定するための摩擦
係合要素からなる歯車変速装置と、油圧源、手動
により変速可能範囲を設定するための選速弁、車
速、スロツトル開度など車両走行条件に対応した
制御油圧を発生する制御油圧弁、前記制御油圧を
入力し車両走行条件に対応したライン圧を発生さ
せる調圧弁、および前記摩擦係合要素を作動させ
るための油圧サーボにライン圧を選択的に供給す
る変速弁を備えた油圧制御装置からなる車両用自
動変速機を制御するための電子制御装置を示し、
１は車両の走行速度を検出する車速センサ、２は
エンジンの負荷を検出するスロツトル開度セン
サ、３は選速弁を作動させるシフトレバーの設定
位置を検出するシフトレバースイツチ、４は本発
明にかかる変速パターン切替装置、５は自動変速
機制御コンピユータ、Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３はそれぞ
れ変速弁である１−２シフト弁、２−３シフト弁
などシフト弁を制御するため油圧制御装置内に設
けられ、コンピユータ５の出力で作動されるソレ
ノイド弁、Ｂはバツテリ、Ｓはキースイツチであ
る。

車速センサ１は、歯車変速装置の出力軸に所定
の回転半径で回転するよう固定された磁石と該磁
石の回転半径付近の自動変速機ケースに取付けら
れたリードスイツチからなり、コンピユータ５に
出力軸回転数に対応した周期のパルス信号を出力
する。スロツトル開度センサ２はスロツトル開度
をたとえば７段階にわけて検出し、各段階に応じ
た電圧信号を出力する。シフトレバースイツチ３
はシフトレバーの有するＰ（パーク）、Ｒ（リバー
ス）、Ｎ（ニユートラル）、Ｄ（ドライブ）、Ｓ（セカ
ンド）、Ｌ（ロー）の各設定位置を検出する。

変速パターン切替装置４は、それぞれ運転席に
設けられパワー走行、エコノミー走行およびノー
マル走行を選択するパワースイツチSP、エコノ
ミースイツチSEおよびノーマルスイツチSNを有
する人動スイツチ４０と、該人動スイツチ４０か
らの入力を保持する保持回路６と、スタータモー
タへの通電信号などエンジンの始動信号により前
記保持回路６内に保持されている前記スイツチ４
０からの入力をリセツトしてノーマル走行に復帰
させる自動復帰回路７とからなる。

つぎに本発明の電子制御式自動変速機の変速パ
ターン切替装置の作動を第２図に例示する変速パ
ターン切替装置４と共に説明する。

Ｆ１およびＦ２はＲ−Ｓフリツプフロツプ回
路、Tr１，Tr２はトランジスタ、６１，６２は
NAND回路、６３，６４，６５はNOT回路、Ｃ
１コンデンサ、Ｒ１〜Ｒ９は抵抗を示す。

イ） パワースイツチSPが押されたとき 自動復帰回路７の出力端子ａの出力はNOT回
路６５の出力によりローレベルとなつている。こ
のためトランジスタTr１，Tr２はOFF状態とな
りNAND回路６１および６２の入力端子ｃ、ｅ
はハイレベルの状態にある。このときパワースイ
ツチSPが押されるとNAND回路６１の入力端子
ｂはハイレベルとなり、NAND回路６１の出力
はローレベルとなり、Ｒ−Ｓフリツプフロツプ回
路Ｆ１の入力端子ｓ１にはローレベルが入力され
る。これによりＲ−Ｓフリツプフロツプ回路Ｆ１
の出力端子Ｐにはハイレベルが出力され入力端子
ｓ１がハイレベルにもどつても出力端子Ｐにはハ
イレベルが出力されつづけられる。また一方パワ
ースイツチSPによるハイレベルの信号はNOT回
路６４に入力されＲ−Ｓフリツプフロツプ回路Ｆ
２の入力端子ｒ２にはローレベルが入力される。
これによりＲ−Ｓフリツプフロツプ回路Ｆ２の出
力端子Ｅにはローレベルが出力され、入力端子ｒ
２がハイレベルにもどつても出力端子Ｅにはロー
レベルが出力されつづけられる。

出力端子Ｐがハイレベル、出力端子Ｅがローレ
ベルになるため変速パターンはパワー走行パター
ンとなる。

ロ） エコノミースイツチSEが押されたとき パワースイツチSPが押されたときと同様にフ
リツプフロツプ回路Ｆ１の出力端子Ｐがローレベ
ル、フリツプフロツプ回路Ｆ２の出力端子Ｅがハ
イレベルになり変速パターンはエコノミー走行パ
ターンとなる。

ハ） ノーマルスイツチSNが押されたとき ノーマルスイツチSNが押されるとトランジス
タTr１，Tr２がON状態となるためNAND回路
６１，６２の一方の入力端子ｃ、ｅはローレベル
となるが他方の入力端子ｂ、ｄはローレベルのま
まであるためＲ−Ｓフリツプフロツプ回路Ｆ１、
およびＦ２の入力端子ｓ１，ｓ２に入力される入
力信号は変化しないが入力端子ｒ１，ｒ２がロー
レベルとなるため、出力端子Ｐ、Ｅは共にローレ
ベルとなり、他方の入力端子ｒ１，ｒ２がハイレ
ベルにもどつても出力端子Ｐ、Ｅにはローレベル
が出力されつづけられ、変速パターンはノーマル
走行パターンとなる。

ニ） エンジン始動時 スイツチＳがONされると各回路に電流が供給
されるが自動復帰回路の抵抗Ｒ６とコンデンサＣ
１のためにスイツチＳがONされた後一定時間は
NOT回路６５の出力はハイレベルとなりノーマ
ルスイツチSNが押された時と同様にトランジス
タTr１，Tr２がON状態となりバノーマルスイ
ツチSNが押された時と同様にノーマル走行パタ
ーンとなる（一定時間経過後はトランジスタTr
１，Tr２がOFF状態となる）。このようにエンジ
ン始動時にノーマル走行パターンに自動復帰す
る。

この電子制御式自動変速機の変速パターン切替
装置は、ノーマル走行中パワー走行またはエコノ
ミー走行が選択され、そのままエンジンが停止さ
れ、つぎにエンジンを始動するとき、自動復帰回
路７はパワー走行またはエコノミー走行の入力を
消去し、ノーマル走行が選択された状態に復帰す
る。またエンジン停止後もスイツチ入力保持回路
と自動復帰回路の電源をOFFしなければエンジ
ン停止時に自動復帰することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動変速機の電子制御装置の回路図、
第２図は本発明の変速パターン切替装置の回路図
である。 図中、１…車速センサ、２…スロツトル開度セ
ンサ、３…シフトレバースイツチ、４…変速パタ
ーン切替装置、５…コンピユータ、４０…人動ス
イツチ、６…保持回路、７…自動復帰回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 走行速度、エンジン負荷、出力軸トルク、選
   速弁の設定位置、変速パターン切替スイツチの出
   力など車両走行条件を入力とし、予め記憶部に格
   納された複数の変速パターンデータのうち運転者
   が選択した変速パターンデータに基づいて油圧制
   御装置内に設けられたソレノイド弁を作動して変
   速機を自動制御する電子制御式自動変速機の変速
   パターン切替装置において、 モーメンタリー式人動スイツチと、該人動スイ
   ツチの入力を保持する保持回路と、エンジンの停
   止信号またはエンジンの再始動信号を入力として
   前記保持回路を自動復帰させる自動復帰回路を備
   え、エンジンの停止時またはエンジンの再始動時
   は設定した所定の変速パターンに自動復帰させる
   ことを特徴とする電子制御式自動変速機の変速パ
   ターン切替装置。