JPH0577727B2 - - Google Patents

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JPH0577727B2
JPH0577727B2 JP8041385A JP8041385A JPH0577727B2 JP H0577727 B2 JPH0577727 B2 JP H0577727B2 JP 8041385 A JP8041385 A JP 8041385A JP 8041385 A JP8041385 A JP 8041385A JP H0577727 B2 JPH0577727 B2 JP H0577727B2
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Yukio Onoyama
Yasuo Otoguro
Keiichi Oomura
Hiroyuki Mimura
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は連続鋳造性が良好で、微細結晶組織を
有して高温における耐食性に優れ、かつ高温クリ
ープ破断強度が高いオーステナイト系ステンレス
鋼管の製造法に関するものである。 〔従来の技術〕 超臨界圧ボイラー(最高蒸気条件566℃、249気
圧)の過熱器管には、一般にJIS G3463で規定さ
れるSUS 347HTB等(あるいはSAME Boiler
and Pressure Vessel Code Section I SA−
213で規定されるTP347H等)のNb含有オーステ
ナイト系ステンレス鋼が一般に優れた高温特性を
有するため、火力発電用ボイラチユーブ等の腐食
環境で長時間使用する高温強度部材として多用さ
れている。これらの鋼の必要性能は、加工性、溶
接性等もさることながら、特に高温クリープ強さ
及び高温での耐食性の2点に集約される。ところ
が、一般に、この両特性を向上させる手段は相反
する場合が多い。 例えば、耐水蒸気酸化性は結晶粒径が小さいほ
ど向上するが、結晶粒径を小さくすべく最終固溶
化処理温度を低くするとクリープ強度は低下す
る。ボイラチユーブでは内面の耐水蒸気酸化性が
不充分で内面スケールが剥離しやすいと、管が閉
塞されその部分が高温となるため、実質的な強度
低下が生ずるのに加え、外面の高温腐食による肉
減りも助長されて、管の噴破等のトラブルが発生
しやすくなる。耐水蒸気酸化性は、ASTM.結晶
粒度番号7以上の細粒であれば問題ないが、この
程度の結晶粒径のものは高温強度が設計基準に達
しないことがある。 そこで、ボイラチユーブでは内表面にシヨツト
ピーニングなどによつて冷間加工を加え表層部の
みを細粒にする手法が例えば特開昭58−39733号
公報により提案されている。しかし、この手法
も、ボイラ組立時の溶接施工後に行う焼鈍によつ
て粒成長を引き起し効果を消失する可能性があ
る。 このように、高温強度と高温での耐食性を同時
に満足するオーステナイト系ステンレス鋼を得る
ことは技術的にかなり困難な要求である。しか
し、今後ボイラ等の熱機関の稼動条件は、高効率
化を目指して、高温高圧化する傾向にあり、材料
の使用環境はさらに厳しくなると考えられる。 微細結晶粒組織でなおかつ高温強度の優れたス
テンレス鋼ボイラ管の製造方法としては、たとえ
ば特開昭58−87224号公報記載の方法が提案され
ている。この方法はC:0.06〜0.09%、Si:0.30
〜0.90%、Mn:0.5〜2.0%、Ni:9.00〜13.00%、
Cr:17.00〜20.00%、Nb:8×C%+0.03〜1.0
%を含有し、必要に応じてN:0.040〜0.080%を
含むオーステナイトステンレス鋼ビレツトを1100
〜1300℃で熱押後、10%以上の冷間加工を行な
い、しかるのちに1120〜1250℃で加熱−急冷して
ボイラ管を製造するものである。 しかしこの方法は冷却速度が何ら規定されてい
ないため、場合によつては析出物が粗大化し、結
晶粒成長を抑制する効果が不十分な可能性もあ
る。さらに、最終溶体化温度が前工程の温度より
も高くなる場合には、析出物の再固用が起り、結
晶粒は著しく成長しやすくなる。 さらに、特開昭58−167726号公報記載の方法も
提案されている。この方法は、Ti:0.15〜0.5wt
%、Nb:0.3〜1.5wt%の1種又は2種を含んだ
オーステナイト系ステンレス鋼の冷間加工工程に
おいて、最終軟化温度を1100〜1350℃に設定して
加熱し冷却した後、20%以上の冷間加工を加え、
さらにこれについで1070〜1300℃でかつ最終軟化
温度より30℃以上低い温度に加熱し、空冷以上の
冷却速度で冷却する最終熱処理を施すことにより
ボイラー管を製造するものである。この方法で
は、最低3回の冷間加工が必要であるため、工程
は複雑となり非常にコストの高い製造方法とな
る。 一方、製造工程面から歩留向上のためにインゴ
ツト鋳造から連続鋳造への移行が推進されている
が、特にNb含有オーステナイト系ステンレス鋼
においては、鋳片に内部割れが生じるために連続
鋳造が困難であつた。したがつて、クリープ破断
強度にすぐれ、かつ連続鋳造鋳片に内部割れが生
じない連続鋳造性の良好なステンレス鋼が望まれ
ている。 Nb含有オーステナイト系ステンレス鋼の高ク
リープ強度化に関しては、例えば特公昭44−
17107号公報にB、P等の固溶強化作用が有効で
あることが示されているが連続鋳造性は考慮され
ていない。一方、連続鋳造性に関しては、例えば
特開昭57−121866号公報に、PおよびSi含有量を
P+0.04×Si≦0.035%となるように低減すること
によつて鋳片の内部割れ発生が防止できることが
示されているが、クリープ破断強度の向上につい
ては示されていない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 オーステナイト系ステンレス鋼の耐水蒸気酸化
性は、結晶粒径が小さい程向上するため、細粒鋼
を得るためには、最終溶体化温度が再結晶温度以
上で低い程良い。一方、高温クリープ強度を向上
するためには、Nb、Ti等のMC型炭化物形成元
素を出来るだけ多く素地に固溶した方が良いた
め、最終溶体化温度は高い程良い。このように、
耐水蒸気酸化性を満足させるための手段と高温ク
リープ温度を満足させるための手段とは相反す
る。またNb含有オーステナイト系ステンレス鋼
の連続鋳造性はその鋳片内部割れのため困難であ
つた。 本発明は、連続鋳造性に優れ、適正な合金成分
と高温溶体化処理により、高温クリープ強度を十
分確保し、尚且つ細粒鋼で耐水蒸気酸化性をも具
備しうる高温用オーステナイト系ステンレス鋼管
の製造方法を提供しようとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、重量%にてC:0.04〜0.12%、Si:
0.1〜0.8%、Mn:2%以下、Cr:15〜25%、
Ni:9〜20%、Ni:1%以下でかつNb/C(重
量比)が8〜12、B:0.005%以下でかつB≧
0.001×(Nb/C)−0.01%、N:0.005〜0.100%、
また不純物としてP:0.02%以下、S:0.006%
以下を含みかつP+0.04×Si≦0.035%であり、必
要に応じてさらにMo:0.01〜2.5%を含有し、残
部がFeおよび不可避的不純物からなるオーステ
ナイト系ステンレス鋼の鋳片を加熱して炭化物を
固溶させ、その後、500℃までの平均冷却速度を
0.3℃/sec.未満として冷却し、1230℃以上で熱間
押出加工し、熱間押出加工後の冷却を、500℃ま
での平均冷却速度を0.2℃/sec.以上として行うこ
とを特徴とする。 本発明におけるB含有量とNb/C重量比の関
係を図示すると第1図の斜線範囲A,B,C,
D,Eとなり、またP含有量とSi含有量の関係を
図示すると第2図の斜線範囲F,G,H,I,J
となる。ここで、A〜J各点の座標は、A(8、
0.005)、B(8、0)、C(10、0)、D(12、
0.002)、E(12、0.005)、F(0.1、0.02)、G(0.1

0)、H(0.8、0)、I(0.8、0.003)、J(0.375、
0.02)である。 対象とするオーステナイト系ステンレス鋼の鋳
片は、前記固溶化熱処理を行つた後は、分塊圧延
などの加工を行わずに加熱して熱間押出加工を行
うので、電気炉あるいは転炉その他既知の手段で
溶製し連続鋳造により製造した比較的小断面の鋳
片である。 熱間押出加工後の冷却は、500℃までの平均冷
却速度を0.2℃/sec.以上で行う。 熱間押出加工され冷却された本発明による素材
は、公知の手段により脱スケール処理を行い、冷
却加工を行い、固溶化熱処理を行つて製品とする
ことができる。冷間加工は、最終製品サイズまで
中間熱処理なしに行うこともでき、また中間熱処
理を行うこともできる。冷間加工後の最終の固溶
化熱処理は1200℃以上で行い、炭化物が粗大析出
しない急速冷却を行うのが望ましい。 〔作用〕 まず、成分の限定理由について説明する。 B添加により、第3図に示すように、クリープ
破断強度が上昇する。これは、Bの固溶強化と同
時に、BがNb炭窒化物のクリープ中での微細分
散析出を助けるためと考えられる。 なお、第3図にはMoを含有する鋼の結果を付
記するが、Mo添加によりクリープ破断強度がさ
らに向上することがわかる。これは、BとMoの
相互作用により、クリープ中に析出する粒界炭化
物が微細分散するためと考えられる。 一方、鋳片の凝固割れ感受性を評価する方法と
して、前記特開昭57−121866号公報記載の方法と
同じ方法、すなわち、第4図に示す如く、溶融・
凝固引張試験において、引張強さが0Kgf/mm2
なる温度(T〓=0)と絞り値が20%になる温度
(T〓=20)の温度差ΔTを凝固割れ感受性指数とし
て表わす方法がある(以下、凝固割れ感受性指数
をΔTで表わす)。そして、ΔTが100℃以上にな
ると鋳片に内部割れを発生しやすいことがわかつ
ている。 そこで、ΔTにより、B量の影響を評価したの
が第5図である。B量増加によりΔTは大きくな
り、連続鋳造可能とされているΔTが100℃以下
を確保するためには、Bが0.005%以下でなけれ
ばならない。この結果、第1図で線AEの制約が
生じる。 次に、Nb/C重量比については、Nbによる炭
化物安定化の目的からNbとCが原子量比で1:
1となる値以上、すなわちNb/C重量比で8以
上が必要であり、第1図において線ABの制約が
生じる、また、クリープ破断強度に及ぼすNb/
C重量比の検討結果を第5図に示す。 クリープ破断強度は通産省火力技術基準および
ASME Boilef and Pressure Vessel Code
Section I SA−213の許容引張応力を満足する
ためには600℃、105hrで前者は3.0Kgf/mm2以上、
後者は13.1Kgf/mm2以上でなければならないこと
を考えれば、13.5Kgf/mm2以上の確保が必要であ
る。これから、Nb/C重量比を12以下の低目に
することが必要である。これはNb/C重量比が
8に近づくほどクリープ中にNb炭化物がより微
細に分散析出するためである。 この結果より、第1図において、Nb/C重量
比について線EDからなる上限が生じる。なお、
Nb/C重量比が8〜12の範囲において、10〜12
の高いNb/C重量比領域では、クリープ破断強
度の高位安定化のためB増量が必要であり、この
範囲ではB≧(Nb/C)×0.001−0.01%で規定さ
れるB量の添加が必要である。これを第1図の線
CDに示す。 次に、上記以外の個々の成分について述べる。 Cは、既述Nb/C重量比の範囲内において、
高温強度の点から高いほど好ましいが、0.12%を
超えるとクリープ中に粒界Cr炭化物の析出が多
くなりクリープ波段強度低下をきたすため、上限
を0.12%とした。また0.04%より少ないとNb炭化
物の析出量も少なくなり、その強化効果も小さ
い。したがつてCの量を0.04〜0.12%と限定し
た。 Siは、連続鋳造時の鋳片の内部割れ防止のた
め、P+0.04Si≦0.035%で制限され、その上限
は、0.8%である。また、耐食性、耐酸化性を考
慮して、0.1%以上の添加が必要である。したが
つてSiの量は0.1〜0.8%と限定した。 Mnは鋼中不純物として含有されるS成分を固
定して熱間脆性を防止し、溶接性、熱間加工性を
向上させる。しかし、多すぎると耐食性を劣化さ
せるので上限を2%とし、その範囲を2%以下と
限定した。 Crは耐高温腐食性、耐水蒸気酸化性等に対し
重要な成分であり、下限を15%とした。しかし、
25%を超えるとσ脆化が懸念される。したがつて
Crの量を15〜25%と限定した。 Niは組織安定性から重要な成分である。9%
以下では鋳片中のδ−Fe量が多くなり次工程の
熱間加工性を阻害するため、下限を9%とした。
またCr量に対する過剰Ni量は経済性から有利で
はない。したがつて、その上限を20%とし、Ni
の量を9〜20%と限定した。 Moはクリープ破断強度向上に有効な元素であ
り、0.01%以上の添加が必要であるが、経済性の
点からその上限を2.5%とした。 Nbは既述のNb/C重量比で制約されるもので
あり、その下限は8×C%とした。しかし、1%
を超えての添加はクリープ破断強度の向上効果が
小さいため、Nbの量を8×C〜1%と限定した。
なお、Nbを添加すると、通常、原料から若干の
Taが混入し、TaもNbも同様の作用をなす。し
たがつて本発明においては、Nbの一部がTaで置
き換えられてもよい。 Nはクリープ破断強度の向上に有効であるが、
0.005%未満では効果がないため、下限を0.005%
とした。しかし、0.100%を超えるとNb炭窒化物
を含む非金属介在物量が多くなる。したがつて、
Nの量を0.005〜0.100%と限定した。 Pは、Siと同様、式P+0.04Si≦0.035%で制限
されるが、共晶Nb(P、Si)の析出を抑制し、凝
固割れ感受性を低下させるために、Pの上限を
0.02%とした。 Sは、溶解、精錬時に不可避的不純物として混
入するが、0.006%を超えると溶接割れ性が高く
なる。したがつてSの量を0.006%以下と限定し
た。 鋳片の加熱は、鋳造時に生成した網目状の巨大
炭窒化物を素地に固溶させるものであり、この処
理により、高温強度に関与するNb、C量を増加
させ製品のクリープ強度を向上させる。 鋳片の加熱後の冷却は、500℃までの平均冷却
速度が0.3℃/sec未満の条件で行うため、比較的
大きい炭化物が析出するので、引き続き行う熱間
押出加工を1230℃以上で行うことによつて炭化物
を再固溶させる。 熱間押出加工後の冷却は、炭化物が析出しない
かまたは析出しても微細な炭化物となる条件で行
うが、このときの好ましい条件は、材料が前記鋳
片の場合よりも小断面となるため、500℃までの
平均冷却速度を0.2℃/sec以上とした。このよう
にして得られた熱間押出加工後の鋼管素材を冷間
加工し、しかるのち固溶化熱処理を施すと、熱間
押出加工後の冷却時にNbの炭化物が殆んど析出
しなかつた場合は、冷間加工後の固溶化熱処理の
昇温時にNbの微細な炭化物が均一に析出するの
で再結晶が遅延し、高温の固溶化熱処理を行つて
も微細な再結晶粒が得られる。また、熱間押出加
工後の冷却時にNbの微細な炭化物が析出した場
合は、冷間加工後の固溶化熱処理の際、この微細
な炭化物の作用によつて同様に微細な再結晶粒が
得られる。 冷間加工後の固溶化熱処理において、冷間加工
を中間熱処理なしに1回の工程で行う場合、ある
いは中間熱処理をはさんで複数回の工程で行う場
合のいづれについても、最終の固溶化熱処理の温
度が高い程Nb、Cの固容量が増加し、その後炭
化物が析出しない急速冷却を行うことによつて高
温クリープ強度の高い製品が得られる。 本発明によつて得られた素材の場合には前述の
ように、冷間加工後の固溶化熱処理の昇温の際に
析出するか、あるいは該熱処理前に存在する均一
に分散した微細な炭化物の作用によつて、再結晶
が遅延するため、Nb、Cの固溶量を増加させる
ような高温で最終の固溶化熱処理を行つても、従
来法のような結晶粒の粗大化が起らず、微細な再
結晶粒が得られる。したがつて、本発明によつて
得られた素材によれば高温クリープ強度が高く、
かつ結晶粒が微細で耐水蒸気酸化性もすぐれたオ
ーステナイト系ステンレス鋼管が得られる。 〔実施例〕 供試材の化学成分を第1表に示す。いずれも
SUS347HTBの規格内で検討したものである。 A、C、F鋼はNb/C重量比が8〜10で低く、
B、D、E鋼はNb/C重量比が11〜12と高い。
また、A、B、E、F鋼はBが0.0020%程度、D
鋼はBが0.0044%であり、C鋼はB無添加であ
る。なお、E、F鋼はMoを0.4%程度含有してい
る。 本発明鋼のA〜F鋼はいずれもΔTが100℃以
下となつている。 これに対し、比較として用いた鋼の成分系を第
1表にG〜J鋼として併記する。 H、J鋼はBが0.0060%程度と高く、ΔTが高
くなつている。また、G、I鋼はB無添加では
ΔTは低いが、Nb/Cが高く、クリープ破断強
度向上を考慮していない成分系である。
【表】
【表】 第1表の中でA鋼(低Nb/C重量比、B添加)
とF鋼(低Nb/C重量比、B、Mo複合添加)お
よび比較としてG鋼(高Nb/C重量比、B、Mo
無添加)について第7図に示す製造工程を実施し
た。 第7図のaは従来例、b,cが本発明である。
連続鋳造した鋳片を1300℃に加熱し、網目状の巨
大炭窒化物を固溶させたのち、炉冷(500℃まで
の平均冷却速度0.08℃/sec.)した。ついで、加
熱し、図示各温度で熱間押出加工し、空冷(500
℃まで平均冷却速度2℃/sec.)し、脱スケール
し、30%冷間引抜を行い、1200℃で固溶化熱処理
し水冷(500℃までの平均冷却速度100℃/sec.)
した。但しcは冷間引抜工程を中間熱処理を入れ
て2回行つた。 最終固溶化熱処理後の各供試材から切り出し、
製作した試験片を用い、650℃および750℃にてク
リープ破断試験を行い、その結果の平均値より外
挿して求めた105hrクリープ破断強度を、結晶粒
度とともに第2表に示す。第2表中にはASME
の許容応力値から換算したTP347B鋼の基準値を
併記する。 本発明により得られた素材より製造した鋼管
は、いずれも結晶粒度No.が7以上の微細粒組織を
有し、耐水蒸気酸化性が良好である。 従来法により製造したGa、Aa、Faはクリープ
破断強度はASMEの基準値を満足するが、冷間
引抜後の固溶化熱処理時に結晶粒が粗大化し、耐
水蒸気酸化性が低下する。またGb1、Gb2は加工
熱処理により細粒であり、クリープ破断強度も基
準値を上回つてはいるが、より一層の強度上昇が
望まれる。
【表】
〔発明の効果〕
本発明によれば、ボイラー用過熱器に使用され
る高クリープ破断強度を有するオーステナイト系
ステンレス鋼を連続鋳造工程により、効率よく製
造することが可能になり、また、本発明によつて
得られた素材によれば冷間引抜加工後、従来法と
同じ最終固溶化熱処理で、MC炭化物を十分母地
に固溶化し、かつ微細粒組織を得ることが可能と
なるため、クリープ破断強度は、従来法と同等も
しくはそれ以上であり、かつ、耐水蒸気酸化性の
良好なオーステナイト系ステンレス鋼管を製造し
うるものであるから、産業上裨益するところが極
めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図はクリープ破断強度と連続鋳造性の両面
から適正と考えられるNb/C重量比とB量の範
囲を示す図、第2図は連続鋳造鋳片に内部割れが
生じないためのP、Si量の範囲を示す図、第3図
はB量とクリープ破断強度との関係を示す図、第
4図は含Nbステンレス鋼の溶融凝固引張試験ス
ペクトルを示す図、第5図はB量と凝固割れ感受
性指数ΔTとの関係を示す図、第6図はNb/C
重量比とクリープ破断強度との関係を示す図、第
7図は製造工程の実施例を示すものであり、aは
従来例、b,cは本発明例である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%にて C:0.04〜0.12%、 Si:0.1〜0.8%、 Mn:2%以下、 Cr:15〜25%、 Ni:9〜20%、 Mo:0.01〜2.5%、 Nb:1%以下でかつNb/C(重量比)が8〜
    12、 B:0.005%以下でかつB≧0.001×(Nb/C)−
    0.01%、 N:0.005〜0.100%、 不純物として、P:0.02%以下、S:0.006%
    以下を含み、 かつP+0.04×Si≦0.035%であり、残部がFe
    および不可避的不純物からなるオーステナイト系
    ステンレス鋼の鋳片を加熱して炭化物を固溶さ
    せ、500℃までの平均冷却速度を0.3℃/sec.未満
    として冷却し、1230℃以上で熱間押出加工し、熱
    間押出加工後の冷却を、500℃までの平均冷却速
    度を0.2℃/sec.以上として行うことを特徴とする
    高温用オーステナイト系ステンレス鋼管の製造方
    法。
JP8041385A 1985-04-17 1985-04-17 高温用オ−ステナイト系ステンレス鋼管の製造方法 Granted JPS61238914A (ja)

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