JPH0114991B2 - - Google Patents
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- JPH0114991B2 JPH0114991B2 JP58238870A JP23887083A JPH0114991B2 JP H0114991 B2 JPH0114991 B2 JP H0114991B2 JP 58238870 A JP58238870 A JP 58238870A JP 23887083 A JP23887083 A JP 23887083A JP H0114991 B2 JPH0114991 B2 JP H0114991B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
Description
(発明の分野)
本発明は、例えば原子炉などにみられる高温高
圧水環境下で使用するのに適する耐応力腐食割れ
性の優れた析出強化型Ni基合金の製造法に関す
る。 (従来技術) 例えば、原子炉内炉水などの高温高圧水環境下
で使用される部材の材料については、強度、靭性
と共に耐応力腐食割れ性が要求される。かかる高
温高圧水環境下で使用される材料でも板や管のよ
うに強加工が容易なものは冷間加工によつて強度
上昇をはかることができる。しかし、それ以外の
例えば支持ピン、バネ、バルブ、継手などの特殊
形状のものは冷間加工が行えずその性質上、熱処
理による析出強化によつて強度上昇をはからねば
ならない。かかる用途に使用する材料としては、
従来、インコネルX−750、−722、および−718等
が析出強化型Ni基合金として知られている。 これら従来のX−750、−722のような析出強化
型合金はいずれもTiおよびAl添加のγ′〔Ni3(Al、
Ti)〕析出強化型Ni基合金である。またインコネ
ルX−718合金等はNb+Ti+Al添加によるγ′お
よびγ″(Ni3Nb)相析出強化を主体としている。 (発明の要約) ここに、本発明者らは、Ti+Al添加系のγ′析
出強化合金では軽水型原子炉一次側のごとき高温
高圧水中で耐食性が不良であること、殊に耐応力
腐食割れ性が著しく劣ることを知つた。また718
合金にあつてもかなりの量のTiを含むために耐
食性が劣る。例えば特開昭57−123948号に開示さ
れているものはNbを0.7〜4.5%含むとともにTi
を0.7〜3%含有している。 そこで、本発明者らはTi添加量を制限すると
共に、Cr添加量を増加することによつて高温高
圧水中における耐食性(耐全面腐食および耐応力
腐食割れつまり耐SCC性を高め得ることに着目
し、鋭意研究を続けたところ、上記組成と一定の
製造条件との組合せによつてγ′相ではなくてγ″相
による析出強化をかなり得ると同時に、上述の如
き耐食性がさらに一層改善されることを見い出し
て本発明を完成させた。 かくして、本発明は、重量%で、 C:0.05%以下、Si:0.50%以下、 Mn:1.0%以下、Fe:5.0〜10.0%、 Cr:18〜30%、Ti:0.50%未満、 Nb:2.0%超5.0%以下、Al:0.40%以下、 P:0.015%以下、S:0.005%以下、 N:0.03%以下、 さらに必要により、Mo:7.0%以下、および/
またはREM、Mg、CaおよびYの少なくとも1
種を合計0.1%以下、 Ni:残部(ただし、少なくとも50%以上) からなる組成の合金を、800〜1200℃で圧下率50
%以上の熱間加工を施した後、1000〜1200℃で5
分〜5.0時間保持してから空冷以上の冷却速度で
冷却し、次いで550〜800℃で1.0〜150時間の時効
熱処理を1回または2回以上施すことを特徴とす
る、高温高圧水環境下で耐応力腐食割れ性の優れ
た析出強化型Ni基合金を製造する方法である。 このように、本発明における特色は、析出強化
方法としてTi量を低減し、Nb量を増すことによ
つて、γ′相ではなくてγ″(Ni3Nb)相による析出
強化をはかると同時に、Cr量を18〜30%に増量
し、かかる合金組成と強圧下熱間圧延、完全固溶
処理そして均一時効処理とを組合せることによつ
て、例えば原子炉などにみられるごとき高温高圧
水中での耐応力腐食割れ性を向上させることであ
る。 (発明の態様) 本発明において化学成分、熱間加工および熱処
理条件を上述の如く限定した理由を以下に述べ
る。 (1) 化学成分: C……Cは析出強化および耐食性を阻害する元
素である。特に、0.05%を越えるTiCやNbC
等の介在物の量が増加すると共に粒界への
Cr23C6の析出によるその近傍でのCr欠乏層
が生成しやすくなり、靭性、耐食性が劣化す
る。好ましくはCは0.02%以下である。 Si、Mn……これらはいずれも脱酸元素である
が、Siは0.50%、Mnは1.0%をれぞれ越える
と合金の清浄度を低下させる。 P、S……これらの元素はいずれも粒界偏析に
より熱間加工性を低下させ、また耐食性も劣
化するため、本発明においてもPおよびSは
それぞれ0.015%以下、および0.005%以下に
制限する。 N……TiNやNbN等の介在物の量を増加させ
るためNは0.030%以下に制限する。 Cr……Crは耐食性を向上させる必要不可欠の
元素である。本発明の目的達成には18%以上
必要であるが、一方30%を越えると熱間加工
性が低下し、さらに延性、靭性に有害なσ相
などの金属間化合物が生成し易くなる。した
がつて、本発明では18〜30%に限定する。 Ti……Ti添加量が0.5%以上であると
γ′(Ni3Ti)として析出し耐食性を著しく劣
化させるため、Tiは0.5%未満とする。 Al……AlはNi基合金の脱酸剤として適してお
りその添加量の増加とともに脱酸効果は向上
するが、多量添加してもその効果は飽和する
ためAlは0.40%以下とする。 Nb……Nbはγ″相として析出し強度上昇に寄与
する。その効果は2.0%以下では効果がなく
5.0%を越えると熱間加工性が低下し、また
延性、靭性に好ましくない金属間化合物が生
成し易くなる。したがつて、本発明において
Nb量は2.0%超5.0%以下とする。 Mo……本発明においてMoは所望添加成分で
あるが、このMoは耐孔食性および強度上昇
に有効な元素である。しかし、多量添加する
とσ相など靭性、耐食性に好ましくない金属
間化合物が生成し易くなることから本発明に
おいてNbを添加する場合にもMo添加量の上
限を7.0%とする。 REM、Mg、Ca、Y……これらの元素も所望
添加成分であり、少なくとも1種の微量添加
により熱間加工性を向上させるがその合計量
が上限の0.1%を越えると逆に低融点化合物
を生成し易くなり加工性が低下する。 (2) 熱間加工: Nbは溶湯からの凝固時においてマクロ偏析
の原因になり易く、このような偏析が成品にお
いても残存すると、靭性および耐食性劣化の原
因となる。このためインゴツトからの熱間加工
度は圧下率で50%以上とする必要がある。熱間
加工時の加熱温度は凝固時において粒界部に
Nbの低融点化合物が生成しやすくなるため、
加熱最高温度は1200℃とし、仕上温度は800℃
を下廻ると変形抵抗が著しく大きくなるため
800℃以上、好ましくは850℃以上とする。 (3) 固溶熱処理: 本発明にあつては時効処理に先立つて1000〜
1200℃、好ましくは1050〜1150℃で5分〜5.0
時間の完全固溶処理を行うが、これは時効によ
りγ″(Ni3Nb)の析出を有効に行わせるためで
ある。また上記固溶処理後の冷却期間中には、
σ相などの金属間化合物相が生成しやすいの
で、それを回避するために空冷以上の速い速度
で冷却する。 (4) 時効熱処理: すでに述べたように、本発明においては、前
述の合金組成と組合わせて時効熱処理を行うこ
とによりγ″相を均一に分散析出させ、高強度−
高耐食性の合金を得ることができる。その場
合、時効温度、時間がそれぞれ550℃、1.0時間
未満ではγ″相がほとんど析出せず十分な強度が
得られない。一方、時効温度が800℃を越える
とまた時間が150時間を過ぎると過時効となり
γ″の粗大化あるいはσ−Ni3Nbの生成により強
度、延性が低下する。したがつて、本発明にあ
つて十分なる強度、延性および耐食性を得るに
は550〜800℃、好ましくは600〜700℃の時効熱
処理がよい。 なお、ここに第1図aは従来のインコネルX−
750等の標準ヒートパターンを示し、同図bは本
発明に係る方法のヒートパターンを示す。本発明
における場合、従来のそれと比較して、強圧下熱
間圧延、高温での完全固溶処理、そして均一時効
処理を特徴とすることが分かる。 次に本発明の実施例について説明する。 実施例 第1表に示す化学組成の各合金について、第2
表に示す加工条件および熱処理条件で析出強化型
Ni基合金を製造した。得られた各合金の機械的
性質および応力腐食割れ性を同じく第2表にまと
めて示す。 第1表および第2表において試料No.16〜24お
よび30〜35は本発明例であり、No.1〜15および
25〜29は比較例のものである。 第2表に記載の結果から、Ti含有量の高いNi
基合金はNb量やCr量にかかわらず応力腐食割れ
感受性が高いことと、一方、Ti量を低くすれば
耐応力腐食性は良好となるが、機械的性質をも良
好とするためにはNb量を高くする必要があるこ
とが分かる。 第2図は本例において得られた結果をNi基合
金の耐応力腐食割れ性(耐SCC性)に及ぼすNb
およびTi量の影響としてグラフまとめて示すも
のであり、これらもTiが0.5%未満でNbが2%超
のものは耐SCC性および機械的性質がいずれも良
好であることが分かる。図中、各番号は第2表中
の試料No.を示す。なお、機械的性質が良好とし
たものは引張強さ100Kgf/mm2以上、0.2%耐力75
Kgf/mm2上のものをいう。 なお、応力腐食割れ試験は、温度350℃、190気
圧に相当する溶存酸素(D.O.)8ppmの高温高圧
水中で、ダブルU−ベンド法で3000時間浸漬試験
を行い、割れの有無を光学顕微鏡(500倍)で検
鏡したものであり、試験片は板厚2mm、幅10mm、
長さ75mmの短冊試験片2枚を7.5Rに曲げ、2枚
の試験片の間にテフロンシートを入れてボルト、
ナツトで5mm拘束して行つた。 以上の結果から明らかなごとく、本発明にした
がつて合金の成分範囲、加工条件および時効熱処
理をそれぞれ本発明の範囲内に特定することによ
り耐応力腐食割れ性の優れた、高強度高耐食性材
料が製造できるのである。
圧水環境下で使用するのに適する耐応力腐食割れ
性の優れた析出強化型Ni基合金の製造法に関す
る。 (従来技術) 例えば、原子炉内炉水などの高温高圧水環境下
で使用される部材の材料については、強度、靭性
と共に耐応力腐食割れ性が要求される。かかる高
温高圧水環境下で使用される材料でも板や管のよ
うに強加工が容易なものは冷間加工によつて強度
上昇をはかることができる。しかし、それ以外の
例えば支持ピン、バネ、バルブ、継手などの特殊
形状のものは冷間加工が行えずその性質上、熱処
理による析出強化によつて強度上昇をはからねば
ならない。かかる用途に使用する材料としては、
従来、インコネルX−750、−722、および−718等
が析出強化型Ni基合金として知られている。 これら従来のX−750、−722のような析出強化
型合金はいずれもTiおよびAl添加のγ′〔Ni3(Al、
Ti)〕析出強化型Ni基合金である。またインコネ
ルX−718合金等はNb+Ti+Al添加によるγ′お
よびγ″(Ni3Nb)相析出強化を主体としている。 (発明の要約) ここに、本発明者らは、Ti+Al添加系のγ′析
出強化合金では軽水型原子炉一次側のごとき高温
高圧水中で耐食性が不良であること、殊に耐応力
腐食割れ性が著しく劣ることを知つた。また718
合金にあつてもかなりの量のTiを含むために耐
食性が劣る。例えば特開昭57−123948号に開示さ
れているものはNbを0.7〜4.5%含むとともにTi
を0.7〜3%含有している。 そこで、本発明者らはTi添加量を制限すると
共に、Cr添加量を増加することによつて高温高
圧水中における耐食性(耐全面腐食および耐応力
腐食割れつまり耐SCC性を高め得ることに着目
し、鋭意研究を続けたところ、上記組成と一定の
製造条件との組合せによつてγ′相ではなくてγ″相
による析出強化をかなり得ると同時に、上述の如
き耐食性がさらに一層改善されることを見い出し
て本発明を完成させた。 かくして、本発明は、重量%で、 C:0.05%以下、Si:0.50%以下、 Mn:1.0%以下、Fe:5.0〜10.0%、 Cr:18〜30%、Ti:0.50%未満、 Nb:2.0%超5.0%以下、Al:0.40%以下、 P:0.015%以下、S:0.005%以下、 N:0.03%以下、 さらに必要により、Mo:7.0%以下、および/
またはREM、Mg、CaおよびYの少なくとも1
種を合計0.1%以下、 Ni:残部(ただし、少なくとも50%以上) からなる組成の合金を、800〜1200℃で圧下率50
%以上の熱間加工を施した後、1000〜1200℃で5
分〜5.0時間保持してから空冷以上の冷却速度で
冷却し、次いで550〜800℃で1.0〜150時間の時効
熱処理を1回または2回以上施すことを特徴とす
る、高温高圧水環境下で耐応力腐食割れ性の優れ
た析出強化型Ni基合金を製造する方法である。 このように、本発明における特色は、析出強化
方法としてTi量を低減し、Nb量を増すことによ
つて、γ′相ではなくてγ″(Ni3Nb)相による析出
強化をはかると同時に、Cr量を18〜30%に増量
し、かかる合金組成と強圧下熱間圧延、完全固溶
処理そして均一時効処理とを組合せることによつ
て、例えば原子炉などにみられるごとき高温高圧
水中での耐応力腐食割れ性を向上させることであ
る。 (発明の態様) 本発明において化学成分、熱間加工および熱処
理条件を上述の如く限定した理由を以下に述べ
る。 (1) 化学成分: C……Cは析出強化および耐食性を阻害する元
素である。特に、0.05%を越えるTiCやNbC
等の介在物の量が増加すると共に粒界への
Cr23C6の析出によるその近傍でのCr欠乏層
が生成しやすくなり、靭性、耐食性が劣化す
る。好ましくはCは0.02%以下である。 Si、Mn……これらはいずれも脱酸元素である
が、Siは0.50%、Mnは1.0%をれぞれ越える
と合金の清浄度を低下させる。 P、S……これらの元素はいずれも粒界偏析に
より熱間加工性を低下させ、また耐食性も劣
化するため、本発明においてもPおよびSは
それぞれ0.015%以下、および0.005%以下に
制限する。 N……TiNやNbN等の介在物の量を増加させ
るためNは0.030%以下に制限する。 Cr……Crは耐食性を向上させる必要不可欠の
元素である。本発明の目的達成には18%以上
必要であるが、一方30%を越えると熱間加工
性が低下し、さらに延性、靭性に有害なσ相
などの金属間化合物が生成し易くなる。した
がつて、本発明では18〜30%に限定する。 Ti……Ti添加量が0.5%以上であると
γ′(Ni3Ti)として析出し耐食性を著しく劣
化させるため、Tiは0.5%未満とする。 Al……AlはNi基合金の脱酸剤として適してお
りその添加量の増加とともに脱酸効果は向上
するが、多量添加してもその効果は飽和する
ためAlは0.40%以下とする。 Nb……Nbはγ″相として析出し強度上昇に寄与
する。その効果は2.0%以下では効果がなく
5.0%を越えると熱間加工性が低下し、また
延性、靭性に好ましくない金属間化合物が生
成し易くなる。したがつて、本発明において
Nb量は2.0%超5.0%以下とする。 Mo……本発明においてMoは所望添加成分で
あるが、このMoは耐孔食性および強度上昇
に有効な元素である。しかし、多量添加する
とσ相など靭性、耐食性に好ましくない金属
間化合物が生成し易くなることから本発明に
おいてNbを添加する場合にもMo添加量の上
限を7.0%とする。 REM、Mg、Ca、Y……これらの元素も所望
添加成分であり、少なくとも1種の微量添加
により熱間加工性を向上させるがその合計量
が上限の0.1%を越えると逆に低融点化合物
を生成し易くなり加工性が低下する。 (2) 熱間加工: Nbは溶湯からの凝固時においてマクロ偏析
の原因になり易く、このような偏析が成品にお
いても残存すると、靭性および耐食性劣化の原
因となる。このためインゴツトからの熱間加工
度は圧下率で50%以上とする必要がある。熱間
加工時の加熱温度は凝固時において粒界部に
Nbの低融点化合物が生成しやすくなるため、
加熱最高温度は1200℃とし、仕上温度は800℃
を下廻ると変形抵抗が著しく大きくなるため
800℃以上、好ましくは850℃以上とする。 (3) 固溶熱処理: 本発明にあつては時効処理に先立つて1000〜
1200℃、好ましくは1050〜1150℃で5分〜5.0
時間の完全固溶処理を行うが、これは時効によ
りγ″(Ni3Nb)の析出を有効に行わせるためで
ある。また上記固溶処理後の冷却期間中には、
σ相などの金属間化合物相が生成しやすいの
で、それを回避するために空冷以上の速い速度
で冷却する。 (4) 時効熱処理: すでに述べたように、本発明においては、前
述の合金組成と組合わせて時効熱処理を行うこ
とによりγ″相を均一に分散析出させ、高強度−
高耐食性の合金を得ることができる。その場
合、時効温度、時間がそれぞれ550℃、1.0時間
未満ではγ″相がほとんど析出せず十分な強度が
得られない。一方、時効温度が800℃を越える
とまた時間が150時間を過ぎると過時効となり
γ″の粗大化あるいはσ−Ni3Nbの生成により強
度、延性が低下する。したがつて、本発明にあ
つて十分なる強度、延性および耐食性を得るに
は550〜800℃、好ましくは600〜700℃の時効熱
処理がよい。 なお、ここに第1図aは従来のインコネルX−
750等の標準ヒートパターンを示し、同図bは本
発明に係る方法のヒートパターンを示す。本発明
における場合、従来のそれと比較して、強圧下熱
間圧延、高温での完全固溶処理、そして均一時効
処理を特徴とすることが分かる。 次に本発明の実施例について説明する。 実施例 第1表に示す化学組成の各合金について、第2
表に示す加工条件および熱処理条件で析出強化型
Ni基合金を製造した。得られた各合金の機械的
性質および応力腐食割れ性を同じく第2表にまと
めて示す。 第1表および第2表において試料No.16〜24お
よび30〜35は本発明例であり、No.1〜15および
25〜29は比較例のものである。 第2表に記載の結果から、Ti含有量の高いNi
基合金はNb量やCr量にかかわらず応力腐食割れ
感受性が高いことと、一方、Ti量を低くすれば
耐応力腐食性は良好となるが、機械的性質をも良
好とするためにはNb量を高くする必要があるこ
とが分かる。 第2図は本例において得られた結果をNi基合
金の耐応力腐食割れ性(耐SCC性)に及ぼすNb
およびTi量の影響としてグラフまとめて示すも
のであり、これらもTiが0.5%未満でNbが2%超
のものは耐SCC性および機械的性質がいずれも良
好であることが分かる。図中、各番号は第2表中
の試料No.を示す。なお、機械的性質が良好とし
たものは引張強さ100Kgf/mm2以上、0.2%耐力75
Kgf/mm2上のものをいう。 なお、応力腐食割れ試験は、温度350℃、190気
圧に相当する溶存酸素(D.O.)8ppmの高温高圧
水中で、ダブルU−ベンド法で3000時間浸漬試験
を行い、割れの有無を光学顕微鏡(500倍)で検
鏡したものであり、試験片は板厚2mm、幅10mm、
長さ75mmの短冊試験片2枚を7.5Rに曲げ、2枚
の試験片の間にテフロンシートを入れてボルト、
ナツトで5mm拘束して行つた。 以上の結果から明らかなごとく、本発明にした
がつて合金の成分範囲、加工条件および時効熱処
理をそれぞれ本発明の範囲内に特定することによ
り耐応力腐食割れ性の優れた、高強度高耐食性材
料が製造できるのである。
【表】
【表】
*:本発明の範囲外
【表】
【表】
(注) *:本発明の範囲外
○:割れなし ×:割れ発生
○:割れなし ×:割れ発生
第1図は、従来法と本発明法とのヒートパター
ンを示す説明図;および第2図は、Ni基合金の
耐応力腐食割れ性に及ぼすNbおよびTi量の影響
を示す図表である。
ンを示す説明図;および第2図は、Ni基合金の
耐応力腐食割れ性に及ぼすNbおよびTi量の影響
を示す図表である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で、 C:0.05%以下、Si:0.50%以下、 Mn:1.0%以下、Fe:5.0〜10.0%、 Cr:18〜30%、Ti:0.50%未満、 Nb:2.0%超5.0%以下、Al:0.40%以下、 P:0.015%以下、S:0.005%以下、 N:0.03%以下、 さらに必要により、Mo:7.0%以下、および/
またはREM、Mg、CaおよびYの少なくとも1
種を合計0.1%以下、 Ni:残部(ただし、少なくとも50%以上) からなる組成の合金を、800〜1200℃で圧下率50
%以上の熱間加工を施した後、1000〜1200℃で5
分〜5.0時間保持してから空冷以上の冷却速度で
冷却し、次いで550〜800℃で1.0〜150時間の時効
熱処理を1回または2回以上施すことを特徴とす
る、高温高圧水環境下で耐応力腐食割れ性の優れ
た析出強化型Ni基合金を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23887083A JPS60131958A (ja) | 1983-12-20 | 1983-12-20 | 析出強化型Νi基合金の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23887083A JPS60131958A (ja) | 1983-12-20 | 1983-12-20 | 析出強化型Νi基合金の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60131958A JPS60131958A (ja) | 1985-07-13 |
JPH0114991B2 true JPH0114991B2 (ja) | 1989-03-15 |
Family
ID=17036477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23887083A Granted JPS60131958A (ja) | 1983-12-20 | 1983-12-20 | 析出強化型Νi基合金の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60131958A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61119641A (ja) * | 1984-11-16 | 1986-06-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高耐食性Ni基合金およびその製造法 |
JP2554048B2 (ja) * | 1986-01-20 | 1996-11-13 | 三菱重工業株式会社 | Ni基合金及びその製造方法 |
JP2554049B2 (ja) * | 1986-01-20 | 1996-11-13 | 三菱重工業株式会社 | Ni基合金及びその製造法 |
JPS6318032A (ja) * | 1986-07-09 | 1988-01-25 | Toshiba Corp | 沸騰水型原子炉用バネ |
JPH0674475B2 (ja) * | 1990-11-29 | 1994-09-21 | 工業技術院長 | 耐応力腐食割れ性に優れたNi基合金 |
JP2568047B2 (ja) * | 1994-05-13 | 1996-12-25 | 株式会社東芝 | ニッケル基合金 |
JPH09209065A (ja) * | 1994-11-07 | 1997-08-12 | Santoku Kinzoku Kogyo Kk | 時効析出型希土類金属−ニッケル系合金、その製造法及びニッケル水素2次電池用負極 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5698464A (en) * | 1980-01-11 | 1981-08-07 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Treating method for improving resistance to stress and corrosion cracking of ni-based alloy |
JPS56169741A (en) * | 1980-05-30 | 1981-12-26 | Hitachi Ltd | Component for nuclear reactor and heat treating method thereof |
JPS57131353A (en) * | 1981-02-05 | 1982-08-14 | Toshiba Corp | Heat treatment of nickel alloy |
JPS5877560A (ja) * | 1981-11-04 | 1983-05-10 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Ni基合金の熱処理方法 |
-
1983
- 1983-12-20 JP JP23887083A patent/JPS60131958A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5698464A (en) * | 1980-01-11 | 1981-08-07 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | Treating method for improving resistance to stress and corrosion cracking of ni-based alloy |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60131958A (ja) | 1985-07-13 |
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