JPH0575969U - 電気部品の取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気部品が実装された配線基板に合成樹脂製
のカバー体が被せられた電気部品取付装置において、カ
バー体だけを簡単かつ容易に配線基板や電気部品から個
別に取り外すことができるようにして、その再資源化を
促進しやすくする。 【構成】 配線基板１に取付ねじ挿通孔１５、カバー体
３にねじ孔３５と電気部品２を挿通するための開口３２
を形成する。電気部品２を半田付けして実装した配線基
板１にカバー体３を被せ、配線基板１とカバー体３とを
ねじ止めする。取付ねじ４を外すことによってカバー体
３だけを取り外すことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気部品の取付装置、配線基板を覆うカバー体を有し、かつそのカ バー体が合成樹脂で作られているような上記取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

廃棄された合成樹脂製品を再生して再資源化するというリサイクルについての 考え方が推進されている近時においては、電気製品に関しても、電気部品の取り 外しを容易にして、合成樹脂で作られた部分だけを取り出してそれを再資源化す るという試みについての検討がなされるようになってきた。

【０００３】 他方、電気部品、たとえばジャックや端子などの多数の電気部品を集合的に取 り付けた構成の取付装置についてみると、従来、配線基板に被せられる合成樹脂 のカバー体に、上記配線基板に実装される電気部品のボディ相当部分を一体に成 形したものがあった。

【０００４】 また、電気部品をカバー体に嵌め込んで固定した方式のものもあった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、電気部品のボディ相当部分をカバー体に一体成形したような前者の 取付装置では、合成樹脂製のカバー体だけを取り外してその再資源化を行おうと しても、配線基板と電気部品との半田付け部分を外したり電気部品の端子類をそ のボディ相当部分から取り外したりすることが困難であるため、とりわけ電気部 品が多数取り付けられているものについては、カバー体だけを取り外すというこ とが不可能であり、合成樹脂で作られているカバー体を再資源化することの大き な制約となっていた。

【０００６】 また、電気部品をカバー体に嵌め込んだ方式の後者の取付装置についても、カ バー体から多数の電気部品を取り外すことに困難が伴い、そのことが合成樹脂で 作られているカバー体を再資源化することの大きな制約となっていた。

【０００７】 本考案は以上の事情に鑑みてなされたもので、合成樹脂で作られたカバー体だ けを簡単かつ容易に配線基板や電気部品から個別に取り外すことができるように して、合成樹脂製カバー体の再資源化を促進することのできる電気部品の取付装 置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案による電気部品の取付装置は、配線基板と、配線基板に形成さ れた取付ねじ挿通孔と、配線基板に固定されたジャックや端子などでなる電気部 品群と、上記電気部品群を形成する個々の電気部品が挿通される開口を備えた合 成樹脂でなるカバー体と、カバー体に形成されたねじ孔と、配線基板の取付ねじ 挿通孔を通してカバー体のねじ孔にねじ込まれる取付ねじと、を有するものであ る。

【０００９】 請求項２の考案による電気部品の取付装置は、請求項１の構成に加え、電気部 品から導出された端子を配線基板に半田付けすることによって電気部品が配線基 板に固定されており、その端子が電気部品に具備されて配線基板に着座されてい る台座部の側面に重ね合わされているものである。

【００１０】

【作用】

請求項１の考案によれば、電気部品が配線基板に固定されており、しかもその 電気部品はカバー体の開口に挿通されているだけであるから、配線基板とカバー 体とを固定している取付ねじを取り外すだけでカバー体だけが個別に取り外され る。また、カバー体を取り外した後においては、個々の電気部品を、その電気部 品と配線基板との半田付け箇所を剥がすだけで個別に配線基板から取り外すこと ができる。

【００１１】 請求項２の考案によれば、電気部品の端子がその電気部品の着座部によって補 強されるので、電気部品がぐらつきなく強固に配線基板に固定される。

【００１２】

【実施例】

図１は本考案の実施例による電気部品の取付装置を一部破断して説明的に示し たものであり、１は配線基板、２は電気部品、３はカバー体、４は取付ねじをそ れぞれ示す。これらの構成部材のうち、配線基板１の具体例を図２に、カバー体 ３の具体例を図３に、電気部品２の具体例を図４にそれぞれ示し、また、上記取 付装置の要部の詳細を図５と図６に示してある。

【００１３】 図２は配線基板１を銅箔面側から見た図であり、銅箔で形成された回路パター ンについては省略してある。同図中、１１，１２は電気部品（ジャック）２に具 備された２つの端子２１，２２の挿入孔、１３，１４は他の種類の電気部品（ソ ケット型多極コネクタ）の端子の挿入孔をそれぞれ示しており、これらは、所定 の状態で配列されている。また、１５は取付ねじ挿通孔、１６は配線基板１の外 端縁の所定箇所に形成された凹所を示している。

【００１４】 図４と図５に示した電気部品２はジャックであり、絶縁性の合成樹脂で作られ た台座部２３と、上記端子２１，２２と、端子２２につながる接片２４と、端子 ２１につながる接片２５と、絶縁体２６などを有している。この電気部品２は、 図５のように端子２１，２２を配線基板１の挿入孔１１，１２に挿通して半田付 けすることにより配線基板１に固定されており、この固定状態において、台座部 ２３は配線基板１の板面に着座されている。また、端子２１，２２はそれぞれ板 片状に形成されていて、それらの端子２１，２２が互いに直交する状態に配置さ れている。このため、台座部２３が配線基板１の板面に着座していることと、端 子２１，２２が互いに直交する状態に配置されていることとが相乗し、配線基板 １に対して電気部品２がぐらつきなく強固に固定されている。その上、台座部２ ３の側面に端子２１，２２が重ね合わされているので、台座部２３が端子２１， ２２を補強する作用を果たすことになり、このことによっても、配線基板１に電 気部品２がぐらつきなく強固に固定される。なお、配線基板１に固定された多数 の電気部品２…で電気部品群が形成される。

【００１５】 図３に示したカバー体３は合成樹脂で成形されたものである。このカバー体３ は、上板部３１に所定の配列で電気部品２が挿通される多数の開口３２…を有す ると共に、上板部３１の外端縁部の全域に側板部３３を有し、さらに、上板部３ １や側板部３３の所定箇所に側板部３３と同一高さのポスト３４…が設けられ、 それらのポスト３４…にねじ孔３５…が形成されている。さらに、側板部３３の 所定箇所には位置決め用の突片３６…が設けられている。

【００１６】 このカバー体３は、電気部品２が実装された配線基板１に装着される。すなわ ち、個々の突片３６…をそれぞれに対応する配線基板１の凹所１６…に差し込む ことによって、カバー体３の開口３２…をそれぞれに対応する電気部品に嵌め込 み、配線基板１の取付ねじ挿通孔１５…に通した取付ねじ４をポスト３４のねじ 孔３５にねじ込んで締め付けることによって装着される。この装着状態では図５ のようにカバー体３の上板部３１が電気部品２の台座部２３の上面２３ａに接触 して重なる。これにより、電気部品２と配線基板１との取付状態にたとえぐらつ きがあっても、そのぐらつきが解消される。

【００１７】 上記構成の取付装置によれば、取付ねじ４を取り外すだけで合成樹脂製のカバ ー体３だけを個別に取り外して容易に再資源化することが可能である。また、カ バー体３を取り外した後では、個々の電気部品２についてその半田付け箇所を剥 がすことによって、その電気部品２を簡単に取り外すことができる。したがって 、故障した電気部品２だけを容易に交換することが可能である。

【００１８】 以上説明した実施例では、電気部品２を配線基板１に半田付け（ディップまた はリフロー）した後で、カバー体３をねじ止めしているけれども、電気部品２を 搭載（仮止め）した配線基板１にカバー体３をねじ止めした後で、電気部品２を 配線基板１に半田付けしてもよい。また、図７のように、カバー体３の開口３２ の２箇所または数箇所に突出片３８を設け、この突出片３８の先端部に突起３９ を具備させておき、電気部品２を開口３２から複数の突出片３８の間に挿入して 仮止めしておき、それに配線基板１を被せてねじ止めしてもよい。

【００１９】

【考案の効果】

請求項１の考案によると、合成樹脂で作られたカバー体だけを配線基板や電気 部品から個別に取り外すことがきわめて容易であるので、そのカバー体の再資源 化を促進する上できわめて有益である。その上、多数の電気部品のうちの特定の ものを交換するような場合には、カバー体を取り外した後、交換すべき電気部品 だけを簡単に取り外すことができるという利点もある。

【００２０】 請求項２の考案によると、電気部品がカバー体に取り付けられていないにもか かわらず、その取付状態が強固になるという効果がある。特に、電気部品の台座 部の側面に電気部品から導出された端子が重ね合わされているので、あたかも端 子の肉厚が台座部によって増大するような関係になって台座部が端子を補強し、 このことにより、配線基板１に電気部品２がぐらつきなく強固に固定されるとい う効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る電気部品の取付装置を概
略部分破断図である。

【図２】配線基板を銅箔面側から見た平面図である。

【図３】カバー体を裏面側から見た平面図である。

【図４】電気部品の側面図である。

【図５】電気部品取付装置の要部を示す断面図である。

【図６】図５のＡ矢視図である。

【図７】カバー体に電気部品を仮止めした状態を断面で
示した説明図である。

【符号の説明】

１ 配線基板 ２ 電気部品群 ３ カバー体 ４ 取付ねじ １５ 取付ねじ挿通孔 ２３ 台座部 ２３ａ 台座部の上面 ３２ 開口 ３５ ねじ孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 配線基板と、配線基板に形成された取付
   ねじ挿通孔と、配線基板に固定されたジャックや端子な
   どでなる電気部品群と、上記電気部品群を形成する個々
   の電気部品が挿通される開口を備えた合成樹脂でなるカ
   バー体と、カバー体に形成されたねじ孔と、配線基板の
   取付ねじ挿通孔を通してカバー体のねじ孔にねじ込まれ
   る取付ねじと、を有することを特徴とする電気部品の取
   付装置。
2. 【請求項２】 電気部品から導出された端子を配線基板
   に半田付けすることによって電気部品が配線基板に固定
   されており、その端子が電気部品に具備されて配線基板
   に着座されている台座部の側面に重ね合わされている請
   求項１記載の電気部品の取付装置。