JPH0575758B2 - - Google Patents

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JPH0575758B2
JPH0575758B2 JP61141082A JP14108286A JPH0575758B2 JP H0575758 B2 JPH0575758 B2 JP H0575758B2 JP 61141082 A JP61141082 A JP 61141082A JP 14108286 A JP14108286 A JP 14108286A JP H0575758 B2 JPH0575758 B2 JP H0575758B2
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monascus
fraction
pyridine
acetate buffer
column
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Shoichi Tarui
Nobukazu Tanabe
Ayumi Yoshida
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Gunze Ltd
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Gunze Ltd
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  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
発明の分野 本発明は、モナスカス(Monascus)属糸状菌
培養物の新規降圧画分に関する。本発明の新規降
圧画分は優れた血圧降下作用を有し、かつ、食用
にも適しており、高血圧改善用の医薬や食品の分
野で有用である。 発明の背景 モナスカス属の糸状菌は、いわゆる紅麹と称さ
れる醸造麹調製用の糸状菌として知られている。 本発明者らは、種々の麹の生理活性を検討する
間にある種の麹、とりわけこの紅麹に優れた血圧
降下作用が存在し、高血圧状態の改善に有用であ
ることを見出し、すでに特許出願した(特願昭60
−29131号)。 その後、さらに研究を重ねた結果、紅麹をはじ
め、モナスカス属の糸状菌の培養物をエタノール
や水などの溶剤で抽出した後、イオン交換クロマ
トグラフイーで分画して得られる特定の画分に、
培養物中の血圧降下作用を有する有効成分がほと
んど全て濃縮され、微量でも優れた高血圧改善効
果を発揮することを見出し、本発明を完成するに
いたつた。 発明の開示 本発明は、モナスカス属糸状菌培養物から採
取、分画された、下記の理化学的性質を有する新
規降圧画分を提供するものである。 (a) カラムクロマトグラフイー 28%酢酸水溶液に溶解し、PH3.1の0.2Mピリジ
ン−酢酸緩衝液で平衡させた強酸性陽イオン交換
樹脂カラム、例えば、アンバーライトCG120カラ
ムに吸着させ、55℃、流速50ml/時にて、カラム
の2倍容量分のPH3.1の0.2Mピリジン−酢酸緩衝
液を流して洗浄後、同じ条件で、PH4.6の0.4Mピ
リジン−酢酸緩衝液で溶出すると、中性アミノ酸
標品の溶出位置に対応するグリシンとγ−アミノ
酪酸の中間の位置に溶出する。 (b) 溶解性 水、メタノール、エタノール、アセトンに可
溶、n−ブタノール、酢酸エチル、ヘキサン、ベ
ンゼン、クロロホルムに不溶。 (c) 性状および外観 高粘度の液体、こげ茶色。 (d) 分子量 ゲル濾過法による分子量3000以下の物質の混合
体。 (e) 呈色反応 ニンヒドリン反応およびフオーリン反応陽性。 なお、逆層カラム、たとえば、μ−Bondapak
C−18による該画分の高速液体クロマトグラフイ
ーはアセチルコリンの存在を示す。 本発明の降圧画分の調製に用いるモナスカス属
の糸状菌としては、当業者が入手できる公知のも
のでよく、例えば、モナスカス・アンカ
(Monascus anka)、モナスカス・ピロウサス
(Monascus pilosus)、モナスカス・ルーバー
(Monascus ruber)、モナスカス・プープレウス
(Monascus pupureus)、モナスカス・メージヤ
ー(Monascus major)、モナスカス・ビスポラ
ス(Monascus bisporus)、モナスカス・ルブロ
パンクタタス(Monascus rubropunctatus)、モ
ナスカス・コウリヤン(Monascus kaoliang)、
モナスカス・アルビダス(Monascus albidus)、
モナスカス・アラネオサス(Monascus
araneosus)、モナスカス・フリジノサス
(Monascus fuliginosus)、モナスカス・パキシ
イ(Monascus paxi)、モナスカス・ パビジー
ラス(Monascus pubigerus)、モナスカス・ル
ビシセノーサス(Monascus rubiginosus)、モナ
スカス・セロルビセンス(Monascus
serorubescens)、モナスカス・ビトレウス
(Monascus vitreus)およびモナスカス・アルバ
ス(Monascus albus)ならびにこれらの変種お
よび変異種から選ばれる糸状菌が挙げられ、これ
らは単独でも、2種以上併用してもよい。とりわ
け、血圧降下作用の強い画分が得られるところか
ら、モナスカス・ピロウサス、モナスカス・アン
カ、これらの変種および変異種が好ましい。 用いるモナスカス属糸状菌培養物は該糸状菌を
公知の方法に従つて培養した固体または液体培養
物いずれでもよく、代表的なものとしては、精白
米、玄米、麦、栗、コウリヤン、ソバ、トウモロ
コシ、大豆、小豆などの各種の穀類や、それらの
糠、フスマ、胚芽、モミガラ等のでん粉質原料の
1種または2種以上を用い、公知の固体麹法(バ
ラ麹法、餅麹法)または液状麹法に従つて培養し
た、いわゆる紅麹が挙げられる。また、モナスカ
ス属糸状菌の増殖に必要な各種の炭素源、窒素
源、無機質、ビタミン等を用いて調製した液体培
地を用いて培養した培養液も使用できる。一般
に、20〜40℃で、2〜14間糸状菌を好気的に培養
することにより、血圧降下作用の強い画分を含有
する培養物が得られる。 培養物からの採取は、例えば、メタノール、エ
タノール、アセトン、水等の溶媒による抽出、こ
れらの溶媒への溶解、n−ブタノール、酢酸エチ
ル、ヘキサン、ベンゼン、クロロホルム等の溶媒
による不純物の抽出除去などの操作を適宜組み合
わせて行うことができ、液体培養物の場合は、予
め、遠心分離等により菌体を除去しておいてもよ
い。これらの操作は、一般に、室温で行うことが
でき、溶媒は常法により、減圧下にて除去するこ
とができる。 所望の画分の分画は、採取した物質を、例え
ば、28%酢酸水溶液に溶解し、強酸性陽イオン交
換樹脂、例えば、ダウエツクス50W−X8、アン
バーライトCG−120などの樹脂のカラムクロマト
グラフイーに付し、ピリジン−酢酸緩衝液で溶出
することにより行うことができる。 溶出液から常法により溶媒を除去すると、前記
のごとき、理化学的性質を有する降圧画分が得ら
れる。この画分は、所望により、凍結乾燥等の処
理を施してもよく、それらも、本発明範囲のもの
である。 本発明の新規降圧画分はそのままの形態で高血
圧改善剤として用いることができ、また、賦形剤
や担体などと組み合わせて各種の医薬品の形態、
例えば、カプセル剤、粉末、顆粒、ペースト、注
射剤などの形態をとることもできる。また紅麹自
体は従来から中国などで食品の製造原料として用
いられてきたものであり、本発明の画分も各種の
食品に添加して食品添加物の形態とすることもで
きる。 本発明の新規降圧画分は、ラツトにおける
LD50値が、5g/Kg以上(経口)であることか
らわかるように安全であり、従つて摂取量ないし
投与量は改善すべき高血圧状態に応じて広範に変
化させることができる。一般に、穏やかな高血圧
状態の改善が達成されのに必要な摂取ないし経口
投与すべき量は、紅麹の場合は乾燥物として1日
当たり1〜200gであるのに対し、本発明の画分
の場合は1日当たり、0.025〜5000mgと、極めて
微量でよい。 発明の効果 高血圧自然発症ラツト(以下、SHRと称す
る。)における、後記実施例1で調製した紅麹お
よび本発明によるその降圧画分の血圧に及ぼす影
響を試験した。 また、対照として、紅麹の原料とした精白米を
同様な条件で浸漬、水切りし、蒸煮滅菌後、40℃
で水分含量12%に乾燥して得た蒸煮米を用いた。 紅麹および対照の蒸煮米の栄養成分分析の結果
は第1表のとおりである。
【表】 試験は1群8頭の雄のSHR(平均体重351g)
を用いて行つた。半合成飼料に紅麹を10%加えた
飼料、本発明画分を紅麹10%に相当する0.00025
%加えた飼料、および対照として蒸煮米を10%添
加した飼料を調製し、3群のラツトに対して、3
週間、蒸留水と共に自由摂取させて飼育した。週
1回、ラツト尾動脈圧測定装置PS−100で血圧を
測定し、血圧変化を追跡した。 各飼料の組成を第2表に、また、血圧測定結果
を添付の第1図に示す。
【表】
【表】 第1図に示す如く、紅麹または本発明画分を加
えた飼料を与えた群ではいずれも著しい血圧降下
作用が認められる。また、3週間後、各飼料の投
与をやめ、市販の固形飼料(CE−2)に切り替
えたが、通常は3〜4日で対照群のレベルに戻る
べきところ、さらに1週間後でも対照群より低い
血圧を示しており、紅麹および本発明画分の血圧
降下作用に強い持続性が認められる。 なお、試験期間中、ラツトの体重変化や飼料摂
取量は各群において差異は認められなかつた。ま
た、紅麹および本発明画分のミネラル代謝に与え
る影響を調べるにために、飼料摂取3週間後、ラ
ツトをメタボリツクケージに2日間入れ、ミネラ
ルの摂取量、糞および尿中のミネラルの排泄量、
排泄率を求めたが、各群間に大きな差は認められ
なかつた。 第1図に示す如く、紅麹投与群と本発明画分投
与群はほぼ同様な血圧降下状態を示示しており、
投与量等からみて、本発明画分には紅麹中の血圧
降下作用を有する有効成分がほとんど全部回収さ
れていることが判明した。これより紅麹を本発明
の画分とすることにより極めて微量で紅麹同様の
優れた高血圧改善効果が期待できることがわか
る。また、作用機序については不明であるが、ア
ルギ酸などの食物繊維が有している消化管内での
イオン交換反応に伴うミネラル代謝の変化とは異
なつた別の作用機序によるものと考えられる。 以上のように本発明の画分は高血圧状態を改善
する優れた作用を有し、医薬品あるいは食品の分
野で非常に有用である。 実施例 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明するが、これらに限定されるものではない。 実施例 1 精白米を12時間水に浸漬した後、1時間水切り
し、120℃にて30分間蒸煮滅菌して蒸米を得た。
これにモナスカス・ピロウサスIFO4520を接種
し、好気的に30℃で8日間静置培養した後、送風
乾燥機を用いて50℃で乾燥して水分率12%の紅麹
を得た。 この紅麹10Kgを室温で1週間、4倍量のエタノ
ールに浸漬した後、エタノール層と残渣を別
し、残渣は同様にしてさらに2回、エタノール抽
出を行つた。全エタノール抽出液を減圧下、50℃
で濃縮乾固してエタノール抽出物141.2gを得た。 このエタノール抽出物141.2gを水2および
酢酸エチル500mlに溶解し、撹拌し、放置した後、
水層と酢酸エチル層とを分離した。該水層を酢酸
エチル500mlで4回、続いてn−ブタノール500ml
で5回抽出して不純物を除去した。次いで該水層
を減圧下で濃縮して水抽出物71.4gを得た。 該水抽出物71.4gを28%酢酸水溶液250mlに溶
解し、室温においてPH3.1の0.2Mピリジン−酢酸
緩衝液で平衡化したダウエツクス50W−X8カラ
ム(内径4.7cm×高さ28.5cm、500ml、50〜100メ
ツシユ、ピリジン型)に吸着させ、PH3.1の0.2M
ピリジン−酢酸緩衝液2.5で未吸着物を溶出し
て洗浄した後、PH4.9の0.1Mピリジン−酢酸緩衝
液2.5を用いて流速100ml/hrで溶出した。溶出
液を濃縮し、凍結乾燥して活性画分6.1gを得た。
該活性画分6.1gを28%酢酸水溶液に溶解し、55
℃においてPH3.1の0.2Mピリジン−酢酸緩衝液で
平衡化したアンバーライトCG−120タイプカラ
ム(内径0.9cm×高さ156cm、100ml、400〜600メ
ツシユ)に吸着させ、PH3.1の0.2Mピリジン−酢
酸緩衝液200mlで洗浄した後、PH4.6の0.4Mピリ
ジン−酢酸緩衝液を用いて流速50ml/hrで溶出し
た。中性アミノ酸の溶出位置に相当する溶出物を
集めて、減圧濃縮し、凍結乾燥して、前記の理化
学的性質を有する所望の降圧画分230mgを得た。 この降圧画分はこげ茶色の外観を呈し、性状は
高粘度の液体である。また、該画分5mgを水1ml
に溶解したときのPHは4.7である。 このアンバーライトCG−120タイプカラムか
らの溶出パターンを添付の第2図に示す。第2図
は、溶出液を5mlずつのフラクシヨンに分けて捕
集し、各フラクシヨンのSHRにおける血圧降下
作用をつぎのとおり検定し、フラクシヨンNo.に対
してプロツトしたグラフである。 SHRをウレタンで麻酔し、右側頚動脈を露出
する。これに圧力計に接続した動脈脈カニユーレ
を挿入した。この状態のSHRに、生理的食塩水
に溶解し、PH7.0に調整した各フラクシヨンの乾
燥物を250μg/KgSHR体重で静脈脈注射し、血圧
変化を観察した。血圧降下率は静脈注射直前の血
圧に対する注射後の血圧の減少率(%)で示し
た。 第2図に示すごとく、フラクシヨンNo.12〜32に
著しい血圧降下作用が認められる。このフラクシ
ヨンNo.12〜32は、図中、矢印で示すグリシン標品
とγ−アミノ酪酸標品の溶出位置の中間に位置
し、中性アミノ酸標品の溶出位置に対応する。こ
れらを合した画分が本発明の降圧画分である。 また、これらのフラクシヨンNo.12〜32は、つぎ
の方法によるニンヒドリン反応およびフオーリン
反応に対して陽性を示した。 ニンヒドリン呈色反応 溶出液0.05mlを水0.95mlと混合し、これにA液
0.2ml、B液1mlおよびC液5mlを加えて撹拌す
る。ついで、100℃で15分間加熱する。希釈液5
mlを加え、570nmにおける吸光度を測定する。 A液:ニンヒドリン溶液 ニンヒドリン2.5gをメチルセロソルブ
50mlに溶解。 B液:シアン化カリウム溶液 0.01mol/シアン化カリウム水溶液5
mlをメチルセロソルブ245mlと混合。 C液:クエン酸緩衝液 クエン酸−水塩21gを蒸留水200mlに溶
解。1N水酸化ナトリウム水溶液200mlを
加えた後、さらに蒸留水を加えて全量を
500mlとする。 希釈液:60%エタノール フオーリン呈色反応 溶出液20μに蒸留水230μおよびC液1.25ml
を加えて撹拌する。約10分間放置した後、D液
125μを加えて撹拌し、30分間放置し、750nmに
おける吸光度を測定する。 A液:2%炭酸ナトリウム水溶液/0.1N水酸
化ナトリウム水溶液 B液:0.5%硫酸銅五水塩/0.1%酒石酸ナトリ
ウム水溶液 C液:A液50mlおよびB液1mlを混合。 D液:50%フエノール試液 なお、第2図のA−2ピークに相当するフラク
シヨンを集め、高速液体クロマトグラフイー(カ
ラム:μ−Bondapak C−18,3.9×300mm;溶出
液:アセトニトリル−0.1%トリフルオロ酢酸水
溶液(3:97);流速:1.0ml/分;検出:RI)に
付したところ、アセチルコリンの存在が確認され
た。添付の第3図にそのクロマトグラムを示す。
アセチルコリンは降圧物質として公知であるが、
該A−2ピークの一部として含有されるもので、
本発明に降圧画分の血圧降下活性に占めるその効
果の割合は小さいものと考えられる。 かくして、実施例1で得られた降圧画分の血圧
降下作用をつぎのとおり検定した。 SHRをペントバルビタール麻酔し、右側頚動
脈を露出した。圧力計と接続した動脈カニユーレ
を該動脈中に挿入した。次いで、生理食塩水に溶
解したのちPHを7.0に調整した該紅麹降圧画分を
静脈注射して血圧の変化を記録した。投与前の血
圧を100%としたとき、0.1mg/Kg体重での投与の
場合は最大14%、1.0mg/Kg体重での投与の場合
は最大41%の血圧降下が認められた。 実施例 2 水分率40%に調製した小麦を120℃で30分間蒸
煮滅菌した後、モナスカス・ピロウサスIFO4520
を接種し、好気的に30℃で7日間静置培養した。
これを通風乾燥機を用いて50℃で乾燥し、水分率
12%の紅麹を得た。 該紅麹10Kgを室温にて1週間、10倍量のメタノ
ールに浸漬し、次いでメタノール層および残渣を
別した。該残渣は同様にしてさらに2回メタノ
ール抽出を行つた。全メタノール抽出液を減圧
下、50℃で濃縮乾固してメタノール抽出物211.8
gを得た。 該メタノール抽出物211.8gを水2および酢
酸エチル500mlに溶解し、撹拌し、放置した後、
水層と酢酸エチル層に分離させた。該水層を酢酸
エチル500mlで4回、続いてn−ブタノール500ml
で5回抽出して不純物を除去した。次いで該水層
を減圧下で濃縮して水抽出物137.1gを得た。 該抽出物137.1gを28%酢酸水溶液250mlに溶解
し、室温においてPH3.1の0.2Mピリジン−酢酸緩
衝液で平衡化したダウエツクス50W−X8カラム
(内径4.7cm×高さ28.5cm、500ml、50〜100メツシ
ユ、ピリジン型)に吸着させ、PH3.1の02Mピリ
ジン−酢酸緩衝液2.5で未吸着物を溶出して洗
浄した後、PH4.9の1.2Mピリジン−酢酸緩衝液2.5
を用いて流速100ml/hrで溶出した。該当する
溶出物を濃縮し、凍結乾燥して活性画分11.8gを
得た。該活性画分11.8gを28%酢酸水溶液に溶解
し、55℃においてPH3.1の0.2Mピリジン−酢酸緩
衝液で平衡化したアンバーライトCG−120タイプ
カラム(内径0.9cm×高さ156cm、100ml、400〜
600メツシユ)に吸着させ、、PH3.1の0.2Mピリジ
ン−酢酸緩衝液200mlで洗浄した後、PH4.6の
0.4Mピリジン−酢酸緩衝液を用いて流速50ml/
hrで溶出した。中性アミノ酸抽出画分に相当する
溶出物を集めて濃縮し、凍結乾燥して前記の理化
学的性質を有する本発明の画分443mgを得た。 かくして得られた本発明の画分を食品添加物と
してパン生地原料に配合してパン生地を調製し
(組成を第3表に示す)、これを180℃で35分かけ
て焼き上げてパンを製造した。また同時に本発明
の画分の代わりに、小麦から調製した前記の紅麹
を60℃で通気乾燥し、通常の方法で100メツシユ
より細かく粉末化した紅麹粉を、前記した本発明
画分の配合量に相当する量だけ添加したパンを作
製した。対照として本発明画分、紅麹粉を添加し
ないパンを同様にして製造して用いた。これらの
3試験区に対し、外観、風味および血圧降下効果
について比較した。
【表】 外観については、紅麹粉添加区ではパン全体が
薄赤色に着色したが、本発明画分添加区は対照区
と比して大きな差異は認められなかつた。 風味については、鋭敏な味覚を有する男女各10
名に試食させてパネル試験を行つた。その結果、
20名全員が本発明画分添加区と対照区とでは風味
的に差異は認められないと判定した。一方、紅麹
粉添加区では、焼成直後において20名全員が風味
的な差異は認められないと判定したが、一昼夜常
温で放置したものについては、20名中12名(男5
名、女7名)が、本発明画分添加区と対照区と比
して、パサパサした舌ざわりを認め、若干風味的
に劣ると判定した。 血圧降下作用については次のようにして判定し
た。前記した3区のパンを60℃で通気乾燥し、ミ
キサーを用いて粉末状とした。この粉末を用いて
第4表に組成を示す試験飼料を調製した。
【表】 この飼料を蒸留水と共に1群が6匹の10週令
SHRよりなる4群に15日間、自由摂取させた。
その間、5日毎にラツト尾動脈圧測定装置PS−
100を用いて尾動脈圧を測定した。得られた結果
を第5表に示す。
【表】 第5表から明らかな如く、本発明画分添加パン
区と紅麹粉添加パン区ではほぼ同程度の血圧上昇
抑制効果が見られた。 紅麹粉添加パン区においても紅麹量は飼料全体
に対して0.3%と少量であつて日常無理なく摂食
できる量であるが、紅麹を本発明の降圧画分に置
き換えることによつて添加量をさらに極微量と
し、なおかつ同程度の血圧降下効果が達成され
る。また紅麹添加パンは外観および風味の点で一
般のパンより若干劣るが、本発明の降圧画分を使
用したパンではかかる問題は全くなく、このよう
に必要添加量が極微量であるためにパンのみなら
ずその他の食品に対してもそれらの諸性質を変え
ることなく使用できる。 実施例 3 グルコース3.0%、グリセロール7.0%、ペプト
ン0.8%、大豆粉3.0%、MgSO4・7H2O0.1%およ
びNaNO30.2%を含有するPH7.0の液体培地にモナ
スカス・アンカIFO6540を接種し、30℃で10日間
好気的に培養した。遠心分離により菌体を除去し
た後、得られた培養液2に酢酸エチル500mlを
加え、撹拌し、放置した後、水層と酢酸エチル層
を分離した。該水層を酢酸エチル500mlで4回、
続いてn−ブタノール500mlで5回抽出して不純
物を除去した。該水層を減圧下で濃縮して固形物
101.7gを得た。該固形物101.7gを実施例1およ
び2と同様にダウエツクス50W−X8を用いるイ
オン交換クロマトグラフイー、続いてアンバーラ
イトCG−120を用いるイオン交換クロマトグラフ
イーに付して精製し、本発明画分328mgを得た。 この降圧画分を生理食塩水に溶解し、1N水酸
化ナトリウム水溶液でPH7.0に調整した後、経口
ゾンテを用いて、12時間絶食させた13週令の
SHR8頭に5mg/Kg体重で投与した。対照とし
て、同様にSHR8頭に生理食塩水のみを投与し
た。3時間後、ラツト尾動脈圧測定装置PS−100
で血圧を測定した結果、対照群では血圧が平均
173mmHgであつたのに対し、紅麹エキス投与群で
は平均154mmHgであり投与時と比して11%と顕著
な低下が見られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の降圧画分をSHRラツトに投
与したときの血圧変化を表わすグラフ、第2図は
本発明の降圧画分のアンバーライトCG−120カラ
ムクロマトグラフイーにおける溶出パターンを示
すグラフ、第3図は第2図にA−2ピーク中のア
セチルコリン同定結果を示す高速液体クロマトグ
ラムである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 モナスカス(Monascus)属糸状菌培養物か
    ら採取、分画された、下記の理化学的性質を有す
    る新規降圧画分。 (a) カラムクロマトグラフイー 28%酢酸水溶液に溶解し、PH3.1の0.2Mピリジ
    ン−酢酸緩衝液で平衡させた強酸性陽イオン交換
    樹脂カラムに吸着させ、55℃、流速50ml/時に
    て、カラムの2倍容量分のPH3.1の0.2Mピリジン
    −酢酸緩衝液を流して洗浄後、同じ条件で、PH
    4.6の0.4Mピリジン−酢酸緩衝液で溶出すると、
    中性アミノ酸標品の溶出位置に対応する位置に溶
    出する。 (b) 溶解性 水、メタノール、エタノール、アセトンに可
    溶、n−ブタノール、酢酸エチル、ヘキサン、ベ
    ンゼン、クロロホルムに不溶。 (c) 性状および外観 高粘度の液体、こげ茶色。 (d) 分子量 ゲル濾過法による分子量3000以下の物質の混合
    体。 (e) 呈色反応 ニンヒドリン反応およびフオーリン反応陽性。 2 該モナスカス属の糸状菌が、モナスカス・ア
    ンカ(Monascus anka)、モナスカス・ピロウサ
    ス(Monascus pilosus)、モナスカス・ルーバー
    (Monascus ruber)、モナスカス・プープレウス
    (Monascus pupureus)、モナスカス・メージヤ
    ー(Monascus major)、モナスカス・ビスポラ
    ス(Monascus bisporus)、モナスカス・ルブロ
    パンクタタス(Monascus rubropunctatus)、モ
    ナスカス・コウリヤン(Monascus kaoliang)、
    モナスカス・アルビダス(Monascus albidus)、
    モナスカス・アラネオサス(Monascus
    araneosus)、モナスカス・フリジノサス
    (Monascus fuliginosus)、モナスカス・パキシ
    イ(Monascus paxi)、モナスカス・パビジーラ
    ス(Monascus pubigerus)、モナスカス・ルビ
    ジノーサス(Monascus rubiginosus)、モナスカ
    ス・セロルビセンス(Monascus
    serorubescens)、モナスカス・ビトレウス
    (Monascus vitreus)およびモナスカス・アルバ
    ス(Monascus albus)ならびにこれらの変種お
    よび変異種から選ばれる前記第1項の画分。 3 該培養物が紅麹である前記第1項の画分。
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