JPH0574492B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は引手部材を取り付けられた構造部品、
特に自動車の後部座席のための座部に関する。

座部を前に折り倒すことができるようにするた
め、通常は座部の裏側に引つ張り手段として、そ
れを持つて座部を引つ張ることのできる引手が取
り付けられている。このような引手部材は他の構
造部品にも見られる。たとえば、自動車の中間ひ
じ掛けまたは鎖錠機構などにも見られる。自動車
の分野ではこの種の引手部材は２本のネジによつ
て該当する構造部品に取付けられてきた。２本の
ネジが必要なのは引手部材が回転するのを確実に
防止するためである。しかしながら、この取付け
方法では組立の際に時間がかかり、したがつて高
価につく。しかし、このような引手部材は比較的
大きい荷重を受けるので、より安価に引手部材を
該当する構造部品に結合するよい方法がこれまで
見出されなかつた。

したがつて、本発明の目的は引手部材をできる
だけ安価に構造部品に対して回転の心配なく確実
に結合できるような、上記種類の引手部材付構造
部品を提供することである。

しかしてこの目的を達成するため、本発明によ
れば次のごとき引手部材付構造部品が提供され
る。すなわち、構造部品のパネル領域内には一端
が拡大開口で終端するスロツトが設けられてお
り、該引手部材は該拡大開口内に挿入可能な係止
頭部によつて該スロツトの該拡大開口とは反対の
側のスロツト端部に着座され、該係止頭部は該引
手部材とは反対側の該パネル領域上において該ス
ロツトの幅を超えて延在する両側縁部を有してお
り、そして該係止頭部には該拡大開口と係合する
ロツクノブをもつ弾性を有する継目板が設けられ
ていることを特徴とする構造部品である。この本
発明の構成によれば、引手部材はその係止頭部を
拡大開口に挿入し、次にロツクノブが拡大開口に
はまり込むまでスロツト内を移動させることによ
つてなんら工具を要することなく簡単に取り付け
ることができる。そして引手部材は不用意に抜け
出ることが確実に防止された状態で鎖錠係合式に
構造部品と結合される。したがつて、迅速簡単か
つ価格的に有利な組立が可能となる。ネジやびよ
うのごとき付加的な固定要素が全く必要ないから
製造コストも安い。

発明の特に有利な実施態様によれば、係止頭部
とロツクノブとは上から見て長方形の形状であ
り、該拡大開口はそれに一致する長方形断面を有
しそして該スロツトと共にＴ字形通路を形成す
る。この実施態様の場合では引張力が加えられた
時、係止頭部とロツクノブは比較的大きな面でス
ロツトおよび拡大開口の側部境界面に当接し、こ
れによつて引手部材の材料に過度の応力を与える
ことなく大きな力を伝達することが可能となる。

係止頭部が引手部材の長手方向軸と同軸的に配
設され、そしてロツクノブつき継目板がこれに対
して横に、該引手部材に対して直角方向にのびる
ようにすれば、通常生じる力はすべて係止頭部か
ら構造部品のパネル領域に導かれ、このためロツ
クノブはもつぱら回転を阻止する安全手段として
機能する。さらにまた、係止頭部がスロツトの中
で移動するのを阻止する働きをする。したがつ
て、引手部材に加えられた力によつてロツクノブ
が拡大開口から外れそしてその安全手段としての
機能が失われるような心配はない。

後部座席の座部の場合には、拡大開口を持つス
ロツトがパネル領域の内向きに型打ちされた区域
の中に設けられるのが好ましい。このように絞り
成型することによつて座席部材が使用時に座席台
座の上でなく引手部材の上に載つてしまい、これ
によつて座席部材が変形または破損されてしまう
ことがなくなる。

内向きに型打ちされた区域の中に、係止頭部か
らロツクノブまでの距離だけ離れた拡大開口に隣
接する位置にそのロツクノブの高さだけさらに深
く型打ちされた深絞り域を設けることにより係止
頭部のスロツト内への挿入は格段と容易になる。
この深絞り域によつて係止頭部を差し込んだ瞬間
に係止頭部がスロツトの面と並行になることがで
きる。

本発明は多くの実施態様が可能である。そのう
ちの１つを以下に図面を参照しながら説明する。

第１図は鋼板製のパネル領域１を示すものであ
り、この場合、パネル領域１は自動車の後部座席
の座部の台座の一部をなすものであり、残余の部
分は省略されている。このパネル領域１は図で見
て上向きにプレスされた型打ち区域２を有する。
この型打ち区域内においてパネル領域１に１本の
引手部材３が取付けられている。この引手部材は
弾性合成材料から作られており、その上側にそれ
を握つて座部を倒すための把手４を有する。

パネル領域１と結合するために、引手部材３は
その長方向軸と同軸上の下端部に係止頭部５を有
し、それから離隔した位置にロツクノブ６を有し
ている。このロツクノブ６は弾性を有する継目板
７によつて係止頭部５と連結されている。継目板
７の延長線上には図で見てロツクノブより手前の
個所に前記型打ち区域２よりさらに深く上方にプ
レスされた深絞り区域８が存在している。

本発明にとつて重要な要素は型打ち区域２に存
在するスロツト９である。このスロツト９はその
一端が長方形の拡大開口１０で終端している。こ
の拡大開口１０には下からロツクノブ６が差し込
まれておりそして該拡大開口１０と係合してい
る。係止頭部５は拡大開口１０とは反対側のスロ
ツト９の端部に着座しておりそしてスロツト９の
両側を超えてその上に延在している両側縁部１
１，１２をもつてスロツト９と係合している。係
止頭部５の寸法は上から見てロツクノブと一致す
る。

第２図はパネル領域１の型打ち区域２および引
手部材３のロツクノブ６が拡大開口の中にはまり
こんでいる模様を詳細に示す。

引手部材３をパネル領域１に取り付ける方法は
第３図から容易に理解されるであろう。まず最初
に係止頭部５をスロツト９の拡大開口１０に差し
込む。この時には、ロツクノブ６は深絞り域８に
位置している。次に第３図で見て左の方向に引手
部材３を移動させる。このさいに、ロツクノブ６
は継目板７の弾性のために最初下方に撓み、その
あと拡大開口１０の中にスナツプばめ式にはまり
こむ。これによつて係止頭部５は拡大開口１０に
向つて戻り運動するのが阻止される。さらに、ロ
ツクノブ６は引手部材が回転するのを阻止する。

第４図は引手部材３の下部の構成を詳細に示
す。図に見られるように係止頭部５の縁部には導
入傾斜面１３が設けられており、係止頭部５を拡
大開口１０からスロツト９の中に滑り移動させる
のを容易にしている。さらに、ロツクノブ６はそ
の上側の係止頭部５の方を向いた縁部に傾斜１４
を有している。

第５図は係止頭部５が拡大開口１０の中に挿入
されまだスロツト９まで移動されていない状態を
示す。最終的に引手部材３をパネル領域１と結合
するためには図に示した位置から第５図を見て上
方向に、係止頭部５に代つてロツクノブ６が拡大
開口１０に到達するまで、引手部材３を移動させ
る必要がある。

第６図は係止頭部５の両側縁部１１，１２がス
ロツト９の両側の境界線を超えてきのこ状に延在
し、これによつて係止頭部が確実にスロツト９の
中に保持される様子を示している。

【図面の簡単な説明】

第１図は引手部材を具備した本発明による構造
部品のパネル領域を示す；第２図は第１図の線
−に沿つて取つた断面図である；第３図は第１
図の線−に沿つて取つた断面図である；第４
図は構造部品の第３図にで指示した領域の拡大
図である；第５図は第１図に示した構造部品の平
面図であるが、しかし鎖錠前の状態を示す；第６
図は第５図の線−に沿つて取つた部分拡大断
面図である。 〔主要部分の符号の説明〕、１……パネル領域、
１０……拡大開口、９……スロツト、３……引手
部材、５……係止頭部、６……ロツクノブ、７…
…継目板、２……型打ち区域、８……深絞り域。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 引手部材を取り付けた構造部品、特に自動車
   の後部座席のための座部において、該構造部品の
   パネル領域１内には一端が拡大開口１０で終端す
   るスロツト９が設けられており、該引手部材３は
   該拡大開口１０内に挿入可能な係止頭部５によつ
   て該スロツト９の該拡大開口１０とは反対の側の
   スロツト端部に着座され、該係止頭部５は該引手
   部材３とは反対側の該パネル領域１上において該
   スロツトの幅を超えて延在する両端縁部１１，１
   ２を有しており、そして該係止頭部５には該拡大
   開口１０と係合するロツクノブ６をもつ弾性を有
   する継目板７が設けられていることを特徴とする
   構造部品。 ２ 該係止頭部５と該ロツクノブ６とが上から見
   て長方形の形状であり、該拡大開口１０はそれに
   一致する長方形断面を有しそして該スロツト９と
   共にＴ字形通路を形成していることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載の構造部品。 ３ 該係止頭部５は引手部材３の長手方向軸と同
   軸的に配設されており、そしてロツクノブ６つき
   継目板７はこれに対して横に、該引手部材３に対
   して直角方向にのびていることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項に記載の構造部品。 ４ 該拡大開口１０を持つスロツト９が該パネル
   領域１の内向に型打ちされた区域２の中に設けら
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   乃至第３項のいずれか１項に記載の構造部品。 ５ 該内向きに型打ちされた区域２の中に、該係
   止頭部５からロツクノブ６までの距離だけ離れた
   設拡大開口１０に隣接する位置にそのロツクノブ
   ６の高さだけさらに深く型打ちされた深絞り域８
   が設けられていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項乃至第４項のいずれか１項に記載の構造
   部品。