JPH048042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車のラジエータグリルに取付け
られるエンブレムの取付構造に関する。

〈従来の技術〉 自動車のラジエータグリルには、その車両のシ
ンボルマークのエンブレムが取り付けられてい
る。このエンブレムの取付構造には、スクリユー
取付タイプとクリツプ取付タイプが一般的であ
る。

上記スクリユー取付タイプは第６図で示すよう
に、エンブレム本体１の裏面中央に筒軸２を突設
し、ラジエータグリル３に前記エンブレム本体取
付用の台座４を形成し、この台座４に前記筒軸２
の嵌合用穴５を設け、台座４の裏面より嵌合用穴
５に嵌合した筒軸２にスクリユー６をねじ込んで
固定する構造である。

上記クリツプ取付タイプは第７図で示すよう
に、エンブレム本体１の裏面上下に筒軸２ａ，２
ｂを突設し、この筒軸２ａ，２ｂにクリツプ７の
抜け止め軸部８を嵌着し、ラジエータグリル３に
前記エンブレム本体取付用の台座４を形成し、こ
の台座４に前記筒軸２ａ，２ｂが嵌合され、かつ
クリツプ７を係合する係合用穴５ａ，５ｂを設け
た構造である。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記スクリユー取付タイプの取付構造では、ボ
デーに固着したラジエータグリルにエンブレム本
体１を取付用とする場合、ラジエータグリル３の
裏側よりスクリユー６を筒軸２にねじ込まなけれ
ばならないが、ボデーに取付けたラジエータグリ
ルの裏面にはラジエータが設置されていて、スク
リユー６をねじ込むための工具が入り難く作業が
困難であるため、車両組立ラインとは別のライン
で専用的に取付けている。従つて、エンブレムを
取付ける別工程と組付用治具設備を必要としてい
る。

また、上記クリツプ取付タイプは、車両組立ラ
インでエンブレム１をワンタツチで台座４に取付
けられる利点があるが、２本のクリツプ７は別形
成した別部品であり、このクリツプ７の抜け止め
軸部８を筒軸２ａ，２ｂに圧入機にて挿入接着等
の予備工程を必要とし、コスト高となつている。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を解決したエンブ
レム取付構造を提供するもので、その特徴とする
構成は、エンブレム本体の裏面上下位置に係合爪
を形成した係止用脚と、この上下係止用脚の中間
部位に中央突起を設け、ラジエータグリルに前記
エンブレム本体取付用の台座を形成し、この台座
に前記上方の係止用脚の係合穴と、下方の係止用
脚の係合用横リブと、前記中央突起が当接されエ
ンブレム本体を前方に弾機的に押圧する横リブと
を設けたものである。

〈作用〉 上記の構成により、上方の係止用脚を台座の係
合穴に係止し、下方の係止用脚を係合用横リブに
係合する。このようにして台座に取付けられたエ
ンブレム本体は、中央突起が横リブに当接し、こ
の横リブの弾機作用にてエンブレム本体が前方に
押圧され、係止用脚の係合を確実に保持する。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第１図乃至第５図に基づ
いて説明する。第１図乃至第３図において、１０
は合成樹脂あるいはグラスカツト等よりなるエン
ブレム本体である。このエンブレム本体１０の裏
面には、上下部に係合爪１２ａ，１２ｂを形成し
た係止用脚１１ａ，１１ｂと、この係止用脚１１
ａ，１１ｂとの中間部位に中央突起１３とが一体
成形されている。

１４はラジエータグリルである。このラジエー
タグリル１４には前記エンブレム本体１０の取付
用の台座１５が形成されている。この台座１５に
は、前記上方の係止用脚１１ａの係合穴１６と、
下方の係止用脚１１ｂの係合用横リブ１７と、前
記中央突起１３が当接する横リブ１８とが設けら
れている。尚、中央突起１３の先端に小突起１３
ａを突設し、横リブ１８に前記小突起１３ａが左
右方向で蜜嵌合する縦長の位置決め穴１８ａを設
けてもよい。また、エンブレム本体１０の両側に
台座１５の両側へ嵌合される横方向ガタ止めの突
起１９を設けてもよい。

本考案は上記の通りの構造であるから、第４図
で示すように、エンブレム本体１０を台座１５に
対し傾斜した角度で上方の係止用脚１１ａを係合
穴１６に差し込み、係合爪１２ａを係合穴１６に
係止する。次いで、下方の係止用脚１１ｂを係合
用横リブ１７に押し込む。このとき、係合用横リ
ブ１７がたわみを生じ、係合爪１２ｂが係合用横
リブ１７を乗り越えた後にバネ力で復元し、係合
用横リブ１７に係合爪１２ｂが係合する。この下
方の係止用脚１１ｂの押し込みの際に、中央突起
１３が第５図で示すように横リブ１８に当接し、
横リブ１８にたわみを生じさせ、前記係合爪１２
ｂ係合用横リブ１７に係合後エンブレム本体１０
の押し込み力を解除すると、横リブ１８のたわみ
は復元してその弾機力にてエンブレム本体１０を
前方に押圧する。これにより係止爪１２ａ，１２
ｂの係合が強固となりエンブレム本体１０は台座
１５に確実に保持される。

前記係止用脚１１ａ，１１ｂ並びに中央突起１
３でエンブレム本体１０は台座１５に対し前後、
左右方向のガタを防止して取付けられるが、中央
突起１３の先端に小突起１３ａを設け、横リブ１
８に縦長の位置決め穴１８ａを明けてこれに小突
起１３ａを蜜嵌合させたり、エンブレム本体１０
の両側に突起１９を設けると横方向のガタ止めが
一層確実となる。尚、上記実施例ではラジエータ
グリルにエンブレム本体を取付けるようにした説
明であるが、他の部所にも適用することができ
る。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、台座にエンブレ
ム本体をワンタツチで取付けができる従来のクリ
ツプ取付タイプと同様の効果を確保しているうえ
に、構造が簡単でありコスト低減が図られ、前
後、左右方向のガタを防止して確実に固着される
利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は第１図にお
ける本考案要部の拡大図、第３図はエンブレムの
裏面図、第４図及び第５図は本考案の取付要領を
示す説明図、第６図及び第７図は従来の取付構造
を示す説明図である。 １０……エンブレム、１１ａ，１１ｂ……係止
用脚、１２ａ，１２ｂ……係止爪、１３……中央
突起、１５……台座、１６……係合穴、１７……
係合用横リブ、１８……横リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンブレム本体の裏面上下位置に係合爪を形成
   した係止用脚と、この上下係止用脚の中間部位に
   中央突起を設け、ラジエータグリルに前記エンブ
   レム本体取付用の台座を形成し、この台座に前記
   上方の係止用脚の係合穴と、下方の係止用脚の係
   合用横リブと、前記中央突起が当接されエンブレ
   ム本体を前方に弾機的に押圧する横リブとを設け
   たことを特徴とする自動車用エンブレムの取付構
   造。