JPH057427Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、窓枠の室内側に結露によつて生じ
た水を室外に排水できるようにした建築物の窓枠
に関し、特に、嵌め殺し窓の構造に関するもので
ある。

（従来の技術） アルミニウム系合金からなる窓枠において、冬
期に額縁部やガラス障子に結露した水を排出する
ため、ガラス障子の下のレール部分に排出用の小
孔を設けたものが知られている。また、室の内外
の温度差による結露自体を防止するものとして、
アルミニウム系合金からなる窓枠を室内側と室外
側に二分し、その間に合成樹脂等の断熱材を介装
することが試みられている。

そして、このような構成のドアにおいて、断熱
材の上面を傾斜状にし、この断熱材に通路を形成
すると共に、更に、額縁下辺部にも前記通路に連
通する小孔を形成して、額縁側縁部から落ちてき
た結露水をその傾斜面に沿つてその通路から前記
の小孔に向けて排出させるようにしたものがある
（実開昭60−57683号公報参照）。

（考案が解決しようとする課題） 上記公報に記載された排出装置は、額縁の上面
に落下した結露水をその額縁の通路から流すよう
にしたもので、このような構成では、額縁を伝わ
る結露水は排出できるとしても、ガラス障子の内
面を伝わつて落ちる結露水は排出することができ
ず、そのためには、断熱材にも小孔を設けなけれ
ばならず、構造が複雑となるなどの欠点があつ
た。

この考案は、このような従来の欠点を解消する
ことを目的としてなされたものである。

（課題を解決するための手段） 上記の課題を解決するため、この考案では、金
属製額縁の下辺部の上面に長手方向に沿う内外一
対の突縁を設け、この突縁間にそれら各突縁の先
端に取り付けたパツキンへ密着させるようにし
て、ガラス障子の下端を差し込み、かつ、そのガ
ラス障子の下端を額縁下辺部上面に長手方向に間
隔をおいて設けた突起に載せて支持した嵌め殺し
窓において、前記ガラス障子より内側の突縁のガ
ラス障子とは反対側の面に重ねて、その上面が前
記内側のパツキンよりも高く、かつ、そのパツキ
ンの上方に向けて下降するよう傾斜した断熱バー
を取り付ける一方、同じくガラス障子よりも内側
のパツキンに、ガラス障子に接触しかつ上下に貫
通する小孔を、ガラス障子よりも外側の突縁の下
端に内外に貫通する小孔をそれぞれ設けたことを
特徴とする。

（作用） 上記この構成によれば、断熱バー上面の水滴と
ガラス障子内面を下降する水滴の双方が、パツキ
ンに形成した小孔を介して下方に排出され、更
に、突起によつて形成される額縁下辺部の空間か
ら、外側の突縁下端の小孔を通つて外部に排出さ
れる。

（実施例） 図において、１は、開口部の下側を囲む建物の
壁、２は、その壁の開口面に取り付けた木製枠を
示している。この木製枠２の上面に、その木製枠
２の長手方向に沿う金属製の額縁下辺部１２が取
付けられている、額縁下辺部１２の上面には、長
手方向に沿う内外２条の突縁１２ａ，１２ｂが一
体に形成され、その突縁１２ａ，１２ｂ間には、
長手方向に間隔をおいて突起１２ｃを一体に突設
している。

ガラス障子１１の下端は額縁下辺部１２の前後
２本の突縁１２ａ，１２ｂ間に挿入されて、前記
所定間隔の突起１２ｃ上に支えられ、かつ突縁１
２ａ，１２ｂとの間に弾性パツキン１３，１３が
充填されている。その室内側のパツキン１３およ
び室外側の突縁１２ｂに、それぞれ排水用の小孔
１３ａおよび１２ｄが設けられ、額縁下辺部１２
の室内側部分１２ｅに断熱バー１４がボルト１５
で固定されている。該断熱バー１４がボルト１５
で固定されている。該断熱バー１４の下面および
該下面にあらかじめ形成されている室内側突条１
４ｂによつて、上記額縁下辺部１２の室内側部分
１２ｅの上面から室内側端部までの全面がカギ形
に被覆されている。この断熱バー１４は、額縁下
辺部１２の室内側に設けられている背の高い突縁
１２ａ、及び、その先端のパツキン１３に対応し
て、パツキンよりも高くかつその上面がパツキン
１３の上方に向けて下降傾斜する傾斜面とされて
いる。また、断熱バー１４の障子１１とは反対側
の上端コーナーより上方に突出してフランジ１４
ａを備えている。

（考案の効果） この考案によれば、ガラス障子の内面に密着す
るパツキンに上下に貫通する小孔を形成すると共
に、そのパツキンよりも障子とは反対側の側面に
設けた断熱バーの上面を、このパツキンよりも高
くすると共に、同じくパツキン上方に向けて下降
する傾斜面としているから、ガラス障子を伝わつ
て下降する水滴のみならず、額縁の側面から断熱
バーに流れ落ちた水滴をも、この小孔から排出す
ることができ、従来のように二種類の小孔を設け
る必要がないという効果がある。しかも、前記小
孔から落ちた水滴は、突起によつて形成されるガ
ラス障子下端の空間から外方に流出するので、即
ち、ガラス障子を支える突起を利用して通路を形
成しているので、このガラス障子の下端にも特別
の孔を加工する必要がないという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示す嵌め殺し窓下端
部の縦断面図である。 １１……ガラス障子、１２……窓枠の額縁下辺
部、１２ａ，１２ｂ……突縁、１２ｄ……小孔、
１３……パツキン、１３ａ……小孔、１４……断
熱バー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製額縁の下辺部の上面に長手方向に沿う内
   外一対の突縁を設け、この突縁間にそれら各突縁
   の先端に取り付けたパツキンへ密着させるように
   して、ガラス障子の下端を差し込み、かつ、その
   ガラス障子の下端を額縁下辺部上面に長手方向に
   間隔をおいて設けた突起に載せて支持した嵌め殺
   し窓において、前記ガラス障子より内側の突縁の
   ガラス障子とは反対側の面に重ねて、その上面が
   前記内側のパツキンよりも高く、かつ、そのパツ
   キンの上方に向けて下降するよう傾斜した断熱バ
   ーを取り付ける一方、同じくガラス障子よりも内
   側のパツキンに、ガラス障子に接触しかつ上下に
   貫通する小孔を、ガラス障子よりも外側の突縁の
   下端に内外に貫通する小孔をそれぞれ設けたこと
   を特徴とする建築物の窓枠。