JPH0574072U - 両面読取装置の濃度基準面の配置構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２個の読取ユニットを原稿通路を挟んで対向
させた構造の両面読取装置において、両方の読取ユニッ
トに対する基準色レベルの設定を簡単な動作で行うこと
ができる構造を提供することを目的とする。 【構成】 ２つの読取ユニットの一方（第１読取ユニッ
ト）５をキャリア４に搭載して移動自在に設け、他方の
読取ユニット（第２読取ユニット）８に対する基準色面
（第２基準色面）１６ａ、１６ｂをキャリア４に設け、
第１読取ユニット５に対する固定の基準色面（第１基準
色面）１２と第２読取ユニットの読取窓１９との位置関
係が、第２基準色面１６と第１読取ユニットの読取窓１
８との位置関係と対称になるように配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、原稿の両面のイメージデータや文字データを光電変換によって読 み取る両面読取装置に関するもので、特にフラットベッド部の側部に両面読取型 の移送原稿読取部を配置した装置において、移送原稿読取部の両面の読取ユニッ トに対する基準色レベルの設定を行うための基準色面をどのように配置するかに 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

本のような分厚い原稿を読み取るためのフラットベッド部１と、シート状の原 稿を自動給紙によって読み取る移送原稿読取部２とを備え、移送原稿読取部２は 両面読み取りを可能にした装置として、第３図に示す構造の装置が知られている 。

【０００３】 ここで１はフラットベッド部、２は移送原稿読取部であり、フラットベッド部 １は、原稿を載置する透明原稿台３と、この原稿台に沿って走行するキャリア４ と、このキャリアに搭載された読取ユニット（第１読取ユニット）５とによって 構成される。移送原稿読取部２は、原稿載せ台２２、ピックアップローラ２０、 原稿分離パッド２３などからなる自動給紙装置６と、原稿に改行送りを与えるフ ィードローラ７ａ、７ｂと、原稿の上面（裏面）を読み取るために用紙通路の上 方に固定的に設けられた第２読取ユニット８と、読取済原稿のスタッカ９とによ って構成される。

【０００４】 移送原稿読取時の原稿の下面（表面）の読み取りは、フラットベッド部のキャ リア４を移送原稿読取部２の下方に移動して停止させることにより、第１読取ユ ニット５で行う。なお、第１および第２読み取りユニット５、８中、２４は光源 ランプ、２５は反射ミラー、２６は結像レンズ、２７は一次元イメージセンサを それぞれ模式的に示したもので、２８は読取光の光路である。

【０００５】 光電変換による原稿の読み取りに際しては、光源ランプ２４の照度の変化や、 原稿の濃度のバラツキ等を補正するため、読取濃度の基準レベルを設定する必要 がある。この基準レベルの設定は、白基準面や黒基準面と呼ばれる基準色面を読 取ユニット５、８で読み取ることによって行われる。従来のこの種の装置では、 第１読取ユニット５に対する白基準面１２ａや黒基準面１２ｂは、透明原稿台３ の端部（キャリア４のホームポジション側端部）に設けられ、キャリア４をこの 位置で停止させて第１読取ユニット５に読取動作を行わせることにより、基準レ ベルの設定を行っている。

【０００６】 また第２読取ユニット８の白基準面１６ａや黒基準面１６ｂは、原稿の裏当て 面１７と共に設け、円筒状の裏当て２９を回動させたり、平板状の裏当てを水平 移動させたりして、第２読取ユニット８の読取窓１９に対向する面を白基準面１ ６ａや黒基準面１６ｂに切り換えることにより、基準レベルの設定を行っていた 。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような構造の従来の装置では、基準レベルの設定動作が、第１読取ユニ ット５に対してはキャリア４の移動位置決め動作を伴い、第２読取ユニット８に 対しては裏当て２９の回動や移動動作を伴うというように、第１読取ユニット５ と第２読取ユニット８に対する動作が別個のものとなるため、制御が複雑になる という問題があった。特に第２読取ユニット８に対しては、基準レベルの設定の ためだけに裏当て２９を回転可能な構造や摺動可能な構造とし、さらにその駆動 手段と位置決め手段とを設けてやらねばならず、機構的にも複雑になって装置の 製造コストを上昇させるという問題があった。

【０００８】 そこでこの考案は、両面読取装置の第１読取ユニット５と第２読取ユニット８ との両者の基準レベルの設定をより簡単な動作で行うことができるより簡単な構 造の装置を得ることを目的としてなされたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案では、両面読取装置の２つの読取ユニット５、８の一方（第１読取ユ ニット）５をキャリア４に搭載して移動自在に設けた両面読取装置において、他 方の読取ユニット（第２読取ユニット）８に対する基準色面（第２基準色面）１ ６ａ、１６ｂをキャリア４の第２読取ユニット８に対向する面に設け、従来と同 様に固定的に設けられた第１読取ユニット５に対する基準色面（第１基準色面） １２と第２読取ユニット８の読取窓１９との位置関係が、第２基準色面１６と第 １読取ユニット５の読取窓１８との位置関係に対称となるように配置している。

【００１０】 この場合において、第１および第２基準色面１２および１６としてそれぞれに 複数の色面１２ａｂ、１６ａｂが設けられるときは、その複数の色面相互の位置 関係は、第１のものと第２のものとが必ずしも対称である必要がなく、基準色面 全体１２、１６と読み取り窓１８、１９相互の位置関係が対称な位置関係となっ ていれば充分である。

【００１１】

【作用】

上述のように基準色面１２、１６を配置すると、キャリア４を移動させて第１ 基準色面１２に第１読取ユニットの読取窓１８を対向させると、キャリア４に搭 載された第２基準色面１６が第２読取ユニット８の読取窓１９に対向することと なる。従ってキャリア４の移動位置決めのみによって、第１読取ユニット５によ る第１基準色面１２の読み取りと、第２読取ユニット８による第２基準色面１６ の読み取りが同時に可能となり、複数の基準レベルを設定する必要がある場合で も、第１および第２基準色面１２、１６の複数の色面１２ａｂ、１６ａｂをキャ リア４を順次移動させることによって同時に切り換えて、第１および第２読取ユ ニット５、８で同時並行して読み取っていくことができる。

【００１２】 第１読取ユニット５と第２読取ユニット８に対する基準レベルの設定は、別個 に行われるので、第１読取ユニット５が例えば黒基準面１２ｂを読み取っている ときに、第２読取ユニット８が白基準面１６ａを読み取っていたとしても、その こと自体は制御や装置構造を複雑にすることはない。従って基準色面１２、１６ が複数の色面１２ａｂ、１６ａｂでできているときに、その複数の色面相互の配 置は必ずしも対称である必要はない。

【００１３】

【実施例】

次にこの考案の実施例を示す図１および図２について説明する。図において、 １はフラットベッド部、２は移送原稿読取部であり、３は透明原稿台、４はキャ リア、５は第１読取ユニット、６は自動給紙装置、７はフィードローラ、８は第 ２読取ユニット、９はスタッカであり、これらの構造および機能は、第３図で説 明した従来装置のものと異なるところはない。１０は移送原稿のガイドローラ、 １１は第２読取ユニットを収納しているユニットケースである。

【００１４】 キャリア４は、図の矢印方向に移動かつ位置決め自在であり、その駆動機構は 、周知であるので、図には示していない。

【００１５】 １２は第１読取ユニット５に対する基準色面（第１基準色面）、１３は裏当て 面（第１裏当て面）で、ユニットケース１１の下面に設けられている。第１基準 色面１２は、白基準面１２ａと黒基準面１２ｂの２つの色面で形成されている。 １６は第２読取ユニット８に対する基準色面（第２基準色面）、１７は裏当て面 （第２裏当て面）で、この第２基準色面１６も第１基準色面１２と同様に白基準 面１６ａと黒基準面１６ｂの２つの色面で形成されている。そしてこの第２読取 ユニット８に対する第２基準色面１６と第２裏当て面１７とは、キャリア４の上 面に第１読取ユニット５の読取窓（第１読取窓）１８と並べて配置されている。

【００１６】 キャリア４の上面に形成された第１読取窓１８と第２基準色面１６と第２裏当 て面１７との位置関係は、ユニットケース１１の下面に形成された第２読取ユニ ット８の読取窓（第２読取窓）１９と第１基準色面１２と第１裏当て面１３との 位置関係に対称である。従って図１に示すように、第１読取窓１８が第１裏当て 面１３と対向しているときには、第２読取窓１９が第２裏当て面１７と対向して おり、図２に示すように、第１読取窓１８が第１基準色面１２と対向していると きには、第２読取窓１９が第２基準色面１６と対向する。読取窓１８、１９がど の面に対向するかはキャリア４の移動のみによって決定される。

【００１７】 次に図示装置の動作について説明する。まず、移送原稿読取部２での読取動作 の開始に先立って、キャリア４を図２の実線の位置に移動させ、第１および第２ 読取ユニット５、８で、それぞれの白基準面１２ａ、１６ａを読み取り、それぞ れの白レベルを設定する。次に図２の想像線の位置にキャリア４を移動させ、第 １および第２読取ユニット５、８でそれぞれの黒基準面１２ｂ、１６ｂを読み取 り、それぞれの黒レベルを設定する。次にさらにキャリア４を図上左動させて図 １の位置に設定し、第１および第２読取ユニットの読取窓１８、１９をそれぞれ の裏当て面１３、１７に対向させる。そしてピックアップローラ２０およびフィ ードローラ７ａ、７ｂを回転駆動して用紙台２２上の原稿を一枚ずつ移送原稿読 取部２に送り込み、第１と第２の読取ユニット５、８の間を通過する原稿の両面 の情報を読み取る。

【００１８】 なお、フラットベッド部１での読み取りを行うときは、キャリア４を図２の実 線の位置と想像線の位置に順次移動させて第１読取ユニット５でその白基準面１ ２ａおよび黒基準面１２ｂを読み取って白レベルおよび黒レベルを設定し、次い でキャリア４をフラットベッド部１の下に移動させ、透明原稿台３に沿って走行 させながら透明原稿台３上に載置された原稿の情報を読み取る。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したこの考案の装置によれば、キャリアの移動のみによって第１読取 ユニットおよび第２読取ユニットを同時にそれぞれの基準色面に対向させること ができ、両方の読取ユニットに対する基準レベル設定時の装置の動作が単純化さ れ、制御も簡単になる。また第２読取ユニットに対する回動ないし移動可能な独 立した裏当て等の部材を必要としないので、装置構造も簡単になり、製造コスト を低減させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の両面読み取り状態を示す
側面図。

【図２】この考案の一実施例の基準レベル設定状態を示
す側面図。

【図３】同種の従来装置の一例を示す側面図。

【符号の説明】

４ キャリア ５ 第１読取ユニット ８ 第２読取ユニット 12 第１基準色面 16 第２基準色面 19 第８読取窓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する読取ユニット(5),(8) の一方
   （第１読取ユニット）(5) をキャリア(4) に搭載して移
   動自在に設けた両面読取装置において、他方の読取ユニ
   ット（第２読取ユニット）(8) に対する基準色面（第２
   基準色面）(16)をキャリア(4) の第２読取ユニット(8)
   に対向する面に設け、従来と同様に固定的に設けられた
   第１読取ユニット(5) に対する基準色面（第１基準色
   面）(12)を第２読取ユニット(8) に併置して固定側に設
   け、第１基準色面(12)と第２読取ユニット(8) の読取窓
   (19)との位置関係が、第２基準色面(16)と第１読取ユニ
   ット(5) の読取窓(18)との位置関係に対称となるように
   配置したことを特徴とする、両面読取装置の濃度基準面
   の配置構造。