JPH0573530B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、クランクシヤフトに穿設された油穴
の一端を封止するために鋼球等からなるプラグを
圧入する際に使用されるクランクシヤフトのプラ
グ圧入装置に関するものである。

（従来技術） ワークに穿設された油穴等の加工穴に鋼球等の
プラグを圧入して、該油穴を封止する装置として
は、例えば、実開昭57−145631号公報に開示され
た装置が知られている。即ち、ワークを固定状態
となし、プラグ圧入用の圧入ユニツトをシフトさ
せて、ワークに穿設された複数の加工穴に順次プ
ラグを圧入していくようにしたものがある。

（発明が解決しようとする問題点） 上記の如き構成の装置にあつては、ワーク側が
固定状態とされているため、プラグ圧入時におけ
る圧入ユニツトの動作範囲が必然的に大きくなる
ところから、動作時間の短縮に限界があり、作業
効率の向上が難しいという問題がある。特に、ク
ランクシヤフトの油穴のように、角度および穿設
位置が不規則なものに対してプラグ圧入を行うた
めの装置として、上記公知例の如き装置を用いる
と、作業効率向上を図ることが極めて困難とな
る。

本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、
クランクシヤフトの油穴へのプラグ圧入を極めて
迅速に行い得るように構成されたプラグ圧入装置
を提供することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明では、上記問題点を解決するための手段
として、クランクシヤフトを回転可能に水平支持
すべく構成されたワーク支持台を基台上において
水平移動可能に駆動制御する一方、前記クランク
シヤフトの油穴へのプラグ圧入を行うべく構成さ
れた圧入ユニツトを前記ワーク支持台に水平支持
されたクランクシヤフトの上方に位置せしめるべ
く支持する可動台を、前記基台上において前記ワ
ーク支持台と平行に水平移動可能に駆動制御する
とともに、前記ワーク支持台に、クランクシヤフ
トを割り出し回転させるべく作用する回転割出し
機構を設け、且つ前記可動台に、前記圧入ユニツ
トを前記クランクシヤフトの軸線を含む面上にて
旋回させるべく作用する旋回駆動機構を付設して
いる。

（作用） 本発明では、上記手段によつて次のような作用
が得られる。

即ち、圧入ユニツトを支持した可動台と、クラ
ンクシヤフトを支持したワーク支持台とが平行に
水平移動せしめられ、しかもクランクシヤフトが
回転割出し機構によつて割出し回転される一方、
圧入ユニツトがクランクシヤフトの軸線上で旋回
せしめられることによつて、圧入ユニツトの位置
決めが極めて迅速に行えることとなり、クランク
シヤフトに穿設された複数の油穴に対してプラグ
を順次圧入する際における動作時間が大巾に短縮
されるのである。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実
施例を説明する。

本実施例のプラグ圧入装置は、第１図および第
２図図示の如く、基台１上に共に水平移動可能に
配置されたワーク支持台４と可動台５とを備えて
いる。

前記ワーク支持台４および可動台５は、基台１
上に平行に設置された二対のレール２，２，３，
３上を平行に水平移動し得るようにされている。

前記ワーク支持台４上には、クランクシヤフト
６を支持すべく構成されたセンターシリンダー７
とクランプシリンダー８とが前記レール２，２と
同方向に相対向して設けられており、これらセン
ターシリンダー７とクランプシリンダー８との間
には、クランクシヤフト６が回転可能に支持され
ている。符号９はクランクシヤフト６の途中を保
持するためのクランプである。

そして、前記クランプシリンダー８側には、前
記クランクシヤフト６を所定回転角で割出し回転
させるための回転割出し機構１１として作用する
インデツクスモータが設けられている。

なお、前記ワーク支持台４は、サーボモータ１
０によつて駆動制御されるようになつている。

一方、前記可動台５のワーク支持台４側の側面
には、上下方向に延びるレール１４，１４に案内
されて昇降自在とされた昇降台１６が設けられて
いる。該昇降台１６は、可動台５上部に設けた駆
動シリンダー１７によつて昇降せしめられるよう
になつている。

該昇降台１６には、後述する旋回駆動機構１５
を介して圧入ユニツト１２が設置されている。

該圧入ユニツト１２は、後に詳述する構造を有
し、前記クランクシヤフト６に穿設された油穴１
３，１３……の一端部にプラグ（本実施例では鋼
球）を圧入するものであり、前記ワーク支持台４
に支持されたクランクシヤフト６の上方に位置せ
しめられている。

前記旋回駆動機構１５は、前記圧入ユニツト１
２を前記クランクシヤフト６の軸線を含む面上に
て旋回させるものであり、モータ１９と該モータ
１９によつて旋回せしめられる旋回ベースプレー
ト２１とで構成されている。

なお、前記可動台５は、ワーク支持台４と同様
にサーボモータ２２で駆動制御されるようになつ
ている。

前記圧入ユニツト１２は、第５図図示の構造を
有している。

即ち、この圧入ユニツト１２は、プラグ（以
下、鋼球という）２７をクランクシヤフト６の油
穴１３に圧入する圧入ロツド２１と、先端部にか
しめヘツド２２を有し前記圧入ロツド２１を内部
に摺動自在に収容する圧入シリンダー２３と、前
記鋼球２７を圧入ロツド２１の前方に供給すると
ともに前記圧入シリンダー２３を打撃する打撃部
材２４と圧入シリンダー２３とを内部に摺動自在
に収容するプラグ供給シリンダー２５と、該プラ
グ供給シリンダー２５を内部に摺動自在に収容す
るかしめシリンダー２６とを備えている。

而して、前記圧入シリンダー２３をクランクシ
ヤフト６における油穴１３の開口部に接近させた
後、前記圧入ロツド２１を前進させることにより
前記鋼球２７を油穴１３の開口部に圧入し、その
後プラグ供給シリンダー２５を前進させて打撃部
材２４により前記圧入シリンダー２３を打撃し、
該圧入シリンダー２３のかしめヘツド２２によつ
て前記油穴１３の開口縁をかしめて鋼球２７を油
穴１３の開口内に封止するのである（第５図鎖線
図示参照）。

次に図示の実施例にかかるクランクシヤフトの
プラグ圧入装置の作動順序を説明する。

第１図図示の状態にあるプラグ圧入装置におい
て、サーボモータ１０，１８、駆動シリンダー１
７、回転割出し機構として作用するインデツクス
モータ１１および旋回駆動機構１５を、クランク
シヤフト６の油穴１３に対応し得るように予じめ
設定された作動量だけ駆動させ、第３図図示の如
く、クランクシヤフト６における左端の油穴１３
に圧入ユニツト１２が対向するように位置せし
め、該圧入ユニツト１２を作動させて油穴１３内
に鋼球２７を圧入封止する。次にクランクシヤフ
ト６における左から二番目の油穴１３に鋼球２７
を圧入封止するには、サーボモータ１０，１８を
駆動させて、ワーク支持台４を矢印Ａ方向に、可
動台５を矢印Ｂ方向に移動させ、同時にインデツ
クスモータ１１によりクランクシヤフト６を反転
させ且つ駆動シリンダー１７および旋回駆動機構
１５により圧入ユニツト１２の角度調整をおこな
つて、第４図図示の如く油穴１３に圧入ユニツト
１２が対向する如く位置せしめた後、圧入ユニツ
ト１２を作動させて鋼球２７を油穴１３内に圧入
封止すればよい。

上記の如き操作を繰り返すことによりクランク
シヤフト６の油穴１３，１３……に順次鋼球２７
を圧入封止することができるのである。

上記操作においては、ワーク支持台４と可動台
５とが互いに逆方向に距離Ｌ（一方のみを可動と
した場合の半分の距離）だけ移動せしめられると
ころから、各圧入工程に移る間の時間が大巾に短
縮され得ることとなる。また、インデツクスモー
タ１１および旋回駆動機構１５の作動により油穴
１３と圧入ユニツト１２との角度合せが極めて容
易となる。

なお、サーボモータ１０，１８、回転割出し機
構１１、駆動シリンダー１７および旋回駆動機構
１５の作動量は、対象となるクランクシヤフト６
に対応して、予じめ設定しておけばよい。

本発明は、図示の実施例に限定されるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜
設計変更可能なことは勿論である。

（発明の効果） 叙上の如く、本発明によれば、クランクシヤフ
トを回転可能に水平支持すべく構成されたワーク
支持台を基台上において水平移動可能に駆動制御
する一方、前記クランクシヤフトの油穴へのプラ
グ圧入を行うべく構成された圧入ユニツトを前記
ワーク支持台に水平支持されたクランクシヤフト
の上方に位置せしめるべく支持する可動台を、前
記基台上において前記ワーク支持台と平行に水平
移動可能に駆動制御するとともに、前記ワーク支
持台に、クランクシヤフトを割り出し回転させる
べく作用する回転割出し機構を設け、且つ前記可
動台に、前記圧入ユニツトを前記クランクシヤフ
トの軸線を含む面上にて旋回させるべく作用する
旋回駆動機構を付設して、圧入ユニツトを支持し
た可動台と、クランクシヤフトを支持したワーク
支持台とが平行に水平移動せしめられ、しかもク
ランクシヤフトが回転割出し機構によつて割出し
回転される一方、圧入ユニツトがクランクシヤフ
トの軸線上で旋回せしめられるようにしたので、
クランクシヤフトに穿設された複数の油穴に対し
て順次プラグを圧入する際における圧入ユニツト
およびワーク支持台の作動範囲が著しく縮小さ
れ、圧入ユニツトの位置決めが極めて迅速に行え
ることとなり、プラグ圧入に要する動作時間が大
巾に短縮され、作業効率を大巾に向上させること
ができるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例にかかるクランクシ
ヤフトのプラグ圧入装置の正面図、第２図は、第
１図のプラグ圧入装置の側面図、第３図および第
４図は、第１図図示のプラグ圧入装置の作動順序
を示すための正面図、第５図は、第１図図示のプ
ラグ圧入装置における圧入ユニツトの縦断面図で
ある。 １……基台、４……ワーク支持台、５……可動
台、６……クランクシヤフト、１１……回転割出
し機構、１２……圧入ユニツト、１３……油穴、
１５……旋回駆動機構、２７……プラグ（鋼球）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基台上において水平移動可能に駆動制御され
   且つクランクシヤフトを回転可能に水平支持すべ
   く構成されたワーク支持台と、前記クランクシヤ
   フトの油穴へのプラグ圧入を行うべく構成された
   圧入ユニツトと、該圧入ユニツトを前記ワーク支
   持台に水平支持されたクランクシヤフトの上方に
   位置せしめるべく支持し且つ前記ワーク支持台と
   平行に水平移動可能な如く駆動制御された可動台
   とを備えており、前記ワーク支持台には、クラン
   クシヤフトを割り出し回転させるべく作用する回
   転割出し機構が設けられ、前記可動台には、前記
   圧入ユニツトを前記クランクシヤフトの軸線を含
   む面上にて旋回させるべく作用する旋回駆動機構
   が付設されていることを特徴とするクランクシヤ
   フトのプラグ圧入装置。