JPH0573130U - 樋の取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】樋の樋受金具からの外れを防止でき、その取付
けを確実化する。 【構成】樋受金具２は、基部５の外端から立上がる支持
部６を設けかつ支持部６の先端に、底部３Ｃと、その内
端で立上がる内側壁３Ｂと、その外端で立上がる外側壁
３Ａとを有する溝状の樋３の前記外側壁３Ａを係止する
外の係止部７を設け、かつ基部５の内方部に、内側壁３
Ｂの上端に設けた膨出部１３を嵌入する凹部９を有する
静止片１０と、内方に突出するバネ片１１とからなる内
の係止部１２を設け、かつ前記バネ片１１の上向き変形
を阻止するスペーサ１４を配する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内の係止部のバネ片が上向きに変形することを阻止するスペーサを 配することにより、樋を樋受金具に確実に取付けでき、その外れを防止しうる樋 の取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば家屋の軒先端をなす鼻隠しａには、従来、図５に示すように、樋受金具 ｂを用いて樋ｃが取付けられる。この樋ｃは、水平な底部ｃ１の内端、および外 端から夫々内側壁ｃ２、外側壁ｃ３を立上げてなるとともに、該内側壁ｃ２、外 側壁ｃ３の上端部に設けられた膨出部ｄ１、ｄ２を、樋受金具ｂの内方部に設け られかつ前記膨出部ｄ１を嵌入する静止片ｅと、樋受金具ｂの外方部に設けられ かつ前記膨出部ｄ２を係止するバネ性の係止片ｆとにそれぞれ嵌着させることに より、樋ｃは樋受金具ｂに取付けられていた。又樋受金具ｂの内方部には、樋ｃ の前記膨出部ｄ１の前記静止片ｅからの外れを防止するためのバネ片ｇが配設さ れている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらこのような従来のものにあっては、風雨などにより樋ｃが下方か ら荷重を受けた際、図５に一点鎖線で示すように樋ｃが変形することにより前記 バネ片ｇが上方に反返り、かつ前記係止片ｆが内方に変形する場合が多々あり、 この結果、図５に二点鎖線で示すように、バネ片ｇにより前記膨出部ｄ１を前記 静止片ｅに保持させることができず、該膨出部ｄ１が樋受金具ｂから外れること があった。

【０００４】 本考案は、バネ片の上向き変形を阻止するスペーサを配することを基本として 、樋が下方から荷重を受けた場合であっても、樋を樋受金具に確実に保持でき、 その外れを防止しうる樋の取付構造の提供を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、家屋の軒先端に取付けられた樋受金具を用いて樋を受ける樋の取付 構造であって、前記樋受金具は、前記軒先端に取付く取付片から外方にのびる基 部の外端に斜め上方に立上がる支持部を設けかつ前記支持部の先端に、前記基部 の下方でのびる底部と、その内端で立上がる内側壁と、底部の外端で立上がりか つ前記支持部の外面に沿う外側壁とを有する溝状の樋の前記外側壁を係止する外 の係止部を設けるとともに、基部の内方部に、該基部から垂下し下方から挿入さ れる樋の内側壁の上端に設けた内方に向く膨出部を嵌入する凹部を有する静止片 と、水平に内方に突出し前記内側壁の外面に向く先端を有するバネ片とからなる 内の係止部を設けるとともに、前記バネ片の上向き変形を阻止するスペーサを配 する。

【０００６】

【作用】

樋は、底部の外端で立上がる外側壁を、樋受金具の基部の外端から立上がる支 持部の先端に設けた外の係止部に係止させ、かつ底部の内端で立上がる内側壁の 上端に設けた膨出部を、前記基部の内方部に設けた内の係止部の静止片に嵌入さ せることにより、樋受金具に取付けられる。このように樋受金具の内外の係止部 に樋の内側壁と外側壁とを係止させることにより取付けるため、樋受金具への樋 の取付けをワンタッチ化でき、その手間を減じる。

【０００７】 又内の係止部のバネ片の上向き変形を阻止するスペーサを配する。従って、樋 が下からの荷重により変形した場合であっても、先端が前記内側壁の外面に向く バネ片により前記膨出部の前記静止片への嵌入を保持でき、該膨出部の内の係止 部からの外れを防止しうるとともに、樋の取付けを確実化する。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。 図１、図２において本考案の樋の取付構造は、家屋の軒先端Ａに取付けられた 樋受金具２を用いて樋３を受けることができ、かつ前記樋受金具２は、前記軒先 端Ａに取付く取付片４から外方にのびる基部５の外端に斜め上方に立上がる支持 部６を設けかつ該支持部６の先端に、樋３の外側壁３Ａを係止する外の係止部７ を形設するとともに、基部５の内方部に、該基部５から垂下しかつ樋３の内側壁 ３Ｂの上端に設けた膨出部１３を嵌入する凹部９を有する静止片１０と、水平か つ内方に突出するバネ片１１とからなる内の係止部１２を設け、しかも前記バネ 片１１の上向き変形を阻止するスペーサ１４を配する。

【０００９】 前記軒先端Ａは、例えば図１に示すように、野地板１９が添着されかつ屋根勾 配で傾くたる木２０の外端に取付けられる垂直な鼻隠し２１により形成されると ともに、該鼻隠し２１の上方には前記野地板１９の外端からのびる広小舞い２２ が配設され、かつ鼻隠し２１の下端には軒天井を形成する天井板２３の外端部が 釘着される。

【００１０】 又前記樋受金具２は、前記軒先端Ａにビス止めされる矩形の取付片４、該取付 片４の上端から水平かつ外方にのびる水平片２５と該水平片２５の外端から外方 かつ斜め下方にのびる斜片２６を介して外方に突出する水平な突出片２７とから なる基部５、該基部５の突出片２７外端から内方かつ斜め上方に、しかも湾曲し てのびる支持部６、該支持部６の先端から内方かつ斜め上方に折曲がりかつ先端 に外方かつ斜め上方にのびる小長さの突片２９を有した外の係止部７、および前 記基部５の水平片２５下面に溶着される固着片３０の内端で垂下する垂下片３１ の下端から外方かつ斜め上方に小角度で傾けてのびしかも外端に垂直な立下げ片 ３２を立下げた載置片３３を有する静止片１０と、基部５の前記突出片２７下面 に外端部が鋲着されかつ前記水平片２５の下方で水平に内方に突出するとともに その先端が前記静止片１０の載置片３３外端近傍で終端するバネ性の鋼板材から なるバネ片１１とからなる内の係止部１２を具える。

【００１１】 従って樋受金具２は、基部５の内方部、すなわち前記水平片２５から、前記垂 下片３１と載置片３３とにより外方に向かって開放する凹部９を形成した静止片 １０を垂下させている。

【００１２】 又本実施例では、樋受金具２は、前記外の係止部７に外端が近接するく字状の 当片３５を、前記基部５の突出片２７から立上がる立片３６の上端に設けたバネ 性の鋼板材からなる押圧材３７を、その立片３６の下端から内方にのびる固着片 ３９を前記突出片２７上面に鋲着することにより設けている。

【００１３】 このような樋受金具２は、軒先端Ａに適宜の間隔を有して隔設されるとともに 、該軒先端Ａに取付けられた樋受金具２…には、樋３が取付けられる。

【００１４】 樋３は、前記樋受金具２の基部５の下方で内外に向かって水平にのびる底部３ Ｃ、該底部３Ｃの内端から直角に立上がりかつ上端で断面略矩形状の膨出部１３ を内方に向けて膨出した内側壁３Ｂ、および底部３Ｃの外端から湾曲しつつ外方 かつ斜め上方にのびる下壁部３Ａ１と該下壁部３Ａ１の垂直となる上端から湾曲 しつつ内方かつ斜め上方にのび内面が前記樋受金具２の支持部６外面に沿う上壁 部３Ａ２とを一体に設けた外側壁３Ａからなる溝状の長尺体であって、該外側壁 ３Ａは、その上端部に、外方かつ斜め下方に折曲がる折曲げ片４０を介して内方 に向く断面略矩形状の膨出部１６を具えている。

【００１５】 樋３は、その外側壁３Ａの前記膨出部１６を、樋受金具２の前記外の係止部７ と前記押圧材３７の当片３５との間に係止させることにより外端上部が樋受金具 ２に取付けられるとともに、前記内側壁３Ｂの上端に設けた膨出部１３を前記静 止片１０の凹部９に前記バネ片１１をはね上げつつ下方から挿入することにより 嵌入し、前記載置片３３に膨出部１３を載置させることにより内端上部が樋受金 具２に取付けられる。なおバネ片１１の内側壁３Ｂに向く先端は、前記膨出部１ ３の凹部９への嵌入の後、バネ片１１が水平状態に復元することにより該内側壁 ３Ｂの外面に近接する。

【００１６】 さらに前記基部５の水平片２５と前記バネ片１１との間にはスペーサ１４が配 される。スペーサ１４は、直方体状の基片４２の上部に前記水平片２５を嵌入し うる矩形の切欠部４３を設けてなり、該切欠部４３に水平片２５を嵌入しかつ前 記基片４２をバネ片１１の上面に載置することにより基部５とバネ片１１との間 に配設される。

【００１７】 このようにスペーサ１４を配したため、樋３が下から荷重を受けた場合であっ ても、バネ片１１の上向き変形を阻止でき、しかもスペーサ１４が前記膨出部１ ３を凹部９に確実に嵌入させるため、該膨出部１３の凹部９からの外れを効果的 に防止しうる。又前記立下げ片３２は、樋３の内側壁３Ｂが内方に変形すること を防止し、樋３の樋受金具２への取付けをより確実化する。

【００１８】 図３、図４に本考案の他の実施例を示す。 本例においてスペーサ１４Ａは、樋受金具２の基部５の前記突出片２７上に載 置される直方体状の基片４５に、その内面両端部から前記斜片２６を間に挟んで 内方にのびかつ内端が樋３の前記内側壁３Ｂ外面に近接する１対の突片４６、４ ６を設けてなり、該突片４６、４６が前記水平片２５とバネ片１１との間に配さ れる。なお突片４６、４６の向き合う面かつ前記基片４５近傍には、前記斜片２ ６を基片４５の内面との間で挟む三角状の突起４７、４７が設けられており、樋 受金具２へのスペーサ１４Ａの取付けを確実化しうる。

【００１９】 このように前記スペーサ１４Ａが、その突片４６、４６によりバネ片１１の上 向き変形を阻止し、かつ前記膨出部１３を前記静止片１０の凹部９に確実に嵌入 させるため、樋３の変形による膨出部１３の内の係止部１２からの外れを防止で きる。

【００２０】

【考案の効果】

叙上の如く本考案の樋の取付構造は、樋の内側壁上端に設けた膨出部を嵌入す る静止片と、前記内側壁の外面に向く先端を有するバネ片とからなる内の係止部 に、バネ片の上向き変形を阻止するスペーサを配したため、前記膨出部が樋の変 形にともなって前記内の係止部から外れることを防止でき、樋の樋受金具への取 付けを確実化し、信頼性を向上しうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】その要部を示す分解斜視図である。

【図３】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図４】その要部を示す分解斜視図である。

【図５】従来の技術を説明する断面図である。

【符号の説明】

２ 樋受金具 ３ 樋 ３Ａ 外側壁 ３Ｂ 内側壁 ３Ｃ 底部 ４ 取付片 ５ 基部 ６ 支持部 ７ 外の係止部 ９ 凹部 １０ 静止片 １１ バネ片 １２ 内の係止部 １３ 膨出部 １４、１４Ａ スペーサ Ａ 軒先端

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】家屋の軒先端に取付けられた樋受金具を用
   いて樋を受ける樋の取付構造であって、前記樋受金具
   は、前記軒先端に取付く取付片から外方にのびる基部の
   外端に斜め上方に立上がる支持部を設けかつ前記支持部
   の先端に、前記基部の下方でのびる底部と、その内端で
   立上がる内側壁と、底部の外端で立上がりかつ前記支持
   部の外面に沿う外側壁とを有する溝状の樋の前記外側壁
   を係止する外の係止部を設けるとともに、基部の内方部
   に、該基部から垂下し下方から挿入される樋の内側壁の
   上端に設けた内方に向く膨出部を嵌入する凹部を有する
   静止片と、水平に内方に突出し前記内側壁の外面に向く
   先端を有するバネ片とからなる内の係止部を設けるとと
   もに、前記バネ片の上向き変形を阻止するスペーサを配
   したことを特徴とする樋の取付構造。