JPH0572944B2 - - Google Patents

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JPH0572944B2
JPH0572944B2 JP23102285A JP23102285A JPH0572944B2 JP H0572944 B2 JPH0572944 B2 JP H0572944B2 JP 23102285 A JP23102285 A JP 23102285A JP 23102285 A JP23102285 A JP 23102285A JP H0572944 B2 JPH0572944 B2 JP H0572944B2
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Japan
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resin
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curing
epoxy
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JP23102285A
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Reijiro Nishida
Akira Tominaga
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は低温焼き付け型水性塗料用樹脂組成物
に関し、さらに詳しくは、低温焼き付けをせざる
を得ないプラスチツクやゴム等の熱可塑性物質と
金属とからなる被塗物の一体化塗装や鋳物の塗装
等に適する、特にカチオン電着塗装に適した低温
焼き付け型水性塗料用樹脂組成物に関する。 従来から使用されているカチオン電着塗料とし
ては、例えばビスフエールA−エピクロルヒドリ
ン型エポキシ樹脂のようなエポキシ樹脂の水可溶
化物と、アルコール類でブロツクした芳香族ポリ
イソシアネート化合物とならなるものが代表的で
あり、このものを電着塗装し、例えば170℃で硬
化せしめて得られる塗膜は、耐食性に優れるが硬
化温度が高いため、プラスチツクやゴム等の熱可
塑性樹脂とリン酸亜鉛処理板等の金属とからなる
被塗物の一体化塗装や鋳物の塗装等常温〜130℃
の温度範囲で硬化することが必要な用途には不適
である。そこで、低温硬化可能な電着塗料を得る
ために、アルコール類でブロツクされたイソシア
ネート化合物を低温解離させる触媒を多量に用い
ることも行なわれているが、それでもなお高温を
必要とし解決するに至つていない。130℃以下の
低温硬化を可能にするには、さらブロツク剤とし
てフエノール類、オキシム類、第3ヒドロキシア
ミン類、カプロラクタム類、活性メチレン化合物
等の使用が考えられるが、これらのブロツク剤を
水性塗料に使用すると次のような問題点、すなわ
ちブロツク剤の毒性、基体樹脂との相溶性不
足、焼き付け時の煙やヤニの発生、ブロツク
化物の不安定性、のうち少なくともひとつの問題
点に該当し、特に130℃以下の低温焼き付けを行
なう場合、これらのブロツ剤は焼き付け後も塗膜
中に残留して防食性を低下せしめるとともに、ブ
リード、黄変等の欠陥を招来し、しかも残留ブロ
ツク剤自身の有害性(毒性、臭気)が大であるこ
とから実用困難である。そこで、本発明者らはこ
れらの問題点を解決する方法として、先に (A) 水酸基及びカチオン性基を有する樹脂ならび
に (B) フエノール基を少なくとも2個含有するポリ
フエノールとイソシアネート基を少なくとも2
個含有するポリイソシアネートとの反応生成物
である末端がフエノー基であるポリウレタン樹
脂 を主成分として含有する低温焼き付け型水性塗料
用樹脂組成物を提案した(特願昭60−197781号出
願明細書参照)。 このものは、130℃以下の低温硬化適性に優れ、
しかも樹脂組成物中の水と揮発性の溶剤を除く固
形物のほとんど全てが硬化塗膜の形成にあずか
り、良好な塗膜性能の被膜を与える樹脂組成物で
ある。しかし、このようにして得られる加熱硬化
後の塗膜中にはなお遊離のポリフエノールを含有
する。すなわち、硬化用樹脂であるポリウレタン
樹脂を形成するポリイソシアネートとポリフエノ
ール成分のうち、ポリイソシアネートが硬化反応
によつて基体樹脂と結合すると、後に残されるポ
リフエノールが単独で塗膜中に存在することにな
る。このポリフエノールは塗膜の耐水性、耐ソル
トスプレー性等には悪影響を及ぼさないが。耐溶
剤性、その他の物性等に多少悪影響を与えるとい
う問題があつた。そこで、本発明者らはこれらの
問題点のない、すなわち130℃以下の低温硬化適
性に優れ、耐水性、耐食性は勿論のこと耐溶剤
性、その他の物性にも優れた、特にカチオン電着
塗装に適する低温焼き付け型水性塗料用樹脂組成
物を得るべく鋭意研究を重ねた結果、先に提案し
た組成物に、ポリウレタン樹脂の熱分解により生
成するフエノール基を少なくとも2個含有するポ
リフエノール及び必要に応じて加えられるモノフ
エノールと反応性のある、エポキシ基を少なくと
も2個含有するポリエポキシドを第3成分として
使用することにより、130℃以下の低温で硬化し、
耐溶剤性、その他の物性に優れ、しかも樹脂組成
物中の水と揮発性の溶剤を除く固形物のほとんど
全てが硬化塗膜の形成にあずかり、良好な防食塗
膜性能をもつ塗膜を与える塗料樹脂組成物が得ら
れることを見出し本発明を完成するに至つた。 かくして本発明によれば、 1 (A) 水酸基及びカチオン性基を有する樹脂、 (B) フエノール基を少なくとも2個含有するポリ
フエノール及びこれに必要に応じてモノフエノ
ールを加えてなるフエノール化合物とイソシア
ネート基を少なくとも2個含有するポリイソシ
アネートとの反応生成物である遊離イソシアネ
ート基を有さないポリウレタン樹脂、及び (C) エポキシ基を少なくとも2個含有するポリエ
ポキシド を主成分として含有することを特徴とする低温焼
き付け型水性塗料用樹脂組成物が提供される。 本発明において、水酸基及びカチオン性基を有
する樹脂(A)(以下このものを「基体樹脂(A)」とい
うこともある)としては、イソシアネート基と反
応しうる水酸基を含有し且つ安定な水性分散物を
形成するのに十分な数のカチオン性基を有する任
意の樹脂が使用される。しかして、該基体樹脂(A)
としては例えば次のものが挙げられる。 (i) ポリエポキシ樹脂とカチオン化剤とを反応せ
しめて得られる反応生成物; (ii) ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物
(米国特許第2450940号明細書参照)を酸でプロ
トン化したもの; (iii) ポリイソシアネート及びポリオールとモノ又
はポリアミンとの重付加物を酸でプロトン化し
たもの; (iv) 水酸基ならびにアミノ基含有アクリル系又は
ビニル系モノマーの共重合体を酸でプロトン化
したもの(特公昭45−12395合公報、特公昭45
−12396号公報参照); (v) ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミンとの
付加物を酸でプロトン化したもの(米国特許第
3403088号明細書参照);等。 これらカチオン性樹脂の具体例及び製造方法に
ついては、例えば特公昭45−12395号公報、特公
昭45−12396号公報、特公昭49−23087号公報、米
国特許第2450940号明細書、米国特許第3403088号
明細書、米国特許第3891529号明細書、米国特許
第3933663号明細書に記載されている。 本発明における基体樹脂(A)として特に望ましい
のは前記したものの中でも殊に、防食性に優れて
いる点からポリフエノール化合物とエピクロルヒ
ドリンとから得られるポリエポキシド化合物のエ
ポキシ基にカチオン化剤を反応せしめて得られ
る、エポキシ基が残存していても良い反応生成物
である。 前記ポリエポキシド化合物は、エポキシ基
【式】を1分子中に2個以上有する化 合物で、一般に少なくとも200、好ましくは400〜
4000、さらに好ましくは800〜2000の範囲内の数
平均分子量を有するものが適している。そのよう
なエポキシド化合物としてはそれ自体公知のもの
を使用することができ、例えば、ポリフエノール
をアルカリの存在下にエピクロルヒドリンと反応
させことにより製造することができるポリフエノ
ールのポリグリシジルエーテルが包含される。こ
こで使用しうるポリフエノールとしては、例え
ば、ビス(4−ヒドロキシフエニル)−2,2−
プロパン、4,4′−ジヒドロキシベンゾフエノ
ン、ビス(4−ビトロキシフエニル)−1,1−
エタン、ビス−(4−ヒドロキシフエニル)−1,
1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−
ブチル−フエニル)−2,2−プロパン、ビス
(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジ
ヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロ
キシフエニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシ
フエニル)−1,1,2,2−エタン、4,4′−
ジヒドロキシジフエニルエーテル、4,4′−ジヒ
ドロキシジフエニルエーテル、4,4′−ジヒドロ
キシジフエニルスルホン、フエノールノボラツ
ク、クレゾールノボラツク等が挙げられる。 上記したポリエポキトジ化合物の中で、基体樹
脂Aの製造に特に好適なものは、数平均分子量が
少なくとも約380、好適には約800〜2000、及びエ
ポキシ当量が190〜2000、好適には400〜1000の範
囲の下記一般式
【化】 で表わされるものである。該ポリエポキシド化合
物はポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
エステルポリオール、ポリアミドアミン、ポリカ
ルボン酸、ポリイソシアネートなどと一部反応さ
せてもよく、さらに、ε−カプロラクトン、アク
リルモノマーなどをグラフト重合させてもよい。 一方、ポリエポキシド化合物に反応させるカチ
オン化剤としては、脂肪族または脂環族または芳
香−脂肪族の第1級もしくは第2級アミン、第3
級アミン塩、第2級スルフイド塩、第3級ホスフ
イン塩などが挙げられる。これらはエポキシ基と
反応してカチオン性基を形成する。さらに第3級
アミノアルコールとジイソシアネートの反応によ
つて得られる第3級アミノモノイソシアネートを
エポキシ樹脂の水酸基と反応させてカチオン性基
とすることもできる。 前記カチオン化剤におけるアミノ化合物の例と
しては、例えば次のものを例示することができ
る。 (1) メチルアミン、エチルアミン、n−または
iso−プロピルアミン、モノエタノールアミン、
nまたはiso−プロパノールアミンなどの1級
アミン (2) ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジn
−またはiso−プロパノールアミン、N−メチ
ルエチノールアミン、N−エチルエタノールア
ミンなどの2級アミン (3) エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチル
アミノエチルアミン、メチルアミノプロピルア
ミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチル
アミノプロピルアミンなどのポリアミン、 これらの中で水酸基を有するアルカノールアミ
ン類が好ましい。第1級アミノ基を予めケトンと
反応させてブロツクした後、残りの活性水素でエ
ポキシ基と反応させてもよい。 さらに、上記アミン化合物以外にアンモニア、
ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ヒドロキシエ
チルヒドラジンなどの塩基性化合物も同様に使用
できる。これらの化合物を用いて形成される塩基
性基は酸、特に好ましくはギ酸、酢酸、乳酸など
の水溶性有機カルボン酸でプロトン化してカチオ
ン性基とする。 さらに、トリエチルアミン、トリエタノールア
ミン、N,N−ジメチルエチノヘルアミン、N−
メチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエ
タノールアミン、N−エチルジエタノールアミン
などの第3級アミンなどを使用でき、これらは酸
で予めプロトン化し、エポキシ基と第4級塩化さ
せることができる。 また、アミノ化合物以外に、ジエチルスルフイ
ド、ジフエニルスルフイド、テトラメチレンスル
フイド、テオジエタノールなどのスルフイド類と
ホウ酸、炭酸、有機モノカネボン酸との塩をエポ
キシ基と反応させて第3級スルホニウム塩として
もよい。 さらに、トリエチルホスフイン、フエニルジメ
チルホスフイン、ジフエニルメチルホスフイン、
トリフエニルホスフインなどのホスフイン類と上
記の如き酸との塩をエポキシ基と反応させて、第
4級ホスホニウム塩としてもよい。 本発明で用いる基体樹脂(A)の水酸基含有量は、
ポリイソシアネートとの反応性の点から、水酸基
価で一般に約10〜400、特に20〜200の範囲が好ま
しい。また、カチオン性基の含有量は、基体樹脂
(A)を水に安定に分散しうる程度の少ない量が望ま
しく、KOH(mg/g固形分)換算数で一般に5〜
160、特に10〜80の範囲が好ましい。しかし、カ
チオン性基含有量が5以下の場合でも、界面活性
剤などを使用して水性分散化して使用することも
可能であるが、水性分散組成物のPHが4〜9、好
ましくは6〜7になるようにカチオン性基を調整
するのが望ましい。 次に上記基体樹脂(A)と混合して使用される遊離
イソシアネート基を有さないポリウレタン樹脂(B)
について説明する。 本発明において用いる遊離イソシアネート基を
有さないポリウレタン樹脂(B)(以下このものを
「硬化用樹脂(B)」ということもある)の製造に使
用されるポリイソシアネートは、イソシアネート
基を少なくとも2個含有するポリイソシアネート
である。該ポリイソシアネートは全体として2〜
3個のイソシアネート基をもち、150〜600の範囲
の分子量を有することが好ましい。かかるポリイ
ソシアネートの代表例は、4,4′−ジフエニルメ
タンジイソシアネートのような芳香族イソシアネ
ート;ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマ
ー酸ジイソシアネートのような脂肪族ジイソシア
ネート;1,4−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネートのよう
なシクロアルキレン環を含むジイソシアネート;
m−またはp−キシリレンジイソシアネートのよ
うな芳香−脂肪族ジイソシアネートなどであり、
好適なポリイソシアネートとしては、脂環式で耐
候性に優れ且つ2コート仕上げ用下塗り塗料に用
いるのに適した低揮発性の4,4′−ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネートが挙げられる。 前記したポリイソシアネートを化学量論的に等
量以上のポリフエノール及びこれに必要に応じて
モノフエノールを加えたフエノール化合物と反応
させることによつて遊離イソシアネート基を有さ
ない硬化用樹脂(B)を生成させることができる。該
ポリフエノールとしては、全体として2〜3個の
フエノール基をもち、100〜600の範囲の分子量を
有するものが好ましい。かかるポリフエノールの
代表例としては、ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)−2,2−プロパン、4,4′−ジヒドロキシ
ベンゾフエノン、ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフ
エニル)−1,1−イソブタン、ビス(ヒドロキ
シフエニル)−2,2−イソブタン、ビス(4−
ヒドロキシ−tert−ブチルフエニル)−2,2−
プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタ
ン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ノボラツ
クフエノール樹脂(2〜3核体)などであり、工
業的に容易に入手可能なビス(4−ヒドロキシフ
エニル)−2,2−プロパン及びノボラツクフエ
ノール樹脂が好適である。 また、モノフエノールとしては、90〜600の範
囲の分子量を有するものが好ましい。かかるモノ
フエノールの代表例としては、ノニルフエノー
ル、α−又はβ−ナフトール、p−ターシヤリー
オクチルフエノール、o−又はp−フエニルフエ
ノールなどがあり、工業的に入手が容易で取り扱
いも容易なノニルフエノールが好適である。 かかるポリイソシアートとポリフエノール及び必
要に応じて加えられるモノフエノールとから、遊
離イソシアネート基を有さないポリウレタン樹脂
(B)を生成させるための反応は、溶媒の不存在下又
は例えば、トルエン、キシレン、ジオキサン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル等の不活性有機溶
剤の存在下で、一般に室温乃至200℃で行なうと
ができる。該反応は必要に応じてジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジラウレート等の如きウレ
タン化触媒の存在下に行なつてもよい。ポリイソ
シアネートに対するポリフエノール及び必要に応
じて加えられるモノフエノールの使用量は、ポリ
イソシアネートのイソシアネート基の1倍当量よ
り多く2倍当量より少ない比率、より好ましくは
1.2〜1.5倍当量の比率のフエノール基量に相当す
るポリフエノール及び必要に応じて加えるモノフ
エノール量である。該ポリウレタン樹脂の両末端
はフエノール基でも良く、また必要に応じてモノ
フエノール類で分子量の増大を停止したものであ
つてもよい。かくして得られる硬化用樹脂(B)の分
子量は、通常400〜3000、好ましくは1000〜2000
の範囲である。 該硬化用樹脂(B)を基体樹脂(A)と混合する際の硬
化用樹脂(B)の使用量は用いる基体樹脂(A)の種類に
応じて、また得られる塗膜が自己硬化もしくは熱
硬化するのに必要な最少量乃至水性分散塗料の安
定性をそこなわない最大量の範囲で変えることが
できるが、一般には硬化用樹脂(B)中のフエノール
基と反応したイソシアネート基の数(当量数)
が、該基体樹脂(A)中の活性水素を有する官能基の
合計量(当量数)の約1/2〜等当量となるように
するのが好ましい。 次に上記基体樹脂(A)及び硬化用樹脂(B)と混合し
て使用されるエポキシ基を少なくとも2個含有す
るポリエポキシド(C)について説明する。 本発明において用いるエポキシ基を少なくとも
2個含有するポリエポキシド(C)(以下このものを
「硬化用樹脂(C)」ということもある)としてはポ
リフエノール及び必要に応じて加えるモノフエノ
ールと反応するのに有効な数のエポキシ基を含有
する任意の樹脂が使用されるが、とりわけ長期に
わたつてカチオン性基を有する基体樹脂(A)と水中
で共存する安定なポリエポキシドが好ましい。か
かるポリエポキシドの代表例として次のものが挙
げられる。 アマニ油、キリ油、大豆油及び脱水ヒマシ油
のような天然油脂或いはこれらの天然油脂類を
熱処理して得られるスタンド油をエポキシ化し
て得られるポリエポキシド(例えば特開昭53−
16048号公報参照); ブタジエン、イソプレン及びピペリレンのよ
うな共役ジオレフインの重合体及び/又はこれ
らの共役ジオレフインの共重合体;前記共役ジ
オレフインの1種又は2種以上とエチレン性不
飽和基を有するビニルモノマー、例えばイソブ
チレン、スチレン、ビニルトルエン、アクリロ
ニトリル等との共重合体;等をエポキシ化して
得られるポリエポキシド(例えば、特公昭60−
25466号公報参照); エチレン性不飽和重合性エポキシ基含有モノ
マー、例えばブタジエンモノエポキシド、4−
ビニルシクロヘキセンモノエポキシド等の1種
又は2種以上と前記共役ジオレフイン及び/又
はエチレン性不飽和基を有するビニルモノマー
との共重合体(例えば、特開昭54−15935号公
報、特開昭57−139147号公報参照)。 本発明におけるポリエポキシドとして特に望ま
しいものは、ビスフエノールA型エポキシド樹脂
と相溶し、物性、耐溶剤性を著しく向上させるエ
ポキシ化ポリブタジエン重合体及び/又は共重合
体である。 上記ポリエポキシドは、炭素−炭素二重結合を
エポキシ化して得られるエポキシ基を1分子中に
2個以上、好ましくは5〜20個有する化合物であ
り、一般に200以上、好ましくは400〜50000、さ
らに好ましくは、1000〜4000の範囲の数平均分子
量を有するものが適している。そのようなポリエ
ポキシドとしては、それ自体公知のものを使用す
ることができ、例えばブタジエン、イソプレン及
びピペリレンのような共役ジオレフインの重合体
が主鎖部分となる化合物をエポキシ化して得られ
るエポキシド樹脂が包含される。該エポキシド樹
脂の主鎖部分となる化合物としてはヨウ素価が
100〜500、好ましくは200〜450で数平均分子量が
200以上、好ましくは1000〜4000ものが有利に用
いられる。この主鎖部分となる化合物に一般式
【式】 (ここで、R1,R2は水素原子又はメチル基:
Xは水素原子又は結合を表わし、Xが結合である
場合にはR1の付着する炭素原子及びR2の付着す
る炭素原子は共に主鎖の一部を形成することがで
きる) で示されるエポキシ基が導入される。エポキシ基
の導入は例えば0〜100℃の温度で過酢酸を反応
させる従来公知の方法を利用することができる
(例えば特公昭37−15107号公報、特公昭38−8289
号公報参照)。前記一般式で示されるエポキシ基
の量は、当量表示で50〜5000、好ましくは100〜
300である。該ポリエポキシドはアミン、フエノ
ール、カルボン酸、アルコール等のエポキシ基と
反応する物質と一部反応させて反応性を調整して
もよい。 該硬化用樹脂(C)を基体樹脂(A)及び硬化用樹脂(B)
と混合する際の硬化用樹脂(C)の使用量は、得られ
る塗膜が最良の物性、耐溶剤性、耐水性、耐ソル
トスプレー性等の性能を得るために必要な最適量
を選ぶことができるが、一般には硬化用樹脂(C)中
のエポキシ基の数(当量数)が、該硬化用(B)中に
含まれる未反応フエノール基及びイソシアネート
基と既に反応しているフエノール基の総和の数
(当量数)の約1/2〜2倍当量、好ましくは3/4〜
3/2倍当量となるようにするのが好ましい。この
場合硬化時にポリウレタン樹脂から解離したポリ
フエノール及び必要に応じて加えられるモノフエ
ノールは、該硬化用樹脂(C)と塗膜中で結合し、揮
発飛散しないので、モノフエノール類が使用が可
能となる。 かくして基体樹脂(A)、硬化用樹脂(B)及び硬化用
樹脂(C)からなる組成物は130℃以下の低温焼き付
け型水性塗料用樹脂成分として使用することがで
きる。本発明の水性塗料用樹脂組成物を調整する
には、基体樹脂(A)、硬化用樹脂(B)及び硬化用樹脂
(C)を混合した後、水中に安定に分散せしめ、次い
で必要に応じて、カーボンブラツク、チタン白、
ベンガラのような着色顔料;クレー、タルクのよ
うな体質顔料;クロム酸ストロンチウム、クロム
酸鉛などの防食顔料;或いはさらに他の添加剤を
混練することによつて行なわれる。配合しうる他
の添加剤としては、例えば分散剤又は塗面のハジ
キ防止剤としての少量の非イオン系界面活性剤;
硬化促進剤(例えば鉛、ビスマス、スズ、亜鉛、
鉄、アルミニウムなどの金属の塩、及び/又はイ
ミダゾリン化合物、イミダゾール類)等が挙げら
れる。 このようにして調製された水性塗料用樹脂組成
物は、例えばカチオ電着塗装のために使用するこ
とができる。適当な基体上に電着させて得られた
塗膜は、例えば130℃以下、好ましくは80℃〜130
℃で加熱硬化させることができるが、所望であれ
ば室温での硬化も可能である。その理由は酸で中
和されていた樹脂組成物が電着により酸が除去さ
れ析出膜が高PHとなることにより硬化反応が促進
されるためである。このことは常温乾燥又は低温
焼き付け用水性塗料に有用な他の塗装方法を用い
た場合においても同様である。 本発明における低温硬化水性塗料組成物は、プ
ラスチツクやゴム等の熱可塑性物質と金属とから
なる被塗物の一体化塗装を、鋳物の塗装等に、特
にそのカチオン電着塗装に有利に使用することが
できる。 次に実施例により本発明をさらに説明する。実
施例中の部はいずれも「重量部」であり、「%」
は「重量%」である。 なお、下記実施例で得られた塗料組成物の“つ
きまわり性”、“耐ソルトスプレー性”、“耐衝撃
性”、“耐屈曲性”、“耐溶剤性”は下記の方法で測
定したものである。 (1) つきまわり性試験法(パイプ法) 特開昭55−90566号公報に記載された方法に準
ずる。 (2) 耐ソルトスプレー性 JIS Z2871に従つて試験し、カツト(線状切り
きず)部からのクリープ巾片側2.0mm以内および
カツト部以外の塗膜のフクレが8F(ASTM)以下
のとき合格とする。 (3) 耐衝撃性(デユポン式) 試験板を温度20±1℃、湿度75±2%の恒温恒
湿室に24時間置いたのち、デユポン衝撃試験器に
規定の大きさの受台と撃心を取り付け、試験板の
塗面を上向きにして、その間に挟み、次に規定の
重さのおもりと規定の高さから撃心の上に落し、
塗膜の衝撃によるワレ、ハガレがないときを合格
とする。 (4) 耐屈曲性 試験板を温度20±1℃、温度75±2%の恒温恒
湿室に24時間置いたのち、直角に1〜2秒で折り
曲げる。試験板には表裏両面に硬化塗膜を付着さ
れておく。折り曲げ部分の両面共に異常のない場
合を合格とし、少なくともどちらか一方にワレ、
ハガレ等の異常のある場合を不合格とする。 (5) 耐溶剤性 メチルイソブチルケトンを含有するガーゼで往
復15回払拭しても傷がつかないときを合格とし、
耐えられないときを不合格とする。 実施例 1 エポキシ当量950を持つビスフエノールAタイ
プエポキシ樹脂(商品名エピコート1004、シエル
化学(株)製)1900部をブチルセロソルブ1012部に溶
解し、ジエチルアミン124部を80〜100℃で滴下後
120℃で2時間保持してアミン価47を持つエポキ
シ樹脂−アミン付加物を得る。 次にアミン価100を持つダイマー酸タイプポリ
アミド樹脂(商品名バーサミド460、ヘンケル白
水(株)製)1000部をメチルイソブチルケトン429部
に溶かし、130〜150℃に加熱還流し、生成水を留
去して末端アミノ基をケチミンに変える。このも
のを150℃で約3時間保持し、水の留出が停止し
てから60℃で冷却する。次いでこのものを前記エ
ポキシ樹脂−アミン付加物に加えて、100℃に加
熱し、1時間保持後室温に冷却して固形分68%及
びアミン価65のエポキシ樹脂−アミン−ポリアミ
ド付加樹脂(A)を得る。この樹脂100部に酢酸1.5部
を加えて中和する。次に4−4′ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート7.3部とビス(4−ヒド
ロキシフエニル)−2,2−プロパン7.9部をメチ
ルイソブチルケトン7.6部中に溶解し、ジブチル
スズジラウレート1滴を加えて120℃で12時間反
応させた後室温に冷却して硬化用樹脂(B)を合成す
る。 かくして得られるエポキシ樹脂−アミン−ポリ
アミド付加樹脂(A)の中和物101.5部及び硬化用樹
脂(B)溶液22.8部にエポキシ当量200、粘度が25℃
で700ポイズのエポキシ化ポリブタジエン(商品
名E−1000、日本石油化学(株)製)20部を加え、十
分に攪拌しながら、更に脱イオン水272部を加え
て固形分20%及びPH6.2の電着浴を作る。 この電着浴を用いてリン酸亜鉛処理板をカソー
ドとして30℃、250Vで3分間電着し、120℃で30
分焼き付けて厚さ24μ及び鉛筆硬度3Hの塗膜を得
る。この塗膜の性能は以下のとおりである。 (1) 耐衝撃性(1/2インチ、1Kg、50cm) 合格 (2) 耐ソルトスプレー性(240時間) 合格 (3) つきまわり性 20cm (4) 耐屈曲性 合格 (5) 耐溶剤性 合格 実施例 2 実施例1で使用したエポキシ樹脂−アミン−ポ
リアミド付加樹脂(A)の酢酸中和物101.5部及び硬
化用樹脂(B)22.8部に、エポキシ当量200、粘度が
45℃で360ポイズのエポキシ化ポリブタジエン
(商品名R−45EPI、出光石油化学(株)製)15部を
加え、十分に攪拌しながら、更に脱イオン水277
部を加えて固形分20%及びPH6.3の電着浴を作る。
この電着浴を用いてリン酸亜鉛処理板をカソード
として30℃、200Vで3分間電着して得られる塗
膜を120℃で30分間焼き付けて厚さ20μ及び鉛筆
硬度3Hの塗膜を得る。この塗膜の性能は以下の
とおりである。 (1) 耐衝撃性(1/2インチ、1Kg、50cm) 合格 (2) 耐ソルトスプレー性(240時間) 合格 (3) つきまわり性 19cm (4) 耐屈曲性 合格 (5) 耐溶剤性 合格 比較例 実施例1で用いたエポキシ樹脂−アミン−ポリ
アミド付加樹脂(A)の中和物101.5部及び硬化用樹
脂(B)溶液22.8部を十分に攪拌しながら更に脱イオ
ン水292部を加えて、固形分約20%及びPH6.5の電
着浴を作る。その電着浴中でリン酸亜鉛処理板を
カソードとして30℃、200Vで3分間電着して得
られる塗膜を、120℃で30分焼き付けて厚さ22μ
及び鉛筆硬度3Hの塗膜を得る。この塗膜の性能
は以下のとおりである。 (1) 耐衝撃性(1/2インチ、1Kg、50cm)不合格 (2) 耐ソルトスプレー性(240時間) 合格 (3) つきまわり性 19cm (4) 耐屈曲性 不合格 (5) 耐溶剤性 不合格

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 水酸基及びカチオン性基を有する樹脂、 (B) フエノール基を少なくとも2個含有するポリ
    フエノール及びこれに必要に応じてモノフエノ
    ールを加えてなるフエノール化合物とイソシア
    ネート基を少なくとも2個含有するポリイソシ
    アネートとの反応生成物である遊離イソシアネ
    ート基を有さないポリウレタン樹脂、及び (C) エポキシ基を少なくとも2個含有するポリエ
    ポキシド を主成分として含有することを特徴とする低温焼
    き付け型水性塗料用樹脂組成物。 2 ポリウレタン樹脂(B)が、ビス(4−ヒドロキ
    シフエニル)アルカンとイソシアネート基を少な
    くとも2個含有するポリイソイアネートとの遊離
    イソシアネート基を有さない反応生成物である特
    許請求の範囲第1項記載の組成物。 3 ポリエポキシド(C)がエポキシ化ブタジエン重
    合体および/又はエポキシ化ブタジエン共重合体
    である特許請求の範囲第1項記載の組成物。
JP23102285A 1985-10-18 1985-10-18 低温焼き付け型水性塗料用樹脂組成物 Granted JPS6291568A (ja)

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