JP2517001B2 - カチオン電着塗料用樹脂組成物 - Google Patents

カチオン電着塗料用樹脂組成物

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JP2517001B2 JP62239052A JP23905287A JP2517001B2 JP 2517001 B2 JP2517001 B2 JP 2517001B2 JP 62239052 A JP62239052 A JP 62239052A JP 23905287 A JP23905287 A JP 23905287A JP 2517001 B2 JP2517001 B2 JP 2517001B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカチオン電着用樹脂組成物に関し、さらに詳
しくは耐候性、可撓性、基材との密着性等に優れた硬化
塗膜を形成しうる新規なカチオン電着塗料用樹脂組成物
に関する。
電着塗料は自動車下塗り塗料を始め幅広い用途に使用
されており、従来種々の特性を有するものが開発されて
いる。特に可溶化基としてアミノ基を含有するエポキシ
樹脂及び第4級アンモニウム塩基によって可溶性とされ
たエポキシ樹脂等よりなるカチオン電着塗料は、耐食性
やつきまわり性等が優れていることから、従来のアニオ
ン電着塗料に代って広く使用されるに到っている。
しかしながら、これらのカチオン電着塗料は、一般に
耐候性が悪く、可撓性も十分でない等の欠点を有し、そ
の欠点を克服すべく従来から種々の方法が提案されてお
り、例えば、特開昭57−164116号公報には、水酸基を含
有する硬くてもろいエポキシ樹脂にε−カプロラクトン
を反応させることによって該エポキシ樹脂に可撓性を付
与することが開示されている。
しかしながら、かかる方法によって得られる樹脂は、
一般に金属素材との付着性に有効であるとされているエ
ポキシ樹脂中の第2級水酸基の含有量が少なくなるた
め、金属素材との付着性が悪く、カチオン電着塗料用樹
脂としては湿潤付着性や耐ソルトスプレー性などの防食
性に劣るという欠点がある。
本発明者は、上記の如き欠点がなく、塗膜の耐候性に
優れていると共に、防食性、可撓性等の塗膜特性をバラ
ンスよく保持しているカチオン電着塗料用樹脂を得るこ
とを目的に鋭意研究を行なった結果、本発明に到達し
た。
すなわち本発明は、 (A)エポキシ当量が200〜400の水酸基含有エポキシ樹
脂と一般式 式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、nは3〜6
である、 で表わされる環状エステル化合物との付加反応生成物に
さらにポリフェノール化合物およびアミノ基含有化合物
を付加させてなるアミノ基含有変性エポキシ樹脂(以
下、A成分という)と、 (B)ブロック化率が20〜80%の部分ブロックポリイソ
シアネート化合物(以下、B成分という) との反応生成物よりなることを特徴とするカチオン電着
塗料用樹脂組成物を提供するものである。
以下、本発明のカチオン電着塗料用樹脂組成物につい
て、さらに詳細に説明する。
(A)アミノ基含有変性エポキシ樹脂 A成分としてのアミノ基含有エポキシ樹脂は、或る種
の水酸基含有エポキシ樹脂と上記式(I)の環状エステ
ル化合物との付加反応生成物にさらに、ポリフェノール
化合物およびアミノ基含有化合物を付加させて得られる
ものである。
本発明において使用し得る水酸基含有エポキシ樹脂
は、1分子当り平均して、少なくとも0.5個、好ましく
は0.8個以上の水酸基および2個またはそれ以上のエポ
キシ基を有する化合物であり、特にエポキシ基を1分子
当たり2個有するポリエポキシ化合物が好適である。該
エポキシ樹脂は200〜400、好ましくは230〜350の範囲内
のエポキシ当量を有し、そして一般に、約400〜約100
0、好ましくは約450〜約700の範囲内の分子量を有する
ことが好ましい。特に有用なポリエポキシ化合物には、
ビスフェノールAのようなポリフェノールのポリグリシ
ジルエーテルが包含される。そのようなポリエポキシ化
合物の代表例としては、ビス(4−ヒドロシフェニル)
−2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロシフェニル)−1,1
−エタン、ビス(4−ヒドロジフェニル)−メタン、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン;フェノールノ
ボラックやクレゾールノボラック等のポリフェノールの
グリシジルエーテル及びその重合物が挙げられる。
本発明においては、上記の水酸基含有エポキシ樹脂
は、前記式(I)の環状エステル化合物と付加反応せし
められる。この付加反応はそれ自体既知の方法で行なう
ことができ、例えば触媒として、テトラブトキシチタ
ン、テトラプロポキシチタン等のチタン化合物;オクチ
ル酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズラウレ
ート等の有機スズ化合物;塩化第1スズなどの金属化合
物などの存在下に、前記の水酸基含有エポキシ樹脂を環
状エステル化合物と、100℃〜250℃の温度で約1〜約15
時間加熱することによって行なうことができる。上記触
媒は一般に該エポキシ樹脂と環状エステル化合物との合
計量に基づいて0.5〜1000ppmの量で使用するのが好都合
である。
上記環状エステル化物は、一般式 (R=HまたはCH3、nは3〜6)で表わされ、具体的
には、例えば、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクト
ン、ξ−エナラクトン、η−カプリロラクトン、γ−バ
レロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−エナラクト
ン、ξ−カプリロラクトンが挙げられ、特に好ましくは
炭素原子数6〜8個で且つRがHである環状エステル化
合物(ラクトン類)である。
上記付加反応において環状エステル化合物は開環し、
エポキシ樹脂中の2級水酸基と反応し、1級水酸基を付
与するとともに、ラクトンに基因するメチレン鎖部分は
エポキシ樹脂に可撓性と耐候性を付与する。エポキシ樹
脂と反応させるべき環状エステル化合物の量は厳密に制
限されるものではないが、一般には、本発明の最終反応
生成物であるカチオン電着塗料用樹脂組成物中に該化合
物に由来する成分が5〜40重量%の範囲内となるような
量であることが好ましい。
本発明においては、上記で得られるエポキシ樹脂と環
状エステル化合物との付加反応生成物(以下「ラクトン
変性エポキシ樹脂」と称する)にポリフェノール化合物
およびアミノ基含有化合物をさらに付加させて、アミノ
基含有変性エポキシ樹脂とする。ラクトン変性エポキシ
樹脂に対するポリフェノール化合物およびアミノ基含有
化合物の付加反応の順序は特に制約はなく、ポリフェノ
ール化合物との反応を先に行なってもよく、逆に、アミ
ノ基含有化合物との反応を先に行なってもよく、さらに
また同時に行なってもよい。
生成物の分子量分布を狭くすることを希望する場合に
は、ラクトン変性エポキシ樹脂にポリフェノール化合物
を付加させた後、アミノ基含有化合物を反応させること
が望ましい。
ここで用いるポリフェノール化合物としては、例えば
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、4,4′
−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシ
−3−t−ブチルフェニル)−2,2−プロパン、ビス
(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキ
シナフタレン等が挙げられる。
ラクトン変性エポキシ樹脂もしくはラクトン変性エポ
キシ樹脂にアミノ基含有化合物を付加した樹脂とポリフ
ェノール化合物との反応はそれ自体既知の方法で行なう
ことができ、例えばジメチルベンジルアミン、トリブチ
ルアミン、トリエチルアミンなどの塩基性アミノ化合物
等を触媒として用い、これらアミノ化合物の前記ラクト
ン変性エポキシ樹脂とポリフェノール化合物との合計量
に基いて1〜2000ppmの存在下に、50℃〜200℃の温度で
約1〜約15時間加熱することによって行なうことができ
る。
この反応によって、ラクトン変性エポキシ樹脂中にポ
リフェノール化合物を導入しそして付着に寄与する第2
級水酸基を生成させることができる。
上記反応におけるポリフェノール化合物の使用量は厳
密に規制されるものではないが、一般には、ラクトン変
性エポキシ樹脂またはラクトン変性エポキシ樹脂にアミ
ノ基含有化合物を付加した樹脂1モルあたり、0.2〜0.9
モル反応させることが好ましい。
ラクトン変性エポキシ樹脂または、ラクトン変性エポ
キシ樹脂にポリフェノール化合物を付加した樹脂に、反
応させうるアミノ基含有化合物としては、脂肪族、脂環
式もしくは芳香−脂肪族系の第1級もしくは第2級アミ
ン(これらはエポキシ基と反応してアミノ基を形成す
る)および第3級アミノアルコールとジイソシアネート
との反応によって得られる第3級アミノモノイソシアネ
ート(これはエポキシ樹脂の水酸基と反応して該エポキ
シ樹脂にアミノ基を導入しうる)等が挙げられる。
上記の第1級もしくは第2級アミンの例としては例え
ば次のものを挙げることができる: (1)メチルアミン、エチルアミン、n−もしくはiso
−プロピルアミン、モノエタノールアミン、n−もしく
はiso−プロパノールアミンなどの第1級モノアミン; (2)ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−
または−iso−プロパノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級
モノアミン; (3)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒド
ロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチル
アミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノ
エチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミンなどの第
1級もしくは第2級のポリアミン等。
これらの第1級もしくは第2級アミンはそのままラク
トン変性エポキシ樹脂もしくはこの樹脂とポリフェノー
ル化合物との付加物中のエポキシ基と、例えば約30〜15
0℃の温度で1〜3時間程度の条件下で反応させてもよ
いが、一般には、上記のアミンのうち第1級アミンやN
−ヒドロキシアルキル第2級アミンを使用する場合に
は、このものを予めケトン、アルデヒドもしくはカルボ
ン酸と例えば、100〜230℃程度で加熱反応させてアルジ
ミン、ケチミン、オキサゾリンもしくはイミダゾリンに
変性し、このものをラクトン変性エポキシ樹脂もしくは
この樹脂とポリフェノール化合物との付加物中のエポキ
シ基と、例えば、約80〜200℃の温度で約2〜5時間程
度反応させることが好ましい。
また、アミノ基含有化合物として第3級アミノモノイ
ソシアネートを用いる場合、例えば、30℃〜150℃程度
の温度において赤外吸収スペクトル測定によりイソシア
ネート基の吸収が完全になくなるまで反応させればよ
い。
これらのアミノ基含有化合物の使用量は、本発明の最
終反応生成物であるカチオン電着塗料用樹脂組成物のア
ミン価が15〜100となるような範囲内が好ましい。アミ
ン価が15未満であると樹脂の水分散が困難となり、また
アミン価が100を超えると、得られる塗膜の耐水性が悪
くなる傾向がある。
また、アミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)の重量平
均分子量は一般に約1000〜7000の範囲内にあることが好
ましい。
本発明では上記の如くして得られるアミノ基含有変性
エポキシ樹脂(A)を部分ブロックポリイソシアネート
化合物(B)と反応させることにより、目的とするカチ
オン電着塗料用樹脂を得る。上記反応に用いられる部分
ブロックイソシアネート化合物(B)は、ブロック化率
が20〜80%、好ましくは40〜70%の範囲内のものであ
り、これはポリイソシアネート化合物をイソシアネート
ブロック剤と、ポリイソシアネート化合物のイソシアネ
ート基の数/イソシアネートブロック剤の活性水素の数
の比が5/1〜5/4、好ましくは5/2〜10/7となるような割
合で反応させることにより得られる。ここで「ブロック
化率」とは、ポリイソシアネート中のイソシアネート基
をブロック剤の活性水素と反応させた場合、初期にあっ
た全イソシアネート基の数に対するブロックされたイソ
シアネート基の数の割合をいう。
この反応は通常、無溶媒または反応に不活性な溶媒中
にて約10〜約150℃の温度で行なうことができ、特に、
ポリイソシアネートそれ自体もしくは、ポリイソシアネ
ートを不溶性溶媒に溶解した溶液に20℃〜110℃で、イ
ソシアネートブロック剤成分もしくは、その成分の不活
性溶剤溶液を滴下しつつ反応せしめることが、部分ブロ
ックポリイソシアネート化合物の品質及び反応制御の点
から好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネートのよう
な脂肪族もしくは脂環族ポリイソシアネート化合物;ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−
ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート化合
物等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組合わ
せて使用することができる。
これらのうち、脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネー
ト化合物、特にヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネートが硬化塗膜の耐候性の点から好
適である。
一方、前記イソシアネートブロック剤はポリイソシア
ネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックす
るものであり、そして付加によって生成する部分ブロッ
クイソシアネート化合物は常温において安定で且つ約14
0〜約250℃に加熱した際、ブロック剤を解離して遊離の
イソシアネート基を再生しうるものであることが重要で
ある。このような要件を満たすブロック剤としては、例
えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどの
ラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロ
ヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノー
ル、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフ
ェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノ
ールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノー
ル、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキル
アルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル
などのエーテルアルコール系化合物等が挙げられる。
これらのうち、オキシム系およびラクタム系のブロッ
ク剤が比較的低温で解離するブロック剤であるため、カ
チオン電着塗料用樹脂の硬化性の点から特に好適であ
る。
上記部分ブロックポリイソシアネート(B)とアミノ
基含有変性エポキシ樹脂(A)との反応は通常、窒素気
流下に約50〜約150℃の温度で、イソシアネート基が実
質的に存在しなくなるまで行なう。この反応におけるア
ミノ基含有変性エポキシ樹脂(A)/部分ブロックイソ
シアネート(B)との比率は(固形分重量比)は一般に
20/1〜1/1、好ましくは10/1〜5/2の範囲内が好ましい。
上記のようにして得られる反応生成物は、カチオン電
着塗料用樹脂としてカチオン電着塗料の調製のために使
用される。その調製はそれ自体既知の方法で行なうこと
ができ、例えば、かかる樹脂を適宜の酸、例えば硼酸、
リン酸、硫酸、塩酸等の無機酸;或いは乳酸、酢酸、ギ
酸等の有機酸を単独でまたは2種以上併用して中和し、
充分に攪拌、混合しながら水を添加することにより、水
中に安定に溶解もしくは分散せしめ、次いで必要に応じ
て、カーボンブラック、チタン白、ベンガラのような着
色顔料;クレー、タルクのような体質顔料;クロム酸ス
トロンチウム、クロム酸鉛などの防錆顔料;或いはさら
に他の添加剤を混練することによって行なわれる。配合
しうる他の添加剤としては、例えば分散剤又は塗面のハ
ジキ防止剤としての少量の非イオン系界面活性剤;硬化
促進剤(例えば鉛、ビスマス、スズ、亜鉛、鉄、アルミ
ニウムなどの金属の塩及び/またはイミダゾリン化合
物、イミダゾール類、ホスフィン類、4級ホスホニウム
塩)等が挙げられる。
このようにして調製されるカチオン電着塗料浴を用
い、電導性被塗物を陰極として、通常のカチオン電着塗
装におけると同様の方法で電着塗装を行い、水洗後、約
150〜約200℃の温度で約10分〜約40分間焼付けることに
より、優れた塗膜性能をもつ硬化塗膜を得ることができ
る。
以上述べた構成からなる本発明のカチオン電着塗料用
樹脂は、分子中に環状エステル化合物との反応により導
入されたメチレン鎖を有しているため、耐候性、可撓性
に優れ、さらにラクトン変性エポキシ樹脂もしくはこの
樹脂とアミノ基含有化合物との付加物がポリフェノール
化合物との反応により形成される、金属素材との密着性
に有効な第2級水酸基を含有するので、耐水性、耐食性
等の防食性能にも優れている等の利点があり、自動車ボ
デーの下塗、工業用部品、家電製品の塗装等の分野で広
範に使用することができる。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
以下、「部」および「%」はそれぞれ「重量部」およ
び「重量%」を意味する。
製造例1(アミノ基含有変性エポキシ樹脂の製造) 攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却器を取り
つけたフラスコに、ビスフェノールAとエピクロルヒド
リンとの反応によって得られた数平均分子量370、エポ
キシ当量185のエポキシ樹脂518部を仕込み、ビスフェノ
ールA57部及びジメチルベンジルアミン0.2部を加え、12
0℃でエポキシ当量が250となるまで反応させた。ついで
ε−カプロラクトン213部及びテトラブトキシチタン0.0
3部を加え、170℃に昇温し、この温度を保ちながら経時
でサンプリングを行ない、赤外吸収スペクトル測定にて
未反応ε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以
上になった時点でビスフェノールA148部とジメチルベン
ジルアミン0.4部をさらに加え、130℃でエポキシ当量93
6となるまで反応させた。ついでメチルイソブチルケト
ン257.4部、ジエチルアミン25.6部、ジエタノールアミ
ン68.3部を加え80℃で2時間反応後、メチルエチルケト
ン143.4部で希釈し樹脂固形分72%、アミン価(樹脂固
形分)54.5のアミノ基含有変性エポキシ樹脂を得た。
製造例2(アミノ基含有変性エポキシ樹脂の製造) 製造例1で用いたと同様のフラスコに、ビスフェノー
ルAとエピクロルヒドリンとの反応によって得られた数
平均分子量370、エポキシ当量185のエポキシ樹脂500部
とビスフェノールA59.3部仕込み、ジメチルベンジルア
ミン0.2部加え130℃でエポキシ当量256となるまで反応
させた。ついでε−カプロラクトン145.5部及びテトラ
ブトキシチタン0.08部加え、170℃に昇温し、この温度
を保ちながら経時サンプリングを行ない、赤外吸収スペ
クトル測定にて未反応ε−カプロラクトン量を追跡し、
反応率が98%以上になった時点でメチルイソブチルケト
ン134.9部、N−メチルエタノールアミン67.5部及びジ
エタノールアミン36.4部を加え、80℃で2時間反応させ
た。ついでビスフェノールA490.2部を加え120℃でエポ
キシ基がなくなるまで反応後、メチルエチルケトン176.
5部で希釈し樹脂固形分75%、アミン価39.5のアミノ基
含有変性エポキシ樹脂を得た。
製造例3(部分ブロックポリイソシアネートの製造) 反応容器にイソホロンジイソシアネート222部を仕込
み反応温度を外部冷却により30〜40℃に保ちながら、メ
チルエチルケトオキシム113.1部を徐々に滴下して部分
ブロックポリイソシアネートを合成した。
製造例4(部分ブロックポリイソシアネートの製造) 反応容器にヘキサメチレンジイソシアネート200部を
仕込み、メチルエチルケトンオキシム155部を、外部冷
却により反応温度を30〜40℃に保持しながら、徐々に滴
下して部分ブロックポリイソシアネートを合成した。
製造例5(部分ブロックポリイソシアネートの製造) 反応容器にトリレンジイソシアネート200部を仕込
み、これに2−エチルヘキサノール169部を、反応温度
が80〜100℃になるように冷却しながら、徐々に滴下し
て部分ブロックポリイソシアネートを合成した。
製造例6(比較例のためのアミノ基含有エポキシ樹脂の
製造) 製造例1で用いたと同様のフラスコに、ビスフェノー
ルAとエピクロルヒドリンとの反応によって得られた数
平均分子量370、エポキシ当量185のエポキシ樹脂600部
を仕込み、ビスフェノールA237.5重量部及びジメチルベ
ンジルアミン0.93部加え、窒素気流下に120℃、エポキ
シ当量が723となるまで反応させた。ついでε−カプロ
ラクトン246.7重量部及びテトラブトキシチタン0.05重
量部加え170℃に昇温し、この温度を保ちながら経時で
サンプリングを行ない、赤外吸収スペクトル測定にて未
反応ε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上
になった時点で、メチルイソブチルケトン298.1重量
部、ジエチルアミン29.7重量部、ジエタノールアミン7
9.1重量部を加え80℃で2時間反応後、メチルエチルケ
トン166.1重量部で希釈し、固形分72重量%、アミン価5
4.6の生成物を合成した。
製造例7(比較例のためのアミノ基含有エポキシ樹脂の
製造) 製造例1で用いたと同様のフラスコに、ビスフェノー
ルAとエピクロルヒドリンとの反応によって得られた数
平均分子量370、エポキシ当量185のエポキシ樹脂1378.5
部とビスフェノールA621.5部を仕込み、メチルイソブチ
ルケトン546.9部を加え加熱溶解したのち、ジメチルベ
ンジルアミン2.2部加え、120℃でエポキシ当量1000とな
るまで反応させた。ついでジエチルアミン51.1部とジエ
タノールアミン136.5部を加え80℃で2時間反応後、メ
チルエチルケトン303.8重量部で希釈し、固形分72重量
%、アミン価51.3の生成物を合成した。
実施例1 製造例1で得たアミノ基含有変性エポキシ樹脂500部
に製造例3で得た部分ブロックイソシアネート83.7部加
え、窒素気流下に100℃で赤外吸収スペクトル測定にて
イソシアネート基の吸収がなくなるまで反応させた後、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル143.1部で希
釈し、固形分70%、アミン価(樹脂固形分)44.2のカチ
オン電着塗料用樹脂組成物を合成した。
実施例2〜4および比較例1、2 第1表に示す配合でアミノ基含有変性エポキシ樹脂と
部分ブロックイソシアネートとを実施例1におけると同
様に反応させた後、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルで固形分が70%となるよう希釈して、実施例2〜
4および比較例1、2のカチオン電着塗料用樹脂組成物
を得た。それぞれの樹脂組成物の樹脂固形分のアミン価
を第1表に示す。
応用例1 実施例1で得たカチオン電着塗料用樹脂組成物57.1部
を氷酢酸1.1部で中和した後、脱イオン水41.8部を加え
て水中に分散させ、固形分約40%の樹脂ビヒクル(I)
を調製した。
リン酸亜鉛処理した厚さ0.8m/mの冷延鋼板上に、以下
の配合により調製した電着塗料を塗膜の厚さが20μにな
るように電着した後、水洗し180℃×30分間焼付した。
得られた塗装パネル(試験板)の塗膜試験結果を第3表
に示す。成分 配合量(部) 樹脂ビヒクル(I) 100 チタン白 10 塩基性硅酸鉛 2 カーボンブラック 0.3 ジブチルスズオキシド 2 脱イオン水 207 応用例2〜4および比較応用例1、2 カチオン電着塗料用樹脂組成物として下記の第2表に
示す樹脂組成物を使用する以外は応用例1と同様にして
応用例2〜4および比較応用例1、2の電着塗料および
塗装パネルを得た。得られた塗装パネルの試験結果を第
3表に示す。
第3表における試験方法は下記に従って行なった。
*1 耐衝撃性(デュポン式) 試験板を温度20±1℃、湿度75±2%の恒温恒湿室に
24時間置いたのち、デュポン衝撃試験器に規定の大きさ
の受台と撃心を取り付け、試験板の塗面を上向きにし
て、その間に挟み、次に規定の重さのおもりを撃心の上
に落とし、衝撃による塗膜のワレ、ハガレがない最大高
さを測定した。
*2 耐屈曲性 試験板を温度20±1℃、湿度75±2%の恒温恒湿性に
24時間置いたのち、1〜2秒で180゜折り曲げを行な
う。折り曲げ部分の表裏両面共に異常のない場合を、○
とし、少なくともどちらか一方にワレ、ハガレ等の異常
のある場合を×とした。
*3 耐ソルトスプレー性 塗板にクロスカットを入れJIS Z2871に従って試験
し、480時間後にクロスカット部をセロハンテープによ
りはく離し、はく離幅を測定した。
*4 耐候性 焼付した電着塗膜の塗装パネル上に、さらにアミノア
ルキド樹脂系塗料を35μ塗装し、140℃、15分焼付け
た。この塗板を、20時間サンシャインウエザオメーター
にかけ、さらに40℃の水中に20時間浸漬した後、塗板に
クロスカットを入れて、セロファン粘着テープではく離
試験を行なう。この試験を1サイクルとして繰り返し行
なってはく離が生じるまでに要したサンシャインウエザ
オメーターに入れた時間を記載した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エポキシ当量が200〜400の水酸基含
    有エポキシ樹脂と一般式 式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、nは3〜6
    である、 で表わされる環状エステル化合物との付加反応生成物に
    さらにポリフェノール化合物およびアミノ基含有化合物
    を付加させてなるアミノ基含有変性エポキシ樹脂と、 (B)ブロック化率が20〜80%の部分ブロックポリイソ
    シアネート化合物 との反応生成物よりなることを特徴とするカチオン電着
    塗料用樹脂組成物。
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