JPH057271B2 - - Google Patents
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- JPH057271B2 JPH057271B2 JP60101608A JP10160885A JPH057271B2 JP H057271 B2 JPH057271 B2 JP H057271B2 JP 60101608 A JP60101608 A JP 60101608A JP 10160885 A JP10160885 A JP 10160885A JP H057271 B2 JPH057271 B2 JP H057271B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
この発明は、半導体装置用ボンデイングワイヤ
に表面酸化が発生するのを防止する包装方法に関
するものである。 〔従来の技術〕 従来、半導体装置用のボンデイングワイヤとし
て金線が最も一般的に使用されているが、最近で
はこの分野においても省金化の要望が高まつて、
このような金線も他の卑金属ワイヤ、例えば銅線
や銅合金ワイヤに置換えようとする動きが現われ
ている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、このような卑金属ワイヤでは従
来の金線とは相違して、大気中の酸素および/ま
たは水分によつて酸化し易いために、保存中その
表面の酸化を防止することが重要な問題となり、
そのために、第1図aおよびbに平面図および側
面図で示されるように、ボンデイングワイヤ1と
しての例えば銅線をスプール2に巻き付け、この
スプール2をスプールケース3の下ケース3aに
嵌め込んでから上蓋3bを被せたものを、第2図
に側面図で示されるように合成樹脂フイルム製袋
体4内に真空封入するか、あるいは不活性と一緒
に封入するかして包装されているが、この場合ス
プールケース3内の空気の除去、またはこれの不
活性ガスによる置換が十分に行なわれず、そこで
上記スプールケース3の通気性を良くする目的で
これに孔をあけると、スプールケースの移動時や
合成樹脂フイルム製袋体を用いての包装時に、そ
の孔から塵埃等が侵入するという問題が生じ、さ
らに上記袋体自体も長期にわたつて完全な密封性
を保持することは困難であるなどの理由で半導体
装置用ボンデイングワイヤの表面酸化を防止する
のが困難であるのが現状である。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本発明者は、このような問題を解決す
べく種々研究を重ねた結果、 (1) 前記真空包装後に水素ガス、または水素ガス
を含む不活性ガスを合成樹脂フイルム製袋体内
に導入すると、水素ガスは分子が極めて小さい
ために、空気またはその他のガスが通過し難い
前記スプールケースを非常によく透過して、ス
プールケース内のワイヤ表面に十分な濃度をも
つて行き亘ること、 (2) ワイヤ表面に達した水素がワイヤ表面におけ
る酸素分圧を著しく低下させて酸素のワイヤ表
面への吸着および酸素原子と金属原子との結合
を効果的に抑制して、金属酸化物の生成を極め
て有効に阻止すること、 (3) 水素ガスのスプール内への浸透は上述のとお
り非常に活発なため、水素ガス濃度が低くて
も、すなわち水素ガスまたは水素ガス含有不活
性ガスの封入圧力が1気圧以下であつても、前
記効果を十分に得ることができ、したがつて袋
体の膨らみや損傷、またはそれによる水素ガス
の漏洩などの問題や危険を伴わずに水素ガスの
酸化防止作用を利用できること、 以上(1)〜(3)に示される研究結果を得たのである。 この発明は、上記研究結果に基づいて発明され
たもので、スプールに巻き付けた半導体装置用ボ
ンデイングワイヤを内蔵したスプールケースを合
成樹脂フイルム製袋体内に収納し、 上記袋体内を真空引きした後、これに水素ガ
ス、または水素ガスと不活性ガスの混合ガスを封
入して、前記袋体内の圧力を1気圧以下に保持す
ることにより半導体装置用ボンデイングワイヤの
表面酸化を防止する包装方法に特徴を有するもの
である。 この発明の方法において、水素ガス、または水
素ガスと不活性ガスの封入によつて形成される袋
体内の圧力が1気圧を越すと、袋体が膨らんだ
り、あるいは破れたりする恐れがあるところか
ら、その圧力の上限を一気圧と定めた。水素ガス
は前述のとおり、少量でも十分な効果を発揮し、
一般に0.01気圧以上の水素ガス圧力または水素ガ
ス分圧があれば十分で、この水素ガスの圧力(全
圧)または分圧は好ましくは0.1〜1気圧である。 また、この発明の方法において使用される不活
性ガスとしては、一般に使用される不活性ガス、
例えば好ましくは窒素ガスまたはアルゴンガスが
使用される。 さらに、同じく袋体としては、通常の真空パツ
ケージに使用されているガスバリヤ性に富んだプ
ラスチツクフイルム製のものや、それらの多層構
造、例えば2層ないし3層構造のラミネートフイ
ルム製のものなど、どのような合成樹脂フイルム
でも使用することができ、例えばナイロンとプロ
ピレンの2層構造ラミネートフイルム製およびサ
ランコート、ポリプロピレン、およびポリエチレ
ンの3層構造ラミネートフイルム製のものなどが
好都合に使用される。 〔実施例〕 ついで、この発明の方法を実施例により比較例
と対比しながら説明する。 第1図および第2図に示されるように、直径:
25μmのボンデイングワイヤ1としての銅線をア
ルミニウム製のスプール2に多条巻きにしてポリ
塩化ビニール製のスプールケース3,3a,3b
に収め、これをサランコート、ポリプロンピレ
ン、およびポリエチレンのの3層構造を有する、
全体厚さ:70μmのラミネートフイルム製袋体4
内に収納し、前記袋体内を真空引きした後、これ
に水素ガス、または水素ガスと不活性ガスの所定
割合の混合ガスを封入して、前記袋体内の圧力を
それぞれ第1表に示される圧力に保持することに
より本発明法1〜6を実施した。 また、比較の目的で、袋体内を真空引き状態と
するか、あるいは袋体内への封入ガスを不活性ガ
スだけにするか、さらに袋体内の水素ガスによる
圧力をこの発明の範囲から高い方に外れた圧力と
するか、することにより比較法1〜4をそれぞれ
行なつた。 ついで、上記本発明法1〜6および比較法1〜
4による包装効果を調べるために、包装後3カ月
間放置してから、上記銅線の酸素含有量を測定し
た。これらの測定結果を第1表に示した。また、
第1表には包装直後の酸素含有量も示した。 〔発明の効果〕 第1表に示される結果から、水素ガスの導入を
行なわない比較法1〜3では、銅線の表面酸化が
いずれも大きく、表面の清浄度が維持されていな
いのに対して、本発明法1〜6においては、表面
酸化が著しく小さく、水素ガスの封入が表面酸化
に表面酸化が発生するのを防止する包装方法に関
するものである。 〔従来の技術〕 従来、半導体装置用のボンデイングワイヤとし
て金線が最も一般的に使用されているが、最近で
はこの分野においても省金化の要望が高まつて、
このような金線も他の卑金属ワイヤ、例えば銅線
や銅合金ワイヤに置換えようとする動きが現われ
ている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、このような卑金属ワイヤでは従
来の金線とは相違して、大気中の酸素および/ま
たは水分によつて酸化し易いために、保存中その
表面の酸化を防止することが重要な問題となり、
そのために、第1図aおよびbに平面図および側
面図で示されるように、ボンデイングワイヤ1と
しての例えば銅線をスプール2に巻き付け、この
スプール2をスプールケース3の下ケース3aに
嵌め込んでから上蓋3bを被せたものを、第2図
に側面図で示されるように合成樹脂フイルム製袋
体4内に真空封入するか、あるいは不活性と一緒
に封入するかして包装されているが、この場合ス
プールケース3内の空気の除去、またはこれの不
活性ガスによる置換が十分に行なわれず、そこで
上記スプールケース3の通気性を良くする目的で
これに孔をあけると、スプールケースの移動時や
合成樹脂フイルム製袋体を用いての包装時に、そ
の孔から塵埃等が侵入するという問題が生じ、さ
らに上記袋体自体も長期にわたつて完全な密封性
を保持することは困難であるなどの理由で半導体
装置用ボンデイングワイヤの表面酸化を防止する
のが困難であるのが現状である。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本発明者は、このような問題を解決す
べく種々研究を重ねた結果、 (1) 前記真空包装後に水素ガス、または水素ガス
を含む不活性ガスを合成樹脂フイルム製袋体内
に導入すると、水素ガスは分子が極めて小さい
ために、空気またはその他のガスが通過し難い
前記スプールケースを非常によく透過して、ス
プールケース内のワイヤ表面に十分な濃度をも
つて行き亘ること、 (2) ワイヤ表面に達した水素がワイヤ表面におけ
る酸素分圧を著しく低下させて酸素のワイヤ表
面への吸着および酸素原子と金属原子との結合
を効果的に抑制して、金属酸化物の生成を極め
て有効に阻止すること、 (3) 水素ガスのスプール内への浸透は上述のとお
り非常に活発なため、水素ガス濃度が低くて
も、すなわち水素ガスまたは水素ガス含有不活
性ガスの封入圧力が1気圧以下であつても、前
記効果を十分に得ることができ、したがつて袋
体の膨らみや損傷、またはそれによる水素ガス
の漏洩などの問題や危険を伴わずに水素ガスの
酸化防止作用を利用できること、 以上(1)〜(3)に示される研究結果を得たのである。 この発明は、上記研究結果に基づいて発明され
たもので、スプールに巻き付けた半導体装置用ボ
ンデイングワイヤを内蔵したスプールケースを合
成樹脂フイルム製袋体内に収納し、 上記袋体内を真空引きした後、これに水素ガ
ス、または水素ガスと不活性ガスの混合ガスを封
入して、前記袋体内の圧力を1気圧以下に保持す
ることにより半導体装置用ボンデイングワイヤの
表面酸化を防止する包装方法に特徴を有するもの
である。 この発明の方法において、水素ガス、または水
素ガスと不活性ガスの封入によつて形成される袋
体内の圧力が1気圧を越すと、袋体が膨らんだ
り、あるいは破れたりする恐れがあるところか
ら、その圧力の上限を一気圧と定めた。水素ガス
は前述のとおり、少量でも十分な効果を発揮し、
一般に0.01気圧以上の水素ガス圧力または水素ガ
ス分圧があれば十分で、この水素ガスの圧力(全
圧)または分圧は好ましくは0.1〜1気圧である。 また、この発明の方法において使用される不活
性ガスとしては、一般に使用される不活性ガス、
例えば好ましくは窒素ガスまたはアルゴンガスが
使用される。 さらに、同じく袋体としては、通常の真空パツ
ケージに使用されているガスバリヤ性に富んだプ
ラスチツクフイルム製のものや、それらの多層構
造、例えば2層ないし3層構造のラミネートフイ
ルム製のものなど、どのような合成樹脂フイルム
でも使用することができ、例えばナイロンとプロ
ピレンの2層構造ラミネートフイルム製およびサ
ランコート、ポリプロピレン、およびポリエチレ
ンの3層構造ラミネートフイルム製のものなどが
好都合に使用される。 〔実施例〕 ついで、この発明の方法を実施例により比較例
と対比しながら説明する。 第1図および第2図に示されるように、直径:
25μmのボンデイングワイヤ1としての銅線をア
ルミニウム製のスプール2に多条巻きにしてポリ
塩化ビニール製のスプールケース3,3a,3b
に収め、これをサランコート、ポリプロンピレ
ン、およびポリエチレンのの3層構造を有する、
全体厚さ:70μmのラミネートフイルム製袋体4
内に収納し、前記袋体内を真空引きした後、これ
に水素ガス、または水素ガスと不活性ガスの所定
割合の混合ガスを封入して、前記袋体内の圧力を
それぞれ第1表に示される圧力に保持することに
より本発明法1〜6を実施した。 また、比較の目的で、袋体内を真空引き状態と
するか、あるいは袋体内への封入ガスを不活性ガ
スだけにするか、さらに袋体内の水素ガスによる
圧力をこの発明の範囲から高い方に外れた圧力と
するか、することにより比較法1〜4をそれぞれ
行なつた。 ついで、上記本発明法1〜6および比較法1〜
4による包装効果を調べるために、包装後3カ月
間放置してから、上記銅線の酸素含有量を測定し
た。これらの測定結果を第1表に示した。また、
第1表には包装直後の酸素含有量も示した。 〔発明の効果〕 第1表に示される結果から、水素ガスの導入を
行なわない比較法1〜3では、銅線の表面酸化が
いずれも大きく、表面の清浄度が維持されていな
いのに対して、本発明法1〜6においては、表面
酸化が著しく小さく、水素ガスの封入が表面酸化
【表】
を大いに抑制して、ボンデイングワイヤ表面の清
浄度維持に著しく貢献していることがわかる。ま
た水素ガスをこの発明の圧力範囲を越えて過大に
封入した比較法4においては、袋体が破裂して、
これが実用に適さないことを示している。 以上述べた説明から明らかなように、この発明
の方法によれば、半導体装置用ボンデイングワイ
ヤの表面酸化を有効に阻止することができるか
ら、大気中の酸素等によつて表面が酸化し易い銅
や銅合金のような卑金属製ボンデイングのワイヤ
でも長時間保存することができ、したがつて、半
導体装置の分野において、このような卑金属製ワ
イヤをボンデイングワイヤとして実用化できると
いう産業上有益な効果がもたらされるのである。
浄度維持に著しく貢献していることがわかる。ま
た水素ガスをこの発明の圧力範囲を越えて過大に
封入した比較法4においては、袋体が破裂して、
これが実用に適さないことを示している。 以上述べた説明から明らかなように、この発明
の方法によれば、半導体装置用ボンデイングワイ
ヤの表面酸化を有効に阻止することができるか
ら、大気中の酸素等によつて表面が酸化し易い銅
や銅合金のような卑金属製ボンデイングのワイヤ
でも長時間保存することができ、したがつて、半
導体装置の分野において、このような卑金属製ワ
イヤをボンデイングワイヤとして実用化できると
いう産業上有益な効果がもたらされるのである。
第1図および第2図は半導体装置用ボンデイン
グワイヤの包装態様を示したもので、第1図aは
スプールケースの平面図、第1図bはスプールケ
ースとその中に収められるスプールとボンデイン
グワイヤを示す側面図、第2図はスプールケース
の合成樹脂フイルム製袋体による包装態様を示す
側面図である。 1……ボンデイングワイヤ、2……スプール、
3……スプールケース、4……合成樹脂フイルム
製袋体。
グワイヤの包装態様を示したもので、第1図aは
スプールケースの平面図、第1図bはスプールケ
ースとその中に収められるスプールとボンデイン
グワイヤを示す側面図、第2図はスプールケース
の合成樹脂フイルム製袋体による包装態様を示す
側面図である。 1……ボンデイングワイヤ、2……スプール、
3……スプールケース、4……合成樹脂フイルム
製袋体。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 スプールに巻き付けた半導体装置用ボンデイ
ングワイヤを内蔵したスプールケースを合成樹脂
フイルム製袋体内に収納し、 上記袋体内を真空引きした後、これに水素ガ
ス、または水素ガスと不活性ガスの混合ガスを封
入して、前記袋体内の圧力を1気圧以下に保持す
ることを特徴とする半導体装置用ボンデイングワ
イヤの包装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10160885A JPS61273365A (ja) | 1985-05-15 | 1985-05-15 | 半導体装置用ボンデイングワイヤの包装方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10160885A JPS61273365A (ja) | 1985-05-15 | 1985-05-15 | 半導体装置用ボンデイングワイヤの包装方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61273365A JPS61273365A (ja) | 1986-12-03 |
JPH057271B2 true JPH057271B2 (ja) | 1993-01-28 |
Family
ID=14305108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10160885A Granted JPS61273365A (ja) | 1985-05-15 | 1985-05-15 | 半導体装置用ボンデイングワイヤの包装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61273365A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020136921A1 (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | 田中電子工業株式会社 | ワイヤ封止体 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01139380A (ja) * | 1987-11-20 | 1989-05-31 | Nec Corp | 半導体装置の出荷包装装置 |
JP2008110811A (ja) * | 2006-10-30 | 2008-05-15 | Hiroshima Kasei Ltd | 加水素液体保存用容器 |
JP2018122938A (ja) * | 2018-04-10 | 2018-08-09 | 株式会社光未来 | 対象物に対する水素ガスの溶解方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5946865A (ja) * | 1982-09-10 | 1984-03-16 | Fuji Electric Co Ltd | コネクタケ−ブルの誤接続防止方式 |
-
1985
- 1985-05-15 JP JP10160885A patent/JPS61273365A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5946865A (ja) * | 1982-09-10 | 1984-03-16 | Fuji Electric Co Ltd | コネクタケ−ブルの誤接続防止方式 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020136921A1 (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | 田中電子工業株式会社 | ワイヤ封止体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61273365A (ja) | 1986-12-03 |
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