JPH057221Y2

JPH057221Y2 -

Info

Publication number: JPH057221Y2
Application number: JP1986143297U
Authority: JP
Priority date: 1986-09-17
Filing date: 1986-09-17
Publication date: 1993-02-24
Anticipated expiration: 2001-09-17
Also published as: JPS6350848U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、タイル、床材、壁材等の備前焼風建
築部材に関する。

従来の技術備前焼は、六古窯の中でも最も古い窯で、褐色
の素地に釉薬を用いずに焼き締めるだけのもの
で、千年以上も続き、今日でもなお発展をとげ、
日本人の趣味、趣向によく合つている。そのた
め、備前焼のタイルが製造され、使用されている
が、従来のものは、備前焼作家が製作する陶板を
利用して製造していたり、備前焼陶土を瓦用押出
機で押し出して製造しているものであつた。

問題点を解決するための手段しかし、前者のものでは、外観は優れ、趣味的
には満足できるものの、寸法精度が非常に悪く、
曲がりや反りもあり、加えて極めて高価であつ
た。

また、後者のものでは、備前土が水分20％以上
もの多量添加しないと押出可能な可塑性を発揮で
きないため、成形物は乾燥や焼成過程で約20〜30
％も収縮し、かつ曲がりや反りが生じて、近代建
築施工規格を満たすことが到底できないものであ
つた。

問題点を解決するための手段本考案は、上記のような点に鑑みたもので、上
記の課題を解決するために、タイル、床材、壁材
等の建築部材を、粘土質やろう石質の耐火物の建
築部材素材で、裏面側に貼付施工用やボルト固定
用のへこみ部を設けたタイル、床材、壁材等の所
定形状に構成していて、上記耐火物の建築部材素
材を、最大の粒子径を1.0〜2.0mmとし、水分が３
〜４％とした最密充填型の粒度分布の耐火物原料
で上記所定形状に形成するとともに、その表面に
備前土に所要の調整を加えた泥漿の塗膜を被覆し
て表面に備前焼風模様を焼成表出していることを
特徴とする備前焼風建築部材を提供するにある。

実施例以下、本考案を実施例にもとづいて説明する。

第１図、第２図は、本考案のタイルに実施した
一実施例である。建築部材１は、耐火物本体２の
表面に備前焼風模様３を表出して、タイル状に形
成している。耐火物本体２は、最大の粒子径を
1.0〜2.0mmとした最密充填型の粒度分布の耐火物
原料を使用して成形しているもので、塩基性のも
のを除けば特に制限はないが、Al₂O₃−SiO₂系の
ハイシリカ質のものが、価格、資源量の点から好
ましい。具体例としては、たとえば耐火度SK26
の低級粘土質シヤモツトが76％、耐火度SK26の
低級粘土が15％、水分４％のものや、生ろう石が
82％、耐火度SK26の低級耐火粘土が５％、水分
が３％の坏土のものが例示でき、その他適宜に組
み合わせることもできる。この坏土をミキサーに
装填して十分に混練し、所定のタイル形状を形成
した金型に充填して、フリクシヨンプレスや油圧
プレス、好ましくは真空室脱気式の油圧プレスで
建築部材素地２を型成形するものである。金型
は、図示していないが、側面は平滑状であつても
差し支えないが、底板側には備前焼風に凹凸状や
所要の起伏状、不規則な模様、うねり等を該設
し、面板側には第２図のようにタイル貼付施工時
に必要なアリ溝のへこみ部４を設けるためのアリ
足を規則的にかつ平滑面状に設けたものを使用す
るものである。金型の材料としては、側面部材、
面板部材にはダイス鋼でもよいが、底板部材には
砂型の鋳放し面をそのまま生かせるマンガン鋳鋼
等が適している。

このようにして、成形した耐火物の建築部材素
材２の表面に備前土の所要の調製した泥漿をスプ
レーガンで吹き付けたり、泥漿に短時間浸して引
き上げるかして、付着した泥漿を乾燥し、乾燥後
に再び同様にして泥漿を表面に付着する。泥漿を
くり返し付着することによつて、表面土の剥離問
題を減少できる。備前土は、岡山県備前市伊部地
域の水田の底土で、その化学成分は、Al₂O₃が15
〜20％、Fe₂O₃が２〜４％、K₂Ｏ＋Na₂Ｏが２〜
４％で、耐火度がSK10〜19、鉱物組成が石英、
長石、セリサイト、カオリン類、モンモリロナイ
ト、パイロフイライトから構成されている。水田
の底土は砂を含んでいるため、水簸して除き、水
分が約50％の泥漿を使用するものである。

上記泥漿を付着した建築部材素材２を、備前焼
用の窯を使い、松割木を燃料にして焼き上げる
と、第１図のように表面に備前焼風模様３がつい
た、収縮や曲がり、反りがきわめて少ない建築部
材１が仕上げらるものである。なお、備前焼用窯
のかわりに一般の窯炉を使用し、米わら等をはさ
んで重ねて焼けば、火だすき模様のタイルを得る
ことができる。焼成温度としては、1200〜1300℃
位が最適で、建築施工規格に適合する十分な寸法
精度に仕上げられるものである。

他の実施例第３図は、本考案の他の実施例である。

本実施例では、金型の底板側を型彫機で不規則
な模様を施し、タイル貼付施工時用に面板側にボ
ルト固着用の長孔のへこみ部５を設けるように突
部を突設して、タイル状の備前焼風建築部材１を
成形したものである。

このように、金型の底板側の模様を工夫すれ
ば、趣味、趣向をこらした備前焼風の建築部材を
適宜に成形できるものである。

なお、上記の実施例にあつては、タイルについ
て説明したが、内壁材、外壁材、内床材、外床材
等の建築部材についても同様に適用できるもので
ある。

考案の効果水分が少ない耐火材料で収縮や、曲がり、反り
がきわめて少なくて、従来のタイル、床材、壁材
と同様に床面や壁面に裏面側のへこみ部を介して
貼付施工することができる。また、タイル、床
材、壁材等の建築部材として不可欠な建築施工規
格の寸法精度に十分に適合できるように仕上げら
れ、かつ均一な品質なものを量産することができ
る。しかも、表面側に備前焼風模様が施せて趣
味、趣向をこらせる高級感を有する備前焼風の床
面、壁面の施工が実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の一実施例の斜視図お
よび側断面図、第３図は同上の他の実施例の側断
面図である。１……建築部材、２……建築部材素材、３……
備前焼風模様。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】タイル、床材、壁材等の建築部材を、粘土質や
ろう石質の耐火物の建築部材素材で、裏面側に貼
付施工用やボルト固定用のへこみ部を設けたタイ
ル、床材、壁材等の所定形状に構成していて、上記耐火物の建築部材素材を、最大の粒子径を
1.0〜2.0mmとし、水分が３〜４％とした最密充填
型の粒度分布の耐火物原料で上記所定形状に形成
するとともに、その表面に備前土に所要の調整を
加えた泥漿の塗膜を被覆して表面に備前焼風模様
を焼成表出していることを特徴とする備前焼風建
築部材。