JPH0732334A - 釉薬タイル及びその製造方法 - Google Patents

釉薬タイル及びその製造方法

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JPH0732334A
JPH0732334A JP18032093A JP18032093A JPH0732334A JP H0732334 A JPH0732334 A JP H0732334A JP 18032093 A JP18032093 A JP 18032093A JP 18032093 A JP18032093 A JP 18032093A JP H0732334 A JPH0732334 A JP H0732334A
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glaze
powder
tile
granules
filled
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JP18032093A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Kagami
嘉矩 各務
Shinichi Kagami
真一 各務
Shukichi Kagami
修吉 各務
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MINO GANRYO KAGAKU KK
Original Assignee
MINO GANRYO KAGAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な厚さの釉薬を有する釉薬タイルを、簡
易に製造する。 【構成】 加圧成形型11内に釉薬粉粒体5とタイル本
体用粉粒体6とのいずれか一方の粉粒体を充填した後、
充填された一方の粉粒体の上に他方の粉粒体を充填す
る。次いで、これらの充填した粉粒体を一体に加圧成形
し、得られた成形体を焼成する。なお、釉薬粉粒体の充
填に際し、仕切板材を加圧成形型11内に配置し、その
仕切板材によって形成される複数の成形空間にそれぞれ
色違いの釉薬粉粒体を充填することもでき、これによっ
て、紋様状の模様の釉薬を有する釉薬タイルを得ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は浴室、洗面所等の床、公
園、商店街等の歩道などに敷設され、あるいは、建築の
内外装壁材などとして施工される釉薬タイル及びその製
造方法に関するもので、特に、十分な厚みの釉薬が施さ
れた釉薬タイル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、タイルには釉薬を施すことが
一般的になされ、それによってタイルの表面を彩色する
と共に光沢を付与し、美的効果を得るようにしている。
またこのように施された釉薬は、汚れの付着を防ぎ、ま
た汚れが付着しても簡単に洗い落とすことができる等の
働きがあり、更に、酸やアルカリなどの科学作用に対し
て抵抗力を有する働きも有している。
【0003】このような釉薬を施した釉薬タイルは、一
般に、釉薬材料を泥漿化してから、この泥漿化した釉薬
を、予め成形し素焼きしたタイル本体に塗布し、次いで
乾燥し焼成することによって製造される。そして、この
釉薬の塗布には印刷などの方法が取り入れられ、それに
よって多彩な模様を形成することもなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように製
造された釉薬タイルは、色彩的には豊かではあるが、釉
薬の厚さが一般に0.1〜0.3mm程度と薄いため、床
あるいは歩道等に用いた場合には、釉薬が摩耗により簡
単にハゲるという問題があった。また、釉薬を施す工程
は、タイル本体を成形し素焼きするタイル本体の形成工
程と別の工程によりなされるため、こうした釉薬タイル
の製造には比較的手間がかかるということにも問題があ
った。
【0005】なお、無釉薬のタイルに関するが、上述の
釉薬タイルの釉薬が薄い点の問題を解決するものとし
て、象嵌法によってタイルに紋様状の模様を施すことが
知られている。この象嵌法は、着色坏土の紋様を予め用
意し、これを素地の表面に埋込んで焼結する方法であ
り、特公昭50−20962号公報、特公平2−423
23号公報、特開平2−239905号公報、特開平2
−241703号公報等に開示されている。そして、こ
の象嵌法によれば、3mm程度の厚さの多様な紋様を有す
るタイルを得ることができる。
【0006】しかし、この象嵌法によって製造されたタ
イルは無釉薬であるため釉薬タイルとしての効果は期待
することができず、またその製造にも2回、時には3回
のプレスを必要とするなど、製造に手間がかかると共
に、製造コストも嵩むなどの欠点があった。
【0007】そこで、本発明は、簡易に製造することが
できると共に、多少の摩耗によっても簡単にハゲること
のない十分な厚さの釉薬を有する釉薬タイルとその製造
方法を提供することをその課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる釉薬タイ
ルは、基本的には、加圧成形型内に釉薬粉粒体とタイル
本体用粉粒体とのいずれか一方の粉粒体を充填した後、
充填した一方の粉粒体の上から他方の粉粒体を充填し、
次いでこれらの充填した粉粒体を一体に加圧成形した後
焼成してなるものである。
【0009】そして、本発明にかかる釉薬タイルの製造
方法は、基本的には、加圧成形型内に釉薬粉粒体とタイ
ル本体用粉粒体とのいずれか一方の粉粒体を充填する粉
粒体充填工程と、充填した一方の粉粒体の上から他方の
粉粒体を充填する粉粒体充填工程と、これらの充填した
粉粒体を一体に加圧成形する加圧成形工程と、加圧成形
によって形成された成形体を焼成する焼成工程とを具備
するものである。
【0010】また、本発明にかかる釉薬タイル及びその
製造方法を更に発展させた態様によれば、その釉薬タイ
ルは紋様状の模様を有するものとすることができる。す
なわち、本発明にかかる紋様状の模様を有する釉薬タイ
ルは、釉薬粉粒体の充填に際して仕切板材を用い、仕切
板材を加圧成形型内に配置し、その仕切板材によって形
成された複数の成形空間にそれぞれ色違いの釉薬粉粒体
を充填したものである。また、その製造方法は、釉薬粉
粒体充填工程に先立って、加圧成形型内に仕切板材を配
置する仕切板材配置工程を具備し、そして釉薬粉粒体充
填工程において、仕切板材によって形成された複数の成
形空間にそれぞれ色違いの釉薬粉粒体を充填するもので
ある。なお、この釉薬粉粒体充填工程の後に、その仕切
板材を加圧成形型内から除去する仕切板材除去工程が合
わせて加えられる。
【0011】ここで、本発明において使用する釉薬とし
ては、従来より知られまた用いられている釉薬をそのま
ま使用することができ、例えば、木材等の灰を使った灰
釉や、伝統的な釉薬なども適宜に使用することができ
る。しかし本発明では、明彩な外観の釉薬タイルを得る
ために、無色の釉薬材料に着色顔料を添加したものが特
に好適に用いられる。そしてその着色顔料としては、酸
化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、炭酸銅、あるいはジ
ルコン系顔料、クロマイト、黄土等の天然顔料等を適宜
使用することができ、これらは一般に1〜5%の割合で
配合される。
【0012】そして、本発明において釉薬は、原料粉末
の形態のままでも使用することができるが、造粒した粉
粒体の形態のものを使用するのが有利である。この造粒
した粉粒体は、釉薬の原料粉に有機粘結剤、水を加え、
トロンミルなどを使用して混合粉砕し泥漿化してから、
スプレードライヤーなどによって造粒し乾燥して得られ
る。その粒径は一般に20〜50メッシュ(約300〜
800μm)程度が望ましい。このような造粒粉はさら
さらしているため作業性が良く、特に仕切板材によって
形成される成形空間にも容易に行き渡らせることができ
る。また、このような造粒粉を用いることによって、色
むらのない釉薬タイルを得ることができる。なお、有機
粘結剤は粉粒体の加圧成形によって得られる成形体の保
形性を向上し、また焼成時の亀裂の発生を防止するため
のもので、CMCなどのセルロースエ−テル、あるいは
合成樹脂等が使用される。
【0013】また、本発明で用いる釉薬粉粒体は、透明
な釉薬粉粒体と斑点形成用着色粉粒体との混合物とする
こともでき、それによって、斑点模様を有する釉薬タイ
ルを得ることができる。ここで、斑点形成用着色粉粒体
としては、岩石あるいは着色された陶磁器等の粉砕物を
使用することもできるが、好ましくは、造粒した着色粉
粒体を使用することが望ましい。そしてこの造粒した着
色粉粒体は、着色顔料を含む坏土材料を泥漿化したもの
を、スプレードライヤーなどによって比較的粗く造粒し
乾燥し、次いでこの造粒粉を、加圧成形時に形が崩れな
い程度に焼成することによって得ることができる。また
その焼成することに代えて、合成樹脂等のバインダーを
使用して固めるようにすることもできる。
【0014】このような斑点形成用着色粉粒体は、一般
に0.5〜5mm程度の粒径のものが使用される。しか
し、この範囲外の粒径のものでも適宜に用いることがで
きる。そして、斑点形成用着色粉粒体は、釉薬粉粒体の
混合物総量に対して一般に5〜50%の割合で使用され
る。しかしこの割合も限定的なものではなく、この範囲
外の割合であっても適宜実施することができる。また、
この斑点形成用着色粉粒体は、単独で使用してもよい
し、また色違いの複数の着色粉粒体を混ぜ合わせて使用
するようにしてもよい。
【0015】タイル本体用粉粒体は、タイルの本体を形
成するもので、タイルの製造に通常用いられる材料が使
用される。また、このタイル本体用粉粒体は、タイルに
成形された際には表面に現れないため、例えば、タイル
の廃材の粉砕微粉、下水処理の廃泥乾燥粉などの廃棄物
を混合したものであってもよい。この場合には、資源の
再利用ともなる。そして、タイル本体用粉粒体は原料粉
末の形態のものをそのまま使用することもできるが、釉
薬粉粒体の場合と同様に、造粒した粉粒体の形態のもの
を使用することがより好ましい。そしてその好ましい粒
径は釉薬粉粒体の場合と同じである。
【0016】また、タイル本体用粉粒体は、一般に着色
顔料なしで無地のまま使用されるが、釉薬粉粒体として
無色透明なものが使用される場合には、着色顔料等で着
色されたものが用いられる。着色顔料には通常使用され
るものを適宜使用することができる。またこの場合、タ
イル本体用粉粒体は色違いの複数の着色粉粒体の混合物
とすることができ、それによって、斑点状の模様を形成
することができる。
【0017】本発明の釉薬タイルの製造は、これらの釉
薬粉粒体及びタイル本体用粉粒体を加圧成形型内に充填
し、一体に加圧成形することによって行われる。これに
は、タイルの製造に通常用いられている加圧成形型と加
圧成形機をそのまま使用することができる。そして、釉
薬粉粒体は、最終的に得られる釉薬タイルの釉薬層が好
ましくは1.0〜1.5mmの厚さになるように充填され
る。したがって、その充填時の厚さは、釉薬粉粒体とし
て造粒したものが使用される場合、一般に5〜6mmであ
る。しかしこの釉薬の厚さは特に限定されるものではな
く、タイルの具体的な使用目的等に応じて任意に定める
ことができる。
【0018】この釉薬粉粒体とタイル本体用粉粒体との
充填はいずれが先に行われてもよいが、この充填に際し
て、いずれか一方の粉粒体を充填した後にそれを予備加
圧成形することが望ましい。それによって、先に充填さ
れた粉粒体の表面を平らにすることができ、特に後で釉
薬粉粒体が充填される場合、その層の厚さを正確に制御
することができる。またそれと共に、充填された釉薬粉
粒体とタイル本体用粉粒体とが加圧成型時にそれらの界
面で不均一に流動することを防止することができる。た
だ、この予備加圧成形は最終的な加圧成型時の圧力の半
分以下の圧力でなされるのが好ましい。余りに高い圧力
で加圧することは意味がないばかりでなく、加圧成型後
の釉薬粉粒体層とタイル本体用粉粒体層との接合性を低
下させる結果となる。
【0019】なお釉薬粉粒体の充填に際して、本発明の
態様に基づく紋様状の模様を有する釉薬タイルを製造す
る場合には、仕切板材が使用される。この仕切板材は金
属板などによって作成され、加圧成形型内を仕切り、色
違いの釉薬粉粒体を充填するための複数の成形空間を形
成するものである。この仕切板材とこれを使用した釉薬
タイルの製造については、後の実施例において詳細に説
明される。
【0020】なおまた、タイル本体用粉粒体の充填に際
して、釉薬粉粒体として無色透明なものを用いる場合に
は着色されたタイル本体用粉粒体が使用されるが、この
着色されたタイル本体用粉粒体は、その釉薬粉粒体の層
に隣接するタイル本体の一部を形成するものとして使用
することもできる。またこの場合、上述の仕切板材を使
用して色違いのタイル本体用粉粒体を充填し、紋様状の
着色模様を形成することもできる。更に同様に、釉薬粉
粒体の充填に際しても、透明な釉薬粉粒体の層と着色さ
れた釉薬粉粒体の層との複層構造とすることができ、ま
たその着色釉薬粉粒体の層は仕切板材等を使用して模様
状に形成することもできる。
【0021】このように加圧成形型内に充填された釉薬
粉粒体とタイル本体用粉粒体とは、通常のタイルの成形
の場合と同様に、300kg/cm2 程度の加圧力で加圧成
形される。そして、得られたタイルの成形体は、次い
で、一般に1000℃以上の温度で焼成される。この焼
成によって、釉薬粉粒体は溶融しガラス化し、またタイ
ル本体用粉粒体は焼結する。こうして釉薬タイルが得ら
れる。
【0022】
【作用】本発明の釉薬タイルとその製造方法において
は、釉薬は粉粒体の形態で加圧成形型内に充填する方法
で使用される。そのため、釉薬粉粒体は任意の厚さで充
填することができ、その結果十分な厚さの釉薬を有する
釉薬タイルを得ることができる。また、タイルの本体部
の形成は、タイル本体用粉粒体を使用して釉薬粉粒体と
合わせて加圧成形型内に充填することによって行われる
ので、予めタイル本体を成形し素焼きするなどの工程を
経ることなく、簡易に釉薬タイルを得ることができる。
【0023】また、本発明を更に発展した態様によれ
ば、仕切板材を使用し、この仕切板材によって形成され
る複数の成形空間に色違いの釉薬粉粒体を充填するよう
にしたので、これによって、十分な厚さの紋様状の模様
の釉薬を有する釉薬タイルを簡易に得ることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の釉薬タイルとその製造方法を
実施例と共に更に詳細に説明する。
【0025】〈第一実施例〉本発明の第一実施例を図1
及び図2を用いて説明する。
【0026】図1は本発明の第一実施例によって得られ
た釉薬タイルを示すもので、1はその釉薬タイル、2は
その釉薬タイルの釉薬、3はその釉薬タイルのタイル本
体である。図1に示されるように、本実施例の釉薬タイ
ル1では、釉薬2は透明な釉薬中に着色された粉粒体4
が分散した斑点模様に形成されている。
【0027】この本実施例の釉薬タイル1の製造につい
て説明する。
【0028】図2は本実施例の釉薬タイル1の製造に使
用する加圧成形機を若干模式的に示すもので、10はそ
の加圧成形機、11はその加圧成形機10の加圧成形
型、12はその加圧成形機10の上下に可動な下型、1
3は同じく上下に可動な上型である。なお、この本実施
例で使用する加圧成形機10の加圧成形型11は、10
0mm角の大きさに形成されているこのような加圧成形機
10を用いて、図2に示されるように、その加圧成形型
11内に釉薬粉粒体5とタイル本体用粉粒体6とを順次
充填した。
【0029】ここで、釉薬粉粒体5は透明な釉薬粉粒体
と斑点形成用着色粉粒体との混合物からなり、これらの
透明釉薬粉粒体と斑点形成用着色粉粒体とはそれぞれ次
のように作成された。
【0030】透明釉薬粉粒体については、長石61%、
硅石10%、カオリン7%、石灰12%、フリット10
%の釉薬原料混合物に、CMC0.5%と水とを加え
て、トロンミル中で混合、粉砕し、泥漿化した。そし
て、この泥漿をスプレードライヤーに導入し、造粒し、
乾燥した。これによって、平均粒径約500μm、含水
率約6%の釉薬粉粒体を得た。
【0031】また、斑点形成用着色粉粒体については、
長石50%、陶石20%、カオリン30%からなる磁器
原料混合物に着色顔料として酸化クロム2%を添加し、
更にCMC0.5%と水とを加えてトロンミル中で混
合、粉砕し、泥漿化した。次いで、この泥漿をスプレー
ドライヤーに導入し、造粒し、乾燥した。そして、この
造粒された粉粒体を1000℃で約1時間焼成した。こ
れによって、平均粒径約700μmのグリーン色に着色
された斑点形成用粉粒体を得た。
【0032】そして、これらの粉粒体を、透明釉薬粉粒
体80%、斑点形成用着色粉粒体20%の割合で混合
し、本実施例で使用する釉薬粉粒体5を作成した。
【0033】また、本実施例で使用するタイル本体用粉
粒体6は、上述の斑点形成用着色粉粒体と同じ原料を用
いて同様に造粒し乾燥したもので、平均粒径約500μ
m、含水率約6%の粉粒体である。ただしこの粉粒体
は、着色顔料が使用されておらず、白色素地のものであ
る。
【0034】これらの粉粒体を加圧成形型11内に充填
するに際して、釉薬粉粒体5は約5mmの厚さで充填し
た。また、釉薬粉粒体5を充填した後に、上型13を押
し下げて下型12との間で約40kg/cm2 の圧力で予備
加圧成形した。そして、次いでタイル本体用粉粒体6を
加圧成形型11の上面と同一高さまで充填した後、上型
13を押し下げて下型12との間で300kg/cm2 の圧
力で加圧し、これらの充填された粉粒体5,6を一体に
加圧成形した。そして、この加圧成形によって得られた
タイルの成形体を下型12を更に押し上げることによっ
て取出し、次いで、この成形体を、釉薬粉粒体5の層が
上になるようにして、焼成温度1250℃、焼成時間3
0時間の条件で焼成した。
【0035】これによって、約95mm角で約7mmの厚さ
の図1に示す釉薬タイル1を得た。この得られた釉薬タ
イル1の釉薬2は、約1.1mmの厚さを有し、釉薬中に
グリーンの着色粉粒体4が分散する光沢と深みのある斑
点模様の外観を呈するものであった。また、この釉薬2
にはタイル本体3の素地の不均一な混入は見られなかっ
た。
【0036】以上のように、本実施例の釉薬タイル1
は、加圧成形型11内に釉薬粉粒体5を充填した後、充
填した釉薬粉粒体5の上からタイル本体用粉粒体6を充
填し、これらの充填した粉粒体5,6を一体に加圧成形
した後焼成してなるものである。したがって、釉薬は粉
粒体の形態で加圧成形型内に充填されるので、その厚さ
は任意に定めることができ、そのため、多少の摩耗によ
ってもハゲることのない十分な厚さの釉薬を有する釉薬
タイルを得ることができる。また、タイル本体の形成と
釉薬層の形成とは、それらの粉粒体を用いることによっ
て単一の加工工程で行われるため、簡易に釉薬タイルを
得ることができる。更に、本実施例では釉薬粉粒体5と
して、透明な釉薬粉粒体と斑点形成用着色粉粒体との混
合物を用いているので、斑点模様を有する釉薬タイルを
容易に得ることができる。
【0037】また、本実施例の釉薬タイル1の製造方法
は、加圧成形型11内に釉薬粉粒体5を充填する釉薬粉
粒体充填工程と、充填した釉薬粉粒体5の上からタイル
本体用粉粒体6を充填するタイル本体用粉粒体充填工程
と、加圧成形型11内に充填した釉薬粉粒体5とタイル
本体用粉粒体6とを一体に加圧成形する加圧成形工程
と、加圧成形によって形成された成形体を焼成する焼成
工程とからなるものである。したがって、上述の釉薬タ
イルを簡易な工程で容易に得ることができ、大量生産に
も適合することができる。また、本実施例では、釉薬粉
粒体充填工程の後に、加圧成形型11内に充填した釉薬
粉粒体5を予備加圧成形する予備加圧成形工程を設けて
いるので、加圧成形工程時の釉薬粉粒体とタイル本体用
粉粒体との不均一な流動を防止することができ、それに
よって均一な釉薬層を形成することができる。
【0038】なお、本実施例は請求項1,5,6,10
の態様に相当する。
【0039】また、本実施例では、先に釉薬粉粒体5を
充填し、後でタイル本体用粉粒体6を充填するようにし
たが、この順序を逆にして、先にタイル本体用粉粒体6
を充填し、後で釉薬粉粒体5を充填するようにしても同
じ釉薬タイル1を得ることができる。この場合、予備加
圧成形工程はタイル本体用粉粒体6の充填工程の後に設
けられる。そして、この場合は請求項2,5,7,10
の態様に相当する。
【0040】〈第二実施例〉次に、本発明の第二実施例
を図3〜図6を用いて説明する。
【0041】図3は本発明の第二実施例によって得られ
た釉薬タイルを示すもので、第一実施例の釉薬タイルと
同様に、1はその釉薬タイル、2はその釉薬タイルの釉
薬、3は同じくタイル本体である。そして、図3に示さ
れるように、この釉薬タイル1の釉薬2は、色違いの部
分2a,2bからなる2色の紋様状の模様を有する。
【0042】この紋様状の模様を有する釉薬タイル1の
製造について説明する。
【0043】本実施例の釉薬タイルの製造は、第一実施
例で使用した図2の加圧成形機10を用いて、図4に示
す工程に従って行われる。すなわち、図4は本実施例の
釉薬タイルの製造工程を示すもので、Aは加圧成形型内
に仕切板材を配置する仕切板材配置工程、Bはその仕切
板材によって形成された複数の成形空間にそれぞれ色違
いの釉薬粉粒体を充填する釉薬粉粒体充填工程、Cはそ
の釉薬粉粒体の充填後に加圧成形型内から仕切板材を除
去する仕切板材除去工程、Dは充填した釉薬粉粒体の上
からタイル本体用粉粒体を充填するタイル本体用粉粒体
充填工程、Eは充填した釉薬粉粒体とタイル本体用粉粒
体とを一体に加圧成形する加圧成形工程、そしてFはそ
の加圧成形によって得られたタイルの成形体を焼成する
焼成工程である。そして、図5はここで使用する仕切板
材を示すもので、20はその仕切板材、21はそれの外
枠部、また22は仕切板部である。また、図6は釉薬粉
粒体充填工程Bでの仕切板材を使用した釉薬粉粒体の充
填の状態を示すもので、図中第一実施例と同一または相
当するものには同一の符号が使用されている。
【0044】図4に示される工程に従って、先ず仕切板
材配置工程Aにおいて、図2の加圧成形機10の加圧成
形型11内に仕切板材20を配置する。
【0045】ここで、本実施例で使用する仕切板材20
について更に詳細に説明する。図5に示されるように、
この仕切板材20は、薄い鋼板などを模様に合わせて加
工し作成したもので、この例では、正四角形状の外枠部
21とその対角線上に沿って設けられた仕切板部22と
から構成されている。この外枠部21は、主に仕切板部
22を所定位置に保持するためのものであり、加圧成形
型11に隙間なく嵌入される形状に形成される。また、
仕切板部22は、加圧成11形型内を複数の成形空間に
仕切り、充填される色違いの粉粒体が相互に混ざり合わ
ないように境界を形成するためのものであり、その形状
については、図5に示された形状以外にも、望まれる紋
様形状に応じて種々の変更が可能である。なお仕切板部
22の形状によっては、外枠部21を省き、仕切板部2
2のみから仕切板材20を構成することも適宜に可能で
ある。そしてこの場合、仕切板部22と加圧成形型11
の内壁との間で成形空間が形成される。
【0046】なお、仕切板材20は、例えば合成樹脂材
料を成形することによって形成することもできる。そし
て、仕切板材20の板厚は、形成される紋様の境界を鮮
明にするためにはできる限り薄い方がよいが、薄すぎる
と粉粒体の充填時などの操作において変形し易いので、
この点を考慮して設定することが必要である。また、仕
切板材20の下側先端部を面取加工等により先細とする
ことは有効である。更に、仕切板材20には適当な保持
部を設けることが望ましく、図5では図示を省略した
が、その仕切板材20には把手が設けられている。
【0047】このような仕切板材20を加圧成形型11
内に配置し、加圧成形型11内を区画し、複数の加圧成
形空間を形成した後、次の釉薬粉粒体充填工程Bにおい
て色違いの釉薬粉粒体5を充填する。この状態は図6に
示される。ただし仕切板材20は、理解を容易にするた
めに、その外枠21の一辺と平行にその長さの四分の一
だけ離れた位置で切断して示されている。そして、図6
に示されるように、本実施例では色違いの2色の釉薬粉
粒体5a,5bが使用され、仕切板材20によって形成
される断面三角形状の4つの成形空間の内、対向する一
対に一方の着色釉薬粉粒体5aを、残る対向する一対に
他方の着色釉薬粉粒体5bをそれぞれ充填した。
【0048】この着色釉薬粉粒体として、本実施例で
は、長石45%、硅石5%、カオリン30%、石灰15
%、及びジルコン5%を釉薬原料混合物とする白色のマ
ット釉(つや消し釉)を使用した。また、これに更にグ
レーの着色顔料を2%加えて別の着色釉薬粉粒体を作成
した。そして、これらの釉薬粉粒体は、第一実施例と同
様に、スプレードライヤーによって造粒した、平均粒径
約500μm、含水率約6%の造粒粉として使用した。
【0049】釉薬粉粒体5a,5bを仕切板材20によ
って形成される各成形空間に充填するに際しては、それ
らの充填後の高さが各成形空間の間でほぼ均一になるよ
うにされるべきである。このために、各釉薬粉粒体5は
各成形空間の断面積に応じた量で充填される。そして、
こうした釉薬粉粒体の充填は、本実施例では手操作によ
って行ったが、計量手段を備えた適当な供給機あるいは
ロボットを用いて自動的に行うこともできる。なお、本
実施例において、釉薬粉粒体5a,5bは約5mmの高さ
に充填した。
【0050】これらの釉薬粉粒体5a,5bを充填した
後、仕切板材除去工程Cおいて、仕切板材20を上方に
引上げて加圧成形型11内から除去した。この仕切板材
20の除去に際しては、仕切板材20が真っ直ぐに上方
に引き上げられることが必要であるが、本実施例では仕
切板材20の外枠部21が加圧成形型11の内壁に合致
する寸法に形成されているので、横方向に振れることな
く仕切板材20を引き上げることができた。なお、仕切
板材20の除去は、本実施例では手操作によって行った
が、ロボット等の機械的手段によって自動的に行うこと
もできる。
【0051】仕切板材20を除去した後の工程と操作は
第一実施例と同様である。そして、第一実施例と同様に
本実施例においても、次のタイル本体用粉粒体充填工程
Dに先立って、充填した釉薬粉粒体を約40kg/cm2
圧力で予備加圧成形した。なお、この予備加圧成形工程
は必ずしも必須なものではなく、適宜に省略することが
できる。
【0052】そして、タイル本体用粉粒体充填工程Dに
おいて、タイル本体用粉粒体6を第一実施例の場合と同
様に加圧成形型11の上面と同一高さまで充填した。こ
の状態は、図2と同じである。なお、このタイル本体用
粉粒体6には、第一実施例で用いたタイル本体用粉粒体
と同じのものを用いた。
【0053】次いで、加圧成形工程Eにおいて、加圧成
形型11内に充填された釉薬粉粒体5a,5bとタイル
本体用粉粒体6とを、上型13を押し下げて300kg/
cm2の圧力で加圧し一体に成形した。そして、焼成工程
Fにおいて、加圧成形工程Eで得られたタイルの成形体
を釉薬粉粒体の層が上になるようにして、焼成温度12
50℃、焼成時間30時間の条件で焼成した。
【0054】これによって、約95mm角で厚さ約7mmの
図3に示す釉薬タイル1を得た。この釉薬タイル1の釉
薬2は、白色の着色部2aとグレーの着色部2bとから
なる2色の紋様状の模様を有し、その厚さは約1.2mm
であった。なお、白色の着色部2aとグレーの着色部2
bとの境界は、微視的には凹凸があるものの、目立つ程
のものではなかった。また、釉薬2には、タイル本体3
の素地の混入は見られなかった。
【0055】なお、本実施例では、釉薬タイル1の釉薬
2の模様を2色の最も単純な紋様状の模様として形成し
たが、この模様は他のどのような模様であることがで
き、また3色あるいはそれ以上に着色することも任意で
ある。この場合、仕切板材20はその模様に応じた形状
に形成される。
【0056】以上のように、本実施例の釉薬タイル1
は、加圧成形型11内に仕切板材20を配置し、仕切板
材20によって形成された複数の成形空間にそれぞれ色
違いの釉薬粉粒体5a,5bを充填し、仕切板材20を
除去した後、充填した釉薬粉粒体5a,5bの上からタ
イル本体用粉粒体6を充填し、これらを一体に加圧成形
した後焼成してなるものである。したがって、特に仕切
板材20を用い、これによって形成された複数の成形空
間にそれぞれ色違いの釉薬粉粒体5a,5bを充填して
いるので、紋様状の模様の釉薬を有する釉薬タイルを容
易に得ることができる。
【0057】また、本実施例の釉薬タイル1の製造方法
は、仕切板材20を加圧成形型11内に配置する仕切板
材配置工程Aと、仕切板材20によって形成された複数
の成形空間にそれぞれ色違いの釉薬粉粒体5a,5bを
充填する釉薬粉粒体充填工程Bと、釉薬粉粒体5a,5
bを充填した後、加圧成形型11内から仕切板材20を
除去する仕切板材除去工程Cと、仕切板材20を除去し
た後、充填した釉薬粉粒体5a,5bの上にタイル本体
用粉粒体6を充填するタイル本体用粉粒体充填工程D
と、加圧成形型11内に充填した釉薬粉粒体5a,5b
とタイル本体用粉粒体6とを一体に加圧成形する加圧成
形工程Eと、加圧成形によって形成された成形体を焼成
する焼成工程Fとからなるものであり、またタイル本体
用粉粒体充填工程Dの前に、釉薬粉粒体充填工程Bで充
填した釉薬粉粒体5a,5bを予備加圧成形する予備加
圧成形工程を設けたものである。したがって、特に仕切
板材20を用い、仕切板材配置工程Aと仕切板材除去工
程Cとを設けているので、紋様状の模様の釉薬を有する
釉薬タイルを一連の簡易な工程によって製造することが
できる。また、この製造方法においては特別な加圧成形
型11を使用する必要はなく、しかも仕切板材20は容
易に作成することができるので、種々の模様形状の仕切
板材を用意しておきそれを取り替えることによって、多
種類の紋様状の模様を有する釉薬タイルを容易に、また
安価に製造することができる。
【0058】本実施例の釉薬タイルとその製造方法は、
請求項1,3,6,8,10の態様に相当する。
【0059】なお、本第二実施例では釉薬粉粒体を先に
充填し、後でタイル本体用粉粒体を充填するようにして
いるが、この順序を逆にして、先にタイル本体用粉粒体
を充填し、後で釉薬粉粒体を充填するようにしてもよ
い。この場合、仕切板材の配置と除去とは、本第二実施
例と同様に釉薬粉粒体の充填の前後に行われ、したがっ
て釉薬タイルの製造工程は具体的には、タイル本体用粉
粒体充填工程D、仕切板材配置工程A、釉薬粉粒体充填
工程B、仕切板材除去工程C、加圧成形工程E、焼成工
程Fの順になる。また予備加圧成形工程は、タイル本体
用粉粒体充填工程Dの後で仕切板材配置工程Aの前にな
る。そしてこの場合は、請求項2,4,7,9,10の
態様に相当する。
【0060】以上、本発明の釉薬タイルとその製造方法
を2つの実施例を用いて説明したが、本発明を実施する
場合にはこれらに限定されるものではなく、用いる材料
など、種々の変更が可能である。また、本発明の実施に
使用する装置についても各実施例に記載した装置に限定
されるものではなく、窯業分野等で使用されている各種
の装置を適宜選択し、または変更して使用することがで
きる。
【0061】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明にかかる
釉薬タイルは、加圧成形型内に釉薬粉粒体を充填した
後、充填した釉薬粉粒体の上からタイル本体用粉粒体を
充填し、これらの充填した粉粒体を一体に加圧成形した
後焼成してなるものである。したがって、釉薬粉粒体は
任意の量で加圧成形型内に充填することができるので、
望まれる十分な厚さの釉薬を有する釉薬タイルを得るこ
とができる。そしてそのため、多少の摩耗によってもハ
ゲることのない、床あるいは歩道などに使用するのに適
した釉薬タイルを得ることができる。また、釉薬の形成
はタイル本体の形成と合わせて単一の加工工程で行われ
るので、釉薬の形成のための別個の加工工程を要するこ
となく、簡易な工程で容易に釉薬タイルを得ることがで
きる。
【0062】また、請求項2の発明にかかる釉薬タイル
は、請求項1の発明において釉薬粉粒体とタイル本体用
粉粒体との充填の順序を逆にして、タイル本体用粉粒体
を充填した後、釉薬粉粒体を充填するようにしたもので
ある。したがって、充填の順序が異なるだけであるの
で、請求項1の発明の効果と同じ効果を得ることができ
る。
【0063】請求項3の発明にかかる釉薬タイルは、加
圧成形型内に仕切板材を配置し、仕切板材によって形成
された複数の成形空間にそれぞれ色違いの釉薬粉粒体を
充填し、仕切板材を除去した後、充填した釉薬粉粒体の
上からタイル本体用粉粒体を充填し、これらを一体に加
圧成形した後焼成してなるものである。したがって、特
に仕切板材を使用し、その仕切板材によって形成される
複数の成形空間にそれぞれ色違いの釉薬粉粒体を充填す
るようにしているので、複数色に着色された紋様状の模
様の釉薬を有する釉薬タイルを得ることができる。
【0064】また、請求項4の発明にかかる釉薬タイル
は、請求項3の発明において釉薬粉粒体とタイル本体用
粉粒体との充填の順序を逆にしたものである。したがっ
て、充填の順序が異なるだけであるから、請求項3の発
明と同様に、複数色に着色された紋様状の模様の釉薬を
有する釉薬タイルを得ることができる。
【0065】更に、請求項5の発明にかかる釉薬タイル
は、釉薬粉粒体を、透明な釉薬粉粒体と斑点模様形成用
着色粉粒体との混合物としたものである。したがって、
これにより、透明な釉薬中に斑点模様形成用着色粉粒体
が分散した斑点模様の釉薬を有する釉薬タイルを得るこ
とができる。
【0066】そして、請求項6の発明にかかる釉薬タイ
ルの製造方法は、加圧成形型内に釉薬粉粒体を充填する
釉薬粉粒体充填工程と、充填した釉薬粉粒体の上からタ
イル本体用粉粒体を充填するタイル本体用粉粒体充填工
程と、加圧成形型内に充填した釉薬粉粒体とタイル本体
用粉粒体とを一体に加圧成形する加圧成形工程と、加圧
成形によって形成された成形体を焼成する焼成工程とか
らなるものである。したがってこれにより、釉薬の形成
のための別個の加工工程を設けることなく、釉薬タイル
を、単一の加工工程を含む一連の工程によって簡易に製
造することができる。
【0067】また、請求項7の発明にかかる釉薬タイル
の製造方法は、請求項6の発明において釉薬粉粒体充填
工程とタイル本体用粉粒体充填工程との順序を逆にした
ものである。したがって、充填の順序が異なるだけであ
り、請求項6の発明と同様に、釉薬タイルを、単一の加
工工程を含む一連の工程によって簡易に製造することが
できる。
【0068】請求項8の発明にかかる釉薬タイルの製造
方法は、仕切板材を加圧成形型内に配置する仕切板材配
置工程と、仕切板材によって形成された複数の成形空間
にそれぞれ色違いの釉薬粉粒体を充填する釉薬粉粒体充
填工程と、釉薬粉粒体を充填した後、加圧成形型内から
仕切板材を除去する仕切板材除去工程と、仕切板材を除
去した後、充填した釉薬粉粒体の上からタイル本体用粉
粒体を充填するタイル本体用粉粒体充填工程と、加圧成
形型内に充填した釉薬粉粒体とタイル本体用粉粒体とを
一体に加圧成形する加圧成形工程と、加圧成形によって
形成された成形体を焼成する焼成工程とからなるもので
ある。したがって、仕切板材配置工程と仕切板材除去工
程とを設け、釉薬粉粒体充填工程において、その仕切板
材によって形成される複数の加圧成形空間にそれぞれ色
違いの釉薬粉粒体を充填するようにしているので、特別
な加圧成形型を使用することなく、また加圧成形型内に
仕切板材を配置しまたこれから除去するだけの簡易な操
作で、複数色に着色された紋様状の模様の釉薬を有する
釉薬タイルを製造することができる。また、仕切板材は
鋼板などから容易に作成することができるので、仕切板
材として種々の模様形状のものを用意しておきそれを取
り替えることによって、多種類の模様の釉薬タイルを容
易に、また安価に製造することができる。
【0069】また、請求項9の発明にかかる釉薬タイル
の製造方法は、請求項8の発明において、仕切板材配置
工程から釉薬粉粒体充填工程を経て仕切板材除去工程に
至る工程と、タイル本体用粉粒体充填工程との順序を逆
にしたものである。したがって、充填の順序が異なるだ
けであり、請求項8の発明と同様に、複数色に着色され
た紋様状の模様の釉薬を有する釉薬タイルを、特別な加
圧成形型を使用することなく、簡単な操作で容易に製造
することができる。
【0070】そして、請求項10の発明にかかる釉薬タ
イルの製造方法は、釉薬粉粒体充填工程とタイル本体用
粉粒体充填工程との間に、加圧成形型内に先に充填され
た釉薬粉粒体またはタイル本体用粉粒体を予備加圧成形
する予備加圧成形工程を具備するものである。したがっ
て、この予備加圧成形によって、加圧成形型内に先に充
填された釉薬粉粒体またはタイル本体用粉粒体の表面は
平らにされるので、後で充填される釉薬粉粒体とタイル
本体用粉粒体のとの間に凹凸のない均一な境界面を形成
することができ、これによって、比較的薄く充填される
釉薬粉粒体の層の厚みを均一に制御することができる。
またそれと共に、充填された釉薬粉粒体とタイル本体用
粉粒体とが加圧成形時にその境界面で不均一に流動し混
ざり合うことを防止でき、それによって、タイル本体が
釉薬の表面に浮き出るようなことを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例による釉薬タイルを
示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例による釉薬タイルの
製造に使用する加圧成形機を使用状態で示す断面図であ
る。
【図3】図3は本発明の第二実施例による釉薬タイルを
示す斜視図である。
【図4】図4は本発明の第二実施例による釉薬タイルの
製造工程を示す工程図である。
【図5】図5は本発明の第二実施例による釉薬タイルの
製造において使用する仕切板材を示す斜視図である。
【図6】図6は図5の仕切板材を使用して釉薬粉粒体を
充填した後の状態を示す加圧成形型の断面図である。
【符号の説明】
1 釉薬タイル 2 釉薬 3 タイル本体 5 釉薬粉粒体 6 タイル本体用粉粒体 10 加圧成形機 11 加圧成形型 20 仕切板材 A 仕切板材配置工程 B 釉薬粉粒体充填工程 C 仕切板材除去工程 D タイル本体用粉粒体充填工程 E 加圧成形工程 F 焼成工程

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧成形型内に釉薬粉粒体を充填した
    後、充填した釉薬粉粒体の上からタイル本体用粉粒体を
    充填し、これらの充填した粉粒体を一体に加圧成形した
    後焼成してなることを特徴とする釉薬タイル。
  2. 【請求項2】 加圧成形型内にタイル本体用粉粒体を充
    填した後、充填したタイル本体用粉粒体の上から釉薬粉
    粒体を充填し、これらの充填した粉粒体を一体に加圧成
    形した後焼成してなることを特徴とする釉薬タイル。
  3. 【請求項3】 加圧成形型内に仕切板材を配置し、前記
    仕切板材によって形成された複数の成形空間にそれぞれ
    色違いの釉薬粉粒体を充填し、前記仕切板材を除去した
    後、充填した釉薬粉粒体の上からタイル本体用粉粒体を
    充填し、これらの充填した粉粒体を一体に加圧成形した
    後焼成してなることを特徴とする釉薬タイル。
  4. 【請求項4】 加圧成形型内にタイル本体用粉粒体を充
    填した後、仕切板材を前記加圧成形型内に配置し、前記
    仕切板材によって形成される成形空間に、充填したタイ
    ル本体用粉粒体の上からそれぞれ色違いの釉薬粉粒体を
    充填し、前記仕切板材を除去してから、これらの充填し
    た粉粒体を一体に加圧成形した後焼成してなることを特
    徴とする釉薬タイル。
  5. 【請求項5】 前記釉薬粉粒体は、透明な釉薬粉粒体と
    斑点模様形成用着色粉粒体との混合物からなることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の
    釉薬タイル。
  6. 【請求項6】 加圧成形型内に釉薬粉粒体を充填する釉
    薬粉粒体充填工程と、充填した釉薬粉粒体の上からタイ
    ル本体用粉粒体を充填するタイル本体用粉粒体充填工程
    と、 加圧成形型内に充填した釉薬粉粒体とタイル本体用粉粒
    体とを一体に加圧成形する加圧成形工程と、 加圧成形によって形成された成形体を焼成する焼成工程
    とを具備することを特徴とする釉薬タイルの製造方法。
  7. 【請求項7】 加圧成形型内にタイル本体用粉粒体を充
    填するタイル本体用粉粒体充填工程と、 充填したタイル本体用粉粒体の上から釉薬粉粒体を充填
    する釉薬粉粒体充填工程と、 加圧成形型内に充填したタイル本体用粉粒体と釉薬粉粒
    体とを一体に加圧成形する加圧成形工程と、 加圧成形によって形成された成形体を焼成する焼成工程
    とを具備することを特徴とする釉薬タイルの製造方法。
  8. 【請求項8】 仕切板材を加圧成形型内に配置する仕切
    板材配置工程と、 前記仕切板材によって形成された複数の成形空間にそれ
    ぞれ色違いの釉薬粉粒体を充填する釉薬粉粒体充填工程
    と、 釉薬粉粒体を充填した後、加圧成形型内から前記仕切板
    材を除去する仕切板材除去工程と、 充填した釉薬粉粒体の上からタイル本体用粉粒体を充填
    するタイル本体用粉粒体充填工程と、 加圧成形型内に充填した釉薬粉粒体とタイル本体用粉粒
    体とを一体に加圧成形する加圧成形工程と、 加圧成形によって形成された成形体を焼成する焼成工程
    とを具備することを特徴とする釉薬タイルの製造方法。
  9. 【請求項9】 加圧成形型内にタイル本体用粉粒体を充
    填するタイル本体用粉粒体充填工程と、 タイル本体用粉粒体を充填した前記加圧成形型内に、仕
    切板材を配置する仕切板材配置工程と、 前記仕切板材によって形成された複数の成形空間に、充
    填したタイル本体用粉粒体の上からそれぞれ色違いの釉
    薬粉粒体を充填する釉薬粉粒体充填工程と、 釉薬粉粒体を充填した後、加圧成形型内から前記仕切板
    材を除去する仕切板材除去工程と、 加圧成形型内に充填したタイル本体用粉粒体と釉薬粉粒
    体とを一体に加圧成形する加圧成形工程と、 加圧成形によって形成された成形体を焼成する焼成工程
    とを具備することを特徴とする釉薬タイルの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記釉薬粉粒体充填工程と前記タイル
    本体用粉粒体充填工程との間に、加圧成形型内に先に充
    填した釉薬粉粒体またはタイル本体用粉粒体を予備加圧
    成形する予備加圧成形工程を具備することを特徴とする
    請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の釉薬タイ
    ルの製造方法。
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