JP2629115B2 - 施釉セメント製品の施釉方法 - Google Patents

施釉セメント製品の施釉方法

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聡 北川
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ナショナル住宅産業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、施釉セメント製品の
施釉方法に関し、詳しくは、建築物の内装面などに利用
されるコンクリートパネルなどのセメント製品であっ
て、その表面にガラス質の釉面を備えた施釉セメント製
品の製造工程で、セメント成形体の表面に釉薬層を形成
する方法すなわち施釉方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】施釉セメント製品は、コンクリートパネ
ルなどのセメント製品の表面に、陶磁器の表面のような
ガラス質の釉面を形成したものであり、従来のセメント
製品に比べて、非常に美しく滑らかな外観を備えてい
る。また、汚れ難く、傷も付き難いという利点も備えて
おり、各種建築物の内装仕上げ面あるいは外装仕上げ面
に利用されるようになってきている。
【0003】施釉セメント製品を製造するには、まず、
セメントに砂や水その他の材料を混ぜ、これを所定の形
状に成形して、セメント成形体を作る。このセメント成
形体表面に、陶磁器の製造などで用いられているような
釉薬をかける。この作業を、施釉と呼ぶ。施釉の具体的
作業としては、液体状の釉薬を、塗装などで用いられる
スプレーガンを用いて、セメント成形体の表面に塗布し
て、所定の厚みの釉薬層を形成する。この釉薬層が形成
されたセメント成形体を焼成すれば、前記したようなガ
ラス質の釉面を備えたセメント製品が得られる。
【0004】上記施釉工程で、単色の釉薬を用いれば、
単色の釉面を備えたセメント製品が得られるが、複数色
の釉薬を用いて、セメント成形体の表面を塗り分けた
り、多色模様を形成しておけば、より美しく多彩な釉面
を備えた施釉セメント製品が得られる。具体的には、従
来、大理石状の外観を備えた施釉セメント製品が製造さ
れている。これは、セメント成形体の表面に、複数色の
釉薬を、三頭ガンなどで同時に噴き付けることによっ
て、各色の釉薬が無数の点状になって付着することにな
り、前記したような大理石状の外観が得られるのであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな複数種の釉薬を用いて、多色模様を備えた施釉セメ
ント製品を製造するには、施釉工程に非常に手間がかか
り、全体の生産能率が低くなり、コストの増大するとい
う問題があった。これは、従来の方法では、多色模様の
釉薬層を一度の工程で形成することができず、複数回の
工程に分けて形成しているためである。すなわち、多色
模様の釉薬層を、下になるセメント成形体が透けて見え
ない程度の十分な厚みで、一度に塗布すると、各色の釉
薬同士が互いに混じり合って、模様が不明瞭になった
り、色が濁ってしまったりするという問題が生じる。特
に、複数種の釉薬として、比較的色の濃い黒色などと、
白などの薄い色や透明釉薬を併用しようとすると、どう
しても、色の濁りなどが生じることになる。
【0006】そこで、従来は、まず、多色模様の釉薬層
を薄く塗布形成した後、これを乾燥させる。釉薬層が薄
ければ、各色の釉薬が混ざる前に乾燥するので、互いの
釉薬が混ざり合うことはない。この釉薬層が十分に乾燥
した後、再び薄い釉薬層を形成し乾燥させる。このよう
な工程を繰り返すことによって、十分な厚みの多色模様
を有する釉薬層を形成していた。ところが、このよう
に、釉薬層の塗布工程および乾燥工程を何度も繰り返す
のでは、作業工数が非常に多くなり、作業時間が大幅に
増えてしまうのである。
【0007】そこで、この発明の課題は、前記した多色
模様を有する施釉セメント製品を製造する際の施釉工程
において、作業能率が高く、しかも、各色が明瞭に塗り
分けられた美しい多色模様を形成することのできる施釉
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる施釉セメント製品の施釉方法は、表面に
釉面を備えた施釉セメント製品を製造する際に、セメン
ト成形体の表面に釉薬層を形成する方法であって、セメ
ント成形体の表面にベース釉薬層を形成した後、このベ
ース釉薬層の表面に、複数種の釉薬を、所定の厚みまで
連続的に施釉して、多色模様状の釉薬層を形成する。
【0009】セメント成形体の材料や形状あるいはその
製造方法については、従来の通常の各種セメント製品に
おけるセメント成形体の場合と同様である。具体的に
は、セメント成形体は、セメントおよび砂や水その他の
添加剤などを混合もしくは混練し、これを型枠に流し込
んだりして、所定の形状に成形したものである。成形さ
れたセメント成形体は、必要に応じて、乾燥を行ってか
ら、つぎの施釉工程に供給される。
【0010】施釉工程で用いる釉薬は、従来の通常の施
釉セメント製品に用いられている釉薬と同様のものであ
る。ベース釉薬層を形成する釉薬は、セメント成形体の
表面を十分な厚みで覆って、セメント成形体が表面に透
けてみえない程度の隠蔽性を備えていればよい。ベース
釉薬の色は、表面に形成する多色模様状の釉薬層の意匠
を邪魔しないような色が好ましく、例えば、乳白色など
が好ましい。ベース釉薬層は、所定の厚みまで連続的に
施釉すればよい。
【0011】多色模様状の釉薬層を形成する複数種の釉
薬は、表現しようとする多色模様に合わせて、任意の色
を任意の色数で組み合わせることができる。複数種の釉
薬は、同時に施釉する。具体的には、従来一般的に用い
られている3頭ガンなどの多頭ガンを用いればよい。ま
た、複数のスプレーガンを同時に用いてもよい。多色模
様状の釉薬層は、一度の工程で連続的に施釉し、その厚
みは比較的薄く形成しておく。言い換えると、一回で施
釉しても、各色が混ざり合って模様が不明瞭にならない
程度の厚みで施釉しておけばよい。
【0012】ベース釉薬層および多色模様状の釉薬層が
形成されたセメント成形体は、通常の焼成工程を経て、
釉薬層が焼成され、施釉セメント製品が得られる。
【0013】
【作用】セメント成形体の表面に、ベース釉薬層を十分
な厚みで形成してから、その上に、多色模様を表現する
釉薬層を形成するようにすれば、この多色模様状の釉薬
層については、比較的薄く形成しておいてもよくなる。
すなわち、セメント成形体の表面を隠蔽したり、強度や
耐久性を発揮するのに必要な厚みは、ベース釉薬層が負
担するので、多色模様状の釉薬層は、外観的な意匠効果
のみを考えればよいので、薄くてもよいのである。
【0014】多色模様状の釉薬層が薄くてもよければ、
この釉薬層を形成する複数種の釉薬を、一度の工程で連
続的に施釉しても、複数種の釉薬同士が混ざり合って、
模様が不明瞭になったり汚くなったりする問題は生じな
い。ベース釉薬層は、釉薬同士の混ざり合いなど考慮す
る必要はないから、十分な厚みまで、連続的に迅速に形
成することができる。
【0015】したがって、ベース釉薬層および多色模様
状の釉薬層の2回の施釉工程を経るだけで、施釉工程が
完了し、従来の、多色模様状の釉薬層の施釉および乾燥
を何度も繰り返す方法に比べて、施釉工程全体の作業時
間が短くなり、釉薬同士が混ざり合わないように注意す
る必要もないので、作業も簡単になる。
【0016】
【実施例】ついで、この発明の実施例について、図面を
参照しながら以下に説明する。図1は、施釉を行ったセ
メント成形体の断面構造を表している。セメント成形体
10の上に、比較的分厚いベース釉薬層20および比較
的薄い多色模様状釉薬層30が形成される。この釉薬層
20、30が形成されたセメント成形体10を焼成する
ことにより、図2に模式的に示すような釉面が得られ
る。すなわち、ベース色部分dに、多数のスポット状の
模様部分a、b、cが点在していることで、非常に美し
い多色模様が表現される。具体的には、図示した実施例
では、模様部分aは透明、模様部分bは黒色、模様部分
cは灰色、ベース色部分dは乳白色になっていて、いわ
ゆる大理石調の外観を呈するものとなっている。この場
合、多色模様のなかに透明部分aが点在していることに
よって、非常に深みのある、天然の御影石に近い意匠を
表現することが可能である。
【0017】次に、より具体的な実施例について、各工
程毎に詳しく説明する。 〔セメント成形体の製造〕下記配合の成形材料を混練す
る。 −成形材料の配合(重量%)− セメント 30.5% 発泡頁岩(0〜2.5mm) 36.7% 発泡頁岩(2.5〜5.0mm) 32.8% 混合材 セメント重量の0.5%添加 W/C 50% 得られた混練物を型枠に流し込み、バイブレータで振動
を与えて打設成形する。打設成形後、24時間自然養生
した後、脱型する。得られた成形体の寸法は、300×
600×70mmであった。
【0018】この成形体を、温風乾燥機に入れ、300
℃で5時間乾燥を行った。 〔施釉工程〕セメント成形体の表面に、1kg/m2 の釉薬
層を形成した。使用した釉薬の配合はつぎのとおりであ
る。各数値は、重量部を表している。 <ベース釉薬> ホウ酸フリット 100 蛙目粘土 3 CMC 0.4 乳白色顔料 3 水 60 <多色模様用釉薬A(透明釉薬)> ホウ酸フリット 100 蛙目粘土 3 CMC 0.4 水 60 <多色模様用釉薬B(有色釉薬)> ホウ酸フリット 100 蛙目粘土 3 CMC 0.4 黒色顔料 5 水 60 <多色模様用釉薬C(有色釉薬)> ホウ酸フリット 100 蛙目粘土 3 CMC 0.4 灰色顔料 3 水 60 各釉薬は、それぞれの配合材料をミルずりして、滑らか
な釉面が形成されるように調整した。
【0019】釉薬層の構成は、表1に示すとおりであ
る。施釉方法としては、比較例1では、施釉工程を複数
段階に分割して、釉薬が混ざり合わない程度の薄い釉薬
層(200g/m2)を形成して乾燥させるという工程を、
5回繰り返して、合計釉薬量になるようにした。比較例
2〜4および実施例1では、多色模様釉薬量の全量を、
一度の施釉工程で連続的に施釉した。
【0020】
【表1】 ────────────────────────────── 施釉方法 ベース釉薬量 多色模様釉薬量 合計釉薬量 g/m2 g/m2 g/m2 ────────────────────────────── 比較例1 分割施釉 0 1000 1000 比較例2 連続施釉 0 1000 1000 比較例3 連続施釉 400 600 1000 比較例4 連続施釉 600 400 1000 実施例1 連続施釉 800 200 1000 ────────────────────────────── 〔焼成工程〕釉薬層が形成されたセメント成形体を、8
50℃で1時間焼成を行った。 〔再水和養生工程〕焼成を終えたセメント成形体を、3
0分間水中に浸漬した後、60℃、98%RHで3日間
蒸気養生を行った。
【0021】得られた施釉セメント製品の仕上がりを評
価した結果を、表2に示している。
【0022】
【表2】 施釉状態および焼成後の模様の評価基準はつぎのとおり
である。
【0023】○:点模様がはっきりしている。 △:一部点模様が流れている。 ×:80%以上の点模様が流れている。 施釉時間の評価基準はつぎのとおりである。 ○:短い ×:長い 上記試験の結果、この発明の実施例では、多色模様状の
釉薬層を薄く施釉して乾燥するという工程を繰り返す比
較例1の方法と、同等の優れた外観性を備えた釉面が得
られた。特に、図2に示すように、透明部分aが他の色
に混ざり合うことなく明瞭に現出しており、前記したよ
うに、天然の御影石に似た非常に美しい意匠を有するも
のであった。しかも、この発明の実施例では、施釉に要
する時間は、比較例1の方法に比べて、はるかに短くて
すんだ。また、実施例1と比較例2〜4を比べれば、多
色模様状の釉薬層の厚みが分厚くなり過ぎると、釉面の
仕上がりが悪くなることが分かる。
【0024】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる施釉セ
メント製品の施釉方法によれば、前記したように、ベー
ス釉薬層と多色模様状釉薬層の2回の施釉工程を行うだ
けで、多色模様が明瞭に表現され、強度や耐久性にも優
れた釉面を、簡単かつ能率的に得ることができる。
【0025】その結果、施釉セメント製品の生産性の向
上およびコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を表し、施釉されたセメン
ト成形体の断面図
【図2】 製造された施釉セメント製品の拡大表面図
【符号の説明】
10 セメント成形体 20 ベース釉薬層 30 多色模様状釉薬層 a、b 有色模様部分 c 透明部分 d ベース色部分

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に釉面を備えた施釉セメント製品を
    製造する際に、セメント成形体の表面に釉薬層を形成す
    る方法であって、セメント成形体の表面にベース釉薬層
    を形成した後、このベース釉薬層の表面に、複数種の釉
    薬を、所定の厚みまで連続的に施釉して、多色模様状の
    釉薬層を形成することを特徴とする施釉セメント製品の
    施釉方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法において、複数種の釉薬
    として、複数の有色釉薬と透明釉薬とを用いる施釉セメ
    ント製品の施釉方法。
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JP5792943B2 (ja) * 2010-10-22 2015-10-14 岩本 泰典 ガラスフリット、該ガラスフリットを用いた顔料入りガラス成形品及び顔料入りガラス層を有する陶磁器質製品

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