JPH057130A - Pcmデイジタルオーデイオ信号再生装置 - Google Patents

Pcmデイジタルオーデイオ信号再生装置

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JPH057130A
JPH057130A JP3011088A JP1108891A JPH057130A JP H057130 A JPH057130 A JP H057130A JP 3011088 A JP3011088 A JP 3011088A JP 1108891 A JP1108891 A JP 1108891A JP H057130 A JPH057130 A JP H057130A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カットフィルタを用いてオ―ディオ信号の高
域成分をカットしただけでは得ることができない自然な
再生音を得ると共にインパルスのような高域成分を含ん
だ信号に対してリンギングをほとんど生ずることなく波
形応答を可能にする。 【構成】 PCMディジタルオ―ディオ信号のサンプリ
ングレ―トをn倍してその新たなサンプリング点の値を
零として零補間した後、FIRディジタルフィルタを用
いてスプライン関数による補間をとる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はコンパクトディスク等の記録媒体
から読み出したPCM(Pulse CodeModulation)ディジ
タルオ―ディオ信号を再生するPCMディジタルオ―デ
ィオ信号再生装置に関する。
【0002】
【背景技術】コンパクトディスク(CD)、ディジタル
オ―ディオテ―プ(DAT)等のディジタルオ―ディオ
信号を記録する記録媒体において、そのディジタルオ―
ディオ信号の記録周波数は、サンプリング定理により折
り返し歪みを生じないようにサンプリング周波数の半分
以下の帯域の周波数になっている。
【0003】通常、人間が聴取することができる単一信
号音(純音)の周波数は20KHzと言われており、こ
れに従って、サンプリング周波数はコンパクトディスク
の場合、44.1KHz、ディジタルオ―ディオテ―プ
の場合、48KHzとなっている。しかしながら、近年
の研究により、今までのように20KHzで急峻に立ち
下がる周波数特性を有するフィルタを用いてオ―ディオ
信号の高域成分をカットすると不自然な再生音となるこ
と、またインパルスのような高域成分を含んだ信号に対
する波形応答にリンギングを生ずることによる波形再現
性等の問題が論じられている。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的は、カットフィルタを用い
て高域成分をカットしただけでは得ることができない自
然な再生音を得ると共にインパルスのような高域成分を
含んだ信号に対してリンギングをほとんど生ずることな
く波形応答が可能なPCMディジタルオ―ディオ信号再
生装置を提供することである。
【0005】
【発明の構成】本発明のPCMディジタルオ―ディオ信
号再生装置は、記録媒体から読み出したPCMディジタ
ルオ―ディオ信号を再生する装置であり、PCMディジ
タルオ―ディオ信号のサンプリングレ―トをn(nは2
以上の整数)倍にしかつ新たなサンプリング点の値を零
として信号を出力する第1零補間手段と、該第1零補間
手段の出力信号が供給されm(mは2以上の整数)次の
スプライン関数のインパルス応答に対応する値を乗算係
数として有するFIR(Finite Impulse Response)ディ
ジタルフィルタとを含むことを特徴としている。
【0006】
【発明の作用】本発明のPCMディジタルオ―ディオ信
号再生装置においては、PCMディジタルオ―ディオ信
号のサンプリングレ―トをn倍してその新たなサンプリ
ング点の値を零として零補間した後、FIRディジタル
フィルタを用いてスプライン関数による補間をとるの
で、このようにした得たPCMディジタルオ―ディオ信
号からは単にカットフィルタを用いて高域成分をカット
しただけでは得ることができない自然な再生音を得るこ
とができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳
細に説明する。図1に示した本発明によるPCMディジ
タルオ―ディオ信号再生装置においては、コンパクトデ
ィスク等の記録媒体から読み出されたPCMディジタル
オ―ディオ信号が入力端子INに供給される。コンパク
トディスクの場合にはコンパクトディスクからピックア
ップ(図示せず)により読み出された後、EFM(Eight
to Fourteen Modulation)復調されかつ誤り訂正された
ディジタルオ―ディオ信号が供給される。入力端子IN
には零補間回路1が接続されている。零補間回路1は入
力信号のサンプリング周波数fs を4倍に上げた信号を
発生し、その際、入力信号の本来のサンプリング点では
入力信号をそのまま出力し、本来のサンプリング点以外
の新たなサンプリング点の信号を0とする補間を行な
う。零補間回路1の出力にはFIRディジタルフィルタ
2が接続されている。FIRディジタルフィルタ2は図
2に示すように遅延素子51 〜5n-1 と、係数乗算器6
0 〜6n-1 と、加算器7とからなる。遅延素子51 〜5
n-1 は入力から直列に接続されており、その遅延素子5
1 〜5n-1 の各入出力ラインに乗算器60 〜6n-1 の入
力が接続されている。加算器7は乗算器60 〜6n-1 の
各出力信号を加算して出力するようになっている。この
FIRディジタルフィルタ2はスプライン関数における
インパルス応答に対応する係数ψ0 〜ψn-1 を乗算器6
0 〜6n-1 の係数として有する。FIRディジタルフィ
ルタ2の出力にはD/A変換器3が接続されている。D
/A変換器3はFIRディジタルフィルタ2からのディ
ジタルオ―ディオ信号をアナログ信号に変換し、入力信
号のサンプリング周波数fsの4倍の周波数4fs で動
作する。D/A変換器3の出力信号が出力端子OUTに
供給される。
【0008】ここで、FIRディジタルフィルタ2のス
プライン関数おけるインパルス応答について説明する。
先ず、等間隔λLのサンプリング点を通るスプライン関
数を考えると、スプライン関数S(t) はBスプライン
[b]ψL(t) を用いて
【0009】
【数1】
【0010】の如く表わすことができる。Bスプライン
は例えば、2次の場合にはhを標本化間隔、ξLを節点
列とすると、
【0011】
【数2】
【0012】となる。この2次のスプライン関数は入力
となる離散値をS(tk)、インパルス応答を[s]ψ(t)
とすると、
【0013】
【数3】
【0014】のようなコンボリュ―ションで表わすこと
ができる。このインパルス応答[s]ψ(t) を求めると、
2次のスプライン関数の場合には、
【0015】
【数4】
【0016】の如く計算される。数式2を数式4に代入
することでインパルス応答[s]ψ(t) を求めることがで
きる。このようにして求めたインパルス応答が図3に示
した波形である。このインパルス応答のサンプリング点
を元の間隔hより高いレ―トでサンプリングすることに
より、オ―バサンプリングしたディジタルフィルタを構
成することができる。このディジタルフィルタはスプラ
イン関数による補間を行なうことと同じ作用をするもの
となる。
【0017】なお、スプライン関数については、「スプ
ライン関数とその応用」(市田浩三・吉本富士市共著
教育出版発行)等の文献に既に述べられている。図2に
示したFIRディジタルフィルタ2の構成は4倍のレ―
トでオ―バサンプリングした場合の構成であり、その各
係数は次の表の如くなる。なお、ディジタルフィルタは
数式4では無限単位パルスとなっているが、誤差が小さ
いところで打ち切ることができ、これにより、FIRデ
ィジタルフィルタとしての構成が可能となる。この表で
はn=61までで打ち切っており、この場合、61段の
FIRディジタルフィルタとなる。なお、nの数はこれ
に限定されるものではない。
【0018】
【表1】
【0019】従って、上記した構成の本発明によるPC
Mディジタルオ―ディオ信号再生装置において、記録媒
体から読み出されたサンプリング周波数fs のPCMデ
ィジタルオ―ディオ信号は零補間回路1によってサンプ
リング周期が1/4となり、新たに発生したサンプリン
グ点には0が補間される。例えば、記録媒体から読み出
されたサンプリング周波数fs のPCMディジタルオ―
ディオ信号が図4(a)に示すようにサンプリングされて
いるとすると、零補間回路1は図4(a) のサンプリング
周波数fs のPCMディジタルオ―ディオ信号はそのま
ま出力すると共に図4(b) に示すように各周期1/fs
内において3つの新たなサンプリング点( 図4(b) の黒
点)を周期1/4fs にて作成して0を示すディジタル
オ―ディオ信号を出力するのである。この零補間回路1
から出力される零補間されたPCMディジタルオ―ディ
オ信号はFIRディジタルフィルタ2において上記した
スプライン関数による補間を施され、これにより図4
(b) に示した信号は図4(c)に示すように補間される。
FIRディジタルフィルタ2から出力れさるスプライン
関数による補間が施されたPCMディジタルオ―ディオ
信号はD/A変換器3によってアナログ信号に変換され
て出力端子OUTから出力される。
【0020】スプライン関数はサンプリング点において
その微分係数が連続な関数であり、特にその次数が低い
場合には図3に示したインパルス応答の如く信号の収束
性が良くリンギングが少ない。また、スプライン関数に
よって補間された信号はfs/2以上の高域成分を含ん
でおり、従来の急峻な特性のフィルタで高域成分をカッ
トした装置では得られない自然な再生音を得ることがで
きる。
【0021】図5は本発明の他の実施例を示している。
このPCMディジタルオ―ディオ信号再生装置において
は、図1に示した装置中のFIRディジタルフィルタ2
の出力に零補間回路8が接続されている。零補間回路8
の出力信号がLPF9を介してD/A変換器10に供給
される。零補間回路8はFIRディジタルフィルタ2か
ら出力れさるスプライン関数による補間が施されたサン
プリング周波数4fsのPCMディジタルオ―ディオ信
号をその2倍のサンプリング周波数8fs の信号にし、
新たに発生したサンプリング点には0が補間される。L
PF9は周波数fs 以下の周波数特性がフラットで高次
の高周波だけを削除する緩いカ―ブの周波数特性を持っ
た次数の少ない低次のディジタルロ―パスフィルタであ
る。これにより、図1に示した装置より更にサンプリン
グレ―トを上げることができ、演算回数と演算速度を低
く押えた高次のスプライン関数による補間を施すことが
できる。
【0022】なお、上記した各実施例においては、零補
間回路1がサンプリング周波数fsを4倍に、零補間回
路8がサンプリング周波数4fs を更に2倍にするよう
になっているが、これに限定されるものではなく、サン
プリング点を2倍以上に増やすものであれば良い。ま
た、上記した各実施例においては、PCMディジタルオ
―ディオ信号再生装置中にD/A変換器も含んでいる
が、D/A変換器はこの再生装置とは別に外部に設けら
れていても良い。
【0023】
【発明の効果】以上の如く、本発明のPCMディジタル
オ―ディオ信号再生装置においては、PCMディジタル
オ―ディオ信号のサンプリングレ―トをn倍してその新
たなサンプリング点の値を零として零補間した後、FI
Rディジタルフィルタを用いてスプライン関数による補
間をとるので、このようにした得たPCMディジタルオ
―ディオ信号からは単にカットフィルタを用いて高域成
分をカットしただけでは得ることができない自然な再生
音を得ることができる。また、インパルスのような高域
成分を含んだ信号に対してリンギングをほとんど生ずる
ことなく波形応答が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の装置中のFIRディジタルフィルタの構
成を示すブロック図である。
【図3】スプライン関数のインパルス応答を示す波形図
である。
【図4】図1の装置の零補間動作及び及びスプライン関
数による補間動作を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例を示すブロック図である。
【主要部分の符号の説明】
1 零補間回路 2 FIRディジタルフィルタ 7 加算器 8 零補間回路 9 LPF

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体から読み出したPCMディジタ
    ルオ―ディオ信号を再生するPCMディジタルオ―ディ
    オ信号再生装置であって、前記PCMディジタルオ―デ
    ィオ信号のサンプリングレ―トをn(nは2以上の整
    数)倍にしかつ新たなサンプリング点の値を零として信
    号を出力する第1零補間手段と、前記第1零補間手段の
    出力信号が供給されm(mは2以上の整数)次のスプラ
    イン関数のインパルス応答に対応する値を乗算係数とし
    て有するFIRディジタルフィルタとを含むPCMディ
    ジタルオ―ディオ信号再生装置。
  2. 【請求項2】 前記FIRディジタルフィルタの出力信
    号のサンプリングレ―トをg(gは2以上の整数)倍に
    しかつ新たなサンプリング点の値を零として信号を出力
    する第2零補間手段と、前記第2零補間手段の出力に接
    続された比較的次数の低いロ―パスフィルタとを含むこ
    とを特徴とする請求項1記載のPCMディジタルオ―デ
    ィオ信号再生装置。
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