JPH0569627B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生成された鉄、合金等のアモルフア
ス薄帯の巻取装置に関する。

〔従来の技術〕

アモルフアス薄帯の巻取装置については、各社
とも研究が取進められているが、エアナイフによ
つて冷却ロールから剥離させたアモルフアス薄帯
のバキユーム装置を用いて吸引し、ピンチロール
によりアモルフアス薄帯の先端部に挟込みピンチ
ロールを台車で移動させて巻取リールまでスレツ
デイング（threading）し、巻取リールに貼着さ
れている粘着テープにアモルフアス薄帯を接着さ
せて巻取る装置が一般的に使用されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述した従来技術のアモルフアス薄帯の巻取装
置においては次のような問題点があつた。

エアナイフのみでは冷却ロールから確実にア
モルフアス薄帯を剥離できない。

冷却ロールから剥離させたアモルフアス薄帯
を確実にピンチロールに誘導することが困難で
ある。

ピンチロールの巻取速度とアモルフアス薄帯
の供給速度の同期をとるのが困難である。

ピンチロールを台車で移動させる間のアモル
フアス薄帯の張力制御が難しく、アモルフアス
薄帯を破断することがある。

台車が巻取リールまで移動してアモルフアス
薄帯を巻取リールに巻取るとき、台車上のピン
チロール速度と巻取速度が一致していないとア
モルフアス薄帯が破断しやすいが、その速度制
御が困難である。

この速度を一致させるためにダンサーロール
を設けた例があるが、この場合にはダンサーロ
ールの位置制御が困難であるという問題があ
る。

本発明はこれらの問題点を解決するために提案
されたものであり、アモルフアス薄帯を冷却ロー
ルから確実に剥離させ、これを破断することなく
巻取る巻取装置を提供することを課題とするもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

マグネツトコンベヤを使用してアモルフアス薄
帯をスレツデイングする手段は、冷延プロセスラ
インでは常套手段である。しかし、アモルフアス
薄帯のように厚さが20〜50μｍで、しかも、30〜
40ｍ／secという極めて高速で巻取リールにスレ
ツデイングして巻付けるためには、リーダーテー
プにアモルフアス薄帯を吸着させてリーダーテー
プとアモルフアス薄帯を同時に巻取るのが確実で
ある。本発明はこの観点から想着されたものであ
る。

本発明は上述の問題点を解決するもので、高速
回転する冷却ロールにタンデイツシユノズルから
溶鋼を供給し冷却凝固させて生成されたアモルフ
アス薄帯の巻取装置に適用され、次の技術手段を
採つた。すなわち、 アモルフアス薄帯を吸着する帯磁リーダーテ
ープの供給リールと、 帯磁リーダーテープを冷却ロールに付着した
アモルフアス薄帯の剥離点直前の薄帯に押圧し
帯磁リーダーテープに薄帯を吸着させる押圧手
段を設けた押圧ロールと、 冷却ロールの回転速度と同期して回転し帯磁
リーダーテープに吸着させた薄帯を巻取る巻取
リールと、 を備えた。

〔作用〕

本発明は、上述のような構成したので押圧ロー
ルによつて帯磁リーダーテープを、冷却ロールの
表面の約半分の部分に冷却凝固したアモルフアス
薄帯の下端部を押付け、冷却ロールとアモルフア
ス薄帯の密着性を弱化させてその剥離を容易にす
ると共に、剥離したアモルフアス薄帯を帯磁リー
ダーテープに吸着させて巻取リールに巻取ること
ができる。

〔実施例〕

第１図および第２図は本発明の一実施例並びに
その作動の説明図であり、第１図はアモルフアス
薄帯巻取りの準備段階を示し、第２図はアモルフ
アス薄帯巻取り中の状態を示している。溶鋼１は
タンデイツシユ２に貯蔵されており、タンデイツ
シユ２にはタンデイツシユノズル３とノズルスト
ツパー４が設けられている。溶鋼１は冷却ロール
５で冷却されて凝固し、冷却ロール５の下端でア
モルフアス薄帯６となる。アモルフアス薄帯が巻
取リール１１に巻取られていないときは（第１
図）、供給リール７から供給される帯磁リーダー
テープ８は、直接巻取リール１１に巻取られるよ
う構成されている。

１５は帯磁リーダーテープ８を冷却ロール５に
押付ける押圧ロールであり、１６は押圧ロール１
５を冷却ロール５に押付けるシリンダーである。
１０は帯磁リーダーテープ８を切断するナイフ、
９は切断された帯磁リーダーテープ８の後続部を
巻取るマグネツトロールであり、１２は帯磁リー
ダーテープ８のエプロンを示し切断された帯磁リ
ーダーテープ８の後続部をマグネツトロール９に
スレツデイングするものである。なお、１３は帯
磁リーダーテープ８の速度検出用のメジヤーロー
ル、１４は冷却ロール５の駆動モータ及び速度検
出器を示している。

次に、巻取り操作について説明する。

帯磁リーダーテープ８を供給リール７から巻
取リール１１に供給して巻取リール１１で巻取
る。帯磁リーダーテープ８は強力に磁化されて
いる（第１図）。

巻取リール１１を加速して帯磁リーダーテー
プ８を冷却ロール５の周速と同期させる。この
同期検出は、速度検出器１４とメジヤーロール
１３によつて行う（第１図）。

押圧ロール１５をシリンダー１６で押出し、
帯磁リーダーテープ８を冷却ロール５に押圧す
る（第２図）。

タンデイツシユノズル３のストツパ４を上昇
させて溶鋼１を冷却ロール５に供給する。

冷却ロール５上の溶鋼１は急速に冷却されて
アモルフアス薄帯６となり冷却ロール５の下端
部に達する（第２図）。

冷却ロール５の下端部に達したアモルフアス
薄帯６は、押圧ロール１５で押圧され冷却ロー
ル５との密着性が弱められると共に、帯磁リー
ダーテープ８に吸着されて冷却ロール５から剥
離する（第２図）。

帯磁リーダーテープ８に吸着されたアモルフ
アス薄帯６は、帯磁リーダーテープ８によつて
搬送されて巻取リール１１に巻取られる（第２
図）。

アモルフアス薄帯６が巻取リール１１に数タ
ーン巻取られた時点で、帯磁リーダーテープ８
をカツター１０で切断する。なお、帯磁リーダ
ーテープ８を切断しないでアモルフアス薄帯６
と共に巻取リール１１で巻取つてもよい。

切断された帯磁リーダーテープ８の後続部は
エプロン１２にガイドされてマグネツトロール
９に巻取られ、それと同時に供給リール７とマ
グネツトロール９を減速して行き停止させる。

厚さ50μｍ、幅200mmの鉄合金アモルフアス薄
帯の巻取りに当たり、厚さ50μｍのテフロン製テ
ープにプラスチツクマグネツトを融着して本発明
の巻取装置を用いて巻取りを10回実施したとこ
ろ、アモルフアス薄帯がラインから脱落すること
もなく、全て確実に巻取ることができた。なお、
本実施例では、上述のようにプラスチツクマグネ
ツトをリーダーテープに加工して使用したが、金
属帯の永久磁石を用いても同様の作用効果を生ず
ることは云うまでもない。

また、以上の説明はアモルフアス薄帯について
行なつたが、アモルフアス化していない急冷薄帯
にも適用できるのは勿論である。

〔発明の効果〕

本発明によれば、生成されたアモルフアス薄帯
は無駄なく100％確実にコイルに巻取ることがで
きるので、アモルフアス薄帯の生産性の向上に極
めて優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の一実施例並びに
その作動の説明図であり、第１図はアモルフアス
薄帯巻取りの準備段階、第２図はアモルフアス薄
帯巻取り中の状態である。 １……溶鋼、２……タンデイツシユ、３……ノ
ズル、４……ストツパ、５……冷却ロール、６…
…アモルフアス薄帯、７……供給リール、８……
帯磁リーダーテープ、９……マグネツトロール、
１０……カツター、１１……巻取リール、１２…
…エプロン、１３……メジヤーロール、１４……
速度検出器、１５……押圧ロール、１６……シリ
ンダー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高速回転する冷却ロールにタンデイツシユノ
   ズルから溶鋼を供給し急冷凝固させて生成された
   アモルフアス薄帯の巻取装置において、 アモルフアス薄帯を吸着する帯磁リーダーテー
   プの供給リールと、該帯磁リーダーテープを前記
   冷却ロールに付着したアモルフアス薄帯の剥離点
   直前の該薄帯に押圧し該帯磁リーダーテープに該
   薄帯を吸着させる押圧手段を設けた押圧ロール
   と、前記冷却ロールの回転速度と同期して回転し
   該帯磁リーダーテープに吸着させた該薄帯を巻取
   る巻取リールとを備えたことを特徴とするアモル
   フアス薄帯の巻取装置。