JPH0569442A - プリプレグおよびその用途 - Google Patents
プリプレグおよびその用途Info
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- JPH0569442A JPH0569442A JP3262984A JP26298491A JPH0569442A JP H0569442 A JPH0569442 A JP H0569442A JP 3262984 A JP3262984 A JP 3262984A JP 26298491 A JP26298491 A JP 26298491A JP H0569442 A JPH0569442 A JP H0569442A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- prepreg
- fluororesin
- cloth
- circuit board
- sintered
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Reinforced Plastic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 布状基材に焼結されたフッ素樹脂から成るプ
リプレグを金属層と接合させて積層板を得ると、布状基
材に微小ボイドが残存し、これが高温、高湿条件下で絶
縁抵抗の悪化の原因となるので、この微小ボイドを残存
せずに積層板を製造し得るプリプレグを提供する。 【構成】 ガラスクロスのような布状基材にフッ素樹脂
を含浸すると共に薄層形成するが、このフッ素樹脂を未
焼結あるいは半焼結の状態とする。
リプレグを金属層と接合させて積層板を得ると、布状基
材に微小ボイドが残存し、これが高温、高湿条件下で絶
縁抵抗の悪化の原因となるので、この微小ボイドを残存
せずに積層板を製造し得るプリプレグを提供する。 【構成】 ガラスクロスのような布状基材にフッ素樹脂
を含浸すると共に薄層形成するが、このフッ素樹脂を未
焼結あるいは半焼結の状態とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子機器、通信機器、コ
ンピュータ等の高周波域を利用する各種機器の製造に好
適なプリプレグ、このプリプレグを用いる積層板、回路
板および多層回路板の製造法に関する。
ンピュータ等の高周波域を利用する各種機器の製造に好
適なプリプレグ、このプリプレグを用いる積層板、回路
板および多層回路板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波域を利用する各種機器に
は、例えば、ガラスクロスをポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)ディスパージョン中に浸漬してPTFE
を含浸せしめた後、PTFEの融点以上の温度に加熱す
ることにより、ガラスクロス表面に焼結されたPTFE
薄層を形成したプリプレグを得、次いでこのプリプレグ
表面に銅箔を配置し、加熱加圧によりこれらを一体化し
て積層板とし、その後該積層板における銅箔をパターン
化した回路板が用いられている。そして、かような積層
板は例えば、特開昭60−248346号公報に記載さ
れている。
は、例えば、ガラスクロスをポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)ディスパージョン中に浸漬してPTFE
を含浸せしめた後、PTFEの融点以上の温度に加熱す
ることにより、ガラスクロス表面に焼結されたPTFE
薄層を形成したプリプレグを得、次いでこのプリプレグ
表面に銅箔を配置し、加熱加圧によりこれらを一体化し
て積層板とし、その後該積層板における銅箔をパターン
化した回路板が用いられている。そして、かような積層
板は例えば、特開昭60−248346号公報に記載さ
れている。
【0003】また、回路板を内層として用い、該内層用
回路板の表面に上記と同様な焼結PTFE薄層を有する
プリプレグを介して銅箔を配置し、これを加熱加圧する
ことにより一体化し、更に該銅箔をパターン化すること
により多層回路板とすることも知られている。
回路板の表面に上記と同様な焼結PTFE薄層を有する
プリプレグを介して銅箔を配置し、これを加熱加圧する
ことにより一体化し、更に該銅箔をパターン化すること
により多層回路板とすることも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かようにし
て得られる回路板や多層回路板は高温且つ高湿度の環境
下で用いると絶縁抵抗が悪化するという問題があり、こ
の解決が望まれているが、未だ現実的な解決策は提案さ
れていない。
て得られる回路板や多層回路板は高温且つ高湿度の環境
下で用いると絶縁抵抗が悪化するという問題があり、こ
の解決が望まれているが、未だ現実的な解決策は提案さ
れていない。
【0005】本発明者の検討により、従来の回路板や多
層回路板を高温且つ高湿度で用いた場合における絶縁抵
抗の悪化の原因は、主としてこれらの製造に用いるプリ
プレグにあることが判明した。前記したように従来の回
路板や多層回路板には、ガラスクロスをPTFEディス
パージョン中に浸漬して引上げ、次いでPTFEの融点
以上の温度に加熱することにより、PTFEを焼結した
プリプレグが用いられている。
層回路板を高温且つ高湿度で用いた場合における絶縁抵
抗の悪化の原因は、主としてこれらの製造に用いるプリ
プレグにあることが判明した。前記したように従来の回
路板や多層回路板には、ガラスクロスをPTFEディス
パージョン中に浸漬して引上げ、次いでPTFEの融点
以上の温度に加熱することにより、PTFEを焼結した
プリプレグが用いられている。
【0006】しかし、このようにして得られる従来のプ
リプレグはガラスクロスを構成する繊維へのPTFEの
浸透が不十分であり、PTFEが浸透していない部分が
空気を抱き込んで微小ボイドとなり、このボイドを含む
状態でガラスクロス表面に焼結されたPTFE層が形成
されたものとなり易いものである。
リプレグはガラスクロスを構成する繊維へのPTFEの
浸透が不十分であり、PTFEが浸透していない部分が
空気を抱き込んで微小ボイドとなり、このボイドを含む
状態でガラスクロス表面に焼結されたPTFE層が形成
されたものとなり易いものである。
【0007】そして、この微小ボイドを含むプリプレグ
の表面に金属層を配置し加熱加圧して積層板とし、これ
を更に加工して回路板や多層回路板を製造した場合、プ
リプレグに発生した微小ボイドがそのまま残存し、それ
により高温且つ高湿度環境での絶縁抵抗が低下するので
ある。積層板あるいは多層回路板の製造に際し加圧が行
なわれるので、プリプレグに微小ボイドが発生していて
も該圧力によりPTFEが流動してこれを埋めボイドは
消滅すると考えられたが、実際に作業してみると、焼結
されたPTFEの流動は殆ど生ぜず、ボイドの消滅は期
待できないことが判った。
の表面に金属層を配置し加熱加圧して積層板とし、これ
を更に加工して回路板や多層回路板を製造した場合、プ
リプレグに発生した微小ボイドがそのまま残存し、それ
により高温且つ高湿度環境での絶縁抵抗が低下するので
ある。積層板あるいは多層回路板の製造に際し加圧が行
なわれるので、プリプレグに微小ボイドが発生していて
も該圧力によりPTFEが流動してこれを埋めボイドは
消滅すると考えられたが、実際に作業してみると、焼結
されたPTFEの流動は殆ど生ぜず、ボイドの消滅は期
待できないことが判った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は従来技術の有
する上記問題を解決するため鋭意研究の結果、プリプレ
グにおける布状基材を構成する繊維に含浸し、また該基
材の表面に薄層を形成するフッ素樹脂を未焼結または半
焼結の状態としておくことにより所期の目的が達成でき
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
する上記問題を解決するため鋭意研究の結果、プリプレ
グにおける布状基材を構成する繊維に含浸し、また該基
材の表面に薄層を形成するフッ素樹脂を未焼結または半
焼結の状態としておくことにより所期の目的が達成でき
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明に係るプリプレグは布状基材
にフッ素樹脂が含浸されると共に薄層を形成しており、
且つこのフッ素樹脂が未焼結または半焼結であることを
特徴とするものである。
にフッ素樹脂が含浸されると共に薄層を形成しており、
且つこのフッ素樹脂が未焼結または半焼結であることを
特徴とするものである。
【0010】本発明には従来からプリプレグの材料とし
て使用されている布状基材をそのまま用いることができ
る。かような布状基材の具体例としてはガラス繊維、ア
スベスト繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、窒化ホウ素
繊維、シリコンカーバイト繊維、チタニア繊維等の無機
繊維、あるいは芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊
維)、PTFE繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、芳
香族ポリエステル繊維等の有機繊維の単独糸またはこれ
らの2種以上を用いた複合糸から成る織布、不織布ある
いは網目状体を挙げることができる。この布状基材の厚
さは適宜選択するが、通常、約50〜200μmであ
る。
て使用されている布状基材をそのまま用いることができ
る。かような布状基材の具体例としてはガラス繊維、ア
スベスト繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、窒化ホウ素
繊維、シリコンカーバイト繊維、チタニア繊維等の無機
繊維、あるいは芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊
維)、PTFE繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、芳
香族ポリエステル繊維等の有機繊維の単独糸またはこれ
らの2種以上を用いた複合糸から成る織布、不織布ある
いは網目状体を挙げることができる。この布状基材の厚
さは適宜選択するが、通常、約50〜200μmであ
る。
【0011】そして、この布状基材にはこれを構成する
繊維にフッ素樹脂が含浸されると共に該基材表面にフッ
素樹脂薄層が形成されるが、これらフッ素樹脂は未焼結
または半焼結の状態とする必要がある。プリプレグにお
けるフッ素樹脂を未焼結または半焼結の状態としておく
のは、フッ素樹脂の流動性を確保し、このプリプレグを
用いて積層板等を製造する際の加圧により、フッ素樹脂
を流動させて布状基材への含浸浸透を更に進行させて微
小ボイドを埋めることにより、これを消滅させるためで
ある。
繊維にフッ素樹脂が含浸されると共に該基材表面にフッ
素樹脂薄層が形成されるが、これらフッ素樹脂は未焼結
または半焼結の状態とする必要がある。プリプレグにお
けるフッ素樹脂を未焼結または半焼結の状態としておく
のは、フッ素樹脂の流動性を確保し、このプリプレグを
用いて積層板等を製造する際の加圧により、フッ素樹脂
を流動させて布状基材への含浸浸透を更に進行させて微
小ボイドを埋めることにより、これを消滅させるためで
ある。
【0012】本発明に係るプリプレグは、例えば、布状
基材をフッ素樹脂ディスパージョン中に浸漬して引上
げ、次いで加熱して分散媒を除去する方法により得るこ
とができる。これにより、布状基材を構成する繊維にフ
ッ素樹脂が含浸されると共に該基材表面にフッ素樹脂薄
層が形成される。この浸漬と加熱は所定回繰り返し行な
うこともできる。
基材をフッ素樹脂ディスパージョン中に浸漬して引上
げ、次いで加熱して分散媒を除去する方法により得るこ
とができる。これにより、布状基材を構成する繊維にフ
ッ素樹脂が含浸されると共に該基材表面にフッ素樹脂薄
層が形成される。この浸漬と加熱は所定回繰り返し行な
うこともできる。
【0013】そして、加熱温度をフッ素樹脂の融点未満
に設定すれば、フッ素樹脂は未焼結状態となる。また、
加熱温度をフッ素樹脂の融点以上とすれば、フッ素樹脂
を半焼結状態にし得る。ただし、後者の場合のようにフ
ッ素樹脂の融点以上の温度に設定するときは加熱時間に
留意し焼結状態とならないようにする必要がある。
に設定すれば、フッ素樹脂は未焼結状態となる。また、
加熱温度をフッ素樹脂の融点以上とすれば、フッ素樹脂
を半焼結状態にし得る。ただし、後者の場合のようにフ
ッ素樹脂の融点以上の温度に設定するときは加熱時間に
留意し焼結状態とならないようにする必要がある。
【0014】本発明において、「半焼結」とは、未焼結
フッ素樹脂を焼結に至らない程度の時間該フッ素樹脂の
融点以上の温度に加熱したことを意味する。未焼結のフ
ッ素樹脂をその融点以上の温度で加熱すると、時間の経
過と共に未焼結状態から焼結状態へと除々に推移するこ
とはよく知られている。また、未焼結状態から焼結状態
へと変化する場合には、その融点(DSC測定における
吸熱ピーク点)が347 ℃から327℃に低下してきた
ときが焼結に至ったことを示すことも知られている。そ
して、焼結に至るまでに要する時間はフッ素樹脂が同じ
ならば加熱温度に依存する。従って、この「半焼結」状
態は融点がほぼ350℃より低く且つ330℃より高い
値になるような時間だけフッ素樹脂の融点以上の温度に
加熱したことと、言い換えることができる。
フッ素樹脂を焼結に至らない程度の時間該フッ素樹脂の
融点以上の温度に加熱したことを意味する。未焼結のフ
ッ素樹脂をその融点以上の温度で加熱すると、時間の経
過と共に未焼結状態から焼結状態へと除々に推移するこ
とはよく知られている。また、未焼結状態から焼結状態
へと変化する場合には、その融点(DSC測定における
吸熱ピーク点)が347 ℃から327℃に低下してきた
ときが焼結に至ったことを示すことも知られている。そ
して、焼結に至るまでに要する時間はフッ素樹脂が同じ
ならば加熱温度に依存する。従って、この「半焼結」状
態は融点がほぼ350℃より低く且つ330℃より高い
値になるような時間だけフッ素樹脂の融点以上の温度に
加熱したことと、言い換えることができる。
【0015】上記浸漬と加熱により、布状基材を構成す
る繊維にフッ素樹脂が含浸(浸透)されると共に該基材
表面にフッ素樹脂の薄層が形成される。布状基材に含浸
したフッ素樹脂および該基材表面に層形成したフッ素樹
脂の量は「含浸率」として表すことができる。布状基材
へのフッ素樹脂の含浸率は種々の要因に応じて設定する
が、通常、約55〜85%である。この含浸率は布状基
材に含浸あるいは層形成により付着したフッ素樹脂の重
量をプリプレグの重量で除した値に100を乗じて算出
される。含浸率はフッ素樹脂ディスパージョンにおける
フッ素樹脂濃度を変えたり、浸漬と加熱の回数を変えた
りして調整できる。
る繊維にフッ素樹脂が含浸(浸透)されると共に該基材
表面にフッ素樹脂の薄層が形成される。布状基材に含浸
したフッ素樹脂および該基材表面に層形成したフッ素樹
脂の量は「含浸率」として表すことができる。布状基材
へのフッ素樹脂の含浸率は種々の要因に応じて設定する
が、通常、約55〜85%である。この含浸率は布状基
材に含浸あるいは層形成により付着したフッ素樹脂の重
量をプリプレグの重量で除した値に100を乗じて算出
される。含浸率はフッ素樹脂ディスパージョンにおける
フッ素樹脂濃度を変えたり、浸漬と加熱の回数を変えた
りして調整できる。
【0016】布状基材に含浸させるフッ素樹脂として
は、PTFE、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体(ETFE)等を単独であるいは混合して用いること
ができる。
は、PTFE、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体(ETFE)等を単独であるいは混合して用いること
ができる。
【0017】図1は本発明に係るプリプレグの実例を示
し、布状基材1を構成する繊維にはフッ素樹脂が含浸
(この含浸状態は図示省略)されており、また該基材1
の表面にはフッ素樹脂薄層2が形成されている。そし
て、繊維に含浸されたフッ素樹脂および布状基材表面に
薄層を形成しているフッ素樹脂はいずれも未焼結か半焼
結のものである。
し、布状基材1を構成する繊維にはフッ素樹脂が含浸
(この含浸状態は図示省略)されており、また該基材1
の表面にはフッ素樹脂薄層2が形成されている。そし
て、繊維に含浸されたフッ素樹脂および布状基材表面に
薄層を形成しているフッ素樹脂はいずれも未焼結か半焼
結のものである。
【0018】このプリプレグは積層板の製造に用いるこ
とができる。例えば、プリプレグの両面に銅箔等の金属
層を配置し、次いで加圧しながらフッ素樹脂の融点以上
の温度に加熱し、フッ素樹脂を焼結すると共にプリプレ
グと金属層を接合することにより積層板を得ることがで
きる。この加圧により布状基材に含浸および薄層形成し
ているフッ素樹脂が未焼結または半焼結状態であるため
容易に流動し、布状基材を構成する繊維に更に浸透する
ので微小ボイドを消滅させ得る。。ただし、過大な圧力
を作用させてフッ素樹脂を布状基材外へ流出させないた
め、圧力を30kg/cm2 以下好ましくは5〜25k
g/cm2 の低圧とする。
とができる。例えば、プリプレグの両面に銅箔等の金属
層を配置し、次いで加圧しながらフッ素樹脂の融点以上
の温度に加熱し、フッ素樹脂を焼結すると共にプリプレ
グと金属層を接合することにより積層板を得ることがで
きる。この加圧により布状基材に含浸および薄層形成し
ているフッ素樹脂が未焼結または半焼結状態であるため
容易に流動し、布状基材を構成する繊維に更に浸透する
ので微小ボイドを消滅させ得る。。ただし、過大な圧力
を作用させてフッ素樹脂を布状基材外へ流出させないた
め、圧力を30kg/cm2 以下好ましくは5〜25k
g/cm2 の低圧とする。
【0019】かようにして得られた積層板の金属層をパ
ターン化すれば、図2に示すように布状基材1に焼結さ
れたフッ素樹脂薄層3を介して金属パターン4を設けた
構造の回路板を得ることができる。
ターン化すれば、図2に示すように布状基材1に焼結さ
れたフッ素樹脂薄層3を介して金属パターン4を設けた
構造の回路板を得ることができる。
【0020】積層板から回路板を製造する際の金属層の
パターン化は従来からのプリント回路板の製造と同様に
剥離現像型フォトレジスト、溶剤現像型フォトレジスト
あるいはアルカリ現像型フォトレジストを用いる方法で
行なうことができる。例えば、積層板の金属層表面にア
ルカリ現像型フォトレジスト層を形成し、その上からフ
ォトマスクを介してパターン状に露光せしめ、次いでフ
ォトレジストの未露光部を溶解除去して金属層を部分的
に露出せしめ、その後金属層の露出部をエッチングによ
り除去し、更に、フォトレジストの露光部を溶解除去す
れば、フォトレジストの露光パターンに対応する金属パ
ターンを有する回路板を得ることができる。
パターン化は従来からのプリント回路板の製造と同様に
剥離現像型フォトレジスト、溶剤現像型フォトレジスト
あるいはアルカリ現像型フォトレジストを用いる方法で
行なうことができる。例えば、積層板の金属層表面にア
ルカリ現像型フォトレジスト層を形成し、その上からフ
ォトマスクを介してパターン状に露光せしめ、次いでフ
ォトレジストの未露光部を溶解除去して金属層を部分的
に露出せしめ、その後金属層の露出部をエッチングによ
り除去し、更に、フォトレジストの露光部を溶解除去す
れば、フォトレジストの露光パターンに対応する金属パ
ターンを有する回路板を得ることができる。
【0021】本発明は多層回路板の製造法にも関する。
この製造法は基板表面に金属パターンを有する回路板に
プリプレグおよび金属層を重ね合わせ、次いで加熱加圧
することにより回路板、プリプレグおよび金属層を一体
化することを特徴とするものである。
この製造法は基板表面に金属パターンを有する回路板に
プリプレグおよび金属層を重ね合わせ、次いで加熱加圧
することにより回路板、プリプレグおよび金属層を一体
化することを特徴とするものである。
【0022】この多層回路板の製造に用いるプリプレグ
は上記図1に示すように布状基材にフッ素樹脂が含浸さ
れると共に薄層を形成しており、且つこのフッ素樹脂が
未焼結または半焼結であるものを用いる。また、回路板
としてはフッ素樹脂含浸布状基材(基板)の表面に金属
パターンを設けたもの、エポキシ樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂等の熱硬化性樹脂含浸布状基材(基板)の表面
に金属パターンを設けたもの等を用い得る。
は上記図1に示すように布状基材にフッ素樹脂が含浸さ
れると共に薄層を形成しており、且つこのフッ素樹脂が
未焼結または半焼結であるものを用いる。また、回路板
としてはフッ素樹脂含浸布状基材(基板)の表面に金属
パターンを設けたもの、エポキシ樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂等の熱硬化性樹脂含浸布状基材(基板)の表面
に金属パターンを設けたもの等を用い得る。
【0023】そして、回路板、プリプレグおよび金属層
を重ね合わせた後の加熱温度はプリプレグにおけるフッ
素樹脂の融点以上とする。また、圧力は上記積層板製造
の際と同じ理由により、40kg/cm2 以下好ましく
は5〜35kg/cm2 とする。
を重ね合わせた後の加熱温度はプリプレグにおけるフッ
素樹脂の融点以上とする。また、圧力は上記積層板製造
の際と同じ理由により、40kg/cm2 以下好ましく
は5〜35kg/cm2 とする。
【0024】図3は多層回路板の製造法における重ね合
わせ工程を示し、表面に金属パターン4を有する基板5
の両面にプリプレグ6および金属層7が重ね合わされて
いる。なお、プリプレグ6は図1に示すのと同構造品を
用いている。かように重ね合わせた後、加熱加圧を行な
うことによりこれらを一体化し、更に金属層7をパター
ン化すれば多層回路板を得ることができる。
わせ工程を示し、表面に金属パターン4を有する基板5
の両面にプリプレグ6および金属層7が重ね合わされて
いる。なお、プリプレグ6は図1に示すのと同構造品を
用いている。かように重ね合わせた後、加熱加圧を行な
うことによりこれらを一体化し、更に金属層7をパター
ン化すれば多層回路板を得ることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
する。
【0026】実施例1 (プリプレグの製造)厚さ50μmのガラスクロスをP
TFE粉末濃度60重量%の水性ディスパージョン中に
浸漬して引上げ、温度220℃で2分間加熱する。この
浸漬および加熱を更に2回繰り返し行い、未焼結PTF
Eが含浸され且つ表面に薄層形成した図1と同構造のプ
リプレグを得る。このプリプレグにおけるPTFE含浸
率は65%であった。
TFE粉末濃度60重量%の水性ディスパージョン中に
浸漬して引上げ、温度220℃で2分間加熱する。この
浸漬および加熱を更に2回繰り返し行い、未焼結PTF
Eが含浸され且つ表面に薄層形成した図1と同構造のプ
リプレグを得る。このプリプレグにおけるPTFE含浸
率は65%であった。
【0027】(積層板の製造)上記のプリプレグを8枚
重ね合わせ、この重ね合わせ物の両面上に厚さ18μm
の銅箔を配置し、温度385℃、圧力15kg/cm2
の条件で30分間加熱加圧することにより、プリプレグ
相互およびプリプレグと銅箔をPTFE薄層を介して接
合すると共にPTFEを焼結して積層板を得る。
重ね合わせ、この重ね合わせ物の両面上に厚さ18μm
の銅箔を配置し、温度385℃、圧力15kg/cm2
の条件で30分間加熱加圧することにより、プリプレグ
相互およびプリプレグと銅箔をPTFE薄層を介して接
合すると共にPTFEを焼結して積層板を得る。
【0028】(回路板の製造)上記積層板における両銅
箔をアルカリ現像型フォトレジストを用いてパターン加
工することにより、回路板を得る。この回路板の絶縁抵
抗値をJIS C 6481に規定される方法により測
定したところ、8.9×1012Ωであり、これを100
℃の熱水中で2時間煮沸した後の値は8.6×1012Ω
であり、殆ど変化しなかった。
箔をアルカリ現像型フォトレジストを用いてパターン加
工することにより、回路板を得る。この回路板の絶縁抵
抗値をJIS C 6481に規定される方法により測
定したところ、8.9×1012Ωであり、これを100
℃の熱水中で2時間煮沸した後の値は8.6×1012Ω
であり、殆ど変化しなかった。
【0029】(多層回路板の製造)上記回路板の両面に
上記プリプレグおよび厚さ18μmの銅箔を各々配置
し、温度385℃、圧力25kg/cm2 の条件で30
分間加熱加圧し、次いで両銅箔をパターン加工すること
により多層回路板を得た。
上記プリプレグおよび厚さ18μmの銅箔を各々配置
し、温度385℃、圧力25kg/cm2 の条件で30
分間加熱加圧し、次いで両銅箔をパターン加工すること
により多層回路板を得た。
【0030】実施例2 プリプレグ製造時における温度を340℃とし、ガラス
クロスに含浸および薄層形成したPTFEを半焼結状態
とすること以外は実施例1と同様に作業して、プリプレ
グ、積層板、回路板および多層回路板を得た。回路板の
絶縁抵抗は7.3×1012Ωであり、煮沸後のそれは
7.0×1012Ωであり、これまた殆ど変化は認められ
なかった。
クロスに含浸および薄層形成したPTFEを半焼結状態
とすること以外は実施例1と同様に作業して、プリプレ
グ、積層板、回路板および多層回路板を得た。回路板の
絶縁抵抗は7.3×1012Ωであり、煮沸後のそれは
7.0×1012Ωであり、これまた殆ど変化は認められ
なかった。
【0031】比較例 プリプレグ製造時における加熱温度を380℃とし、ガ
ラスクロスに含浸および薄層形成するPTFEを焼結状
態とすること以外は実施例1と同様に作業して、プリプ
レグ、積層板、回路板および多層回路板を得た。回路板
の絶縁抵抗は8.5×1012Ωであるが、煮沸後には
3.0×109 Ωまで悪化した。
ラスクロスに含浸および薄層形成するPTFEを焼結状
態とすること以外は実施例1と同様に作業して、プリプ
レグ、積層板、回路板および多層回路板を得た。回路板
の絶縁抵抗は8.5×1012Ωであるが、煮沸後には
3.0×109 Ωまで悪化した。
【0032】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されており、
布状基材に含浸および薄層形成したフッ素樹脂が未焼結
または半焼結とされているので、これを用いて積層板等
を製造する際の加圧によりフッ素樹脂を流動させて該基
材への浸透を充分にでき、これにより微小ボイドを無く
して絶縁性能を向上できる。
布状基材に含浸および薄層形成したフッ素樹脂が未焼結
または半焼結とされているので、これを用いて積層板等
を製造する際の加圧によりフッ素樹脂を流動させて該基
材への浸透を充分にでき、これにより微小ボイドを無く
して絶縁性能を向上できる。
【図1】本発明に係るプリプレグの実例を示す正面図で
ある。
ある。
【図2】本発明に係る方法により得られる積層板の実例
を示す正面図である。
を示す正面図である。
【図3】本発明に係る多層回路板の製造法における重ね
合わせ工程の実例を示す正面図である。
合わせ工程の実例を示す正面図である。
1 布状基材 2 フッ素樹脂薄層 3 フッ素樹脂薄層 4 金属パターン 5 基板 6 プリプレグ 7 金属層
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 31/20 7141−4F H05K 1/03 L 7011−4E // B29K 27:12 105:08 (72)発明者 江里口 冬樹 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 布状基材にフッ素樹脂が含浸されると共
に薄層を形成しており、且つこのフッ素樹脂が未焼結ま
たは半焼結であることを特徴とするプリプレグ。 - 【請求項2】 請求項1記載のプリプレグ表面に金属層
を配置し、次いで加熱加圧することにより、フッ素樹脂
を焼結すると共にプリプレグと金属層を接合することを
特徴とする積層板の製造法。 - 【請求項3】 請求項1記載のプリプレグ表面に金属層
を配置して加熱加圧することにより、プリプレグと金属
層を接合して積層板を得、次いで該積層板の金属層をパ
ターン化することを特徴とする回路板の製造法。 - 【請求項4】 基板表面に金属パターンを有する回路板
に請求項1記載のプリプレグおよび金属層を重ね合わ
せ、次いで加熱加圧することにより回路板、プリプレグ
および金属層を一体化することを特徴とする多層回路板
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3262984A JPH0569442A (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | プリプレグおよびその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3262984A JPH0569442A (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | プリプレグおよびその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0569442A true JPH0569442A (ja) | 1993-03-23 |
Family
ID=17383285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3262984A Pending JPH0569442A (ja) | 1991-09-12 | 1991-09-12 | プリプレグおよびその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0569442A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1991
- 1991-09-12 JP JP3262984A patent/JPH0569442A/ja active Pending
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