JPH0567755B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、押出成形によつて製造された押出中
空パネル建材を建物の躯体や壁面等に縦張りする
場合に用いる取付金物に関する。

〔従来の技術〕

従来、一般に建築物等の外装に用いる石材、人
造石、結晶化ガラス等の施工には第５図に示す構
造が用いられ、その取付金具は第６図に示すよう
なアングル２３、接続金具２４から構成されてい
る。

このような従来の石材の取付構造は次の通りで
ある。

第５図、第６図に示すように、躯体のコンクリ
ート壁２１に取りつけたアンカーボルト２２にア
ングル２３を取付け、そのアングル２３に接続金
具２４を取付ける。石材などの外装材２５にはダ
ボピン２６の入る穴２７を開けておき、接続金具
２４のダボピン孔２８と外装材２５のダボ穴２７
にダボピン２６を通し、外装材２５を上から下へ
押下げて取付ける。仕上げ面（外装材の外表面）
の出入り調整のため、接続金具２４は、ボルト通
し穴２９及びダボピン孔２８がそれぞれルーズホ
ールになつていて、目地幅及び外装材表面の出入
りを調整することができる。また、外装材のダボ
穴２７には、エポキシ樹脂や速硬セメント等を注
入して、ダボピン２６を固定する。外装材１枚に
ついてほとんどの場合、この取付金具により上下
２箇所づつを建築物の躯体などに取付ける。

この石材を用いた外装取付構造と同様の構造を
押出中空パネル建材の縦張りに応用した場合、外
装用中空パネルや窯業系の中空パネル等では、中
空孔を設けてあること、および軽量化するために
薄肉としてあることなどから縦張りの端面にダボ
穴を設けることができない。

また、押出中空パネル建材は地震等の震動や衝
撃が加わると、中空パネルに亀裂が発生したりす
るおそれがある。

また石材等ではダボピンを固定するためにエポ
キシ樹脂や速硬セメントをダボ穴内に注入する
が、中空パネル建材を縦張りする場合、このよう
なことはできない。

〔発明が解決しようとする課題〕

以上に述べたような、一般に広く利用されてい
る石材を躯体に取付ける金具を、押出中空パネル
建材を縦張する施工に利用する場合、押出中空パ
ネル建材では中空孔があり肉薄であるためにダボ
ピンの固定ができない。

本発明は以上の問題点を除去した押出中空パネ
ル建材のダボピン取付金物を提供することを目的
とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は押出中空パネル建材を縦張りする場合
に用いるダボピン取付金物であつて、次の(イ)、(ロ)
から構成されている。

(イ) 押出中空パネル建材の中空孔に嵌挿し中空孔
内壁に弾性的に密着すると共にパネル建材の端
面に係止する耳を有するＵ字形板ばね。

(ロ) Ｕ字形板ばねのＵ字内に収納されＵ字底部で
これと結合され、ダボピン挿入孔を備え、側面
にパネル取付用ボルト孔を穿設してなる取付金
具とからなるブロツク。

〔作用〕

本発明の取付金物は押出中空パネル建材の中空
孔内に弾性的に固定されているので、中空パネル
にダボピンから伝わる力が分散される。従つて、
中空パネル建材のダボピンの周囲の部分が破損す
ることが防止される。

ダボピンを固定するために、従来使われている
エポキシ樹脂、あるいは速硬セメント等の使用量
が石材などの場合とほとんど同じですむ。

施工時には中空パネル建材の中空孔に本発明の
取付金物を挿入するだけでよく、ほかに難しい操
作も必要とせず特定の職人も必要としない。

〔実施例〕

第１図〜第３図に本発明のダボピン取付金具の
実施例を示した。

第１図は押出中空パネル建材１に取りつける前
の分解図である。第２図はダボピン取付金物の実
施例、第３図は取りつけられた図を示し、第４図
はパネル取付要領の全体図である。

押出中空パネル建材１は、中空セラミツクスパ
ネルであつて、縦2000mm、幅300mm、厚み26mmで
中空孔が９個あり、各部の肉厚が約６mm程度であ
る。

この中空パネル建材１にダボピン取付金物をね
じ止めするための孔２０を対応する位置に開けて
おく。

中空パネル建材１の金物を取りつけるべき位置
の中空孔２に、脱落防止金具３１を挿入する。こ
の脱落防止金具３１は、中空孔２内に遊嵌する板
幅の薄鋼板等であつて、その中間部には中空孔の
壁に接触するようにひだを付すように折り曲げて
あり、その全長は中空パネル建材の高さとほぼ等
しく、両端部近傍には長孔３２を設けて、ダボピ
ン取付金物の止めねじがこの長孔を通るようにし
ておく。若し万一、中空パネル１が衝突などによ
つて破損してもこの脱落防止金具３１が上下のダ
ボピン取付金具と連結されているので、中空パネ
ルの脱落と防止するものである。

次にＵ字形板ばね１１とブロツク１６とから成
るダボピン固定金具を矢印１８の方向に中空孔２
に嵌入する。このとき板ばね１１は中空孔２の側
壁に弾性的に密着すると共にその両耳１２は中空
パネル１の端面の中空孔２の縁に係止する。止め
ねじ１９を孔２０を通つてダボピン取付金物のね
じ孔１７にねじ込み固定する。押出中空パネル建
材の上下各２カ所にダボピン取付金物を取りつ
け、ダボピン１４を孔１５に打込み、このダボピ
ン１４に躯体取付金具を係着する。すなわち、ダ
ボピン挿入孔にダボピン１４を差し込み、エポキ
シ樹脂等の接着剤でダボピン１４を固定する。こ
のダボピン１４に躯体との取付金具２４を取付け
ると共に上下に隣接する中空パネルを互いに接合
する。

本発明のダボピン取付金物を用いると押出中空
パネル建材の躯体への取付施工が至つて簡単にで
きる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、押出中空パネル建材を建築物
の躯体に容易に取付けることができ、震動、衝
撃、その他の荷重による取付部の破損等を完全に
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の斜視図、第２図は本
発明のダボピン取付金物のａ側面図、ｂ平面図、
第３図は実施例の中空パネル取付部の構造図、第
４図は中空パネル全体の取付説明図、第５図、第
６図は従来の石材の取付構造を示す説明図であ
る。 １……中空パネル建材、２……中空孔、１１……
Ｕ字形板ばね、１４……ダボピン、１５……ダボ
ピン装入孔、１６……ブロツク、１９……ボル
ト、２１……躯体、２３……アングル、２４……
接続金具、３１……脱落防止金具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 押出中空パネル建材の中空孔に嵌挿し中空孔
   内壁に弾性的に密着すると共に該パネル建材の端
   面に係止する両耳を有するＵ字形板ばねと、該Ｕ
   字形板ばねのＵ字内に収納されＵ字底部でこれと
   結合し、ダボピン挿入孔を備え、側面にパネル取
   付用ボルト孔を穿設してなるブロツクとからなる
   押出中空パネル建材のダボピン取付金物。