JPH056751B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はデイスク再生装置の回転制御装置に関
するものであり、特にビデオデイスクやデイジタ
ルオーデイオデイスク等の高密度記録デイスクの
再生装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 ビデオ信号やデジタルオーデイオ信号等の情報
信号を高密度記録したビデオデイスク、デジタル
オーデイオデイスクがすでに実用化されている。

これらの高密度記録デイスクにおいては、記録
容量を大きくするために定線速度記録されている
ものが多い。定線速度再生を行うためにはデイス
クの回転速度を、デイスクの内周部を再生すると
きは速く、外周部を再生するときは遅くなるよう
に制御する必要がある。このような制御の方式と
しては従来より種々提案されているが、最も代表
的な例として、デイスクの再生信号に含まれる同
期信号（ビデオ信号の場合には水平同期信号）を
抽出し、その周波数が一定となるようにモータの
回転速度を制御するものがあげられる。

第１図は上記のような同期信号による定線速度
の回転制御方式を用いたビデオデイスク再生装置
の従来例の一例を示す略構成図である。

光学方式で定線速度記録されたビデオデイスク
１はモータ２によつて回転駆動され、光学ピツク
アツプ３によつて情報信号を読み取られる。光学
ピツクアツプの出力信号は前置増幅器４で増幅さ
れた後、映像復調器５によつ通常の映像信号に復
調される。また音声復調器６によつて、多重記録
されていた音声信号が復調される。

映像信号からは同期分離回路７によつて同期信
号が抽出され、波形整形されて水平同期信号が得
られる。水平同期信号は、例えばNTSC方式にお
いては15.734KHzが正規の周波数であるが、ビデ
オデイスク１の回転速度が変動すれば、それに伴
つて変動するものである。そこで水平同期信号と
周波数の等しい基準映像信号源８の安定な基準信
号（例えば15.734KHz）とを位相比較回路９によ
つて位相比較し、その出力として得られる位相誤
差信号を駆動回路１０によつて増幅した後、モー
タ２へ帰還してやれば、所望の定線速度制御が可
能となるものである。

ところが、上記従来の構成には、次のような問
題がある。

すなわち、上記従来例においては、モータの回
転速度を表わす信号として、情報信号中に含まれ
る同期信号（例えば水平同期信号）を用いている
ため、情報信号が正しく読取られていなければ制
御動作が成立しない。したがつて、例えばデイス
クの欠陥によつて情報信号が欠落した場合や、ラ
ンダムアクセス動作のために光学ピツクアツプ３
のトラツキングサーボを遮断した場合には、モー
タ２の回転速度の制御は不可能となるため、回転
速度が大きく乱され、回復に時間を要する結果に
なる。

発明の目的 本発明のデイスク再生装置の回転制御装置は、
上記のような従来例に見られる、情報信号が欠落
した場合やトラツキングサーボを遮断した場合の
回転速度の大きな変動を防止し、映像や音声の乱
れを防止することを目的とするものである。

発明の構成 本発明のデイスク再生装置の回転制御装置は、
モータと、周波数発電機と、上記周波数発電機の
出力に位相同期した信号を発生するフエーズロツ
クドループ回路（以下PLL回路と略称する）と、
上記PLL回路の制御ループを開いて保持状態と
する前値保持回路と、上記PLL回路の出力信号
と上記周波数発電機の出力信号とを位相比較して
上記モータの回転速度を制御するサーボ回路とか
ら構成されるものであつて、デイスクに記録され
た情報信号に含まれる同期信号が正しく再生され
ている期間中は同期信号と基準信号とを位相比較
することによつてデイスクの回転速度を制御し、
かつ、その期間中の周波数発電機の出力信号と周
波数の等しい信号をPLL回路によつて作り、正
しい回転速度をPLL回路のフライホイール効果
によつて記憶しておくものである。

デイスクの欠陥による情報信号の欠落が発生し
た場合や、ランダムアクセス動作のためにピツク
アツプのトラツキングサーボを遮断した場合に
は、上記のPLL回路の、周波数発電機の出力信
号への追従動作を停止して前値保持動作に切換
え、直前の回転速度を記憶しているPLL回路の
出力信号を基準周波数として、モータの回転速度
を制御するよう構成されている。

実施例の説明 本発明のデイスク再生装置の回転制御装置の実
施例について、図面を参照しながら説明する。な
お、第１図の従来例と共通の部分には同一の番号
を付してある。

第２図は本発明の一実施例のデイスク再生装置
を示す略構成図であつて、映像信号を高密度記録
した光学式ビデオデイスクを再生するものであ
る。第１図の従来例と同様に、ビデオデイスク１
はモータ２によつて回転駆動され、光学ピツクア
ツプ３によつて情報信号を読取られる。モータ２
の回転速度は、前記従来例と同様に、同期分離回
路７によつて抽出された水平同期信号と、基準信
号源８の安定な基準信号とを位相比較器９によつ
て位相比較し、その出力として得られる位相誤差
信号を、ループスイツチ１１および駆動回路１０
を介してモータ２へ帰還することによつて制御さ
れる。この制御ループはループスイツチ１１によ
つて開閉可能であり、ループスイツチ１１は同期
信号検出回路１２の出力信号で制御されており、
水平同期信号が正しく検出されている期間のみ、
上述の水平同期信号によるサーボループが閉じる
ように動作する。

モータ２には同軸に周波数発電機１３が設けら
れており、回転速度に比例した周波数の信号を発
生する。周波数発電機１３の出力信号は、位相比
較器１４、サンプルホールド回路１５および電圧
制御発振器１６によつて構成されるPLL回路の
基準信号として入力されており、モータ２の回転
速度の変化に対して刻々変化する周波数発電機１
３の出力周波数に追従した周波数の信号を発振し
ている。

前述の同期信号検出回路１２の出力信号は前述
のループスイツチ１１の他に、サンプルホールド
回路１５にも加えられており、水平同期信号が正
しく検出されている期間のみ、電圧制御発振器１
６の周波数を周波数発電機１３の周波数に追従さ
せ、水平同期信号が検出されないときはサンプル
ホールド回路１５を前値保持状態として、直前の
周波数を保持記憶させる。そして、位相比較器１
４の出力である誤差信号を、ループスイツチ１
１、駆動回路１０を介してモータ２へ帰還し、モ
ータの回転速度を、水平同期信号が正しく検出さ
れていた期間と同じ速度に保持するように制御す
るものである。

上記の同期信号検出回路１２は、デイスクの情
報信号の欠落時や、ランダムアクセスに伴うトラ
ツキングサーボループの遮断時に動作し、モータ
の回転制御ループを切換えることによつて回転速
度を保持し、回転速度の大幅な変化による映像や
音声の乱れを防止し、情報信号が復帰した後の回
転速度の再同期に要する時間を短縮できるもので
ある。

上述の実施例においては、ビデオデイスク再生
装置への応用例を述べたが、デイジタルオーデイ
オデイスク再生装置にも応用可能であり、デイス
クへの記録方式も光学式である必要はなく、また
定線速度方式であつても定角速度方式であつても
そのまま応用できる。

発明の効果 上述の実施例において説明したように本発明の
デイスク再生装置の回転制御装置は、情報信号に
含まれる同期信号による制御ループのほかに、モ
ータと共に回転する周波数発電機の出力周波数に
刻々追従した周波数の信号を発生するPLL回路
を設け、情報信号の欠落時や、トラツキングサー
ボの遮断時には、上記同期信号による制御ループ
を遮断し、上記PLL回路を前値保持状態とし、
逆に周波数発電機の出力周波数をPLLの出力周
波数と同じに保持するよう回転制御することによ
り、回転速度の変動を防止できるものであつて、
デイスクの欠陥やランダムアクセス動作による、
同期信号の欠落の影響を小さくできる点で大きな
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のデイスク再生装置の一例を示す
略構成図、第２図は本発明の一実施例によるデイ
スク再生装置の一例を示す略構成図である。 ３……光学ピツクアツプ、５……映像復調回
路、６……音声復調回路、９……位相比較回路、
１２……同期信号検出回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ モータと、周波数発電機と、上記周波数発電
   機の出力に位相同期した信号を発生するフエーズ
   ロツクドループ回路と、上記フエーズロツクドル
   ープ回路の制御ループを開いて保持状態とする前
   値保持回路と、上記フエーズロツクドループ回路
   の出力信号と上記周波数発電機の出力信号とを位
   相比較して上記モータの回転速度を制御するサー
   ボ回路を有するデイスク再生装置の回転制御装
   置。 ２ フエーズロツクドループ回路の制御ループ
   を、デイスクから再生される情報信号の振幅が所
   定の値より小となつたときに開くように構成した
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のデ
   イスク再生装置の回転制御装置。 ３ フエーズロツクドループ回路の制御ループを
   開く動作を、ピツクアツプのトラツキングサーボ
   の制御ループを開く動作と連動させたことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項または第２項記載の
   デイスク再生装置の回転制御装置。