JPH0567361A - 光磁気デイスクの製造方法 - Google Patents

光磁気デイスクの製造方法

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JPH0567361A
JPH0567361A JP3132958A JP13295891A JPH0567361A JP H0567361 A JPH0567361 A JP H0567361A JP 3132958 A JP3132958 A JP 3132958A JP 13295891 A JP13295891 A JP 13295891A JP H0567361 A JPH0567361 A JP H0567361A
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meth
adhesive
cured
carboxyl group
curing
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JP3132958A
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Makoto Tokoro
誠 所
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 案内溝を有する基板上に光磁気記録層を配設
してなる半製品上に、少なくとも、分子内にカルボキシ
ル基を有する光重合性化合物(A)またはこの光重合性
化合物(A)と他の光重合性化合物(B)との混合物、
分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ
化合物(C)、およびこれらの(A)、(B)、(C)
に可溶な飽和ポリエステル樹脂(D)を含有する接着剤
を塗布した後に、前記半製品または保護基板を貼り合わ
せ、光照射および加熱により接着剤を硬化させる。 【効果】 従来は避けられなかった2段階硬化によるデ
ィスク基板への影響は解消され、高品質、高特性の光磁
気ディスクを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は光磁気ディスクの製造
方法に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、2枚のディスクであっても、これを位置ずれなく接
着することができ、接着によるディスク特性への影響が
ほとんどなく、長期にわたって高い性能が維持されるな
どの優れた耐久性を有する光磁気ディスクの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】高密度、高精度の記録媒体と
して有用な光磁気ディスクについては、従来より一般的
に、ガラスやプラスチックなどの基板の上に、保護膜お
よび磁性膜等の薄膜層を形成した単板ディスクに保護板
を貼り合わせたり、またはこの単板ディスクを相互に貼
り合わせた構造が採用されてきている。そして、従来、
この貼り合わせには、エポキシ系接着剤等で貼り合わせ
る方法や、単板ディスク上にホットメルト接着剤を塗布
し、もう一枚のホットメルト接着剤を塗布した単板ディ
スクを重ね合わせてエアープレス等で貼り合わせる方
法、さらには片面が透明基板の場合には光硬化性樹脂を
塗布して貼り合わせた後に、透明基板側から紫外線照射
して樹脂を硬化させる方法などが用いられてきている。
【0003】しかしながら、このような従来の方法にお
いては、たとえば、貼り合わせに熱硬化性のエポキシ系
接着剤を用いる場合には、記録膜の保護という点で優れ
た特性を有しているものの、硬化時間が長く、この硬化
の間基板の位置ずれが生じないように治具に取り付けて
おく必要があるなど、その作業性が劣り、加熱や硬化収
縮による記録膜の破壊、さらには基板の変形が避けられ
ないなどの問題があった。
【0004】熱硬化性接着剤を使用した場合のこのよう
な問題を解決するために、接着剤に光硬化性を付与し、
記録膜が形成されていないディスク最内周や最外周を通
して接着層に光照射を行って、たとえば2枚のディスク
を仮止めする方法が提案されている。この方法は、その
後の熱硬化の際にも位置ずれを起こさず接着できるとい
う効果をねらったものである。
【0005】しかしながら、この方法によると光硬化さ
れた部分と熱硬化された部分とで硬化物の物性が異なる
ため、境界領域で記録膜が破壊したり、機械的特性が著
しく悪化しやすいという欠点があった。一方、ホットメ
ルト接着剤を用いる場合には、接着剤を塗布する際に使
用するロールコーターのロールマークが接着剤塗布面に
生成されるのが避けられず、これによって接着層の緻密
性が失われ、記録膜の保護性が低下するという問題があ
った。
【0006】この発明は以上の通りの事情に鑑みてなさ
れたものであり、従来の光磁気ディスクの製造方法の欠
点を解決し、ディスクの接着による特性の劣化を抑えな
がら、かつ、高い信頼性を確保することのできる光磁気
ディスクの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、案内溝を有する基板上に光磁気
記録層を配設してなる半製品上に、少なくとも、分子内
にカルボキシル基を有する光重合性化合物(A)または
この光重合性化合物(A)と他の光重合性化合物(B)
との混合物、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有
するエポキシ化合物(C)、およびこれら(A)、
(B)、(C)に可溶な飽和ポリエステル樹脂(D)、
を含有する接着剤を塗布した後に、前記半製品または保
護基板を貼り合わせ、光照射および加熱により接着剤を
硬化させることを特徴とする光磁気ディスクの製造方法
を提供する。
【0008】この発明の製造方法においては、上記の通
りの特定の成分を含有する接着剤を使用することを特徴
としているが、その硬化の機構について説明すると、ま
ず接着面に光照射可能な領域では、分子内にカルボキシ
ル基を有する光重合性化合物(A)またはこの光重合性
化合物(A)とは異なる光重合性化合物(B)とを光照
射により硬化させてカルボキシル基含有重合体を形成し
た後に、加熱によりエポキシ化合物(C)とカルボキシ
ル基含有重合体とを反応させて硬化させる。一方、記録
膜に隠れて光照射できない領域では、加熱時に、たとえ
ば光熱開始剤等の助剤の作用により分子内にカルボキシ
ル基を有する光重合性化合物(A)および他の光重合性
化合物(B)とを硬化させ、カルボキシル基含有重合体
を形成するとともに、エポキシ化合物(C)とカルボキ
シル基含有重合体とを反応させて硬化させる。このよう
な接着機構は従来のエポキシ系接着剤による熱硬化反応
とは異なり、また、紫外線単独の硬化反応や紫外線硬化
と有機過酸化物による熱硬化反応との併用による硬化反
応とも異なっている。
【0009】従来の光硬化性エポキシ系接着剤の場合に
は、カチオン性硬化剤を用いることが多いが、光磁気デ
ィスクの接着にこれを用いると硬化中に記録膜の腐食が
起こり接着後の記録面に大量のピンホールが発生すると
いう問題がある。この他アクリル変性ビスフェノール型
エポキシ樹脂も光硬化性エポキシ化合物として知られて
いるが、この場合硬化物の硬度が高く光硬化領域と熱硬
化領域との境界で硬化状態が大きく変化してしまい、デ
ィスク特性に大きな影響を及ぼし、特に、機械的特性へ
の影響が大きく、フォーカスエラー、トラックエラーの
発生が避けられない。
【0010】これに対し、この発明の接着剤はエポキシ
化合物と光重合性化合物及び飽和ポリエステル樹脂から
なる混合系であるため、必要に応じて、接着性、可堯
性、防湿性、対湿性などを容易に制御することができ
る。光硬化領域と熱硬化領域との境界における硬化物物
性の不連続な変化の影響を抑えるためには、接着剤硬化
物の可堯性を高めることと、光硬化領域と熱硬化領域と
における硬化物硬度の差を抑えることが重要であるが、
こうした所要の物性を制御していく上で、この発明の接
着剤は大変に有効で、好適な構成となっている。
【0011】すなわちこの発明の接着剤の場合には、光
重合性化合物により形成された柔軟性の高いカルボキシ
ル基含有重合体とエポキシ化合物との配合比を適宜に変
えることによって柔軟性と封止性のバランスをとり、良
好な接着性能を実現することができる。また、光熱いず
れによっても重合開始しうる光熱開始剤を用いることに
より、光硬化した領域と熱硬化した領域との硬化物の物
性の差がなくなり、前記のごとく、硬化物の柔軟性が高
い場合には、境界領域における記録膜の破壊や案内溝の
乱れなどを抑えることができる。さらに飽和ポリエステ
ル樹脂(D)の配合を調整することにより硬化収縮によ
る記録膜および基板への影響をさらに抑えることができ
る。
【0012】このように、この発明の接着剤を用いたデ
ィスク貼り合わせにより、従来は避けられなかった2段
階の硬化によるディスク基板への影響はほとんど解消さ
れる。この発明で使用することのできる分子内にカルボ
キシル基を有する光重合性化合物(A)としては、たと
えば、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチル
エステル、フタル酸(メタ)アクリロイルオキシエチル
エステル、マレイン酸モノ(メタ)アクリロイルオキシ
エチルエステル、テトラハイドロフタル酸モノ(メタ)
アクリロイルオキシエチルエステル、ヘキサハイドロフ
タル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステ
ル、エンドービシクロ(2・2・1)−5−ヘプテン−
2、3−ジカルボン酸モノ(メタ)アクリロイルオキシ
エチルエステル、テトラハイドロフタル酸モノ−2−
(メタ)アクリロイルオキシ−1−(フェノキシメチ
ル)エチルエステル、フタル酸モノ−2−ヒドロキシ−
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエステル、コ
ハク酸モノ−2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルエステル、トリメリット酸モノ−2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、ピロメリ
ット酸モノ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルエ
ステル、フタル酸モノ−〔2,3−ビス(メタ)アクリ
ロイルオキシイソプロピル〕エステル、メチルハイドロ
フタル酸モノ−〔2,3−ビス(メタ)アクリロイルオ
キシイソプロピル〕エステル、テトラハイドロフタル酸
モノ−〔2,3−ビス(メタ)アクリロイルオキシイソ
プロピル〕エステル、コハク酸モノ−〔2,3−ビス
(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル〕エステル、
トリメリット酸モノ−〔4,5−ビス(メタ)アクリロ
イルオキシネオペンチル〕エステル、トリメリット酸モ
ノ−〔3,4−ビス(メタ)アクリロイルオキシイソブ
チル〕エステル、トリメリット酸−〔3,4,5−トリ
ス(メタ)アクリロイルネオペンチル〕エステル、ピロ
メリット酸モノ−〔3,4,5−トリス(メタ)アクリ
ロイルネオペンチル〕エステル等を好適なものとして例
示することができる。
【0013】また、この光重合性化合物(A)とは別
で、これと混合することのできる光重合性化合物(B)
としては、一般的に分子内に一個以上の光重合性二重結
合を有する光重合性可能な化合物の広範囲のものを使用
することができる。たとえば、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル
(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレ
ート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、この他ビス
フェノールAのアルキレンオキシド付加物のモノ(メ
タ)アクリレート類、ウレタン変性モノ(メタ)アクリ
レート類、エポキシモノ(メタ)アクリレート類、オリ
ゴエステルモノ(メタ)アクリレート類、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、この他ビス
フェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)
アクリレート類、ウレタン変性ジ(メタ)アクリレート
類、エポキシジ(メタ)アクリレート類、オリゴエステ
ルジ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、この他分子内に3個以上の(メ
タ)アクリルオキシ基を有するウレタン変性ポリ(メ
タ)アクリレート類、エポキシポリ(メタ)アクリレー
ト類、オリゴエステルポリ(メタ)アクリレート類等を
好適なものとして例示することができる。
【0014】分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有
するエポキシ化合物(C)としては広範囲の種類のもの
を適宜に使用でき、たとえば、水添ビスフェノールAポ
リグリシジルエーテル及びその同族体、水添ビスフェノ
ールFポリグリシジルエーテル及びその同族体、レゾル
シンポリグリシジルエーテル及びその同族体、その他脂
肪族または脂肪族多価アルコール(たとえば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ヘキ
サントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、ソルビトール、スクロール、ジプロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
メチレングリコール、デカメチレングリコール、あるい
はそれらのオリゴマーのポリグリシジルエーテル及びそ
の同族体、エポキシ化ポリオレフェイン(たとえば、エ
ポキシ化ポリブタジエン)、ビニルシクロヘキセンジオ
キシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、メチルシク
ロヘキサンカーボネート系オキシド、ジメチルグリシジ
ルヘキサヒドロフタレートなどの脂肪族グリシジルエス
テル、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸等の2価以上の
多価カルボン酸のポリグリシジルエステル類、アニリ
ン、イソシアヌール酸などの窒素原子に結合した活性水
素をグリシジル基で置換したものなどのポリグリシジル
エーテル類などを例示することができる。
【0015】これらの(A)、(B)、(C)各成分の
配合比については、通常、前記の光重合性化合物の中に
占める分子内にカルボキシル基を有する化合物(A)の
割合は、およそ10から90重量%とし、またエポキシ
化合物とカルボキシル基化合物との配合比はおよそ1:
4から4:1の範囲とすることができる。また、この発
明で使用する飽和ポリエステル樹脂(D)については、
飽和多価カルボン酸またはその誘導体と多価アルコール
類から合成されるポリエステル樹脂を好適に使用するこ
とができる。
【0016】この場合の飽和多価カルボン酸としては、
たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、ネオフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカジ
オン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、クロレンド酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示
される。
【0017】また、多価アルコール成分としては、以下
の化合物が例として上げられる。エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール等のアルキレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラ以上
のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリ以上のポリプロピレングリコールなどのポリアルキ
レングリコール、ジプロモネオペンチルグリコール等の
ハロゲン化アルキレングリコール、1,4シクロヘキサ
ンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキシドおよ
びプロピレンオキシド付加物、あるいは、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール。
【0018】このような、この発明で使用する飽和ポリ
エステル樹脂(D)については、分子内にカルボキシル
基を有する光重合性化合物(A)、他の光重合性化合物
(B)、おび分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有
するエポキシ化合物(C)、さらには、反応開始剤等を
使用する場合には、それら開始剤にも可溶である必要が
ある。そのためポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンフタレートのように結晶性の高い飽和ポリエステル
は溶解性の点で問題があり使用することができない。ま
た飽和ポリエステルの溶解性は分子量に依存するため、
ここでは1000から15000 程度の範囲にあることが望まし
い。またその配合量は接合剤の全重量の10から50%
程度が望ましい。
【0019】この発明の製造方法においては、光開始
剤、光熱開始剤、さらには反応促進剤等を接着剤に配合
することができ、たとえば、光開始剤としては、ベンジ
ルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−i
−プロピルエーテル、ベンゾイン等のベンゾイン類、9,
10- アントラキノン、1-クロルアントラキノン等のアン
トラキノン類、ベンゾフェノン、p-クロロベンゾフェノ
ン等のベンゾフェノン類、2-ヒドロキシ-2- メチルプロ
ピオフェノン、1−(4−イソプロピオフェニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピ
オフェノン類、ジベンゾスベロンなどのスベロン類、ジ
フェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、チオキサントン等の含イオウ化合物、メチレンブ
ルー、エチルオレンジ、フルオレセイン等の色素類を例
示することができる。
【0020】光熱開始剤としては、分子内に有機過酸化
物構造を有する光開始剤が必要で、その代表的なものと
して、3,3',4,4'-テトラ−(t−ブチルパーオキシカル
ボニル)ベンゾフェノンが例として上げられる。このよ
うな重合の開始剤の配合量については、全重量にたいし
て0.5 から10%程度とするのが好ましい。
【0021】また、この発明においてはエポキシ基とカ
ルボキシル基との反応を加速するために、反応促進剤を
添加することができる。このような反応促進剤として
は、たとえば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイ
ミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどのイミダゾー
ル類、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミ
ン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエ
チルアミノエタノール、N,N−ジプロピルアミノエタ
ノール等の第3級アミン類、トリジメチルアミノメチル
フェノールのトリアセテートおよびトリベンゾエート等
の第3級アミン塩類が例示される。これらの反応促進剤
の添加量は全重量の0.5 から5%程度とするのが好まし
い。
【0022】以上の通りのこの発明の接着剤を用いて光
磁気ディスクの貼り合わせを行うに際しては、上記構成
の接着剤の中から光熱硬化領域および熱硬化領域いずれ
もその硬化後の硬度がショアーD硬度(25℃)30か
ら80程度の範囲にあるものを選択することが好まし
く、ショアーD硬度(25℃)40から70の範囲にあ
るものが特に適している。
【0023】そこで、この発明によるディスク作製の方
法について説明すると、まずたとえばディスペンサーな
どの液体定量吐出装置を用いて、案内溝を有する透明円
板等の形状の、ガラスあるいは樹脂基板の上に保護膜お
よび磁性薄膜等の薄膜層が形成された単板ディスク上の
薄膜層側に前記の接着剤を吐出し、もう一枚の単板ディ
スク、あるいは保護板を薄膜層側が対向するように貼り
合わせ、接着剤がディスク端面より内側で記録領域を完
全に覆うように押し広げた後に、活性光線の照射により
記録膜形成領域よりも外周または内周の透明部の接着剤
を硬化させ、その後加熱により完全硬化させる方法等が
採用される。
【0024】光重合反応条件としては、通常は、光量2
0mW/cm2 から200mW /cm2 程度において、時間0.1 秒
から5分程度とすることが望ましい。また熱硬化条件と
しての温度は基板部材のTg以下とする必要があり、ま
た、光磁気記録膜のキュリー温度より20℃以下である
ことが望ましい。硬化時間は硬化温度に応じて変化する
が、40℃から150 ℃の範囲では30分から15時間程
度とすることが好ましい。そしてこの発明では、紫外線
や電子線などの活性光線を照射して接着剤を硬化させ
る。紫外線照射に用いる光源としては、太陽光線、高圧
水銀灯、ケミカルランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、カ
ーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドラン
プ等の適宜なものが使用できる。また、加熱に用いられ
る熱源としては赤外線ヒーター、熱風加熱、高周波加熱
等が用いられる。
【0025】もちろん、この発明の製造方法において
は、その具体的細部については様々な態様が可能である
ことはいうまでもない。
【0026】
【作用】この発明においては、上記した通りの特定の接
着剤を用いてディスク貼り合わせを行うため、単板ディ
スクを貼り合わせるのに光照射による仮止めと加熱によ
る本硬化という2段階接着が可能となり、従来のエポキ
シ系接着剤などによる加熱接着におけるディスク位置の
ずれの問題が解消される。また、接着剤の光熱開始剤、
たとえば3,3',4,4' −テトラ−(t−ブチル−パーオキ
シカルボニル)ベンゾフェノンを用いることにより、熱
硬化性が向上し、光硬化部と熱硬化部の硬度をほぼ等し
くすることが可能となり、さらには樹脂成分の組み合わ
せにより硬化収縮が少なく、かつ、柔軟性の高い接着層
形成が可能となる。このため、従来の光熱硬化性接着に
より作製したディスクに見られた光硬化領域と熱硬化領
域との境界における記録膜破壊や機械的特性の悪化等の
問題が解決され、より特性の優れたディスク製造が可能
となる。
【0027】さらに、光磁気ディスクの場合、硬化温度
を記録膜のキュリー温度以下で、かつ、基板部材のガラ
ス転移温度(Tg)以下に抑えることにより両面ディス
クの初期化が貼り合わせ前の単板ディスクの状態で行え
るなど製造上の利点が大きなものとなる。以下、実施例
により、さらに詳しくこの発明について説明する。
【0028】
【実施例】実施例1 透明円盤としてガラス基板を用い、この上に光硬化性樹
脂(2P)によってスタンパーから案内溝を転写し、案
内溝を有する透明基板を作製した。次に、この上にスパ
ッタ装置で第一保護膜してSi3 4 、磁性膜としてT
bFeCo、第二保護膜としてSi3 4 の各薄膜層を
形成し、単板ディスクを作製した。この上に表1の接着
剤を塗布した後にもう一枚の単板ディスクを貼り合わ
せ、貼り合わせ面に接着剤が行きわたるように押着し
た。
【0029】その後、ディスク面の片側から250 W超高
圧水銀灯下30cmの距離で30秒間紫外線照射した後、
100 ℃6時間加熱硬化した。この時に使用した記録膜の
キュリー温度は180 ℃、基板に使用している2P樹脂の
ガラス転移温度は120 ℃であった。硬化終了後、光ディ
スク特性評価装置(ニコン製評価装置DT3)にてディ
スク特性を評価した。その結果、記録再生特性は単板デ
ィスクの場合からほとんど変化していないことが確認さ
れた。またフォーカスエラー信号、トラックエラー信号
もディスク全面にわたって大きな乱れは観測されなかっ
た。特にこのディスクを貼り合わせる際に、直径約1mm
の気泡が混入したが、この部分におけるフォーカスエラ
ー信号、トラックエラー信号のいずれの乱れもなく良好
な記録再生が可能であった。
【0030】実施例2 実施例1と同構成の単板ディスクを80℃に加熱した
後、10Kガウスの磁界中で初期化した。その後表1の
接着剤を用いて実施例1と同様の方法で両面接着し、デ
ィスク特性を評価した。その結果、初期化磁化の乱れは
見られず、記録再生特性も貼り合わせ前からほとんど変
化がなかった。またまたフォーカスエラー信号、トラッ
キングエラー信号いずれもディスク全面に渡って乱れが
なかった。
【0031】比較例1 実施例1と同構成の単板ディスク2枚を表1の接着剤
(エポキシアクリレート単独)を用いて貼り合わせ、押
着を行った。その後実施例1と同様の条件で光照射した
後、100 ℃で3時間加熱硬化した。硬化終了後このディ
スクの特性を調べたところトラック最外周部の光硬化領
域と熱硬化領域との境界部に当たる部分で、フォーカス
エラー信号、トラックエラー信号ともに乱れる箇所があ
り、案内溝に乱れが生じていることが明らかになった。
【0032】比較例2 実施例1と同構成の単板ディスク2枚を表1の接着剤
(光開始剤と熱開始剤を含む)を用いて貼り合わせた
後、実施例1と同条件で光照射と加熱を行った。硬化終
了後ディスク表面を観察したところ全面にクラックの発
生が認められた。基板を剥離して接着層を観察したとこ
ろ、接着層内に2種の硬化状態が混在しており、接着層
が不均一硬化していることが明らかになった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明の製
造方法によってディスク貼り合わせを行えば、光重合性
化合物により形成された柔軟性の高いカルボキシル基含
有重合体に対するエポキシ化合物の配合比を変えること
によって、柔軟性と封止性のバランスのとれた、良好な
接着性能を有する記録材料を得ることができる。また、
光熱いずれによっても重合開始しうる光熱開始剤を用い
る場合には、光硬化した領域と熱硬化した領域とにおけ
る硬化物の物性の差がなくなり、前記のごとく硬化物の
柔軟性が高い場合には境界領域における記録膜の破壊や
案内溝の乱れなどを抑えることができる。さらに泡和ポ
リエステル樹脂の配合を調整することにより、効果収縮
による記録膜および基板への影響をさらに抑えることが
できる。
【0035】このように、この発明の製造方法によっ
て、2段階硬化によるディスク基板への影響はほとんど
解消され、良好な特性のディスクを得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 案内溝を有する基板上に光磁気記録層を
    配設してなる半製品上に、少なくとも、分子内にカルボ
    キシル基を有する光重合性化合物(A)またはこの光重
    合性化合物(A)と他の光重合性化合物(B)との混合
    物、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポ
    キシ化合物(C)、およびこれら(A)、(B)、
    (C)に可溶な飽和ポリエステル樹脂(D)、を含有す
    る接着剤を塗布した後に、前記半製品または保護基板を
    貼り合わせ、光照射および加熱により接着剤を硬化させ
    ることを特徴とする光磁気ディスクの製造方法。
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