JPH0565567A - 熱交換器のフイン - Google Patents
熱交換器のフインInfo
- Publication number
- JPH0565567A JPH0565567A JP25308291A JP25308291A JPH0565567A JP H0565567 A JPH0565567 A JP H0565567A JP 25308291 A JP25308291 A JP 25308291A JP 25308291 A JP25308291 A JP 25308291A JP H0565567 A JPH0565567 A JP H0565567A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fin
- tin
- copper
- thermal conductivity
- zinc
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 すぐれた耐蝕性と高い熱伝導率を有する材料
で構成された、熱交換器のフィンを実現する。 【構成】 表面に亜鉛の拡散浸透層を形成させた、0.0
1〜0.05重量%の錫と0.001〜0.01重量%の鉛を
含む、銅合金から成ることを特徴とする。
で構成された、熱交換器のフィンを実現する。 【構成】 表面に亜鉛の拡散浸透層を形成させた、0.0
1〜0.05重量%の錫と0.001〜0.01重量%の鉛を
含む、銅合金から成ることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱交換器のフィン、特に
耐蝕性と熱伝導性のすぐれた熱交換器のフィンに関する
ものである。
耐蝕性と熱伝導性のすぐれた熱交換器のフィンに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱交換器のフィンの材料として、
0.15重量%前後の錫を含む銅−錫合金が多く用いられ
ている。耐蝕性を改良するため、銅−錫合金の表面に亜
鉛の浸透層を形成させたものや、銅−ニッケル合金も用
いられる。
0.15重量%前後の錫を含む銅−錫合金が多く用いられ
ている。耐蝕性を改良するため、銅−錫合金の表面に亜
鉛の浸透層を形成させたものや、銅−ニッケル合金も用
いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、銅−錫合金か
ら成るフィンは耐蝕性が劣るため、海岸地帯や、凍結防
止のために塩類を散布する寒冷地帯においては、腐食が
激しく、熱交換器の放熱性能が低下することが大きな問
題となっている。
ら成るフィンは耐蝕性が劣るため、海岸地帯や、凍結防
止のために塩類を散布する寒冷地帯においては、腐食が
激しく、熱交換器の放熱性能が低下することが大きな問
題となっている。
【0004】銅−錫合金の表面に亜鉛の浸透層を形成さ
せると、熱伝導率が著しく低下するため、熱交換器の放
熱性能が低下する。銅−ニッケル合金も熱伝導率が低
く、熱交換器の放熱性能を低下させる。放熱性能を保つ
ためにはフィンの厚さを増すことが必要になり、重量が
増し、コストも高くなる。
せると、熱伝導率が著しく低下するため、熱交換器の放
熱性能が低下する。銅−ニッケル合金も熱伝導率が低
く、熱交換器の放熱性能を低下させる。放熱性能を保つ
ためにはフィンの厚さを増すことが必要になり、重量が
増し、コストも高くなる。
【0005】本発明の目的は、すぐれた耐蝕性と高い熱
伝導率を有する材料で構成された、熱交換器のフィンを
実現することにある。
伝導率を有する材料で構成された、熱交換器のフィンを
実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、すぐれた耐
蝕性と高い熱伝導率を有する材料で構成された、熱交換
器のフィンを実現するため、0.01〜0.05重量%の錫
と0.001〜0.01重量%の鉛を含む銅合金の表面に亜
鉛の拡散浸透層を形成させた。
蝕性と高い熱伝導率を有する材料で構成された、熱交換
器のフィンを実現するため、0.01〜0.05重量%の錫
と0.001〜0.01重量%の鉛を含む銅合金の表面に亜
鉛の拡散浸透層を形成させた。
【0007】本発明で用いる銅合金は0.01〜0.05重
量%の錫を含む。含まれる錫が0.01重量%未満では耐
熱性が低下し、0.05重量%を超えると熱伝導性および
加工性が低下する。
量%の錫を含む。含まれる錫が0.01重量%未満では耐
熱性が低下し、0.05重量%を超えると熱伝導性および
加工性が低下する。
【0008】本発明で用いる銅合金は0.001〜0.01
重量%の鉛を含む。含まれる鉛が0.001重量%未満で
は耐熱性が低下し、0.01重量%を超えると熱伝導性お
よび加工性が低下する。
重量%の鉛を含む。含まれる鉛が0.001重量%未満で
は耐熱性が低下し、0.01重量%を超えると熱伝導性お
よび加工性が低下する。
【0009】合金の表面に、亜鉛とともに錫、ニッケ
ル、あるいは燐を拡散浸透させてもよい(以下では、こ
のような場合も含めて亜鉛の拡散浸透層と言う)。
ル、あるいは燐を拡散浸透させてもよい(以下では、こ
のような場合も含めて亜鉛の拡散浸透層と言う)。
【0010】フィンの厚さは、自動車の熱交換器に用い
る場合、通常、0.025ないし0.06mmである。その他
の用途の熱交換器の場合には、これより若干薄く、ある
いは厚くてもよい。
る場合、通常、0.025ないし0.06mmである。その他
の用途の熱交換器の場合には、これより若干薄く、ある
いは厚くてもよい。
【0011】
【作用】本発明による熱交換器のフィンにおいて母材と
して用いる、0.01〜0.05重量%の錫と0.001〜0.
01重量%の鉛を含む銅合金は、純銅に匹敵する熱伝導
率を有するので、表面に亜鉛の拡散浸透層を形成させて
も、熱交換器の十分に高い熱伝導率を確保することがで
きる。表面に形成した亜鉛の拡散浸透層により、表面が
電気化学的に卑な状態となり、犠牲陽極効果に基づくす
ぐれた耐蝕性が得られる。合金に含まれる錫は、耐熱性
も向上させる。
して用いる、0.01〜0.05重量%の錫と0.001〜0.
01重量%の鉛を含む銅合金は、純銅に匹敵する熱伝導
率を有するので、表面に亜鉛の拡散浸透層を形成させて
も、熱交換器の十分に高い熱伝導率を確保することがで
きる。表面に形成した亜鉛の拡散浸透層により、表面が
電気化学的に卑な状態となり、犠牲陽極効果に基づくす
ぐれた耐蝕性が得られる。合金に含まれる錫は、耐熱性
も向上させる。
【0012】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明のさらに具体的
な説明とする。 〔実施例1〜2〕本発明による熱交換器のフィンの具体
例は、表1に示す組成の2種の銅合金の両表面に、亜鉛
拡散浸透層を形成した、厚さ40μmの板条である。
な説明とする。 〔実施例1〜2〕本発明による熱交換器のフィンの具体
例は、表1に示す組成の2種の銅合金の両表面に、亜鉛
拡散浸透層を形成した、厚さ40μmの板条である。
【0013】この板条は、2種の銅合金の厚さ0.25 mm
の板条に、亜鉛粉を含む塗料型金属浸透剤(ビヒクルと
してアクリル樹脂を、溶媒としてトルエンを含む)を塗
布し、温度550℃で拡散熱処理して、両表面に亜鉛拡
散浸透層を形成させた後、冷間圧延と、さらに720℃
の連続焼鈍による中間焼鈍を施して、厚さ40μmに加
工(加工度50%)したものである。亜鉛の拡散浸透
は、表面での亜鉛濃度が40%、浸透の深さが3μmに
なるようにした。
の板条に、亜鉛粉を含む塗料型金属浸透剤(ビヒクルと
してアクリル樹脂を、溶媒としてトルエンを含む)を塗
布し、温度550℃で拡散熱処理して、両表面に亜鉛拡
散浸透層を形成させた後、冷間圧延と、さらに720℃
の連続焼鈍による中間焼鈍を施して、厚さ40μmに加
工(加工度50%)したものである。亜鉛の拡散浸透
は、表面での亜鉛濃度が40%、浸透の深さが3μmに
なるようにした。
【0014】これらの板条の熱伝導性、耐熱性および耐
蝕性を評価した。熱伝導性の評価は電気伝導性で代用
し、IACSによる導電率で表した。耐熱性は、フィン
を熱交換チューブにハンダ付けする場合を想定して、3
50℃で5分間加熱後のヴィッース硬度(Hv)で評価
した。耐蝕性は、次の方法で評価した。
蝕性を評価した。熱伝導性の評価は電気伝導性で代用
し、IACSによる導電率で表した。耐熱性は、フィン
を熱交換チューブにハンダ付けする場合を想定して、3
50℃で5分間加熱後のヴィッース硬度(Hv)で評価
した。耐蝕性は、次の方法で評価した。
【0015】板条を幅16mmに切断し、塩水噴霧を30
分間、80℃水蒸気雰囲気中に7.5時間、大気乾燥1
6時間のサイクルの繰り返しによる強制腐食処理を60
日間課した後、試料を樹脂中に包埋し、研磨した断面の
厚さを顕微鏡で測定した。測定した残存厚さの平均値
の、強制劣化処理を行わない場合の断面厚さに対する比
を、残存率として示した。
分間、80℃水蒸気雰囲気中に7.5時間、大気乾燥1
6時間のサイクルの繰り返しによる強制腐食処理を60
日間課した後、試料を樹脂中に包埋し、研磨した断面の
厚さを顕微鏡で測定した。測定した残存厚さの平均値
の、強制劣化処理を行わない場合の断面厚さに対する比
を、残存率として示した。
【0016】表2に、合金組成(銅を省略)とともに、
各試験の結果を示す。
各試験の結果を示す。
【0017】〔比較例1〜2〕実施例1〜2で用いた銅
合金の代わりに、錫および鉛の含有量を本発明の範囲外
とした、表3に示す組成の2種の銅合金を用い、実施例
1と同様に両表面に亜鉛拡散浸透層を形成し、厚さ40
μmに仕上げた。
合金の代わりに、錫および鉛の含有量を本発明の範囲外
とした、表3に示す組成の2種の銅合金を用い、実施例
1と同様に両表面に亜鉛拡散浸透層を形成し、厚さ40
μmに仕上げた。
【0018】
【0019】これらの板条の熱伝導性、耐熱性および耐
蝕性を、実施例1と同様の方法で評価した。表4に、合
金組成(銅以外)とともに各試験の結果を示す。
蝕性を、実施例1と同様の方法で評価した。表4に、合
金組成(銅以外)とともに各試験の結果を示す。
【0020】
【0021】比較例1は耐熱性が低下し、また比較例2
は耐蝕性が低下している。
は耐蝕性が低下している。
【0022】〔従来例1〕実施例1で用いた銅合金の代
わりに、錫0.15重量%のみを含む従来の銅合金を用
い、実施例1と同様に両表面に亜鉛拡散浸透層を形成
し、厚さ40μmに仕上げた。
わりに、錫0.15重量%のみを含む従来の銅合金を用
い、実施例1と同様に両表面に亜鉛拡散浸透層を形成
し、厚さ40μmに仕上げた。
【0023】〔従来例2〕従来例1の銅合金に、亜鉛拡
散浸透層を形成しないで、厚さ40μmに仕上げた。
散浸透層を形成しないで、厚さ40μmに仕上げた。
【0024】従来例1および2の板条の熱伝導性、耐熱
性および耐蝕性を、実施例1と同様の方法で評価した。
表5に、合金組成(銅以外)および亜鉛拡散浸透層の有
無とともに、各試験の結果を示す。
性および耐蝕性を、実施例1と同様の方法で評価した。
表5に、合金組成(銅以外)および亜鉛拡散浸透層の有
無とともに、各試験の結果を示す。
【0025】
【0026】銅−錫合金の両表面に亜鉛拡散浸透層を形
成させた従来例1のフィンは導電率が低く、熱伝導性が
劣ることを示している。耐熱性も若干劣る。また、亜鉛
拡散層を有しない従来例2のフィンは耐蝕性が劣り、耐
熱性も若干低下している。
成させた従来例1のフィンは導電率が低く、熱伝導性が
劣ることを示している。耐熱性も若干劣る。また、亜鉛
拡散層を有しない従来例2のフィンは耐蝕性が劣り、耐
熱性も若干低下している。
【0027】
【発明の効果】本発明による熱交換器のフィンは、すぐ
れた耐蝕性と熱伝導性を有する。銅−ニッケル合金ある
いは亜鉛拡散浸透層を形成させた従来の銅−錫合金と異
なり、熱伝導性を犠牲にしないで耐蝕性を向上できるか
ら、放熱性能を保つためにフィンの厚さを増す必要もな
く、重量の増加やコストの上昇を招かない。耐熱性も、
亜鉛拡散浸透層をもたない従来の銅−錫合金に比しすぐ
れている。
れた耐蝕性と熱伝導性を有する。銅−ニッケル合金ある
いは亜鉛拡散浸透層を形成させた従来の銅−錫合金と異
なり、熱伝導性を犠牲にしないで耐蝕性を向上できるか
ら、放熱性能を保つためにフィンの厚さを増す必要もな
く、重量の増加やコストの上昇を招かない。耐熱性も、
亜鉛拡散浸透層をもたない従来の銅−錫合金に比しすぐ
れている。
Claims (1)
- 【請求項1】 表面に亜鉛の拡散浸透層が形成され、0.
01〜0.05重量%の錫および0.001〜0.01重量%
の鉛を含む、銅合金から成ることを特徴とする熱交換器
のフィン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25308291A JPH0565567A (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 熱交換器のフイン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25308291A JPH0565567A (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 熱交換器のフイン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0565567A true JPH0565567A (ja) | 1993-03-19 |
Family
ID=17246242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25308291A Pending JPH0565567A (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 熱交換器のフイン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0565567A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004013370A1 (ja) * | 2002-08-01 | 2004-02-12 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | 金属材及び製造方法 |
-
1991
- 1991-09-04 JP JP25308291A patent/JPH0565567A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004013370A1 (ja) * | 2002-08-01 | 2004-02-12 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | 金属材及び製造方法 |
GB2407101A (en) * | 2002-08-01 | 2005-04-20 | Honda Motor Co Ltd | Metal material and method for production thereof |
GB2407101A9 (en) * | 2002-08-01 | 2005-06-07 | Honda Motor Co Ltd | Metal material and method for production thereof |
GB2407101B (en) * | 2002-08-01 | 2005-10-05 | Honda Motor Co Ltd | Metal material and method for production thereof |
CN100436639C (zh) * | 2002-08-01 | 2008-11-26 | 本田技研工业株式会社 | 金属材料及其制造方法 |
US7601389B2 (en) | 2002-08-01 | 2009-10-13 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Metal material and method for production thereof |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH1180871A (ja) | 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 | |
JP2685775B2 (ja) | 耐孔食性に優れたアルミニウム合金複合材 | |
US4828936A (en) | Aluminum alloy sheet excellent in high-temperature sagging resistance and sacrificial anode property and having high room-temperature strength | |
EP0388973B1 (en) | Silver alloy foil for interconnector of solar cell | |
US4150980A (en) | Aluminum alloy excellent in high-temperature sagging resistance and sacrificial anode property | |
JPH0565567A (ja) | 熱交換器のフイン | |
JPH0525576A (ja) | 耐孔食性にすぐれたAl 熱交換器用高強度Al 合金管材 | |
JPS61166987A (ja) | ラジエ−タ用フイン材 | |
JPS593531B2 (ja) | 耐食性銅合金およびそれを用いた熱交換器 | |
JPH0570868A (ja) | 熱交換器のフイン | |
JPS644581B2 (ja) | ||
JP2002012935A (ja) | 犠牲防食アルミニウム合金板及びその複合材 | |
JPS60194296A (ja) | 耐食性に優れた熱交換器用材料 | |
JPS60122896A (ja) | ラジエ−タ−用フイン | |
JPS601557B2 (ja) | フインの耐食性が優れた熱交換器 | |
JPS60194062A (ja) | 銅及び銅合金の表面処理方法 | |
US4519980A (en) | Fin materials for automobile radiators | |
JP3538507B2 (ja) | 耐アルカリ腐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 | |
JP2607245B2 (ja) | 犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器用高強度A▲l▼合金製複合薄肉フイン材 | |
JPS62138695A (ja) | ラジエ−タ用フイン材 | |
JPH01246339A (ja) | 陰極防食用フィン材 | |
JPH07116542B2 (ja) | 自己耐食性および犠牲陽極効果にすぐれた熱交換器用アルミニウム合金フィン材 | |
JPS6221061B2 (ja) | ||
JPS63186846A (ja) | アルミニウム合金製熱交換器用フイン材 | |
JPH08218142A (ja) | 陰極防食効果および熱伝導性に優れる熱交換器用高強 度アルミニウム合金フィン材 |