JPH0565317A - 光重合性組成物およびその重合物 - Google Patents

光重合性組成物およびその重合物

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JPH0565317A
JPH0565317A JP3227038A JP22703891A JPH0565317A JP H0565317 A JPH0565317 A JP H0565317A JP 3227038 A JP3227038 A JP 3227038A JP 22703891 A JP22703891 A JP 22703891A JP H0565317 A JPH0565317 A JP H0565317A
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倫久 上田
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正勝 加島
Akira Nakasuga
章 中壽賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の粘着剤に用いられているアクリル系ポ
リマーより低分子量であっても、粘着剤としての物性を
満足させる光重合性組成物と、その組成物から得られる
粘着剤などの重合物を提供すること。 【構成】(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分
とするビニル系モノマー100重量部、N,N−ジアル
キルアミノ基を有する置換アルキル基を、アルコール部
分とする(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル
0.01〜1重量部および光重合開始剤0.1〜5重量
部を含有することを特徴とする光重合性組成物。該光重
合性組成物に光を照射せしめることによって得られる重
合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光重合性組成物および
その重合物に関し、さらに詳しくは、(メタ)アクリル
酸アミノアルキルエステルを含有する(メタ)アクリル
酸アルキルエステル系光重合性組成物と、その光重合性
組成物を光により重合した重合物に関する。
【0002】
【従来の技術】アクルリ系ポリマーからなる粘弾性製品
は、耐光性、耐候性、耐油性などに優れており、例え
ば、アクリル系粘着剤、アクリル系粘着テープ、アクリ
ル系粘着シート、両面粘着テープ、発泡体類の粘着加工
製品などとして広範な分野で使用されている。特に、ア
クリル系粘着剤は、粘着力、凝集力などの粘着性能、お
よび耐熱性、耐候性などの耐老化性能に優れているた
め、広く使用されている。
【0003】アクリル系ポリマーの分子量は、その粘着
剤性能に直接的影響を与える。一般に、アクリル系ポリ
マーの凝集力を上げるには、分子量をゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン
換算重量平均分子量で50万以上と高くしなければなら
ない。凝集力を上げる他の方法として、ポリマーの架橋
度を上げる方法が知られている。しかし、低分子量体で
は、高分子量体に比べ架橋度が上がりにくく、また、架
橋度がたとえ上がったとしても、粘着剤としての重要な
物性である粘着力が高分子量体に比べ非常に低くなって
しまう。
【0004】したがって、従来、粘着剤として使用され
るべきアクリル系ポリマーは、高分子量でなくてはなら
ず、低分子量であってはならないというのが技術常識で
あった。
【0005】ところで、近年、特殊なモノマーである重
量平均分子量1万程度のマクロモノマーとアクリルモノ
マーを共重合すると、重合体のGPCによる重量平均分
子量が20万程度でも、粘着剤として使用できることが
分かった。これは、重合体がグラフト共重合体であり、
櫛形ポリマーになっているためと考えられている(特開
昭61−103971号)。
【0006】しかしながら、この技術は、リビングポリ
スチリルリチウムアニオンから得られるマクロモノマー
が高価であり、しかもモノマーの組み合わせが限定され
るため、応用できる用途に制限がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の粘着剤に用いられているアクリル系ポリマーより低分
子量であっても、粘着剤としての物性を満足させる光重
合性組成物と、その組成物から得られる粘着剤などの重
合物を提供することにある。
【0008】本発明者らは、前記従来技術の有する問題
点を解決するために鋭意研究した結果、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマー
に、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルを配合
した光重合性組成物を用いると、それを光重合すること
により生成するポリマーのGPC分子量は低くても、そ
の重合体が粘着剤として十分な性能を発揮することを見
出し、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(a)
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビ
ニル系モノマー100重量部、(b)N,N−ジアルキ
ルアミノ基を有する置換アルキル基を、アルコール部分
とする(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル0.
01〜1重量部、および(c)光重合開始剤0.1〜5
重量部を含有することを特徴とする光重合性組成物が提
供される。
【0010】また、本発明によれば、前記光重合性組成
物に光を照射せしめることによって得られる重合物が提
供される。該重合物は、光重合性組成物に0.5〜10
0W/cm2の紫外線を照射することによって得られ、
GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量が2〜6
0万程度で、かつ十分な粘着剤性能を有する。以下、本
発明の構成要素について詳述する。
【0011】(ビニル系モノマー)本発明では、主たる
モノマー成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルを主成分とするビニル系モノマーを使用する。(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルは、そのアルキル基の
炭素数が通常1〜14であり、ビニル系モノマー中主成
分として好ましくは60〜100重量%の割合で使用さ
れる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可
能な他のビニル系モノマーは、好ましくは0〜40重量
%の割合で使用される。
【0012】(メタ)アクリル酸アルキルエステル (メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキ
ル基の炭素数が通常1〜14、好ましくは4〜12のア
クリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキル
エステルが用いられる。具体的には、(メタ)アクリル
酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリ
ル酸イソノニルなどを挙げることができる。
【0013】これらは、それぞれ単独で、または2種以
上を組み合わせて用いる。粘着性と凝集性のバランスな
どから、通常、ホモポリマーのガラス転移温度が−50
℃以下のアクリル酸アルキルエステルを主成分とし、コ
モノマーとして、低級アルキル基の(メタ)アクリル酸
エステルや下記のビニル系モノマーを用いることが好ま
しい。
【0014】その他ビニル系モノマー (メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他
のビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、N−置換アクリルアミド、ヒドロキシ
エチルアクリレート、N−ビニルピロリドン、マレイン
酸、イタコン酸、N−メチロールアクリルアミド、ヒド
ロキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
【0015】また、ガラス転移温度の低い重合体を形成
するビニル系モノマー、例えば、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールアクリレート、ふっ素ア
クリレート、シリコンアクリレートなどのビニル系モノ
マーも用いることができる。
【0016】その他のビニル系モノマーは、1種または
2種以上を組み合わせて使用できるが、ビニル系モノマ
ー成分中における使用割合が40重量%を越えると、ア
クリル系粘着剤としての粘着特性などを低下するので、
好ましくない。
【0017】〔(メタ)アクリル酸アミノアルキルエス
テル〕N,N−ジアルキルアミノ基を有する置換アルキ
ル基をアルコール部分とする(メタ)アクリル酸アミノ
アルキルエステルは、前記のビニル系モノマー100重
量部に対して、0.01〜1重量部の割合で配合され
る。この配合割合が過小または過大であると所期の目的
を達成することができない。具体例としては、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0018】(光重合開始剤)光重合開始剤は、前記の
ビニル系モノマー100重量部に対して、0.1〜5重
量部の割合で配合される。
【0019】具体例としては、例えば、4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)ケトン[ダロキュア−2959:メルク社製]、
α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチル−アセトフェノン
[ダロキュア−1173:メルク社製]、メトキシアセ
トフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン等のアセトフェノン系、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン
エーテル系、ベンジルジメチルケタールなどのケタール
系、その他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシ
ド、アシルホスフォナートなどを挙げることができる。
【0020】この配合割合が0.1重量部未満である
と、光重合開始剤が光エネルギーにより重合初期に消費
されるために、未反応モノマーが残存しやすく、モノマ
ーの臭いが残るだけでなく、凝集力が低下する。逆に、
5重量部を越えると、重合反応速度は速くなるが、光重
合開始剤の分解臭が激しくなり、また、分子量のばらつ
きが大きくなり、粘着性能も低下する。
【0021】(任意成分)本発明の光重合性組成物に
は、必要に応じて架橋剤や添加剤などを配合することが
できる。
【0022】重合性架橋剤 本発明の光重合性組成物においては、耐熱性や高温での
凝集力などを付与するために、重合性架橋剤を含有させ
るのが好ましい。
【0023】このような重合性架橋剤としては、例え
ば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、その他エポキシアク
リレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリ
レートなどがある。
【0024】かかる重合性架橋剤を、前記ビニル系モノ
マー成分100重量部に対して、一般に、5重量部以下
含有させることにより、光重合反応の過程で重合体分子
間に架橋結合が生じ、生成した重合物の耐熱性が向上す
る。重合物が粘着テープの場合には、高温での凝集力が
増加し、高温での保持力が向上する。
【0025】その他の添加剤 本発明においては、光重合性組成物に、増粘剤やチキソ
トロープ剤、増量剤や充填剤などの通常用いられる添加
剤を配合してもよい。増粘剤としては、アクリルゴム、
エピクロルヒドリンゴムなどがある。チキソトロープ剤
としては、コロイドシリカ、ポリビニルピロリドンなど
がある。
【0026】増量剤としては、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、クレーなどがある。充填剤としては、ガラスバル
ン、アルミナバルン、セラミックバルンなどの無機中空
体、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズ
などの有機球状体、塩化ビニリデンバルン、アクリルバ
ルンなどの有機中空体、ポリエステル、レーヨン、ナイ
ロンなどの単繊維などがある。
【0027】(重合物の製造方法)本発明の光重合性組
成物を用いて重合物を得るには、通常、この組成物中の
溶存酸素を除去するために、窒素ガスなどの不活性ガス
でパージするか、あるいはフェニルジイソデシルホスフ
ァイト、トリイソデシルホスファイト、オクタン酸第一
錫などの酸素除去効果のある化合物を添加する。酸素除
去効果のある化合物の添加により、雰囲気の酸素濃度が
ある程度高くても十分な重合(硬化)を実現できる。
【0028】重合物として、例えば、粘着テープを製造
する場合は、光重合性組成物を剥離紙、剥離型枠などの
上に塗布または注入するか、あるいはプラスチックフィ
ルム、紙、セロハン、布、不織布、金属箔などの基材に
塗布または含浸する。基材に含浸させない場合には、基
材の無い粘着テープが得られる。重合体として、シーリ
ング材を製造する場合には、光重合性組成物を剥離性の
細長い型枠などに注入する。
【0029】光重合性組成物を型枠や基材などに塗布、
含浸または注入する際に、作業が円滑に行われるよう
に、増粘剤で増粘することが好ましい。増粘方法として
は、この他に、例えば、紫外線を少量照射して、予めモ
ノマー成分の一部を重合させる方法もある。これらの塗
布、含浸または注入作業は、空気(酸素)と接触しない
ように工夫された装置が用いられる。
【0030】型枠や基材などに塗布、含浸または注入
後、光重合性組成物は、不活性ガスで置換されたボック
ス内を通され、石英ガラスやパイレックスガラス、ホウ
酸ガラスごしに紫外線や可視光線などの光の照射が行わ
れる。また、不活性ガス雰囲気中でなくても、型枠や基
材などに塗布、含浸または注入された光重合性組成物の
表面を離型性を有するポリエステルフィルムでカバーす
ることにより、空気(酸素)との接触を防止して、光の
照射を行ってもよい。この場合は、酸素除去能のある化
合物を添加しておくことが好ましい。
【0031】光としては、通常、紫外線が用いられる。
紫外線ランプとしては、通常、波長300〜400nm
領域にスペクトル分布を持つものが用いられるが、具体
例としては、ケミカルランプ、ブラックライトランプ
〔東芝電材(株)の商品名〕、低圧、高圧、超高圧水銀
ランプ、メタルハライドランプ、マイクロウエーブ励起
水銀ランプ等がある。前2つのランプは、比較的低い光
強度を得るために用いられ、後5つのランプは、比較的
高い光強度を得るのに用いられる。
【0032】光強度は、被照射体までの距離や電圧の調
整によって、一般に、0.5〜100mW/cm2程度
とし、照射時間は10秒〜5分程度とする。
【0033】紫外線などの光の照射により、(メタ)ア
クリレート系モノマーを主成分とするビニル系モノマー
成分が重合し、重合物が得られる。前記程度の照射時間
(重合反応時間)で、残存モノマーが約0.5重量%以
下になり、重合反応を実質的に完結させることができ
る。
【0034】光の照射は、一定の光強度で行ってもよい
が、二段階以上に分けてそれぞれの光強度を変えて照射
することにより、重合物の物性をさらに精密に調整する
こともできる。
【0035】(重合物または粘弾性製品)このようにし
て、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とす
るビニル系モノマー成分に(メタ)アクリル酸アミノア
ルキルエステルを含有せしめた光重合性組成物を光重合
することにより生成した重合物のGPCによるポリスチ
レン換算重量平均分子量は、通常、2〜60万の範囲内
である。
【0036】このGPC分子量の範囲は、通常の粘弾性
製品として用いられる重合物の分子量が50〜100万
程度であるのに対して非常に低く、一般に粘弾性製品
(特に粘着剤)として使うことの出来ない領域である
が、本発明の光重合性組成物の光重合物は、低分子量で
あっても通常の粘弾性製品として使用可能である。
【0037】本発明の光重合性組成物は、例えば、粘着
テープをはじめ、感熱接着剤シート、建築用や自動車用
などのシーリング材、防振材中間膜など種々の重合物の
製造に有用である。
【0038】
【作用】(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分
とするビニル系モノマーに(メタ)アクリル酸アミノア
ルキルエステルを配合した光重合性組成物を用いると、
それを光重合して得られる重合物は、分子量は低いけれ
ども、粘着剤として十分な性能を発現する。このよう
に、従来の粘着剤より低分子量であっても、粘着剤とし
ての物性を発現する理由は、必ずしも明らかではない
が、次のように推測される。
【0039】すなわち、配合されている(メタ)アクリ
ル酸アミノアルキルエステルは、一般的なアクリル酸ア
ルキルエステルと同様な(ラジカル)重合性を持つだけ
でなく、その(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステ
ルのアルキルアミノ基は、中程度の連鎖移動性(チオー
ル等の大きな連鎖移動定数を有する連鎖移動剤と、一般
のアクリル酸アルキルエステルのような成長速度等に比
べ無視できる程度に小さな連鎖移動定数を持つものとの
間にあって、成長速度定数に比べれば小さいが、無視で
きるほどではない連鎖移動性)を合わせ持つので、(メ
タ)アクリル酸アミノアルキルエステルが配合されてい
る系のポリマー分子は、おそらく側鎖が多くなり、それ
が配合されていない系のポリマーの形(直鎖状)と異な
る形状のポリマーが出来ていると考えられる。
【0040】側鎖が多いと、同じ分子量を持つものでも
分子容は小さくなり、結果として、分子量が低くなると
考えられる。しかしながら、重合物(粘弾性体)は、高
分子の集団であるので、側鎖の多いものは、直鎖の高分
子に比べ、絡み合いなどの効果で、粘着物性としては、
同程度になるものと思われる。
【0041】従って、(メタ)アクリル酸アミノアルキ
ルエステルを配合すると、従来の粘着剤を構成する高分
子の形態と異なる重合物が生成し、その分子量が低くて
も、粘着剤として十分な性能を発現すると考えられる。
【0042】
【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。なお、実施例および
比較例で得られた両面粘着テープについて、粘着剤の重
量平均分子量(重合性架橋剤を添加しない場合について
のみ測定)、残存モノマー量、ゲル分率、膨潤度、粘着
力、保持力を測定した。各々の測定方法を以下に示す。
【0043】(1)重量平均分子量 試料を1.0重量%になるようにテトラヒドロフランに
溶解し、24時間放置したものから不溶物を除くことに
よって得た試料溶液を、GPCにより標準ポリスチレン
を基準として、屈折率検出計を用いて測定した。
【0044】GPCとしては、送液装置がLC−9A、
屈折率検出計がRID−6A、カラムオーブンがCTO
−6A、データ解析装置がC−R4A、からなるシステ
ムを用いた(以上すべて、島津製作所製)。GPCカラ
ムは、GPC−805(排除限界400万)3本、GP
C−804(排除限界40万)1本、GPC−801
(排除限界1500)1本(以上すべて、島津製作所
製)をこの順につないで、使用した。測定条件は、試料
注入量25μlで、溶出液テトラヒドロフラン、送液量
1.0ml/min.カラム温度45℃とした。
【0045】(2)残存モノマー量 ポリエチレングリコール〔ガスクロ工業(株)社製、商
品名20M〕を担持したchromosorb Wを酸
処理した分離カラム、および水素炎イオン化検出器を有
するガスクロマトグラフ(GC−6A、島津製作所製)
を用いて測定した。なお、測定用試料は、粘着剤試料1
00mgを5ccの酢酸メチルに溶解した溶液から2c
cを採取し、この溶液2ccと2−エチルヘキシルメタ
クリレートを酢酸メチルに溶解した内部標準液2ccと
を混合して調製した。
【0046】(3)ゲル分率・膨潤度 粘着剤試料100mgをテトラヒドロフランに溶解し、
24時間放置したものを200メッシュのステンレスフ
ィルターで濾過した。濾取された膨潤ゲルの重量と、膨
潤ゲルを100℃で2時間乾燥した乾燥ゲルの重量を測
定することによって求めた。
【0047】(4)粘着力 両面粘着テープの片面に厚さ25μmのポリエステルフ
ィルムを貼り付けて幅25mm、長さ300mmの粘着
テープとし、これを#280番の紙ヤスリで研磨された
ステンレス板に、テープの一端から長さ100〜120
mm部分を、2kgのローラーで一往復させて貼り付
け、23℃、65%RHの条件で、このテープの他端を
インストロン引張試験機で、300mm/分の速度で1
80度角の反対方向に剥離し、その時の剥離抗力を測定
して粘着力(g/25mm幅)とした。
【0048】(5)保持力 両面粘着テープの片面に厚さ100μmのアルミニウム
箔を貼り付けて幅25mmの粘着テープとし、これを#
280番の紙ヤスリで研磨されたステンレス板に、テー
プの一端部を接着面積が幅25mm、長さ25mmとな
る様に2kgのローラーで一往復させて貼り付け、この
テープの他端に1kgの重りを固定し、これを80℃の
雰囲気で吊し、テープとともに重りが落下するまでの時
間を測定して、保持力(時間)とした。なお、この保持
力は、通常、40℃で測定されるが、80℃の過酷な条
件で測定を行い測定時間を短縮し、また最大150時間
で測定を打ち切った。
【0049】[実施例1]2−エチルヘキシルアクリレ
ート(2EHA)82重量部、N−ビニルピロリドン
(VP)8重部、カルボキシエチルアクリレート(CE
A;ラドキュア社製)10重量部からなるモノマー成分
100重量部と、N,N−ジメチルアミノエチルアクリ
レート(DMAEA)0.5重量部と、光重合開始剤と
して、ダロキュア2959(メルク社製)1.34重量
部、および、重合性架橋剤として、ヘキサンジオールジ
アクリレート(HDDA)0.06重量部を添加し、撹
拌機で撹拌して均一に混合し光重合性組成物を製造し
た。
【0050】得られた光重合性組成物を窒素ガスでパー
ジして溶存酸素を除去してから、剥離剤で処理した透明
ポリエステルフィルム上のナイロン不織布に含浸させ、
その平面を上記と同じフィルムでカバーした。次いで、
これに超高圧水銀ランプを用いて、光強度14mW/c
2(波長365nm中心)で2.0分間照射し、膜厚
220μmの両面粘着テープを製造した。
【0051】得られたポリマーの残存モノマー量は0.
3重量%以下で、ゲル分率は65重量%、膨潤度は50
であり、重量平均分子量は13万であった。なお、この
際の分子量は、ゲルが生成することを避けるため、CE
AおよびHDDAを除いた以外は前記の配合と同様な条
件で作成されたポリマーに関して、測定された。
【0052】この両面粘着テープの物性は、粘着力が1
500g/25mm、保持力が保持時間150時間以上
と、粘着力、保持力とも良好であり、両面粘着テープと
して十分な性能が発現された。
【0053】[比較例1]DMAEAを添加せずに、H
DDAを0.20重量部、光強度を100mW/c
2、照射時間を1.0分とした以外は、実施例1と同
様な条件でテープを製造した。
【0054】得られたポリマーの残存モノマー量は0.
3重量%以下で、ゲル分率は60重量%、膨潤度は25
であり、重量平均分子量は、実施例1とほぼ同一の16
万であった。なお、この際の分子量は、ゲルが生成する
ことを避けるため、CEAおよびHDDAを除いた条件
で作成されたポリマーに関して、測定された。
【0055】この両面粘着テープの物性は、保持力が保
持時間約50時間、粘着力が500g/25mmと、特
に粘着力に劣っており、両面粘着テープとしての性能は
不十分であった。
【0056】なお、保持力に関しては、界面破壊であ
り、サンプルによってかなりのばらつきがあった。指触
感から、粘弾性体としてかなり硬いものとなっており、
粘着剤として不適切なポリマーが出来ていることを示し
ている。
【0057】[比較例2]DMAEAを添加せずに、H
DDAを0.10重量部、光強度を100mW/c
2、照射時間を1.0分とした以外は、実施例1と同
様な条件でテープを製造した。
【0058】得られたポリマーの残存モノマー量は0.
3重量%以下で、ゲル分率、膨潤度は測定不能(非常に
膨潤度の高いゆるいゲルが生成した)であり、重量平均
分子量は実施例1とほぼ同一の16万であった。なお、
この際の分子量は、ゲルが生成することを避けるため、
CEAおよびHDDAを除いた条件で作成されたポリマ
ーに関して、測定された。
【0059】この両面粘着テープの物性は、粘着力が1
300g/25mm、保持力が保持時間0.1時間と、
特に保持力が劣っており、両面粘着テープとしての性能
は不十分であった。
【0060】なお、保持力に関しては、凝集破壊であっ
た。これは、指触感からも、粘弾性体として非常に柔ら
かいものとなっており、凝集力が不足しており、粘着剤
として不適切なポリマーが出来ていることを示してい
る。
【0061】
【発明の効果】本発明において、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーに、
(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルを配合した
光重合性組成物を用いると、それを光重合することによ
り生成するポリマーのGPC分子量が低くても、粘着剤
として十分な性能が発現可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)(メタ)アクリル酸アルキルエステ
    ルを主成分とするビニル系モノマー100重量部、 (b)N,N−ジアルキルアミノ基を有する置換アルキ
    ル基を、アルコール部分とする(メタ)アクリル酸アミ
    ノアルキルエステル0.01〜1重量部、および(c)
    光重合開始剤0.1〜5重量部 を含有することを特徴とする光重合性組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光重合性組成物に光を照射
    せしめることによって得られるゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子
    量が2万〜60万である重合物。
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