JP2820302B2 - 溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法 - Google Patents

溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法に関す
る。
(従来の技術) 溶剤型アクリル系粘着剤は、粘着力、凝集力などの粘
着性能及び耐候性、耐油性などに優れ、例えば粘着テー
プもしくはシートの製造に広く使用されている。
この種の溶剤型アクリル系粘着剤は、一般に、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル
系モノマーを、過酸化物やアゾ系の熱重合開始剤を用い
て溶液重合させることにより製造される。
このような重合方法にあっては、重合熱が発生するた
め、除熱等の温度制御を適切に行わないと、蓄積された
重合熱により熱重合開始剤が急激に分解して重合反応が
加速度的に進行し、それにより重合体の低分子量化や反
応の暴走が起こる。
そのため、重合温度は一般に60〜70℃程度の狭い範囲
で、しかも重合時間は一般に7〜8時間程度の時間でゆ
っくりと反応させる方法が採られおり、生産性が悪いと
いう問題がある。
一方、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分
とするビニル系モノマーに光重合開始剤を添加した液状
物を、基材に塗布又は含浸し、これに紫外線を照射して
上記ビニル系モノマーを重合反応させ、アクリル系粘着
テープもしくはシートを製造する方法が知られている。
かかる重合方法は、溶剤を使用しないで光重合させる
ので、互い相溶する液状のビニル系モノマーだけしか使
用することができない。そのため、使用するビニル系モ
ノマーの種類が限定され、粘着テープもしくはシートに
要求される多種多様なニーズへの対応力が弱いという問
題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記の問題を解決するものであり、その目
的とするところは、粘着力、凝集力などの粘着性能及び
耐候性、耐油性などに優れた溶剤型アクリル系粘着剤を
高い生産性でもって製造する方法を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法は、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル
系モノマーと有機溶剤と光重合開始剤と連鎖移動剤とか
らなるモノマー溶液に、紫外線を照射して上記ビニル系
モノマーを重合させ、得られる重合体の数平均分子量
(Mn)に対する重量平均分子量(MW)の比(MW/Mn)を
3.5以下とすることを特徴とし、そのことにより上記の
目的が達成される。
本発明において(メタ)アクリル酸アルキルエステル
を主成分とするビニル系モノマーは、一般に、(メタ)
アクリル酸アルキルエステル100〜60重量%と、これと
共重合可能な他のビニル系モノマー0〜40重量%とから
なる。そして、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
しては、アルキル基の炭素数が1〜14、好ましくは4〜
12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられ、
例えば、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオ
クチル、(メタ)アクリル酸イソノニルなどが好適に用
いられる。
また、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
共重合可能な他のビニル系モノマーとしては、一般に、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、N−置換アクリルアミ
ド、ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリ
ドン、マレイン酸、イタコン酸、N−メチロールアクリ
ルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレートなどが用い
られる。また、ガラス転位温度の低い重合体が得られ
る、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ポリエチレ
ングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコール
アクリレートなどのビニル系モノマーも用いることがで
きる。
溶剤型アクリル系粘着剤は、凝集力や耐熱性、耐溶剤
性などを高めるために、一般に、使用に際して架橋剤を
配合することが多い。この場合、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルと共重合可能な他のビニル系モノマーと
しては、カルボキシル基又は水酸基を有するビニル系モ
ノマーが用いられる。
本発明に用いる有機溶剤(以下、単に溶剤と略称する
ことがある)としては、通常の溶液重合に用いられてい
る酢酸エチル等のエステル類、アセトンやメチルエチル
ケトン等のケトン類、トルエン等の芳香族炭化水素類、
その他シクロヘキサン等がある。これ等の溶剤により上
記のビニル系モノマーが溶解される。かかる溶剤は、一
般に、上記ビニル系モノマー100重量部に対して、50〜1
50重量部の割合で使用されるのが好ましい。
光重合開始剤としては、波長300〜400nm(ナノメート
ル)の間に活性点があり、開始効率の高いものが好適に
用いられる。その例としては、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール
などがある。
これらの光重合開始剤は、前記ビニル系モノマー100
重量部に対して、0.001〜1重量部の割合で添加するの
が好ましい。添加量が0.001重量部を下まわるときは、
光重合開始剤が光エネルギーにより反応初期に消費され
るために、モノマーが残存しやすく、モノマーの臭いが
残るだけでなく、粘着剤の凝集力が低下する。逆に、光
重合開始剤が1重量部を上まわるときは、重合反応速度
は速くなるが、光重合開始剤の分解臭が激しくなり、ま
た粘着剤の性能が低下し、ばらつきも大きくなる。
また、本発明においては、光重合開始剤を添加したビ
ニル系モノマーの溶液に、連鎖移動剤を添加する。連鎖
移動剤の添加により重合反応のばらつきが抑えられ、重
合体の分子量が精密に調整され、粘着力と凝集力との粘
着性能のバランスがより高いレベルに調節される。
連鎖移動剤としては、チオール化合物やハロゲン化合
物などの連鎖移動性の高いものが好適に用いられる。チ
オール化合物としては、n−ドデシルメルカプタン、2
−メルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン
酸、β−メルカプトプロピオン酸オクチル、β−メルカ
プトプロピオン酸メトキシブチル、トリメチロールプロ
パントリス−(β−チオプロピオネート)、チオグリコ
ール酸ブチル、プロパンチオール類、ブタンチオール
類、チオホスファイト類などがある。ハロゲン化合物と
しては四塩化炭素などがある。
かかる連鎖移動剤は、充分に高分子量の重合体が得ら
れる条件下で、一般に、前記ビニル系モノマー1モルに
対して0.2×10-4〜10×10-4モルの範囲で添加するのが
好ましい。この添加量が0.2×10-4を下まわると、重合
体の分子量が大きくなり、粘着性能が低下することがあ
る。逆に、連鎖移動剤の添加量が10×10-4モルを上まわ
ると、重合体の分子量が小さすぎて、使用に際して架橋
剤の配合により凝集力を高めても粘着性能のバランスが
悪くなることがある。重合体の重量平均分子量は、30〜
100万に調節するのが好ましく、特に60〜100万に調節す
るのがさらに好ましい。
また、本発明においては、光重合開始剤を添加したビ
ニル系モノマーの溶液に、増粘剤やチキソトロープ剤、
増量剤や充填剤などの通常用いられる配合剤を添加して
もよい。
増粘剤としては、アクリルゴム、エピクロルヒドリン
ゴムなどがあり、チキソトロープ剤としては、アエロジ
ル、ポリビニルピロリドンなどがある。また、増量剤と
しては、炭酸カルシウム、チタン、クレーなどがあり、
充填剤としては、ガラスバルン、アルミナバルン、セラ
ミックバルンなどの無機中空体、ナイロンビーズ、アク
リルビーズ、シリコンビーズなどの有機球状体、塩化ビ
ニルデンバルン、アクリルバルンなどの有機中空体、ポ
リエステル、レーヨン、ナイロンなどの短繊維がある。
上記のようにして調製された(メタ)アクリル酸アル
キルエステルを主成分とするビニル系モノマーと有機溶
剤と光重合開始剤と連鎖移動剤とからなるモノマー溶液
は、溶存する酸素を除去するために、窒素ガスなどのイ
ナートガスでパージされる。また、イナートガスでパー
ジせずに、フェニルジイソデシルホスファイト、トリイ
ソデシルホスファイト、オクチル錫化合物などの除酸素
効果のある化合物を添加してもよい。
そして、上記のビニル系モノマー溶液を反応器に入
れ、これに紫外線を照射して重合反応を行う。重合反応
に用いる反応器は、石英ガラスもしくはパイレックスガ
ラス製のものが用いられるが、紫外線照射を通しやすい
パイレックスガラス製のものがが好ましい。
照射に用いられる紫外線ランプとしては、波長300〜4
00nm領域にスペクトル分布を持つものが用いられ、その
例としては、ケミカルランプ、ブラックライトランプ
(東芝電材(株)の商品名)、低圧、高圧、超高圧水銀
ランプ、メタルハライドランプ等がある。光強度が比較
的低い紫外線を照射する場合は、前二つのランプが用い
られ、光強度が比較的高い紫外線を照射する場合は、後
四つのランプが用いられる。
光強度や照射時間は、目的とする粘着剤の要求品質に
応じて、分子量やその分子量分布により設定される。光
強度を高くすると、重合体の分子量は低くなるが、重合
反応時間は短くなる。逆に光強度を低くすると、重合体
の分子量は高くなるが、重合反応時間は長くなる。
本発明においては、波長300〜400nm(ナノメートル)
で光強度が0.1〜1000mW(ミリワット)/cm2、好ましく
は0.1〜100mW(ミリワット)/cm2の紫外線が照射され
る。照射時間は、一般に1〜5時間程度で充分である。
そして、重合温度は、一般に常温〜80℃程度で行われ
る。重合熱等の除熱が必要な場合は、反応器の空冷、水
冷もしくは光強度の調節により行われる。
特に、本発明においては、2段階の照射による方法が
好ましい。この場合、第1段階の紫外線照射は、波長30
0〜400nmで光強度が0.1〜30mW/cm2で行う。この第1段
階での照射で、ビニル系モノマーの少なくとも90%が重
合する。この第1段階の照射においては、ビニル系モノ
マーの90重量%程度までは比較的速やかに重合反応し、
高分子量の重合体が得られる。しかし、残りのビニル系
モノマーの重合反応は、上記第1段階の照射条件では重
合反応時間が長くなる。
第2段階の照射は、波長300〜400nmで第1段階の照射
よりも高い光強度で行なわれる。この場合の光強度は、
第1段階の光強度の2倍以上であることが好ましい。こ
の第2段階の照射においては、残りのビニル系モノマー
が速やかに重合反応し、残存モノマーが約3重量%以下
で粘着性能に殆ど悪影響を及ぼさない程度に、重合反応
が実質的に完結される。
このようにして、本発明の溶剤型アクリル系粘着剤が
得られる。この溶剤型アクリル系粘着剤は、そのまま或
いは溶剤濃度や粘度を調節して使用される。また、好ま
しくは、この溶剤型アクリル系粘着剤に架橋剤を配合し
て使用される。
このような架橋剤としては、ポリイソシアネート、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、多価金属塩等が用いられ
る。この場合、熱キュアーにより架橋反応が生じるた
め、加熱が必要である。この加熱により粘着剤中の溶剤
も蒸発される。
これらの架橋剤は、溶剤型アクリル系粘着剤の重合体
成分100重量部に対し、一般に0.001〜5重量部の割合で
配合される。これにより、粘着性能、特に高温での凝集
力が増加し、高温での凝集力が改良される。
(作用) 本発明では、溶剤型アクリル系粘着剤の製造に際し
て、光重合開始剤を使用し熱重合開始剤を使用しない
で、重合熱による重合開始剤の急激な分解がなく、その
ため重合反応が暴走することがない。
また、紫外線の照射により光重合開始剤を分解させ、
それにより重合反応が開始されるので、紫外線の照射を
調節して比較的低温で速やかに重合させることができ、
そのため高分子量でしかも分子量分布のシャープな重合
体からなる粘着剤が得られる。
また、有機溶剤と連鎖移動剤とを用い、得られる重合
体の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(MW
の比(MW/Mn)を3.5以下とすることにより、重合反応
のばらつきが抑えられ、重合体の分子量が精密に調整さ
れ、その結果として、特に粘着力と凝集力(保持力)と
のバランスがより高いレベルに調整される。
さらに、紫外線の照射による重合において、溶剤を使
用しているので、この溶剤を適当に選定することによ
り、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とす
る種々の液状又は固体状のビニル系モノマーを溶解させ
ることが可能となり、ビニル系モノマーの選択範囲が拡
大する。
(実施例) 以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
実施例1 アクリル酸2−エチルヘキシル94重量部、メタクリル
酸ヒドロキシエチル0.5重量部、アクリル酸5.5重量部
に、溶剤として酢酸エチル100重量部、光重合開始剤と
してベンジルジメチルケタール0.1重量部、連鎖移動剤
としてラウリルメルカプタン0.01重量部を添加し、これ
を撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス
導入口を備えた五つ口フラスコに仕込み、撹拌溶解した
後、窒素ガスで約30分間パージしてモノマー溶液中に溶
存する酸素を除去する。
その後、窒素ガスでフラスコ内の空気を置換し撹拌し
ながら、これにケミカルランプを用いて、光強度4mW/cm
2(波長360nm)の紫外線を約1.5時間照射した。その
後、超高圧水銀ランプ(ジェットキュア、オーク製作所
製)を用いて、光強度8mW/cm2(波長360nm)の紫外線を
0.5時間照射してモノマーを重合させ、溶剤型アクリル
系粘着剤を製造した。重合反応時間は合計2時間であっ
た。
上記粘着剤の重合体成分について、重量平均分子量
(MW)、数平均分子量(Mn)、残存モノマー量を測定し
た。なお、重合体の分子量分布は分散度(MW/Mn)で評
価され、この分散度が小さい方が分子量分布がシャープ
といえる。
また上記粘着剤の重合体成分100重量部に対して、架
橋剤としてトルエンジイソシアネート(TDI)0.4重量部
を混合し充分に攪拌した後、剥離ライナーに23μmにな
るように塗布乾燥し、これを38μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルムに転写し、その後40℃で7時間加熱
エージングして幅25mmの粘着テープを作成した。この粘
着テープについて粘着性能(粘着力及び保持力)を測定
した。
以上の結果を第1表に示す。なお、測定方法は、次の
通りである。
(1)重量及び数平均分子量 ゲル透過クロマトグラフィーにより、標準架橋ポリス
チレンを基準とし、テトラヒドロフランを溶離剤とし、
検出は屈折計を用いて測定した。
(2)残存モノマー量 ポリエチレングリコール(20M)を担持したchromosor
b wを酸処理した分離カラム、及び水素炎イオン化検出
器を有するガスクロマトグラフ(GC−6A、島津製作所
製)を用いて測定した。
なお、測定用試料は、溶剤を蒸発させた粘着剤試料10
0mgを5ccの酢酸メチルに溶解した溶液から2ccを採取
し、この溶液2ccと、メタクリル酸2−エチルヘキシル
を酢酸メチルに溶解した内部標準液2ccとを混合して調
製した。
(3)粘着力 JIS Z 0237に準拠し、#280番の紙ヤスリで研磨され
たスチール板に、幅25mm、長さ300mmの粘着テープの一
端から長さ120mmの部分を、2kgのローラで一往復させて
貼り付け、23℃、50%RHの条件で、このテープの他端を
インストロン引張試験機で300mm/minの速度で180度角反
対方向に引剥がし、その時の引剥がし抗力(g/25mm幅)
を測定した。
(4)保持力 JIS Z 0237に準拠し、#280番の紙ヤスリで研磨され
たスチール板に、幅25mmの粘着テープの一端部分を接着
面積が幅25mm、長さ25mmとなる様に2kgのローラで一往
復させて貼り付け、これに荷重1kgの重りをテープ下端
に固定し、40℃の雰囲気温度で吊し、粘着テープが落下
するまでの時間を測定し、24時間で落下しない場合は、
ずれた距離(mm)を測定した。
比較例1 アクリル酸2−エチルヘキシル94重量部、メタクリル
酸ヒドロキシエチル0.5重量部、アクリル酸5.5重量部
に、溶剤として酢酸エチル100重量部、連鎖移動剤とし
てラウリルメルカプタン0.01重量部を添加し、撹拌機、
還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備
えた五つ口フラスコに仕込み、窒素ガスで約30分間パー
ジしてモノマー溶液中に溶存する酸素を除去する。
その後、窒素ガスでフラスコ内の空気を置換し撹拌し
ながら昇温し、これを60℃に保持して熱重合開始剤とし
てアゾイソブチロニトリルの0.1%酢酸エチル溶液15gを
滴下漏斗より徐々に滴下する。暴走を起こさないよう
に、2時間の間隔をあけ、上記と同じ熱重合開始剤の溶
液15gを滴下漏斗より徐々に滴下する。
さらに、2時間後に残存モノマー除去のために、上記
と同じ熱重合開始剤の1%酢酸エチル溶液15を滴下漏斗
より徐々に滴下し、滴下終了後60℃で2時間保持して重
合反応を完了させ、溶剤型アクリル系粘着剤を製造し
た。重合反応時間は合計7時間であった。
以下、実施例1と同様にして粘着剤の重合体成分につ
いて、重量平均分子量(MW)、数平均分子量(Mn)、残
存モノマー量を測定し、また粘着テープの粘着性能(粘
着力及び保持力)を測定した。その結果を第1表に示
す。
実施例2 アクリル酸2−エチルヘキシル47重量部、アクリル酸
n−ブチル47重量部、アクリル酸6重量部に、溶剤とし
てアセトン130重量部、光重合開始剤としてベンジルジ
メチルケタール0.1重量部、連鎖移動剤としてラウリル
メルカプタン0.06重量部を添加したモノマー溶液を使用
したこと以外は、実施例1と同様に行った。
得られた粘着剤の重合体成分について、実施例1と同
様にして重量平均分子量(MW)、数平均分子量(Mn)、
残存モノマー量を測定し、また粘着テープの粘着性能
(粘着力及び保持力)を測定した。その結果を第1表に
示す。
比較例2 アクリル酸2−エチルヘキシル47重量部、アクリル酸
n−ブチル47重量部、アクリル酸6重量部に、溶剤とし
てアセトン130重量部、連鎖移動剤としてラウリルメル
カプタン0.06重量部を添加し、撹拌機、還流冷却器、温
度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた五つ口フラ
スコに仕込み、窒素ガスで約30分間パージしてモノマー
溶液中に溶存する酸素を除去する。
その後、窒素ガスでフラスコ内の空気を置換し撹拌し
ながら昇温し、これを60℃に保持して熱重合開始剤とし
て過酸化ベンゾイルの6%アセトン溶液0.5重量部を滴
下漏斗より徐々に滴下する。暴走を起こさないように、
3時間の間隔をあけ、上記と同じ熱重合開始剤の溶液0.
5重量部を滴下漏斗より徐々に滴下する。
さらに、2時間の間隔をあけ2回上記と同じ熱重合開
始剤の溶液0.5重量部を追加し、滴下終了後60℃で2時
間保持して重合反応を完了させ、溶剤型アクリル系粘着
剤を製造した。重合反応時間は合計10時間であった。
以下、実施例1と同様にして粘着剤の重合体成分につ
いて、重量平均分子量(MW)、数平均分子量(Mn)、残
存モノマー量を測定し、また粘着テープの粘着性能(粘
着力及び保持力)を測定した。その結果を第1表に示
す。
(発明の効果) 上述の通り、本発明は、(メタ)アクリル酸アルキル
エステルを主成分とするビニル系モノマーと有機溶剤と
光重合開始剤と連鎖移動剤とからなるモノマー溶液に、
紫外線を照射して上記ビニル系モノマーを重合させ、得
られる重合体の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分
子量(MW)の比(MW/Mn)を3.5以下とするものである
から、従来の熱重合開始剤を使用した溶液重合のように
重合反応が暴走する恐れがなく、比較的低温で速やかに
重合し、高分子量で分子量分布のシャープな重合体が得
られ、それにより粘着力、凝集力など粘着性能に優れた
溶剤型アクリル系粘着剤を高い生産性でもって製造する
ことができる。
さらに、本発明方法は、上記ビニル系モノマーを溶剤
に溶解させた溶液を光重合するので、適当な溶剤を選定
することにより種々の液状又は固体状のビニル系モノマ
ーを溶解させることが可能となり、用途に応じてビニル
系モノマーを変えることにより多種多様な溶剤型アクリ
ル系粘着剤を製造することができるという利点がある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主
    成分とするビニル系モノマーと有機溶剤と光重合開始剤
    と連鎖移動剤とからなるモノマー溶液に、紫外線を照射
    して上記ビニル系モノマーを重合させ、得られる重合体
    の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(MW)の
    比(MW/Mn)を3.5以下とすることを特徴とする溶剤型
    アクリル系粘着剤の製造方法。
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