JPH056526A - リサイクル型磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

リサイクル型磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH056526A
JPH056526A JP18333991A JP18333991A JPH056526A JP H056526 A JPH056526 A JP H056526A JP 18333991 A JP18333991 A JP 18333991A JP 18333991 A JP18333991 A JP 18333991A JP H056526 A JPH056526 A JP H056526A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録媒体の支持体の回収を容易にする。 【構成】 紙やプラスティックの支持体上にカルボキシ
ル基を含有する樹脂をアンカー層として設け、その上に
磁性層を設けて磁気記録媒体とする。カルボキシル基含
有樹脂は熱硬化あるいは紫外線や電子線などの放射線照
射により硬化を行うことができる。 【効果】 使用時においては良好な磁気記録媒体として
使用でき、使用済みの磁気記録媒体後はアルカリ浴によ
り容易にアンカー層が膨潤・剥離するため、磁性層を支
持体から分離する事が出来、支持体を再利用することが
可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体及びその製
造方法に関し、詳しくは紙またはフィルム支持体と磁性
層とから成る磁気記録媒体において、使用時においては
良好な磁気特性を有し、使用後においては磁性層および
印刷層を支持体から容易に離脱でき、支持体の再利用が
可能なリサイクル型磁性記録媒体およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気切符、磁性カード、磁性券、プリペ
イドカードなどに代表される磁気記録媒体には、プラス
チックフィルム、非磁性金属板または箔、紙またはポリ
オレフィン類をラミネートした紙などの支持体の上に磁
性体及び電子線硬化性バインダーを主成分とする磁性層
を設けたものが知られている。これらの磁気記録媒体は
使用された後に使用者の手元に残る場合と発券者側に残
る場合がある。すなわち磁性切符とか馬券、一部のプリ
ペイドカードが後者の例である。近年の地球的な環境保
護意識の高まりの中で、従来の紙製の切符や馬券が回収
されて再び紙として再利用されていたように、磁気記録
媒体においてもその再利用法が検討されている。
【0003】しかしながら、従来の紙製の切符などがア
ルカリ浴により容易に再分離して再生(リサイクル)パ
ルプになっていたのに比べ、磁気記録媒体はリサイクル
に大きな障害が生じている。すなわち、磁性層はその記
録特性、繰り返し使用性を高める目的で支持体に密着
し、かつ磁性層が機械的力により剥離することのないよ
うに、その接着は非常に強固にされ、かつ磁気記録媒体
は耐水性が要求されるため、一般のアルカリ浴程度では
磁性層のみの剥離が出来ず、磁性層が剥離、分解するほ
ど過酷な条件(高アルカリ濃度、高温浴、機械的攪拌)
によって磁性層を剥離した場合には、支持体そのものの
分離、分解が生じて磁性層を構成する成分と支持体を構
成する成分(例えば紙、ポリエステル樹脂など)の分離
が困難を極める、という問題があった。リサイクル時の
分離を簡単にしようとすると磁性層と支持体との密着
性、接着性が落ち、磁気記録媒体としての信頼性、繰り
返し使用性に欠けるという相反した問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明が解決し
ようとする問題点は、磁気記録媒体を使用する時には、
磁性層と支持体との密着性、接着性が高く、磁性記録特
性、繰り返し使用性が良好であり、かつ使用済みの磁性
記録媒体をリサイクルする場合には、磁性層が容易に支
持体から分離できるリサイクル型の磁気記録媒体を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
を鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、支持
体の少なくとも1面にカルボキシル基含有樹脂組成物に
よるアンカー層を有し、その上に磁性体とバインダーか
らなる磁性層を有することを特徴とする磁気記録媒体の
発明であり、支持体の少なくとも1面にカルボキシル基
含有樹脂組成物によるアンカー層と磁性体とバインダー
からなる磁性層を順次設けることを特徴とするリサイク
ル型磁気記録媒体の製造方法の発明である。該アンカー
層は熱硬化、放射線照射による硬化、ラミネート、キャ
ストなどいかなる方法で設けても良いが、カルボキシル
基含有樹脂組成物を塗布した後に熱硬化または紫外線あ
るいは電子線などの放射線照射により硬化することが好
ましい。支持体とアンカー層の中間に製造時において
は、カルボキシル基含有樹脂組成物の染み込みを抑制
し、回収時においては、アルカリ溶液の支持体中への拡
散を抑制する目的で水溶性樹脂を主成分とする中間層を
設けることができる。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いられるカルボキシル基含有樹脂としては、例
えばニトロセルロース樹脂に脂肪酸エステルを混合した
樹脂、またはメタクリル酸エステルとアクリル酸エステ
ルおよびアクリル酸の共重合樹脂からなるアクリル系樹
脂やアミノアルキド樹脂にマレイン酸を含む樹脂を用い
ることができ、さらにカルボキシル基を有する放射線硬
化型の樹脂組成物を用いることができる。ここでいうカ
ルボキシル基を有する放射線硬化型の樹脂としては、分
子末端あるいは側鎖に放射線硬化性の官能基とカルボキ
シル基を同時に有するものであり、トリメチロールプロ
パンジアクリレートフマレート、トリメチロールプロパ
ンジフマレートモノアクリレート、ペンタエリスリトー
ルジアクリレートモノフマレートなどの多官能アクリレ
ートや多官能カルボン酸、あるいはその複合体、カルボ
キシル基を有するモノアクリレート、東亜合成化学工業
(株)の商品名でいえば、アロニックスM−5300、
アロニックスM−5400、アロニックスM−550
0、アロニックスM−5600などが挙げられる。
【0007】本発明のカルボキシル基含有樹脂は、他の
バインダー成分と混合した組成物として用いることが可
能で、磁性層や中間層との親和性や放射線硬化性カルボ
ン酸との親和性を考慮して選ぶことができる。放射線硬
化性樹脂は、カルボキシル基を含む樹脂層のバインダー
成分として、あるいは磁性体と共に磁性体組成物を構成
するバインダーとして用いることができる。放射線硬化
性樹脂としては、この分野で通常使用されている電子
線、あるいは紫外線による重合が可能な不飽和結合を有
する化合物であれば、いずれも使用可能である。すなわ
ち、炭素−炭素不飽和結合を一個以上有する化合物であ
り、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミ
ド基、アリル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテ
ル基などを含む化合物であり、例えばアクリル酸アルキ
ルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドンなどが
あげられる。分子内に不飽和結合が二個以上あってもよ
い。特に、ポリオールの不飽和エステル類、例えばエチ
レンジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレートなどがあげられる。またエポキシ環を一
個もしくは二個以上有する化合物、例えばグリシジルア
クリレートなども好ましい。さらには、これらの化合物
は、高分子量体であってもよい。特に好ましくは、高分
子鎖の末端あるいは側鎖にアクリレート基を有する化合
物であり、ポリエステル骨格、ポリウレタン骨格、エポ
キシ樹脂骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨
格を有するプレポリマーなどがあげられる。これら上記
のモノマーとプレポリマーを単独もしくは混合して用い
てもよい。
【0008】カルボキシル基含有樹脂と他のバインダー
樹脂とを混合した組成物として用いる場合、カルボキシ
ル基含有樹脂は、組成物の固形分に対して重量比で5%
以上であることが好ましい。これは、カルボキシル基含
有樹脂の割合が5%より少ないとアルカリ浴に入れた場
合の剥離適性が悪いためである。また、放射線照射によ
り硬化可能なカルボキシル基含有樹脂は、一般に硬化時
の体積収縮が小さいため樹脂層を硬化した後でのカール
特性が極めて優れている。
【0009】本発明において用いられるカルボキシル基
含有樹脂組成物からなるアンカー層の坪量は0.5g/
2〜10g/m2が好ましい。アンカー層がこの量より
少ないと、支持体の凹凸を埋める事が出来ず、磁性層を
設ける場合に平滑性に難があり、この量より多いと、ア
ルカリ浴での剥離が悪く、支持体の回収適性が悪化す
る。製造時においては、中間層を設けた後、あるいはカ
ルボキシル基含有樹脂層を設けた後でスーパーカレンダ
ーによる平滑化処理を行ない磁性層を設けることは記録
精度向上の面から好ましい。
【0010】本発明に用いられる支持体は、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リプロピレンなどの高分子フィルムや、上質紙、アート
紙、コート紙、クラフト紙、ケント紙、純白ロール紙な
どに代表される木材パルプを主成分とする汎用紙、また
は合成高分子繊維を主成分とする不織布または合成紙、
あるいはこれらの複合材料である。
【0011】本発明において支持体として用いられる原
紙は、通常の天然パルプ紙、合成繊維あるいは合成樹脂
フィルムを擬紙化した、いわゆる合成紙、または原紙の
表面に耐水性樹脂被覆層を設けた樹脂被覆紙を用いるこ
とができるが、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広
葉樹混合パルプの木材パルプを主成分とする天然パルプ
紙が有利に用いられる。原紙の厚みに関しては、特に制
限はないが、平滑性のよい紙が好ましく、その坪量は4
0g/m2〜250g/m2が好ましい。
【0012】本発明の方法において、有利に用いられる
天然パルプを主成分とする原紙には、各種高分子化合
物、添加剤を含有せしめることができる。たとえば、デ
ンプン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコ
ール誘導体、ゼラチン等の乾燥紙力増強剤、脂肪酸塩、
ロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー乳化物等のサ
イズ剤、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミ
ド等の湿潤紙力増強剤、安定剤、顔料、染料、酸化防止
剤、蛍光増白剤、各種ラテックス、無機電解質、pH調
整剤等を適宜組み合わせて含有せしめることができる。
また、本発明において原紙と放射線硬化性樹脂組成物の
接着性と濡れ性を良くするために、原紙表面のコロナ処
理等による表面処理を行なってもよい。
【0013】本発明において、支持体として用いられる
高分子フィルムとしては、市販のポリエステル、ポリオ
レフィン、ポリハロゲン化ビニル、ポリカーボネート、
ポリスルフォン、セルロースエステル、ポリアミド、ポ
リイミド樹脂などを用いることができるが、使用時の平
面性、剛直性、耐カール性の面から、ポリエチレンテレ
フタレートを代表とするポリエステル樹脂が好ましい。
これらのフィルムの中には、不透明性を付与する目的
で、無機微粒子を練り込んだり、または表面にコーティ
ングすることができる。そのほかの支持体として、繊維
質基体、ノンウーブン、合成紙を使用すること、または
合成樹脂を紙に片面、または両面にラミネートしたラミ
ネート紙、金属箔、または金属箔と紙、合成樹脂フィル
ムとの貼り合わせ品なども可能である。
【0014】磁性体としては、γ-酸化鉄(III)、酸化
鉄(II)、コバルト含有γ-酸化鉄(III)、コバルト含
有酸化鉄(II)、コバルト被覆γ-酸化鉄(III)バリウ
ムフェライトなどが代表例としてあげられる。
【0015】また、本発明の磁性体組成物には、潤滑
剤、研磨剤、防錆剤、分散剤、増粘剤などを加えてもよ
い。特に潤滑剤は、飽和及び不飽和の高級脂肪酸、脂肪
酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、シリ
コンオイル、鉱油、フッ素化合物などがあり、これらは
磁性体組成物の調整時に添加してもよく、あるいは磁性
層表面に塗布ないしは噴霧してもよい。
【0016】磁性体組成物を調整する際には、磁性体及
び上記の各成分をすべて同時に、あるいは個々順次に混
練機に投入される。組成物の混練分散には、各種の混練
機が使用される。例えば二本ロール、三本ロール、ボー
ルミル、サンドグラインダー、ディスパー、高速インペ
ラー分散機、高速ミキサーホモジナイザーなどである。
【0017】本発明の中間層に用いることのできる水溶
性高分子としては、例えば以下の物質が挙げられる。天
然高分子および半合成高分子として、デンプン、酸化デ
ンプン、エーテル化デンプン、ジアルデヒド化デンプ
ン、エステル化デンプンなどの変性デンプン化合物、ア
ルギン酸ソーダ、アルギン酸プロピレングリコールエス
テルなどのアルギン酸化合物、カゼイン、ゼラチン、プ
ルラン、デキストラン、キチン、キトサン、ゴムラッテ
クス、アラビアゴム、フノリ、天然ガム、デキストリ
ン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
セルロース、カルボキシメチルセルロースなどの変性セ
ルロース化合物などが挙げられる。合成高分子として
は、完全ケン化あるいは部分ケン化ポリビニルアルコー
ル、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアルコールと多価カルボン酸とのエステル化物、カル
ボキシ変性化ポリビニルアルコール、スルホン酸変性化
ポリビニルアルコール、オレフィン変性化ポリビニルア
ルコール、ニトリル変性化ポリビニルアルコール、アミ
ド変性化ポリビニルアルコール、ピロリドン変性化ポリ
ビニルアルコールなどの変性化ポリビニルアルコール化
合物、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸アミ
ド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム、ポ
リアクリル酸ソーダなどのポリアクリル酸化合物、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルエ
ーテル、ポリマレイン酸共重合体、ポリアクリルアミ
ド、水溶性アルキド樹脂などが挙げられる。また、厳密
な意味での水溶性高分子ではないが、スチレン/無水マ
レイン酸共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、ブ
タジエン/メタクリレート共重合体、アクリロニトリル
/ブタジエン/アクリル酸ラッテクス、などの合成高分
子を水に分散したエマルジョンとして水溶性高分子溶液
の代わりに用いることができる。水溶性高分子として
は、上記のような高分子を単独で、あるいは混合した水
溶液として、必要ならば消泡剤、分散剤などを併用して
用いることができる。
【0018】支持体上に磁性体組成物、中間層、アンカ
ー層を塗布する方法としては、ドクターコート、ブレー
ドコート、エアナイフコート、スクイズコート、リバー
スロールコート、グラビアコート、トランスファーロー
ルコート、カーテンコート、エクストルージョンコー
ト、ダイコート、スライドコート、リップコート、マイ
クログラビアコートなどの方法が利用できる。
【0019】支持体上に塗布された磁性層は、必要によ
り層中の磁性体を配向させる処理を施すことができる。
その配向処理は、支持体の走行する方向に対して、直角
にあるいは走行方向に角度をつけた状態で約500〜3
000Oe程度の交流または直流の磁場条件下で行うこと
ができる。
【0020】電子線の加速電圧は、透過力、硬化力の面
から100〜1000kV、好ましくは150〜300kV
であり、吸収線量としては、0.5〜20Mrad、好まし
くは1〜10Mradである。加速電圧が100kV以下で
は、エネルギーの透過量が不足し、1000kVを越える
とエネルギー効率が低下して経済的ではない。吸収線量
としては、0.5Mrad以下では、硬化反応が不十分にな
り強靱な磁性層が得られない。20Mrad以上では、エネ
ルギー効率が低下するばかりか、被照射体の発熱による
フィルムの変形、樹脂の分解、紙支持体の劣化が著しく
なり好ましくない。
【0021】電子線照射による硬化は、ラジカル反応で
あり、雰囲気中の酸素濃度に依存するので、窒素、ヘリ
ウム、二酸化炭素などの不活性ガスによる置換を行な
い、酸素濃度600ppm以下、好ましくは400ppm以下
に抑制した雰囲気中で照射することが好ましい。電子線
加速器としては、例えば、エレクトロカーテンシステ
ム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイ
プ等の何れでも良い。
【0022】紫外線照射装置としては、例えば、低圧水
銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ
等があり、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもあ
る。一般に出力30w/cm以上のランプを複数本並行して
使用する。
【0023】本発明において、紫外線照射により樹脂の
硬化を行う場合には、光反応開始剤を混合して用いる。
光反応開始剤としては、ジおよびトリクロロアセトフェ
ノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒ
ラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキ
ルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチル
チウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化
合物、各種銀塩等があり、光反応開始剤の使用量は、紫
外線硬化性樹脂に対して、通常0.1〜10%の範囲で
ある。また、光開始剤にハイドロキノンのような貯蔵安
定剤が併用される場合もある。
【0024】本発明により作成した磁気記録媒体は、そ
の表面あるいは裏面上に中間層、印刷層、隠ぺい層、研
磨層、オーバーコート層、印刷余白、感熱記録層、イン
クジェット記録層、インク受理層、光書き込み層、繰り
返し書き込み層、パンチ穴余白、感光層などを組み合わ
せて設けることができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、更
に詳細に説明するが、本発明の内容は、実施例に限られ
るものではない。尚、例中の「部」とはすべて「重量
部」を示す。
【0026】実施例1 支持体として、表面をクレーコートした坪量170g/m2
の片艶紙を用い、カルボキシル基含有樹脂組成物を以下
の組成比でグラビアコーターを用いて塗布した。 1)カルボキシル基含有樹脂組成物 カルボキシル基含有樹脂:ポリアクリル酸ダイマー (東亜合成化学工業(株) 製品、商品名アロニックスM−5600) 68部 バインダー:イソシアヌル酸ジアクリレート(東亜合成化学工業(株)製品、商 品名アロニックスM−215) 30部 光反応開始剤:ベンジルジメチルケタール(チバガイギー(株)社製品、製品名 イルガキュア651)。 2部 このようにして得られたカルボキシル基含有樹脂組成物
を支持体に塗布し、これを紫外線照射装置(80W/cm、ウ
シオ電気(株)製、ラッピドキュア2000)内に導
き、紫外線照射して磁気記録媒体用支持体を得た。
【0027】作成した磁気記録媒体用支持体に、以下の
組成の磁性材料を塗布した。 2)磁性材料 バリウムフェライト(戸田工業製) 100部 スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス(旭ダウ製;ダウ620) 33部 シランカップリング剤(日本ユニカ製A-1100) 1部 カーボンブラック 5部 上記の配合からなる磁性材料混合物を、自動乳鉢で2
4時間、混練して得られた磁性体組成物を、固形分塗布
量が30g/m2となるように上記磁気記録媒体用支持
体にマイクログラビアコーターにより塗布し、コバルト
磁石で配向させた後、熱乾燥、スーパーカレンダー処理
して磁気記録媒体を得た。
【0028】実施例2 上記実施例1で用いたカルボキシル基含有樹脂組成物の
配合を、以下の配合に変更し、硬化処理を窒素置換を行
った電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製、キュア
トロン)により、200KV、3Mradの吸収線量で
行う以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を得た。 1)カルボキシル基含有樹脂組成物 カルボキシル基含有樹脂:ポリアクリル酸ダイマー (東亜合成化学工業(株) 製品、商品名アロニックスM−5600) 70部 バインダー:イソシアヌル酸ジアクリレート(東亜合成化学工業(株)製品、商 品名アロニックスM−215) 30部
【0029】実施例3 上記実施例1で用いたカルボキシル基含有樹脂組成物の
配合を、以下の配合に変更し、硬化処理を60℃熱オー
ブンによる熱硬化により行う以外は実施例1と同様にし
て磁気記録媒体を得た。 1)カルボキシル基含有樹脂組成物 カルボキシル基含有樹脂:スチレン/ポリアクリル酸共重合体エマルジョン 70部(固形分) バインダー:ウレタンアクリルエマルジョン 30部(固形分)
【0030】実施例4 支持体を片艶紙からコロナ処理を行った白色PET(1
80μm)に変更する以外は実施例2と同様な方法で磁
気記録媒体を得た。
【0031】実施例5 支持体として、表面をクレーコートした坪量170g/m2
の片艶紙を用い、その表裏面に水溶性高分子中間層とし
て、エアーナイフコーターを用い、ホルムアルデヒドを
硬膜剤に混合した5%のゼラチン溶液を表裏それぞれ乾
燥重量2g/m2になるように塗布し、冷風でセット後乾燥
した。表面側の中間層上に、実施例2と同様な方法でカ
ルボキシル基含有樹脂組成物層および磁性層を設けて磁
気記録媒体を得た。
【0032】比較例1 カルボキシル基含有樹脂によるアンカー層を設けなかっ
た以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0033】比較例2 カルボキシル基含有樹脂によるアンカー層を設けなかっ
た以外は実施例2と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0034】比較例3 カルボキシル基含有樹脂によるアンカー層を設けなかっ
た以外は実施例3と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0035】比較例4 カルボキシル基含有樹脂によるアンカー層を設けなかっ
た以外は実施例4と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0036】比較例5 カルボキシル基含有樹脂によるアンカー層を設けなかっ
た以外は実施例5と同様にして磁気記録媒体を得た。
【0037】試験1(アルカリ剥離性) 実施例および比較例の磁気記録媒体を縦5.7cm、横
3cm四方に切断し、70℃、1規定の水酸化ナトリウ
ム溶液中に浸漬、攪拌して、磁性層の剥離する時間で判
定した。3分以内に磁性層が剥離する場合を○印で、3
分よりも長時間かかる場合を×印で表わした。
【0038】試験2(支持体回収性) 試験1において磁性層が剥離した段階で残存支持体を回
収し、乾燥後に重量測定を行い、元の支持体の重量と比
較して百分率で表わした。
【0039】試験3(磁気特性) 実施例および比較例により得られたサンプルを5mm四
方に切断し、振動型磁力計を用いて最大磁化(Mm)お
よび残留磁化(Mr)を測定し、次の数1によりサンプ
ルの角形比(Rs)を求めた。角形比は1に近いほど理
想的な磁気記録媒体である。
【0040】
【数1】Rs = Mr/Mm
【0041】試験4(繰り返し特性) 実施例および比較例により得られたサンプルを、市販の
リーダー/ライターの装置に100回通過させ、振動型
磁力計を用いて最大磁化(Mm)の1回目の値と100
回目の値の比(百分率)により繰り返し特性の評価とし
た。
【0042】試験5(耐水性) 実施例および比較例により得られたサンプルの磁性面に
水を数滴滴下し、綿棒で10回こすって綿棒の汚れによ
り評価した。ほとんど肉眼で綿棒の汚れが見えないもの
を耐水性良好として○印で、明らかに綿棒に汚れが付着
するものを耐水性不良として×印で示した。
【0043】以上の試験の結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】評価・・表1から明かなように、本発明に
よる磁気記録媒体は、良好な磁気記録特性を有するばか
りでなく、回収時のアルカリ浴において良好な磁性層剥
離を起こし、高い支持体の回収性を示す。剥離した磁性
層は、比重が高いため静置すれば沈降し、または磁石に
より厚めることが可能で、支持体のみの回収が容易であ
る。これに対して、同様な実験においてカルボキシル基
を含有する樹脂層を設けなかった比較例のサンプルは、
アルカリ剥離性が悪く、また磁性層が剥離した段階でか
なりの部分の支持体が失われている。
【0046】
【発明の効果】本発明の方法によるリサイクル型磁気記
録媒体は、使用時においては、磁性層と支持体との密着
性、接着性が高く、磁性記録特性、繰り返し使用性が良
好であり、かつ使用済みの磁性記録媒体をリサイクルす
る場合においては、磁性層が容易に支持体から分離で
き、支持体のみの回収、再利用が容易であり、環境保
護、資源節約の面から、あるいは廃品の量を低減させる
意味からも、工業的価値の大なるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも1面にカルボキシル
    基含有樹脂組成物によるアンカー層を有し、その上に磁
    性体とバインダーからなる磁性層を有することを特徴と
    するリサイクル型磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 該支持体とカルボキシル基含有樹脂組成
    物によるアンカー層の中間に水溶性樹脂を主成分とする
    中間層を設けた請求項1記載のリサイクル型磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 支持体の少なくとも1面にカルボキシル
    基含有樹脂組成物によるアンカー層と磁性体とバインダ
    ーからなる磁性層を順次設けることを特徴とするリサイ
    クル型磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 該カルボキシル基含有樹脂組成物による
    アンカー層が加熱により硬化することを特徴とする請求
    項3記載のリサイクル型磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 該カルボキシル基含有樹脂組成物による
    アンカー層が放射線照射により硬化することを特徴とす
    る請求項3記載のリサイクル型磁気記録媒体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022224839A1 (ja) * 2021-04-23 2022-10-27 富士フイルム株式会社 活性エネルギー線硬化型下塗り組成物、インクセット、及び画像記録方法

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