JPH0564458U - エアクリーナの吸気ダクト取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸気脈動による吸気ダクトの振動が車室内に
伝達されるのを低減し、車室内を静謐に保ち得るエアク
リーナ用吸気ダクトの取付構造を提供する。 【構成】 パワープラント４にエアクリーナ２が取り付
けられ、このエアクリーナ２に吸気ダクト１の一端１ａ
が接続される一方、この吸気ダクト１の他端１ｂは車体
１０の前部１０ａ側に延出し、この他端１ｂの開口部１
ｃ近傍が車体１０の前部１０ａにフローティング支持さ
れてなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用エアクリーナの吸気ダクト取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のエンジンルームに搭載されたエンジンのエアクリーナに取り付けられ る吸気ダクトの取付構造の一例として、外気を導入する開口部側をラジエータコ アサポートに支持するものが知られている（実開昭６２−１３０９２９号公報） 。

【０００３】 このものは、エンジンの上部にエアクリーナを固定したもので、このエアクリ ーナに吸気ダクトの一端が接続されている。一方、この吸気ダクトの他端は車体 の前部側に延出させており、この他端の開口部近傍を車体に固設されたラジエー タコアサポートに対し固定している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来の吸気ダクトは上記のような取付構造であるため、外気を吸入 するときの吸気脈動により吸気ダクトが振動し、この振動がラジエータコアサポ ートを介して車体に伝えられることになる。このとき発生した騒音が車室内に伝 えられて、乗員に不快感を与えるという問題があった。

【０００５】 本考案は、上記問題点を解決することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するため、パワープラントにエアクリーナが取り付 けられ、このエアクリーナに吸気ダクトの一端が接続される一方、この吸気ダク トの他端は車体の前部側に延出し、この他端の開口部近傍が車体の前部にフロー ティング支持されてなることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

上記構成によれば、吸気脈動による吸気ダクトの振動は吸気ダクトの一端から エンジン側（パワープラント）に伝達されるとともに、吸気ダクトの他端からフ ローティング支持部に伝達される。

【０００８】 前記パワープラントはエンジンマウント装置を介して車体に取付けてあるため 、吸気ダクトの振動はエンジンマウント装置により減衰せしめられ、車体ひいて は車室内に伝えられる吸気脈動に起因する振動を減少させることができる。又前 記フローティング支持部によって前記振動は減衰せしめられるので、車体前部ひ いては車室内に伝えられる前記振動を減少させることができる。このため、車室 内における騒音の発生が低減し乗員に不快感を与える問題が軽減される。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について、図を参照しながら説明する。

【００１０】 図１は、エアクリーナの吸気ダクト取付構造に係るエンジンルームの平面図で ある。

【００１１】 このエアクリーナの吸気ダクト取付構造は、エンジンルーム３のパワープラン ト４に取り付けられたエアクリーナ２に吸気ダクト１の一端１ａを接続し、ラジ エータサポートアッパ１３に他端１ｂをフローティング支持する構成となってい る。

【００１２】 前記パワープラント４を構成するエンジン５とトランスミッション６とは、エ ンジンマウント装置（図示省略）を介してエンジンルーム３内に搭載されている 。エンジン５には、分岐管７を介してサージタンク８が接続され、このサージタ ンク８の一端部にエアクリーナ２が連設されている。このエアクリーナ２には、 インレット２ａを介して吸気ダクト１の一端１ａが接続されている。

【００１３】 この吸気ダクト１は、曲り管部分が支持ステー９によりエンジン５の側壁に固 定されるようになっており、他端１ｂは車体１０の前部側に延出させている。こ の車体１０の前部１０ａには、ラジエータ１１が配設されており、このラジエー タ１１に近接してシュラウドパネル１２が立設されている。このシュラウドパネ ル１２の上部は、図２に示すように、ラジエータサポートアッパ１３となってお り、このラジエータサポートアッパ１３の近傍に開設された開口部分にヘッドラ ンプ１４が取り付けられている。そして、このヘッドランプ１４とラジエータサ ポートアッパ１３とに、前記吸気ダクト１の他端１ｂがフローティング支持され るようになっている。。

【００１４】 このフローティング支持構造は、吸気ダクト１の空気導入口である開口部１ｃ の近傍を弾性線材１５と緩衝部材１６とで支持するもので、弾性線材１５が掛止 突起１７と掛止突部１８とに掛止され、緩衝部材１６が係止片１９に係止される 構成となっている。

【００１５】 前記弾性線材１５としては鋼線が用いられ、この鋼線を図２に示すように折り 曲げて大小の掛止部１５ａ，１５ｂを形成している。前記掛止突起１７は軸部１ ７ａと頭部１７ｂとからなり、軸部１７ａがラジエータサポートアッパ１３の上 面１３ａに突設されている（図６参照）。前記掛止突部１８には、図３に示す如 く環状溝１８ａを形成しており、吸気ダクト１の他端１ｂの上部１ｄに突設され ている。

【００１６】 前記緩衝部材１６は、ゴム材からなるグロメットであって、図３に示すように 、外周部に環状溝１６ａを形成しており、支軸２０に挿通されるようになってい る。この支軸２０は円頭部２０ａと軸部２０ｂとからなり、この軸部２０ｂが吸 気ダクト１の他端１ｂの下部１ｅに固設されている。これにより、前記緩衝部材 １６は、円頭部２０ａに挿通孔１６ｂを挿通させて軸部２０ｂに嵌着する。

【００１７】 前記係止片１９は、図４に示す如く先端部に挿入開口１９ａを設けるとともに 、緩衝部材１６の環状溝１６ａよりも若干小径の係止穴１９ｂを形成している。

【００１８】 そして、係止片１９は、後端部がヘッドランプ１４の後側面に固設されることに より（図２、図６、図７参照）、水平方向に延出し先端部が前記緩衝部材１６側 に向けられるようになっている。

【００１９】 次に、上記吸気ダクト１の他端１ｂをフローティング支持する場合について説 明する。

【００２０】 まず、吸気ダクト１の一端１ａをエアクリーナ２のインレット２ａに接続する 。つぎに、吸気ダクト１の他端１ｂを図２の矢印方向に移動させ、ヘッドランプ １４に設けた係止片１９の挿入開口１９ａから緩衝部材１６を押入して、係止穴 １９ｂに環状溝１６ａを嵌入する（図３、図４参照）。これにより、吸気ダクト １の他端１ｂの下部１ｅ側が、緩衝部材１６によってヘッドランプ１４に支持さ れる。同時に予め掛止突起１７に掛止された弾性線材１５の大径の掛止部１５ａ に掛止突部１８を掛止する。すると、吸気ダクト１の他端１ｂの上部１ｄ側が、 弾性線材１５によってラジエータサポートアッパ１３に支持される。

【００２１】 この後、吸気ダクト１の曲り管部分に突設された支持ステー９を、エンジン３ の側壁に設けられた支持片にボルトで螺着し、吸気ダクト１の一端１ａを支持す る。これにより、図６および図７に示すように、吸気ダクト１の開口部１ｃが、 ヘッドランプ１４の上部において車体１０の前方に向けられ、空気の導入が可能 となる。

【００２２】 このように、開口部１ｃがヘッドランプ１４の上方に配置されているので、こ のヘッドランプ１４が防水ガードとなり、車両の走行時にはね上げられる水が開 口部１ｃから吸気ダクト１内に浸入するのが防止される。また、弾性線材１５お よび緩衝部材１６を用いることにより、吸気ダクト１が図２に示す矢印方向のワ ンタッチ動作で取り付けられるので、組み付け作業が極めて簡単となる。

【００２３】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、吸気ダクトの一端をパワープラントに、他端を フローティング支持部を介して車体前部に夫々支持させているので、吸気脈動に よる吸気ダクトの振動が、車室内に伝達されるのを抑制でき、車室内の騒音を減 少させることができるので、乗員に不快感を与える問題が軽減される効果がある 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る吸気ダクト取付構造に係
るエンジンルームの平面図である。

【図２】吸気ダクト取付構造の要部を示す斜視図であ
る。

【図３】緩衝部材を一部断面で示す側面図である。

【図４】緩衝部材の掛止状態を示す平面図である。

【図５】弾性線材による吸気ダクトの取付状態を示す平
面図である。

【図６】吸気ダクトのフローティング支持状態を示す正
面図である。

【図７】吸気ダクトのフローティング支持状態を示す側
面図である。

【符号の説明】

１ 吸気ダクト １ａ 一端 １ｂ 他端 １ｃ 開口部 ２ エアクリーナ ４ パワープラント １０ 車体 １０ａ 前部 １５ 弾性線材 １６ 緩衝部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パワープラントにエアクリーナが取り付
   けられ、このエアクリーナに吸気ダクトの一端が接続さ
   れる一方、この吸気ダクトの他端は車体の前部側に延出
   し、この他端の開口部近傍が車体の前部にフローティン
   グ支持されてなることを特徴とするエアクリーナの吸気
   ダクト取付構造。