JPS6136738Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用フアンシユラウド、特に、単
なる空気整流作用を行うだけでなく、ラジエータ
周辺に配置すべき車両用付属品の取付基体にもな
る様改良した自動車用フアンシユラウドに関する
ものである。

車両には、エンジンを冷却するために、第１図
に示すように、エンジンルーム３の前端位置にお
いてラジエータ２を車体１に固定し、且つラジエ
ータフアン１０により吸引する外気の整流を行う
フアンシユラウド４が配設してあるが、かかるフ
アンシユラウド４の従来例としては、例えば第２
図に示すようなものがある（実開昭54−53138号
公報参照）。このフアンシユラウド４は、シユラ
ウド本体５にフランジ６を一体成形し、このフラ
ンジ６の周方向に所定の間隔をあけてネジ通し孔
７を開設して成る。そして、このフアンシユラウ
ド４をラジエータ２に後方から取付け固定すると
共にこのフアンシユラウド４内部にラジエータフ
アン１０が位置するようにし、このラジエータフ
アン１０の回転によつてラジエータ２のほぼ全域
にわたる範囲で外気を吸引することができるよう
にしている。なお、第１図中符号１１はエンジン
を示す。また第２図中符号８及び９はそれぞれラ
ジエータ２とエンジン１１との間で冷却水の循環
を行わせるアツパホース及びロアホースである。

しかしながら、この様な従来の自動車用フアン
シユラウド４にあつては、ラジエータ２を通過す
る空気の流れを当該ラジエータ２のほぼ全体に行
きわたらせる様に整流するだけの溝造になつてい
たため、比較的汎用性に乏しく、その機能を充分
に発輝していなかつた。特に、エンジンルーム３
内のラジエータ２周辺では、比較的狭いスペース
にフアンシユラウド４を配置するのみでなく、例
えば各種電気系統のハーネスを張りめぐらせた
り、或はリザーバタンクやウオツヤタンク等の車
両付属品を設置する必要があるが、従来において
は、これら車両付属品は上記ラジエータ２やフア
ンシユラウド４を避ける様にして車体１に取付け
ていた。このため、エンジンルーム３内が各種付
属品で煩雑となり組付作業性や点検、保守作業性
が悪くなるという不具合があた。

本考案は、このような従来の問題点に鑑みてな
されたもので、その目的は、フアンシユラウドの
外側部にウオツシヤタンク等、一又は複数の車両
付属品を一体的に設けることにより、エンジンル
ーム内の車両付属品のレイアウトを簡潔にすると
共に、エンジンルーム内における狭いスペースの
有効利用を図り、もつて組付作業性及び点検、保
守作業性の向上を達成することである。

本考案の一実施例を添付の図面に基づいて詳細
に説明する。

第３図乃至第５図は本考案の一実施例を示す図
である。この実施例に係る自動車用フアンシユラ
ウドは、シユラウド本体５と、所定の間隔をおい
て複数のネジ通し孔７を有するフランジ６と、シ
ユラウド本体５の外側面又はフランジ６の側面に
設けたリザーバータンク１２、ウオツシヤタンク
１４、及びハーネス１７とを合成樹脂材料で一体
成形して成る。リザーバタンク１２及びウオツシ
ヤタンク１４は、第４図及び第５図に示すよう
に、それぞれシユラウド本体５及びフランジ６の
側面を側壁として利用する。内部が中空になつた
容器体から成つているから、フアンシユラウド４
の成形に当つてはブロー成形等の製法を採用して
いる。リザーバタンク１２には連通口１３が設け
てあり、この連通口１３によつてリザーバタンク
１２はラジエータ２に継がつている。また、この
リザーバタンク１２の両端にはシユラウド本体５
の外端面から立設しフランジ６に接続した補強リ
ブ２１が設けてあり、リザーバタンク１２及びフ
アンシユラウド４の剛性を向上させている。一
方、ウオツシヤタンク１４には洗浄液の注入と取
出しを行うことができる注入口１５及び取出口１
６が設けてあり、その外側面上にはウオツシヤタ
ンク１４からの放水を行うウオツシヤモータ取付
用のブラケツト１９，２０が取付けてある。さら
にハーネス１７はシユラウド本体５の外側部周上
に沿つて延びており、シユラウド本体５の互いに
反対側の部分において当該ハーネス１７と一体成
形したコネクタ１８ａ，１８ｂに連結している。
なおこのハーネスを板材にすると、シユラウド本
体５の補強部材として活用することもできる。

したがつて、本考案の自動車用ラジエータシユ
ラウドを使つた車両においては、フアンシユラウ
ド４をラジエータ２に取付けると同時にリザーバ
タンク１２等の車両付属品も又設置してしまうこ
とになるから、従来のように、フアンシユラウド
４とは別体になつた複数の付属品を各付属品ごと
に所定の場所に配置しなければならないという手
数を省くことができる。また、このような各付属
品ごとの取付けによつて、エンジンルーム内の部
品配列が複雑になることを防止しスペースの有効
利用を図ることができる。さらに、フアンシユラ
ウド４をリザーバタンク１２等の車両付属品の取
付基体として活用しているから、当該フアンシユ
ラウド４の機能を従来と比べてはるかに増大させ
る一方、フアンシユラウド４にとつても、リザー
バタンク１２やウオツシヤタンク１４の如き閉断
面を有する容器体を一体化していることにより、
強度が増すという利点を得ることができる。更に
ウオツシヤタンクを一体にしたため、ラジエータ
系の重量が増し、カーシエイクによるステアリン
グ振動に対してマスダンバとしての効果も生ず
る。

なお上の実施例においては車両用付属品とし
て、リザーバタンク１２、ウオツシヤタンク１
４、及びハーネス１７を例に挙げ、これらの付属
品をフアンシユラウド４に一体的に取付けている
が、必ずしもこれだけの付属品に限定されるもの
ではない。例えばバツテリーから車両各部へ配線
する電気コード或はハーネスのターミナルとなる
コネクタ端子を取付けるホルダーやその他の部品
取付用のブラケツトをフアンシユラウドに一体的
に設けることにより、各部品を整然と配置すると
共に、互いに関連し合う部品を最も効果的につな
ぐこともできる。また上記リザーバタンク１２等
の全てをフアンシユラウド４に設たけなければな
らないものでなく、いずれか一つ又は複数の車両
用付属品を設けてもよい。

以上説明したように、本考案によれば、シユラ
ウドの外側部にウオツシヤタンクをはじめとする
各種車両部品を一体的に設けることによりフアン
シユラウドの機能を増大させ、またエンジンルー
ム内の車両付属品のレイアウトを簡潔且つ機能的
にしたため、エンジンルーム内の狭いスペースを
有効に利用でき且つ、組付作業性等の効率をより
一層向上させることができるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフアンシユラウドを備えた車両
のエンジンルーム内を示す斜視図、第２図は従来
のフアンシユラウドとラジエータとの取付関係を
示す斜視図、第３図は本考案の一実施例に係るフ
アンシユラウドの構造を示す斜視図、第４図は上
記本考案の実施例を組込んだリザーバタンク及び
ハーネスの構造を示す第３図中−線における
断面図、第５図は本考案の実施例に組込んだウオ
ツシヤタンク及びハーネスの構造を示す第３図中
−線における断面図である。 １……車体、２………ラジエータ、３……エン
ジンルーム、４……フアンシユラウド、５……シ
ユラウド本体、６……フランジ、１２……リザー
バタンク（車両付属品）、１４……ウオツシヤタ
ンク（車両付属品）、１７……ハーネス（車両付
属品）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シユラウド本体及びこのシユラウド本体と一体
   成形したフランジとを有して成るフアンシユラウ
   ドにおいて、シユラウド本体又はフランジの外側
   部に、リザーバタンク、ウオツシヤタンク、或は
   ハーネス等の車両付属品のうち少なくともいずれ
   か一つを一体的に設けたことを特徴とする自動車
   用フアンシユラウド。