JPH0564225U - 空洞自立大型ブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、色々な条件で変化するブロックの
型状、寸法の製品を安価に提供し様とすると共に、構築
壁面の環境化粧面の模様の多様化にも対応する事を目的
にしている。 【構成】 ブロックの控尻壁部を設計条件の型状、寸法
で事前に分割製造し、正面と背面、平面と底面が周長合
端として接合する輪郭型状寸法を有して施工時に自立出
来る２重壁の基本ブロックに控尻壁部を転回合着合体し
一体化とし、施工壁面の模様も多様化して構築出来る構
成の空洞自立大型ブロックである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、土留擁壁構築の比較的大型（１平方メートル当り２個以下、１個質 量２００ｋｇ以上）のコンクリート積みブロックに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の土留擁壁を構築する大型積みブロックには、空洞コンクリートブロック （ＪＩＳ−Ａ−５４０６）を基本として大型化した製品とコンクリート積みブロ ック（ＪＩＳ−Ａ−５３２３）の１８種類の控型状を大型化した製品があった。

【０００３】 しかし、これらの製品には次の様な課題（問題点や欠点）があった。 壁高の変化、平面的土地条件による壁面勾配変化、現地地盤と背面盛土の違 い、天端荷重条件、又これらの組合せ条件で製品控長と型状が一定では無かった 、その為に型枠の種類を多く必要としていた。 施工表面輪郭寸法、５００×１０００ｍｍあるいは、１０００×１０００ｍ ｍの同一型状寸法に模様又は石張りする為に模様の大きさがどうしても輪郭で決 まり、模様の大きさと凹凸が単純化し、特に遠くより見ると平面的に見えアクセ ントと変化に乏しかった。 擁壁表面を複合的環境製品として擬石、擬木、動植物、石張り等の模様製品 の他に壁面植生草花又は、苔を棲息させる為の製品は水の供給がなかなか困難で あった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案出願人は、これらの製品の設計、製造、施工に従事しながら製 品の解決課題を次の様にしたものである。 必要に応じ控の構造長さが容易に変化させる事が出来る事。 型枠の種類を少なく多様の環境模様と自然石埋設（鉄平石で表面構成）も可 能である事。 製品の製造ばかりで無く、取扱、施工も安全で容易である事。 施工後の擁壁構成の壁面模様が遠くから見ても変化とアクセントも設けられ るものである事。 複合的環境製品としての植生、苔生息製品も出来て水の供給の心配も無いも のである事。

【０００５】

【考案が解決しようとする手段】 本考案製品の表面輪郭部の大きさは、高さＨ＝５００ｍｍ×製品巾Ｗ＝１０ ００ｍｍとＨ＝１０００ｍｍ×Ｗ＝１０００ｍｍの基本の組合せとする。 控尻は基本ブロックと分割製造とする。 製品を自立させる為に基本ブロックの前面合端と控尻合端とほぼ同一輪郭（ 実際は３〜５ｍｍの施工クリアンスだけ控尻合端輪郭を小さく）輪郭で設ける。 面部の合端の型枠は合端厚さの２〜３倍とし、模様の凹凸の変化（自然石埋 設製品の製造も考慮）に対応出来る様にする。 以上の点を解決手段として、本考案製品を次の様に実施したものである。

【０００６】

【実施例】

これを実施例の概要図（平面図、正面図、側面図）と他の各図を参照しながら 説明する。 ブロックの正面図と背面図、平面図と底面図が２重合端として４面周長が隣接 ブロックと接合する輪郭型状の基本ブロックＡ．とこれを構成する前面合端の型 枠構造は、ブロックの表面模様の変化又は、自然石埋設ブロックの製造も可能と する為に

【図２】の合端部の型枠構造概要図に示す如く前面壁合端１．の厚さ（ 通常６０〜８０ｍｍ）の２〜３倍の型枠高さＨ．とし、低版枠８．と模様版１０ ．との間にアジャスト空間を設け、その高さをアジャスト版９．で調整し色々な 凹凸変化の模様製品が出来る様にする。

【０００７】 又、表面凹凸の激しい自然石張りブロックＡ．とする時は模様版１０．を取り 外しアジャスト空間にコンクリート不硬化物（着色を含めた砕石ダストか木材鋸 屑あるいは細軽石等）を敷き表面に露出させ様とする自然石をめりこませ配列し 、目地部を硬練りコンクリートモルタルで固定してコンクリートを打設し、凹凸 の激しい自然石張りブロックＡ．とする。

【０００８】 この基本ブロックＡ．は、全面壁合端１．と控尻合端２．を複数（最低２本） の繋ぎ壁３．３．で平面と側面より見た時、円又は、楕円状の空洞部４．が構成 さる様な上下左右に開孔の繋ぎ壁３．３．とする。

【０００９】 これと、基本ブロックＡ．の製造時、使用目的に応じて事前にジョイント鉄筋 （鋼材でも良い）７．を有して製造せし控ブロックＢ．（圧縮強度１８０〜２０ ０ｋｇ／ｃｍ²）を基本ブロックＡ．の控尻合端２．の型枠に２０〜３０ｍｍを めり込ませセッテングし、段重ね状態にしてコンクリートを打設し一体化する。

【００１０】 この基本ブロックＡ．に合着合体する控尻ブロックＢ．は、使用現場により、 土圧応力が大きい場合又は、壁高が高い場合は必要に応じ壁長ｈ．を長く、裏コ ンクリートとの合着を容易にする為に壁貫通孔５．を設ける等の配慮構造とする 。

【００１１】 又、施工現場が軟弱地盤等で壁体背面の完全排水を求められる時は、繋ぎ壁３ ．３．の延長上に成る様に背面壁２−１を有して２本足の繋ぎ壁３−１．３−１ の型状の控尻ブロックＢ．として基本ブロックＡ．に合体一体化

【図３】する。 この様にした時、前面の空洞部４．と背面の２重空洞部６．を構成し、前面に は胴込みコンクリートを背面には玉砂利又は割栗石を詰め背面完全排水の控尻ブ ロックＢ．として使用する。

【００１２】 加えて、複合的環境用基本ブロックＡ．（擬石、擬木、自然石埋設ブロックに 胴込コンクリートの付着を良くする為の貫通孔１２．を有する植生ブロック又は 苔生息ブロックとした製品）に合着合体する控尻ブロックＢ．を

【図５】の施工 断面実施例に示す如くの皿型集水用控尻ブロックＢ−２．を設計法勾配に合わせ 合体してこのブロックを構成する。 以上の様に構成される本考案製品には次の様な作用、効果がある。

【００１３】

【考案の作用、効果】 施工現場等の条件で変化する控尻ブロックＢ．を事前に分割製造して基本ブ ロックＡ．の基本型枠で製造時合着合体するので高価な型枠の種類も少なく、製 造も容易で製品全体コストも大幅に低減出来、また合端の接合で自立段重ねが出 来る為に製造工場の二次ストックと運搬取扱も容易であるばかりか現場施工時も 従来の様な特殊技術者も不要で安全、迅速に作業が出来る。 本考案ブロックは、施工表面輪郭寸法を５００×１０００ｍｍ、と１０００ ×１０００ｍｍを基本の組合せとし、その前面壁合端１．の模様版１０．の交換 で壁面模様の変化に容易に対応出来る様にし、控尻ブロックＢ．を左右９０゜あ るいは、１８０゜反転して基本ブロックＡ．のコンクリート打設時に合着合体す る事により構築される擁壁ブロック全体の組立表面模様にアクセントを設けて多 様に（

【図６．７．８】の施工正面展開図）見せられる。 又、本考案は、擁壁表面を複合的環境製品として、表面化粧模様に加えて、 壁面植生の草花あるいは苔棲息させる製品として、その水の供給を容易にする為 に

【図５】に図示した如くの集水皿型控尻ブロックＢ−２．を設計法勾配に合わ せ合着合体構成する事で完全給水が出来るばかりか、背面盛土突出踵版としてそ の土留擁壁の安定をも確保出来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の概要を示す平面、正面、側面
図。

【図２】前面化粧模様部と合端部の型枠構造概要図。

【図３】控尻ブロックＢ．を空洞２重構成した実施例の
平面図。

【図４】控尻ブロックＢ．の他の実施例の概要斜視図。

【図５】控尻ブロックＢ．を集水皿型とした製品使用状
態の施工断面実施例。

【図６】１０００×１０００ｍｍの大型模様をアクセン
ト使用した施工正面展開図。

【図７】〜

【図８】転回（上下左右に転回）させてアクセントと多
様化模様とした実施例の施工正面展開図。

【符号の説明】

Ａ 基本ブロック Ｂ 控尻ブロック Ｂ−２ 皿型集水用控尻ブロック Ｃ サンドマット（透水マット） Ｈ 型枠の前面壁合端高さ ａ 表面凹凸模様（石埋設模様） ｈ 壁長 １ 前面壁合端 ２ 控尻合端 ２−１ 背面壁 ３ 繋ぎ壁 ３−１ 控尻ブロックの繋ぎ壁 ４ 空洞部 ５ 壁貫通孔 ６ ２重空洞部 ７ ジョイント鉄筋（鋼材） ８ 低版枠 ８−１ 妻枠（横枠） ９ アジャスト版 １０ 模様版 １１ 草花（苔） １２ 貫通孔 １３ 基礎栗石 １３−１ 裏込み材（栗石） １４ 基礎コンクリート １５ 天端コンクリート

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリートブロックの正面と背面、平
   面と底面が合端として接合する輪郭型状寸法を有する基
   本ブロックＡ．の製造時、使用目的に応じて事前に製造
   せし控尻ブロックＢ．を段重ねして合着合体し一体化し
   てなる環境用空洞自立大型ブロック。
2. 【請求項２】 化粧模様付き正方形の基本ブロックＡ．
   を上下左右４転して他の１／２ブロックと組合せ施工
   し、壁面模様構成を多様化してなる請求項１の空洞自立
   大型ブロック。
3. 【請求項３】 控尻ブロックＢ．の一部の型状を集水構
   造として背面盛土に大きく突出ならしめ、擁壁の安定版
   とすると共に擁壁前面植生部分又は、苔棲息部分に水を
   供給出来る様にしてなる請求項１の空洞自立大型ブロッ
   ク。