JP2003334807A - ブロック製造用型枠及び該型枠を用いた自然石化粧面を有するブロックの製造方法 - Google Patents

ブロック製造用型枠及び該型枠を用いた自然石化粧面を有するブロックの製造方法

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JP2003334807A
JP2003334807A JP2002145568A JP2002145568A JP2003334807A JP 2003334807 A JP2003334807 A JP 2003334807A JP 2002145568 A JP2002145568 A JP 2002145568A JP 2002145568 A JP2002145568 A JP 2002145568A JP 2003334807 A JP2003334807 A JP 2003334807A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異形な自然石を石積み模様のような化粧面と
して備えながらも均質なコンクリートブロック製品を効
率よく製造するためのブロック製造用型枠と、該型枠を
用いた自然石化粧面を有するブロック製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 自然石化粧面を有するブロック製造用型
枠は、底板11から周壁12a,12cが立設されて上面が開放
した下部型枠1と、周壁21a,21cのみからなる上部型枠
2とから構成し、これら下部型枠1と上部型枠2とを上
下方向に連結離脱可能に形成するとともに、下部型枠1
の周壁12a,12cを、完成した自然石化粧面を有するブロ
ック製品における自然石3の露出高さと概略等しい高さ
に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数個の自然石が
露出した化粧面を有するコンクリートブロックの製造に
好適なブロック製造用型枠と、該型枠を用いた自然石化
粧面を有するブロックの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自然景観への配慮から、自然石を埋め込
むことにより表面側に石積を模した化粧面を設けたコン
クリートブロックの製造方法は、従来から種々提案され
ている。例えば、特開平3−49903号では、型枠の
底板上に砂を敷設し、該砂層に自然石の一部が突出する
ように埋め込み配置した後、速硬性のモルタルを該自然
石間の砂層に流し込み、モルタルの硬化開始後にコンク
リートを打設して、脱型後に自然石間の砂を除去する化
粧仕上げブロックの製造方法が開示されている。
【0003】また、特開平6−47715号では、前記
製造方法における速硬性のモルタルを用いることなく、
砂を水で締め固めながら小石を敷設し、更に小石の上面
に砂を入れて再度水で締め固めた後にコンクリートを打
設するブロック製造法が開示されており、特開平6−1
98613号でも同様な工程によって化粧面の自然石の
露出高さを不均一とするコンクリート製化粧ブロックの
製造方法が開示されている。いずれも価格が高い速硬性
のモルタルを使用しないので、該速硬性モルタルの硬化
開始時間測定や流し込み量の監視が不要となる結果、製
造コストダウンが図られる利点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、自然石が脱
落しないよう十分に埋め込んだコンクリートブロックを
形成するためにはコンクリートブロックの肉厚(奥行)
を確保する必要があり、そのため、型枠の四周壁が高く
なってしまうので、自然石や砂を型枠内に投入したり配
置したりする作業が困難であった。とくに自然石の露出
高さを揃えつつコンクリートブロック本体部分の肉厚を
均一にするためには砂層が適切な厚みになるよう砂の投
入量を逐一調節する必要があるが、形状や大きさが不揃
いな自然石を用いるが故に、各型枠毎に適切な砂の投入
量が相違する。しかるに、投入し過ぎた砂を排出する作
業も頻繁に必要となるところ、深い(高さのある)型枠
内底部において薄い層を成すように投入された砂を自然
石の隙間から掻き出して排出する作業は繁雑であった。
【0005】また、散水のみによる締め固め(水しめ)
では、砂層が均一になりにくく、自然石の隙間や型枠の
隅々にまで砂を充填するには相応の注意を払いながら散
水作業を行う必要があった。本発明は、こうした従来の
製造方法における欠点を解消し、異形な自然石を石積み
模様のような化粧面として備えながらも均質なコンクリ
ートブロック製品を効率よく製造するためのブロック製
造用型枠と、該型枠を用いた自然石化粧面を有するブロ
ック製造方法の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記所期の課題解決のた
め、本発明に係るブロック製造用型枠は、自然石化粧面
を有するブロック製造用の型枠として、底板から周壁が
立設されて上面が開放した下部型枠と、周壁のみからな
る上部型枠とから構成し、これら下部型枠と上部型枠と
を上下方向に連結離脱可能に形成した。
【0007】下部型枠における底板は、水抜用の小孔を
多数穿孔しておいてもよいし、周壁と接合する隅部に適
宜隙間を設けて水抜きを図ることとしてもよい。これら
小孔や水抜用の隙間は製造工程中において砂層により閉
塞されるので、打設したコンクリートまでもが小孔等か
ら型枠外に漏洩することはない。下部型枠における周壁
の高さは任意に設定することができるが、本発明に係る
型枠を用いて得られる自然石化粧面を有するブロックに
おける自然石の露出高さと概略等しい高さに設定するこ
とにより、完成したブロックの目地の位置を揃えること
ができる。一方、上部型枠は、前記下部型枠における周
壁の上縁部に連結されるものであり、その周壁の高さは
目的とするブロックの厚みに応じて設定される。
【0008】以上のように、本発明に係るブロック製造
用型枠では、型枠を上下に分割して連結分離可能に形成
したことで、型枠を用いて自然石化粧面を有するブロッ
クを製造する場合において、自然石を配置する際や砂層
を水で締め固めて均す際などには、高さの低い下部型枠
のみの状態にして作業を行うことができる。
【0009】より具体的な製造方法としては、型枠内に
おいて多数個の自然石をその上部が突出するよう砂層に
埋設し、該砂層を水で締め固めた後にコンクリートを打
設し、該コンクリートの硬化後に脱型する自然石化粧面
を有する従来のブロック製造方法において、前記本発明
に係るブロック製造用型枠を用いながら、下部型枠内に
自然石を配設して砂を投入する第1工程、砂の上から注
水した後に型枠ごと振動させつつ水で締め固める第2工
程、砂層高さを概略揃える第3工程、下部型枠に上部型
枠を載置して連結した両型枠内にコンクリートを打設す
る第4工程、及びコンクリート硬化後に両型枠から脱型
する第5工程の各工程を順次行うこととした。
【0010】ブロック製造工程における型枠内に自然石
を配設して砂を投入しながら位置決めしていく作業や水
で締め固めた後に余分な砂を排除する作業は、型枠の周
壁が高いと周壁が邪魔になって作業がしづらいのである
が、以上のように上部型枠と下部型枠を必要に応じて連
結したり離脱させたりすることで、全体的な作業効率が
高められ、型枠ごと振動させることとも相俟って、水に
よる締め固めを経て均一な砂層形成が可能となったので
ある。
【0011】また、請求項4に記載した発明では、前記
ブロックの製造方法における第3工程と第4工程との間
において、砂層上面に植物種子を散布する工程を加える
ことで、予め植物種子を目地表面部分に付着ないし埋設
したブロックを容易に得られるようになり、請求項5に
記載した発明では植物種子を散布する工程とともに、又
はこの工程に代えて、筒状物を砂層上面に伏せ又は砂層
内にほぼ埋設するよう配置する工程を加えることで、昆
虫や魚類の生態に配慮したブロックを容易に得られるよ
うになったのである。ここで、植物種子とは苔類を含む
広い概念であり、筒状物とは節底を備えた竹筒や底のあ
るつぼ等の有底の物のほか、砂層内に相当程度を埋設し
てしまう場合には底のない筒状の物をも含む概念であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳
細に説明する。図1は本発明に係るブロック製造用型枠
における下部型枠の一例を示した斜視図であり、図2は
同型枠における上部型枠の一例を示した斜視図である。
これら下部型枠1と上部型枠2とは、製造工程における
使用の便宜に応じて上下方向に積み重ねて連結したり、
分離したりできるよう形成されている。具体的には、本
例の下部型枠1と上部型枠2では、下部型枠1における
周壁12a, 12b, 12c, 12dの上端から水平方向外側に延設
された接合フランジ121a, 121b, 121c, 121dと、上部型
枠における周壁21a, 21b, 21c, 21dの下端から水平方向
外側に延設された接合フランジ211a, 211b, 211c, 211d
の数カ所をボルトとナットで締結することにより両型枠
の連結が図られる。そのため、下部型枠1における接合
フランジ121a, 121b, 121c, 121dの四隅付近には4カ所
のボルト挿通孔122が穿設され、上部型枠2における接
合フランジ211a, 211b, 211c, 211dの対応位置にもボル
ト挿通孔212が穿設されている。
【0013】図1に示された例の下部型枠1は、長方形
をした鋼板製の底板11上に、該底板11よりもやや小さい
長方形枠をなすように鋼鉄製の周壁12a, 12b, 12c, 12d
が立設されて、上面が開放した有底箱状をしている。長
辺方向において対向する周壁12a, 12cより長尺に形成さ
れた底板11上には、吊り下げ移動の便宜のため、鋼製の
棒を屈曲形成した把手13が溶着されている。底板11と周
壁12a, 12b, 12c, 12dとは、完全に接合することなく隙
間を残しておくことにより散水した余分な水を排水が図
られることになるし、場合によっては底板11に排水用の
小孔を多数穿設しておいてもよい。
【0014】下部型枠1における周壁12a, 12b, 12c, 1
2dの高さは、内部に投入配置された自然石の隙間に敷設
される砂層の高さ、すなわち、完成した自然石化粧面を
有するブロックにおける目地部分から自然石が突出する
高さに応じて設定される。接合フランジ121a, 121b, 12
1c, 121dの位置を完成ブロック製品における自然石の突
出高さに一致させる場合、周壁12a, 12b, 12c, 12dの高
さを高く設定すれば大きな自然石に対応して目地が奥ま
った彫りの深い自然石化粧面を有するブロックが得られ
るし、逆に周壁12a, 12b, 12c, 12dの高さを低く設定す
れば小さな自然石に対応して目地の浅い自然石化粧面を
有するブロックが得られることになる。また、接合フラ
ンジ121a, 121b, 121c, 121dの位置を完成ブロック製品
における自然石の突出高さよりもやや高くする場合に
は、周壁12a, 12b, 12c, 12d内側部分に砂層の仕上げ面
を示す目印を設けておくとよい。
【0015】上部型枠2は、下部型枠1と同じく鋼鉄製
であり、該下部型枠1における周壁12a, 12b, 12c, 12d
に対応する周壁21a, 21b, 21c, 21dのみからなる長方形
の枠状体に形成されている。完成後のブロックにおいて
は上下左右方向に隣接するブロック同士を連結するため
の凹凸嵌合を備えていることが望ましいから、本例の上
部型枠2においても、長辺側の1つの周壁21dにおいて
外側方向に凸となる2個の嵌合突部形成部22a, 22bが形
成される一方、当該周壁面21dに対向する周壁21bにおい
て内側方向に凸となる嵌合溝形成部23が形成されてい
る。また、残る2つの短辺側の周壁21a, 21cにおいて
も、前記嵌合溝形成部23と同じ形状をしたV溝形成部24
がそれぞれ形成されている。こうして完成したブロック
における短辺側の両側壁に刻設されるV溝は、隣接する
ブロック同士を連結するための接合部として機能するこ
とになる。なお、周壁21a, 21b, 21c, 21dの内側上方に
は打設するコンクリートの仕上げ面を位置決めする周り
縁28が配設されている。
【0016】前記嵌合突部形成部22a, 22bや嵌合溝形成
部23、V溝形成部24が設けられている結果、上部型枠2
からブロックを離型するためには型枠自体を分割可能に
形成しておく必要がある。本例の上部型枠2は、長辺と
短辺を各1つずつ組み合わせた2組のL字形材に分割で
きるよう、1つの対角位置においてボルト25により連結
されている。なお、2個の嵌合突部形成部22a, 22bの間
にて外方に突出している棒状体は完成したブロックにお
ける吊り下げ金具の先端部分27である。
【0017】次に、前記ブロック製造用型枠を用いた自
然石化粧面を有するブロックの製造方法について説明す
る。図3ないし図9はいずれも本発明に係るブロック製
造方法の製造工程を示す図であり、下部型枠1と上部型
枠2を各々A−A線相当位置からみた概略縦断面図であ
る。
【0018】まず、下部型枠1における接合フランジ12
1a, 121b, 121c, 121dの位置を完成ブロック製品におけ
る自然石の突出高さに一致させる場合には、図3に示す
ように、下部型枠1内に対して、玉石や割石などの自然
石3を多数個適当に配置して、各自然石3同士の間や自
然石3と周壁12a, 12b, 12c, 12dの隙間に充填するよう
に砂4を投入する(第1工程)。水しめによる砂の沈下
分を考慮して、投入する砂4は、下部型枠1上や自然石
3上に被るほど多めの量を投入するとよい。
【0019】次いで、図4に示すように、下部型枠1の
上に上部型枠2を載置して両型枠をボルト26で連結し、
上方から両型枠内に散水した後、連結した両型枠ごと水
平方向に振動させる(第2工程)。この工程において上
部型枠2を連結しておくのは、下部型枠1のみで水しめ
すると自然石が上部型枠2内よりはみ出す位置で固定さ
れてしまうことにより上部型枠2の連結ができなくなる
事態を防止するためである。したがって、鋼鉄製で重量
のある上部型枠2に代えて、上部型枠2の内側形状を備
えた木製や樹脂製の軽量な型枠をダミーとして用いるこ
とにしてもよい。正式又はダミーいずれの上部型枠2を
用いる場合であっても、下部型枠1との連結は振動によ
り脱落しない程度の、例えばボルトを挿し込む程度の連
結で十分である。散水は自然石が浸かるほど十分な量を
行うとよく、振動は、例えばテーブルバイブレータの上
に載置する等して行うとよい。十分な量の散水をして振
動させると、砂層4が液状化して自然石3等に砂が密着
する。
【0020】こうして水で砂を締め固めた後、図5に示
されるように、ボルト26を外して上部型枠2を下部型枠
1から離脱させ、露出した砂層4高さを下部型枠1にお
ける周壁12a, 12b, 12c, 12dの上縁、すなわち接合フラ
ンジ121a, 121b, 121c, 121dと同じレベルに概略揃える
(第3工程)。自然石3間に積層した砂層4の均し作業
の質が完成したブロックの目地部分の美観に大きく影響
するので、手作業による丹念な均し作業が好ましいが、
こうした砂層4の均し作業と併せて、後に打設されるコ
ンクリートと自然石3との密着性を高めるべく、自然石
3の上面に付着している砂や汚れを取り除く作業も行わ
れる。
【0021】次いで、図6に示されるように、下部型枠
1に上部型枠2を連結し、ボルト26を用いて両型枠を完
全に連結した後、コンクリート5を打設する(第4工
程)。打設したコンクリートの仕上げ面は上部型枠2に
おける周り縁28が目印となり、例えば板材等の長尺なコ
テを周り縁28の対向する2辺上に跨ぐように置いてスラ
イドさせることで上面を仕上げることができる。コンク
リートの打設仕上げが終了後、型枠ごとテント内等に静
置して養生し、コンクリートが硬化したらブロックを型
枠から脱型する(第5工程)。両型枠1,2からの脱型
により、自然石3の隙間に充填していた砂層4が脱落す
るので、図10に示すような、表面に石積み模様のよう
に自然石が配列された化粧面を有するブロックBが得ら
れる。完成したブロックBにおける目地部分には、コン
クリート5の表面に砂4が残存付着しているが、むしろ
こうした砂4を水等で洗い流すことなく付着した状態の
まま残すことで、自然な植生が早期に得られ易くなる。
【0022】図7及び図8は、接合フランジの位置を完
成ブロック製品における自然石の突出高さよりもやや高
く設定した下部型枠を用いた場合の第2工程および第3
工程を示した概略縦断面図である。前述のように、接合
フランジ121a, 121b, 121c,121dの位置を完成ブロック
製品における自然石の突出高さに揃えた場合には、水し
めにより位置固定された自然石3が上部型枠2内に納ま
るように、正式な又はダミーの上部型枠2を連結した状
態で散水し振動を加えるのであるが、そのために上部型
枠2の連結離脱作業が必要となる。したがって、図7に
示されるように、自然石3と該自然石3上から投入した
砂4がほぼ納まる程度の高さに周壁12a,12b, 12c, 12d
を設定しておけば、下部型枠1のみで第2、第3工程を
行うことができ、コンクリートを打設する第4工程にな
ってはじめて上部型枠2を連結使用することで、作業効
率を一層高めることが可能となる。この場合、周壁12a,
12b, 12c, 12d内側部分に砂層の仕上げ面を示す周り縁
14を設けておけば、図8に示されるように、砂層高さを
揃える際の目印となる。このように砂層内に位置してコ
ンクリート打設部分に位置しない周り縁14であれば、完
成品たるブロック製品の品質・形状等に悪影響を及ぼす
ことがない。
【0023】より一層早い植生を実現し、構築した人工
構造物が早期に自然景観になじむようにするためには、
予め植物の種子等をブロック表面に付着させておくこと
が効果的である。具体的には、前記ブロックの製造方法
における第3工程と第4工程との間、すなわち、図5又
は図8に示したコンクリート打設準備が整った状態にお
いて、砂層4の上面に植物種子を散布する。植物種子散
布後にコンクリートを打設し、養生硬化後に脱型する
と、ブロックの目地部分において砂とともに植物種子が
付着した状態となる。散布状態によっては種子の多くが
砂とともに脱落してしまったり、あるいはコンクリート
内に埋没してしまうことも当然あり得るが、それでもな
お目地部分に砂とともに付着した植物種子から植生が図
られることになる。植物種子の定着率を向上させるに
は、植物種子を予めネット等の袋内に封入したものを用
い、砂層4の上面からやや埋設するように散布して、打
設したコンクリートで袋を固定させるようにするとよ
い。完成したブロック製品の施工時に、ブロック同士の
連結部分にも同様な植生を施すことで、早期緑化が図ら
れる。
【0024】また、本発明に係る方法で製造されるブロ
ックでは、植生だけではなく、昆虫や魚類等の生態系保
全に配慮したものとすることもできる。すなわち、図5
又は図8に示したコンクリート打設準備が整った状態に
おいて、植物種子の散布に代えて、あるいは植物種子の
散布とともに、筒状物を砂層4上面に伏せ又は砂層4内
にほぼ埋設するよう配置する。図9は、有底筒状物とし
て竹筒6やつぼ7を自然石3の間に複数配置した状態を
示すものであり、自然石3同士の隙間やバランスを考慮
しつつ、大小異なる径をしたり広い後室を備えた竹筒6
やつぼ7をそれらの開口部が砂層4の上面に位置するよ
う伏せて置いた状態を示している。つぼ7については材
質を問わず、素焼き、陶磁器、ガラス製、木製、紙製な
どいかなる素材のものも使用しうる。これらを砂層4の
上面に接する状態で置いてもよいし、あるいは砂層4の
中に途中まで埋設しておいてもよい。完成したブロック
において、ブロックの設置作業等の際に竹筒6等が脱落
しないように、その後部(図9においては上部)がコン
クリート内に埋設されていればよいのである。また、筒
状物として節底のない竹筒や底が割れた陶器等を用いる
場合には、上端が少し砂層4の上面から露出する程度に
突出させつつ内部空洞に砂4を充填しておけば、打設し
たコンクリートにより底蓋がなされるから、有底の物と
同様に用いることができる。
【0025】竹筒6等の筒状物については、空洞のまま
での利用も可能であるが、完成施工後に土を充填して低
灌木等の植生に利用することもできる。また、自然石と
して玉石を用いる場合には外部から強い衝撃を加えると
個別に脱落させることもできるから、施工後にブロック
製品の自然石を敢えて脱落させるなどして、水没箇所と
なるかどうかといった基準にて自然石が脱落した空間部
分に土を充填して植生したり、空間のままで魚の住みか
としたり、様々な生態系保全に配慮することも可能であ
る。
【0026】なお、下部型枠1や上部型枠2の形状は本
例のような方形状に限定されるものではなく、様々な形
状を採用しうるし、完成したブロックの用途も、河川や
海岸の護岸用をはじめ、道路の法尻、住宅の塀や花壇、
中央分離帯など様々な用途に利用することができる。と
くに、ダム工事やトンネル工事などの大規模な土木工事
現場においては、自然石が大量に出るから、こうした自
然石を化粧面に利用しながら土木工事現場近くで製造す
ることで、自然石の運搬コストが省かれ、資源の有効活
用が図られる。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る自然石化粧面を有するブロ
ック製造用型枠を用いれば、自然石の配置作業や砂層の
調節等を行う際には、薄い下部型枠のみで作業を行うこ
とができるので、深い一体型の型枠で作業を行う場合に
比して作業が容易であり、作業効率の向上や作業の質の
向上が図られる。とくに下部型枠の高さをブロックにお
ける自然石の露出高さと概略等しい高さに設定した場合
には、コンクリート打設前の砂層の仕上げ面を下部型枠
における接合フランジ部に揃えればよいので、均一な仕
上げ面を迅速かつ容易に得ることができ、完成品たるブ
ロックの品質向上を実現することができるほか、剥離剤
の塗布を必要とする部分を上部型枠の範囲内のみとし、
下部型枠には剥離剤の塗布を不要とすることができる利
点も得られる。
【0028】そして、前記本発明に係る型枠を用いたブ
ロックの製造方法では、十分な散水による砂層の液状化
を経て自然石同士の隙間や自然石と下部型枠との間等に
砂を密に充填して締め固めることができるので、コンク
リート打設の際にも配置した自然石がずれにくく、均質
なブロック製品が得られる。
【0029】さらには、製造工程中において、砂層上面
に植物種子を散布することのみによって植生効果の高い
ブロック製品を得たり、砂層上面に開口部が位置するよ
うに有底筒状物を伏せて配置したり、廃材などの底のな
い筒状物を砂層内にほぼ埋設するようにすることで、昆
虫や魚類等の生態系保全に配慮したブロック製品を得る
ことができる画期的な製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブロック製造用型枠における下部
型枠の一例を示した斜視図である。
【図2】同型枠における上部型枠の一例を示した斜視図
である。
【図3】本発明に係るブロック製造方法の第1工程を示
す概略縦断面図である。
【図4】同ブロック製造方法の第2工程を示す概略縦断
面図である。
【図5】同ブロック製造方法の第3工程を示す概略縦断
面図である。
【図6】同ブロック製造方法の第4工程を示す概略縦断
面図である。
【図7】接合フランジの位置を完成ブロック製品におけ
る自然石の突出高さよりもやや高く設定した下部型枠を
用いた場合の本発明に係るブロック製造方法における第
2工程を示す概略縦断面図である。
【図8】同第3工程を示す概略縦断面図である。
【図9】図5又は図8に示した第3工程後において、自
然石間に有底筒状物を伏せて配置した状態を示す概略縦
断面図である。
【図10】本発明に係るブロックの製造方法により完成
したブロック製品の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 下部型枠 2 上部型枠 3 自然石 4 砂、砂層 5 コンクリート 6 竹筒 7 つぼ 11 底板 12a,12b,12c,12d 周壁 21a,21b,21c,21d 周壁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底板から周壁が立設されて上面が開放し
    た下部型枠と、周壁のみからなる上部型枠とからなり、
    これら下部型枠と上部型枠とを上下方向に連結離脱可能
    に形成してなる自然石化粧面を有するブロック製造用型
    枠。
  2. 【請求項2】 下部型枠の周壁が、完成した自然石化粧
    面を有するブロックにおける自然石の露出高さと概略等
    しい高さである請求項1記載のブロック製造用型枠。
  3. 【請求項3】 型枠内において多数個の自然石をその上
    部が突出するよう砂層に埋設し、該砂層を水で締め固め
    た後にコンクリートを打設し、該コンクリートの硬化後
    に脱型する自然石化粧面を有するブロックの製造方法で
    あって、下部型枠内に自然石を配設して砂を投入する第
    1工程、砂の上から散水した後に型枠ごと振動させる第
    2工程、砂層高さを概略揃える第3工程、下部型枠に上
    部型枠を載置して連結した両型枠内にコンクリートを打
    設する第4工程、及びコンクリート硬化後に両型枠から
    脱型する第5工程の各工程を順次行うこととした請求項
    1又は2いずれか記載のブロック製造用型枠を用いた自
    然石化粧面を有するブロックの製造方法。
  4. 【請求項4】 第3工程と第4工程との間において、砂
    層上面に植物種子を散布することを特徴とする請求項3
    記載の自然石化粧面を有するブロックの製造方法。
  5. 【請求項5】 第3工程と第4工程との間において、筒
    状物を砂層上面に伏せ又は砂層内にほぼ埋設するよう配
    置することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の自
    然石化粧面を有するブロックの製造方法。
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