JP2650617B2 - 植栽用笠コンクリートの施工方法およびその笠コンクリートブロック - Google Patents

植栽用笠コンクリートの施工方法およびその笠コンクリートブロック

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JP2650617B2
JP2650617B2 JP9026794A JP9026794A JP2650617B2 JP 2650617 B2 JP2650617 B2 JP 2650617B2 JP 9026794 A JP9026794 A JP 9026794A JP 9026794 A JP9026794 A JP 9026794A JP 2650617 B2 JP2650617 B2 JP 2650617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は河川、海等の岸壁の鋼矢
板壁に設ける植栽用笠コンクリートの施工方法およびそ
の施工方法に使用する笠コンクリートブロックに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、河川、海等の護岸として鋼矢板が
互いにその爪部を係合して連続打設されてなる鋼矢板壁
が使用され、そしてこの鋼矢板壁の上部には腐蝕防止、
あるいは構造物としての美化などのため笠コンクリート
が設けられている。この笠コンクリートは鋼矢板壁の上
部に鉄筋を配筋するとともに、その外周に型枠を取付け
た後、型枠内にコンクリートを打設し、硬化後型枠をは
ずして設けられるものであった。
【0003】しかし上記笠コンクリートは、配筋あるい
は型枠の組立て、コンクリートの打設などを現場で施工
しなければならないため工期が長期化したり、型枠の支
保工材として川側などに仮設ブラケットを設ける必要が
あったり、また川側などの作業台としての足場が必要と
なるため仮設工事の費用や時間がかかるという問題があ
った。さらに川などの水位が上昇したような場合には現
場での施工が不可能となったり、また冬期の施工におい
ては施工性が劣ったり、コンクリートの品質,養生など
に難点があった。
【0004】そこでこのような型枠を用いる場合の問題
を解消するため、特開平1−262656号公報では、
鋼矢板壁の上端に、天端を一体に設けたコ字型の一側部
と他側部とに2分割された中空なプレキャスト製の笠コ
ンクリートブロックを型枠兼用として据付けた後、この
笠コンクリートブロック内に中詰コンクリートを打設し
て笠コンクリートを設ける鋼矢板壁の笠コンクリートブ
ロックの施工方法および笠コンクリートブロックが知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の笠コンクリ
ートブロックでは、プレキャスト製の笠コンクリートブ
ロック一側部および他側部を型枠兼用として据付けた
後、これら笠コンクリートブロック一側部および他側部
内に中詰コンクリートを打設して、鋼矢板壁の上部に笠
コンクリートを一体に設けることができるため、現場に
おいては型枠の組立て、配筋などの作業を省略でき、ま
た現場で仮設足場を組むこともないため現場作業を軽減
でき、従来の現場打ちコンクリートによる施工の問題を
解決することができる。
【0006】ところでこの種の笠コンクリートブロック
は、前記一側部を河川や海に面して設けられるものであ
るが、従来の笠コンクリートブロックではその全面がコ
ンクリートにより覆われているため、周囲の景観との調
和及び河川周辺の緑化などを図る面で十分に機能してい
るとは言えなかった。このため笠コンクリートブロック
を人工芝などで覆うことも考えられるが、自然の河川な
どでは、その岸辺に植物が生息することにより虫などが
集まるとともに、この虫を餌とした魚類の生息にも適し
たものとなり、河川等の自然保護にもつながるのに対し
て、従来の笠コンクリートブロックではその河川等の自
然保護の面が考慮されていなかった。
【0007】そこで本発明は、周囲の景観に調和し、緑
化を図ることができ、植物の成育に適した植栽用笠コン
クリートの施工方法およびその笠コンクリートブロック
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の植栽用笠コン
クリートの施工方法は、各鋼矢板が爪部を相互に係合し
て連続打設され、かつ上端の高さが揃えられてなる鋼矢
板壁の上端に、一側部と透水性コンクリートからなる他
側部に2分割された中空なプレキャスト製の笠コンクリ
ートブロックを型枠兼用として据付けた後、この笠コン
クリートブロックの内部に中詰コンクリートを打設する
とともに、前記笠コンクリートブロック上部の植栽用開
口部から前記中詰コンクリートの上に植栽用土を前記他
側部の内面に接するように充填し、その他側部の外面を
土中に埋めるものである。
【0009】請求項2の植栽用笠コンクリートの施工方
法は、各鋼矢板が爪部を相互に係合して連続打設され、
かつ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁の上端に、天
端を一体に設けたコ字型の一側部と浸水性コンクリート
からなる他側部とに2分割された中空なプレキャスト製
の笠コンクリートブロックを型枠兼用として据付けた
後、前記天端に形成されたコンクリート打設兼用の植栽
用開口部から中詰コンクリートを打設するとともに、こ
の中詰コンクリートの上に植栽用土を前記他側部の内面
に接するように充填し、その他側部の外面を土中に埋め
るものである。
【0010】請求項3の植栽用笠コンクリートブロック
は、各鋼矢板が爪部を相互に係合して連続打設され、か
つ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁の上端に、2分
割された中空なプレキャスト製の笠コンクリートブロッ
クを型枠兼用として据付け、この笠コンクリートブロッ
クの内部に中詰コンクリートを打設して笠コンクリート
を設ける植栽用笠コンクリートブロックであって、天端
の一側下方に一側壁を垂設するとともにこの一側壁の下
部に前記鋼矢板壁に対応して凹凸状の底壁を他側へ向け
て形成した笠コンクリートブロック一側部と、前記天端
に形成された中詰コンクリート打設兼用の植栽用開口部
と、前記天端の他側に上部が結合される透水性コンクリ
ートからなるコンクリートブロック他側部とを具備する
ものである。
【0011】
【作用】上記請求項1記載の構成では、雨などにより植
栽用土に余分な水が溜ると、透水性コンクリートからな
る他側部を通って土中に排水され、一方植栽用土が乾く
と土中の水が他側部を通って供給される。
【0012】上記請求項2記載の構成では、雨などによ
り植栽用土に余分な水が溜ると、透水性コンクリートか
らなる他側部を通って土中に排水され、一方植栽用土が
乾くと土中の水が他側部を通って供給される。また、笠
コンクリートブロックには、植栽用開口部の他に、別個
にコンクリート打設口を形成する必要が無く、中詰コン
クリート打設口を兼ねる植栽用開口部が笠コンクリート
ブロックの上部にあるため、中詰コンクリートの打設作
業が容易となる。
【0013】上記請求項3記載の構成では、他側部の外
面側と他側部の内面側である植栽開口部側との間で水の
行き来を行うことができる。
【0014】
【実施例】次に本発明の一実施例を添付図面を参照して
説明する。図1ないし図9で示すように鋼矢板壁1は例
えばU形鋼矢板2が爪部3を互いに係合して連続打設さ
れ、各鋼矢板2の上端高さは打設時に略同一になるよう
に揃えられている。またこの鋼矢板壁1の一側である川
A側には腹起し4が横設され、そしてこの腹起し4には
タイロッド5の一端が接続され、このタイロッド5の他
側が陸側の基礎に固定されて前記鋼矢板壁1を支持して
いる。前記鋼矢板壁1における上部および川A側を覆う
ように設けられるコ字型の笠コンクリートブロック一側
部6は、鉄筋コンクリートからなるプレキャスト製であ
って、鋼矢板壁1の上部に設けられる天端7の一側たる
川A側に一側壁8を下方に垂設し、さらにこの一側壁8
の下部には鋼矢板壁1側へ突設する底壁9が設けられ、
すなわちこの底壁9は他側である陸B側に向かって形成
されている。また前記天端7の略中央には中詰コンクリ
ート打設兼用の植栽用開口部10が複数形成され、この植
栽用開口部10は、鋼矢板壁1の長さ方向に長い平面略長
方形形状をなすと共に、上方に向かって拡大するテーパ
状をなし、また前記天端7の横方向両側には切欠き部11
が各々形成され、この切欠き部11の端壁には連結用鉄筋
12が突出しており、さらに前記天端7の他側すなわち陸
B側端壁の下部には凹部13が形成されるとともに、金属
製連結用部材たる連結用鉄筋14が先端を下向きにしてL
形に突設している。また、前記一側壁8の下部に設けら
れる前記底壁9は前記鋼矢板壁1の凹部1Aおよび凸部
1Bに対応して凸部9Aおよび凹部9Bが形成されてい
る。そしてこれら凸部9Aおよび凹部9Bの縁部にはス
ポンジ等のシ―ル材1Cを装着している。前記鋼矢板壁
1の他側、すなわち陸B側に設けられる笠コンクリート
ブロック他側部15は略平板状であって、透水性コンクリ
ートからなる鉄筋を埋設したプレキャスト製であり、そ
の透水性コンクリートは、例えば粒の揃った小砂利と粗
砂を用い、配合を調整してつくった多孔質のコンクリー
トが用いられ、所定の強度を有すると共に、土砂中で水
だけを通す性質を有し、前記笠コンクリートブロック他
側部15の厚さは、前記天端7の他側面と植栽用開口部10
内面との間の寸法より大きく形成されている。前記笠コ
ンクリートブロック他側部15の上部には前記凹部13と対
向して凹部16が形成されるとともに、この凹部16には金
属製連結用受部材たる連結用鉄筋17が突設され、さらに
この笠コンクリートブロック他側部15の両側下部には前
記タイロッド5が貫通するための切欠き部18が形成され
ている。また19は笠コンクリートブロック一側部および
他側部6,15内間に形成された空洞部であり、20,21は
笠コンクリートブロック一側部6,笠コンクリートブロ
ック他側部15に各々配筋された鉄筋である。
【0015】尚、前記笠コンクリートブロック一側部6
は図11に示すように展開した鋼製の外側型枠22の内面
を塗油した後、メッシュ加工して所定に折り曲げた鉄筋
20にスペ―サ20Aを取り付けて外側型枠22を内側型枠23
とともに組立てた後、これら型枠22,23をバイブレ―タ
(図示せず)上に置いて生コンクリートを挿入し、蒸気
養生した後脱型して製作される。また、笠コンクリート
ブロック他側部15も図12に示すように同様に展開した
型枠24にスペ―サ21Aを取り付けた鉄筋21を組み込み、
そして生コンクリートを挿入して製作する。また、前記
笠コンクリートブロック一側部6の一側壁8の外面に
は、縦横複数の溝30Aを形成して格子状の表面化粧模様
30を施しておく。また、必要に応じて塗料などを塗布し
て着色する。
【0016】次に施工方法を説明する。図5の第1工程
に示すように予め鋼矢板壁1の他側である陸B側には基
礎砕石、川砂25等を敷均し、転圧した後、笠コンクリー
トブロック他側部15をクレ―ン等により吊り上げて鋼矢
板壁1の陸B側に布設する。尚この際タイロッド5は切
欠き部18間を挿通するように設ける。
【0017】次に図4,図6および図7の第2工程で示
すように笠コンクリートブロック一側部6をクレ―ン等
により吊り上げて鋼矢板壁1の川A側に布設するととも
に、高さ調節する。この場合、笠コンクリートブロック
一側部6の下端側である底壁9の縁部を鋼矢板壁1の一
側面に当接する。また、笠コンクリートブロック一側部
6の天端7下面と鋼矢板壁1の上端との間には隙間を設
けるようにする。
【0018】次に図4において第3工程として、隣設す
る連結用鉄筋12相互および連結用鉄筋14,17を介在鉄筋
(図示せず)などを介して溶着等により連結して、笠コ
ンクリートブロック他側部15の上面と笠コンクリートブ
ロック一側部6の天端7の下面とを一体的に結合して一
側部6を布設した後、さらに図8において第4工程とし
て凹部13,16、切欠き部18に各々モルタルあるいは透水
性コンクリート等の目地材26を充填して隙間を塞ぎ、ま
た笠コンクリートブロック一側部6および他側部15間の
隙間には粘着テ―プ27を貼着して両者間の隙間を塞ぐ。
このようにして据付け完了後、図8において第5工程と
して天端7上にコンクリート打設装置28を配置して植栽
用開口部10およびコンクリート打設用開口部たる切欠き
部11より中詰コンクリート29を打設し、前記笠コンクリ
ートブロック他側部15の内面15Aの上部が露出するよう
に前記中詰コンクリート29の上面29Aの他側を低くして
該上面29Aを斜めに形成し、養生させる。尚、図1中に
おいては中詰コンクリート29の上面29Aを斜めにしたも
のを図示したが、該上面29Aを水平すると共に高さを調
整して前記笠コンクリートブロック他側部15の内面15A
の上部を露出するようにしてもよい。そして前記植栽用
開口部10から中詰コンクリート29の上に植栽用土31を充
填すると、この植栽用土31が前記笠コンクリートブロッ
ク他側部15の内面15A上部と該他側部15の内面である一
側上面15Cに接する。また、笠コンクリートブロックの
陸B側を基礎砕石、川砂25Aにより敷均し、前記笠コン
クリートブロック他側部15の外面15B側を土中に埋め戻
す。尚、必要に応じて笠コンクリートの陸B側に平張り
コンクリート(図示せず)を前記天端7の上面に合わせ
て打設してもよく、この場合は、土中となる基礎砕石、
川砂25Aを敷均した後、前記中詰コンクリート29の打設
と前記平張りコンクリートの打設を同時に行うことがで
き、この中詰コンクリート29の打設の後前記植栽用土31
を充填すればよく、またその平張りコンクリートの厚さ
は前記天端7の厚さ以下にすることが好ましい。そして
前記植栽用土31に芝生32や低木等の植物を植える。
【0019】このような植栽用笠コンクリートブロック
にあっては、雨などにより植栽用土31に余分な水が溜る
と、笠コンクリートブロック他側部15の内面15上部と一
側上面15Cから該他側部15を通ってその余分な水が他側
の土中に排水され、一方植栽用土31が乾くと土中の水が
他側部15を通って供給され、植栽用土31の水分が植物に
適した状態に保たれる。また、笠コンクリートブロック
他側部15の外面たる下面15Dが川砂25等に接し、ここか
らも水の行き来が行われる。
【0020】以上のように本実施例では請求項1に対応
して、各鋼矢板2が爪部3を相互に係合して連続打設さ
れ、かつ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁1の上端
に、一側部6と透水性コンクリートからなる他側部15に
2分割された中空なプレキャスト製の笠コンクリートブ
ロックを型枠兼用として据付けた後、この笠コンクリー
トブロックの内部に中詰コンクリート29を打設するとと
もに、笠コンクリートブロック上部の植栽用開口部10か
ら中詰コンクリート29の上に植栽用土31を前記他側部の
内面15A及び内面たる一側上面15Cに接するように充填
し、その他側部15の外面15Bを土中に埋め戻すものであ
るから、雨などにより植栽用土31に余分な水が溜ると、
透水性コンクリートからなる他側部15を通って土中に排
水され、一方植栽用土31が乾くと土中の水が他側部15を
通って供給されるため、植栽用土31の水分が植物に適し
た状態に保たれる。これにより植物が良好に成育するこ
とができ、河川周辺の緑化を図ることができると共に、
周囲の景観との調和が図られ、植物の成育により岸辺に
虫などが集まると共に、この虫を餌とする魚類の生息に
適したものとなる。
【0021】以上のように本実施例では請求項2に対応
して、各鋼矢板2が爪部3を相互に係合して連続打設さ
れ、かつ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁1の上端
に、天端7を一体に設けたコ字型の一側部6と浸水性コ
ンクリートからなる他側部15とに2分割された中空な
プレキャスト製の笠コンクリートブロックを型枠兼用と
して据付けた後、天端7に形成されたコンクリート打設
兼用の植栽用開口部10から中詰コンクリート29を打設
するとともに、この中詰コンクリート29の上に植栽用土
31を他側部15の内面15A及び内面たる一側上面15Cに接
するように充填し、その他側部15の外面15Aを土中に埋
めるものであるから、雨などにより植栽用土31に余分な
水が溜ると、透水性コンクリートからなる他側部15を通
って土中に排水され、一方植栽用土31が乾くと土中の水
が他側部15を通って供給されるため、植栽用土31の水分
が植物に適した状態に保たれ、第1実施例と同様な作
用、効果を有し、また、この例では植栽用開口部10が中
詰コンクリート29の打設口を兼用するため、別個にコン
クリート打設口を設ける必要がなく、笠コンクリートブ
ロックの製造が容易になり、さらにその中詰コンクリー
ト29を打設する植栽用開口部10が上部の天端7に形成さ
れているため、前記打設口を側面などに形成する場合に
比べて空洞部19への中詰コンクリート29の打設を簡単に
行うことができる。
【0022】以上のように本実施例では請求項3に対応
して、各鋼矢板2が爪部3を相互に係合して連続打設さ
れ、かつ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁1の上端
に、2分割された中空なプレキャスト製の笠コンクリー
トブロックを型枠兼用として据付け、この笠コンクリー
トブロックの内部に中詰コンクリート29を打設して笠コ
ンクリートを設ける植栽用笠コンクリートブロックであ
って、天端7の一側下方に一側壁8を垂設するとともに
この一側壁8の下部に底壁9を凹凸状に他側へ向けて形
成した笠コンクリートブロック一側部6と、天端7に形
成された中詰コンクリート打設兼用の植栽用開口部10
と、天端7の他側に上部が結合される透水性コンクリー
トからなる笠コンクリートブロック他側部15とを具備す
るものであるから、他側部15の内面の一部が露出するよ
うに中詰コンクリート29を打設すると共に、植栽用開口
部10に植栽用土31を充填することにより、他側部15の外
面15B側と他側部の内面側である植栽開口部10側との間
で水の行き来が行われ、植物の成育に適した状態に保つ
ことができる。また、鋼矢板壁1の凹凸に底壁9を合せ
ることにより、笠コンクリートブロック一側部6が川A
側あるいは陸B側にずれることなく鋼矢板壁1に沿って
正しく位置決めされ、施工が容易となる。
【0023】また実施例上の効果として、笠コンクリー
トブロック他側部15の厚さを、前記天端7の他側面と植
栽用開口部10内面との間の寸法より大きく形成すること
により、該他側部15の強度を高めることができるととも
に、笠コンクリート他側部15の内面である一側上面15C
からも水が行き来することができる。また、笠コンクリ
ートブロック一側部6を鋼矢板壁1の長さ方向に比較的
長く形成すると共に、複数の植栽用開口部10を設けたこ
とにより、鋼矢板壁1の全長に設ける笠コンクリートブ
ロック相互の接合箇所が削減され、施工が容易になり、
また、その接合箇所が少ない分だけ、植栽用開口部10の
面積を大きく取ることができる。さらに笠コンクリート
ブロック一側部6の一側壁8の外面に、溝30Aを形成し
て表面化粧模様30を施すことにより、周囲の景観との調
和を図ることができる。また中詰コンクリート29の上面
29Aを笠コンクリートブロック他側部15側が低くなるよ
うに僅かに斜めに形成したことにより、植栽用開口部10
に多量の雨が降った場合、下部に溜まった水がその斜め
の上面29Aに沿って他側部15へ移動し、これにより水捌
けが良好に行われる。さらに、鋼矢板壁1をタイロッド
5により支持することにより、鋼矢板壁1及び笠コンク
リートブロックの据付け強度が安定する。
【0024】さらに、鋼矢板壁1の上端に、プレキャス
ト製の笠コンクリートブロック一側部6および他側部15
を型枠兼用として据付けた後、これら笠コンクリートブ
ロック一側部6および他側部15内の空洞部19に中詰コン
クリート29を打設して、鋼矢板壁1の上部に笠コンクリ
ートを一体に設けることができるため、現場においては
型枠の組立て、配筋などの作業を省略でき、また現場で
仮設足場を組むこともないため現場作業を軽減できる。
さらに笠コンクリートブロック一側部6および他側部15
はプレキャスト製品であるため、組立て・据付け作業に
おいて機械施工が可能となり工期の大幅な短縮を図るこ
とができるとともに、水位の上昇によって工事が中断さ
れたり、冬期においてもコンクリートの品質等が劣化す
る虞れなども一掃することができ、また笠コンクリート
ブロックは一側部6と他側部15に2分割されているた
め、各々別個に運搬、据付けができ、施工性を向上する
ことができる。
【0025】また笠コンクリートブロック一側部6の布
設にあっては、その下端側である底壁9の縁部を鋼矢板
壁1の一側面に当接して該鋼矢板壁1に沿わせた状態で
吊り上げ保持し、その笠コンクリートブロック一側部6
の天端7の下面と笠コンクリートブロック他側部15の上
面とを結合することにより、笠コンクリートブロック一
側部6を安定的に布設することができ、かつこのように
鋼矢板壁1の一側面に下端側を当接するとともに、その
笠コンクリートブロック一側部6の天端7下面を他側部
15の上面に連結するため、笠コンクリートブロック他側
部15の高さに合わせて一側部6の天端7を鋼矢板壁1の
上端と離間して布設することができ、これにより鋼矢板
壁1の上端に高低差が有っても、敷均した他側に布設し
た笠コンクリートブロック他側部15に合わせて、隣り合
う笠コンクリートブロック相互の高さを揃えて据え付け
ることができる。
【0026】さらに笠コンクリートブロック一側部6に
おいては天端7の一側下方に一側壁8を垂設するととも
に、この一側壁8の下部に底壁9を凹凸状に他側へ向け
て形成し、かつその底壁9の縁部にシール材1Cを装着
したことによって、鋼矢板壁1の凹部1Aには凸部9A
が対向し、また凸部1Bには凹部9Bが対向し、かつ底
壁9の縁部と鋼矢板壁1との間がシール材1Cによりシ
ールされることによって、中詰コンクリート29を打設し
た際、該中詰コンクリート29が下方へ落下してしまうこ
とを防止できる。
【0027】しかも、笠コンクリート一側部6には、鋼
矢板壁1に凹部1A及び凸部1Bに係合する凹凸状の底
壁9を形成し、天端7の他側に金属製連結用部材たる連
結用鉄筋14を設けると共に、笠コンクリートブロック他
側部15の上部に、その連結用鉄筋14と連結する金属製連
結用受部材たる連結用鉄筋17を設け、これら連結用鉄筋
14,17を連結して笠コンクリートブロック一側部6と他
側部15とを結合するものであるから、鋼矢板壁1の凹凸
に底壁9を係合することにより、笠コンクリートブロッ
ク一側部6が川A側あるいは陸B側にずれることなく鋼
矢板壁1に沿って正しく位置決めされ、この状態で施工
条件の良い陸B側において連結用鉄筋14,17とを連結す
ることにより、笠コンクリートブロック一側部6と他側
部15とを結合し、笠コンクリートブロックを鋼矢板壁1
に簡便に据付けることができる。
【0028】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく例えば、底壁の凹部および凸部を鋼矢板壁の凹
凸に応じて適宜変更するなど種々の変更が可能である。
本発明の笠コンクリートブロックは、河川や海以外に湖
や沼などに用いることができることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】請求項1の植栽用笠コンクリートの施工
方法は、各鋼矢板が爪部を相互に係合して連続打設さ
れ、かつ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁の上端
に、一側部と透水性コンクリートからなる他側部に2分
割された中空なプレキャスト製の笠コンクリートブロッ
クを型枠兼用として据付けた後、この笠コンクリートブ
ロックの内部に中詰コンクリートを打設するとともに、
前記笠コンクリートブロック上部の植栽用開口部から前
記中詰コンクリートの上に植栽用土を前記他側部の内面
に接するように充填し、その他側部の外面を土中に埋め
るものであり、周囲の景観に調和し、緑化を図ることが
でき、植物の成育に適した植栽用笠コンクリートブロッ
クの施工方法を提供することができる。
【0030】請求項2の植栽用笠コンクリートの施工方
法は、各鋼矢板が爪部を相互に係合して連続打設され、
かつ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁の上端に、天
端を一体に設けたコ字型の一側部と浸水性コンクリート
からなる他側部とに2分割された中空なプレキャスト製
の笠コンクリートブロックを型枠兼用として据付けた
後、前記天端に形成されたコンクリート打設兼用の植栽
用開口部から中詰コンクリートを打設するとともに、こ
の中詰コンクリートの上に植栽用土を前記他側部の内面
に接するように充填し、その他側部の外面を土中に埋め
るものであるから、周囲の景観に調和し、緑化を図るこ
とができ、植物の成育に適した植栽用笠コンクリートブ
ロックの施工方法を提供することができる。
【0031】請求項3の植栽用笠コンクリートブロック
は、各鋼矢板が爪部を相互に係合して連続打設され、か
つ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁の上端に、2分
割された中空なプレキャスト製の笠コンクリートブロッ
クを型枠兼用として据付け、この笠コンクリートブロッ
クの内部に中詰コンクリートを打設して笠コンクリート
を設ける植栽用笠コンクリートブロックであって、天端
の一側下方に一側壁を垂設するとともにこの一側壁の下
部に前記鋼矢板壁に対応して凹凸状の底壁を他側へ向け
て形成した笠コンクリートブロック一側部と、前記天端
に形成された中詰コンクリート打設兼用の植栽用開口部
と、前記天端の他側に上部が結合される透水性コンクリ
ートからなるコンクリートブロック他側部とを具備する
ものであり、周囲の景観に調和し、緑化を図ることがで
き、植物の成育に適した植栽用笠コンクリートブロック
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す笠コンクリートブロッ
ク他側部を土中に埋めた状態の断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す中詰コンクリート打設
前の断面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す笠コンクリートブロッ
ク一側部の斜視図である。
【図4】本発明の一実施例を示す第2工程及び第3工程
の一部切欠き斜視図である。
【図5】本発明の一実施例を示す第1工程の断面図であ
る。
【図6】本発明の一実施例を示す第2工程の断面図であ
る。
【図7】本発明の一実施例を示す第2工程の断面図であ
る。
【図8】本発明の一実施例を示す第3工程及び第4工程
の斜視図である。
【図9】本発明の一実施例を示す底壁と鋼矢板壁の係合
状態を示す要部の平断面図である。
【図10】本発明の一実施例を示す笠コンクリートブロ
ック一側部の正面図である。
【図11】本発明の一実施例を示す笠コンクリートブロ
ック一側部の型枠の分解斜視図である。
【図12】本発明の一実施例を示す笠コンクリートブロ
ック他側部の型枠の斜視図である。
【符号の説明】
1 鋼矢板壁 2 鋼矢板 3 爪部 6 笠コンクリートブロック一側部 7 天端 8 一側壁 9 底壁 10 植栽用開口部 15 笠コンクリートブロック他側部 15A 内面 15B 外面 15C 一側上面(内面) 15D 下面(外面) 29 中詰コンクリート 31 植栽用土
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−125709(JP,A) 特開 平4−47015(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各鋼矢板が爪部を相互に係合して連続打
    設され、かつ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁の上
    端に、一側部と透水性コンクリートからなる他側部に2
    分割された中空なプレキャスト製の笠コンクリートブロ
    ックを型枠兼用として据付けた後、この笠コンクリート
    ブロックの内部に中詰コンクリートを打設するととも
    に、前記笠コンクリートブロック上部の植栽用開口部か
    ら前記中詰コンクリートの上に植栽用土を前記他側部の
    内面に接するように充填し、その他側部の外面を土中に
    埋めることを特徴する植栽用笠コンクリートブロックの
    施工方法。
  2. 【請求項2】 各鋼矢板が爪部を相互に係合して連続打
    設され、かつ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁の上
    端に、天端を一体に設けたコ字型の一側部と浸水性コン
    クリートからなる他側部とに2分割された中空なプレキ
    ャスト製の笠コンクリートブロックを型枠兼用として据
    付けた後、前記天端に形成されたコンクリート打設兼用
    の植栽用開口部から中詰コンクリートを打設するととも
    に、この中詰コンクリートの上に植栽用土を前記他側部
    の内面に接するように充填し、その他側部の外面を土中
    に埋めることを特徴とする植栽用笠コンクリートブロッ
    クの施工方法。
  3. 【請求項3】 各鋼矢板が爪部を相互に係合して連続打
    設され、かつ上端の高さが揃えられてなる鋼矢板壁の上
    端に、2分割された中空なプレキャスト製の笠コンクリ
    ートブロックを型枠兼用として据付け、この笠コンクリ
    ートブロックの内部に中詰コンクリートを打設して笠コ
    ンクリートを設ける植栽用笠コンクリートブロックであ
    って、天端の一側下方に一側壁を垂設するとともにこの
    一側壁の下部に前記鋼矢板壁に対応して凹凸状の底壁を
    他側へ向けて形成した笠コンクリートブロック一側部
    と、前記天端に形成された中詰コンクリート打設兼用の
    植栽用開口部と、前記天端の他側に上部が結合される透
    水性コンクリートからなるコンクリートブロック他側部
    とを具備することを特徴とする植栽用笠コンクリートブ
    ロック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003278131A (ja) * 2001-06-04 2003-10-02 Kankyo Kogaku Kk 土木用ブロック、土木構築物構造、土木構築物構造の構築方法及び土木用ブロックの製造方法

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