JPH056258Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案は、チエーンによつてハンガープレート
を移送する装置の改良に関する。

従来技術 ハンガープレートがその重心よりも上方位置で
水平方向の支点軸により垂直面で移動可能なチエ
ーンに対し回動自在に支持され、チエーンと共に
移動する移送装置では、チエーンの移動方向が変
化しても、ハンガープレートは、重力作用によつ
て支点軸の周りに回動し、常に吊り下げられた状
態となつて、安定な姿勢を保持する。しかし、チ
エーンの移動速度が速くなると、チエーンはスプ
ロケツトホイールの周りを移動し、方向変換する
過程で、ハンガープレートに遠心力が作用するた
め、ハンガープレートの姿勢は不安定となる。

そこで、ハンガーの四隅部分にローラを取り付
け、またハンガーの移動方向に沿つて、ガイド部
材を設けておけば、ハンガーの姿勢はある程度規
制する。しかし、それらの各ローラの軌跡が方向
転換の位置でそれぞれ別のカーブを描いて移動す
るため、実際には対角線上の２個のローラしかガ
イド部材によつて規制されないため、その瞬間に
ハンガープレートが自由な状態となり、その姿勢
が不安定となる。このため、走行中にローラとガ
イド部材との衝突が繰り返されるため、騒音が大
きくなり、またハンガープレートのフオークなど
に乗せられたパレツトが位置ずれを起こし、機械
の他の機構と干渉するなどの事故が発生する。

考案の目的 したがつて、本考案の目的は、垂直面に沿つて
移動可能なハンガープレートの姿勢を方向変換位
置で確実に規制し、ハンガープレートを常に一定
の姿勢を保ちながら方向変換できるようにするこ
とである。また、本考案の他の目的は、上記の目
的を簡単な機械的な構造によつて実現することで
ある。

考案の解決手段 上記目的の下に、本考案は、垂直面に沿つて移
動可能なチエーンに対し水平方向の支点軸により
ハンガープレートを回動自在に懸架し、このハン
ガープレートの姿勢を複数のガイドローラによつ
て規制するに際し、ハンガープレートの２つのガ
イドローラに対し平行移動可能なガイド部材を設
け、ハンガープレートの方向変換の開始から終了
時点まで少なくとも２個のガイドローラと上記移
動可能なガイド部材とを当接させるようにしてい
る。ここで、ガイド部材は、スプリングなどの弾
性手段によつて常に２個のローラに対し接する方
向に付勢されて平行移動する。したがつて、ハン
ガープレートの方向変換の開始時点から終了時点
まで２つのガイドローラがガイド部材と同じ方向
に規制されているため、ハンガープレートは、方
向変換の過程で、常に一定の姿勢に保持される。

考案の構成 まず、第１図は、本考案の移送装置１の全体的
な構成を示し、第２図および第３図はその要部を
示している。

この移送装置１は、垂直面に沿つて移動可能な
チエーン２、このチエーン２の移動によつて駆動
される１または２以上のハンガープレート３、こ
のハンガープレート３の姿勢を規制するための第
１のガイド部材４および第２のガイド部材５によ
つて組み立てられている。

上記チエーン２は、例えば４つのスプロケツト
ホイール６に対し無端状に巻き掛けられており、
駆動側のスプロケツトホイール６に連結された減
速機付のモータ７によつて駆動されるようになつ
ている。なお、これらのスプロケツトホイール６
は、水平な軸６１によつてフレーム１２に取り付
けられている。また、ハンガープレート３は、例
えば長方形状であり、四隅位置の水平なピン８の
部分で４つのガイドローラ９を備えており、全体
の重心よりも上方の中央位置で水平な支点軸１０
によつてチエーン２の外側のアタツチメント１１
に対し回動自在に懸架されている。

そして、第１のガイド部材４は、チエーン２の
第１の移動方向すなわち垂直方向の外周に沿つて
フレーム１２に対し固定的に設けられている。ま
た、第２のガイド部材５は、第２の移動方向すな
わち水平方向に沿つて上方または下方の外周に設
けられており、チエーン２の第２の移動方向に対
応してほぼ水平で、第１の移動方向に移動可能な
状態で設けられている。なお、チエーン２の内側
部分に、内側ガイド部材２０が取り付けられてい
る。この内側ガイド部材２０は、４つのガイドロ
ーラ９のうち内側に位置するものと接し、第１お
よび第２のガイド部材４，５と共に、ハンガープ
レート３の姿勢を補助的に規制している。

この実施例の場合、第２のガイド部材５は、ブ
ラケツト１３と共に、蝶番１４によつてフレーム
１２に取り付けられ、引きスプリングなどの弾性
手段１５によつて、対応の２つのガイドローラ９
に対し、同時に接する方向に付勢されている。そ
して、後述するよういに、ハンガープレート３が
第１の移動方向から第２の移動方向に方向を変換
する過程で、方向変換が開始される前に、２つの
ガイドローラ９は、第２のガイド部材５に対し同
時に接し、その後、弾性手段１５に抗して第１の
移動方向から第２の移動方向に移動するようにな
つている。このために、第２のガイド部材５は、
待機時に方向変換の開始位置に臨んでいなければ
ならない。

なお、移送対象のパレツト１６は、ハンガプレ
ート３の上面に取り付けられたフオーク１７の上
に乗せられている。この結果、ハンガープレート
３の重心が前方にあつて、前傾姿勢となるため、
ハンガープレート３の背面側下方位置に滑り部材
１８が取り付けられており、この部分でフレーム
１２に取り付けられたスライド材１９の正面に当
接している。

考案の作用 減速機付のモータ７は、第１図で矢印方向に回
転し、原動側のスプロケツトホイール６を駆動す
ると、チエーン２は、同じ矢印方向に移動する。
この移動に伴い、ハンガープレート３は、支点軸
１０よりも常に下方の位置に重心を置いた状態で
チエーン２と共に移動する。

ハンガープレート３が第１の移動方向に沿つて
移動するとき、外側の２つのガイドローラ９は、
第１のガイド部材４に接し、ハンガープレート３
の姿勢を規制している。やがて、このハンガープ
レート３が第１の移動方向と第２の移動方向との
間で方向変換するとき、支点軸１０は、スプロケ
ツトホイール６の外周に沿つて、中心角直角の円
弧に沿つて移動することになる。支点軸１０が方
向変換の開始位置に来たとき、上方の２つのガイ
ドローラ９は、同時に上方の第２のガイド部材５
の下面側に当接する。この時点から、外側の上下
のガイドローラ９が第１のガイド部材４から離れ
ていくが、これに代わつて上方の２つのガイドロ
ーラ９が第２のガイド部材５に接するため、ハン
ガープレート３は、方向変換の過程でも、第２の
ガイド部材５によつて所定の方向に規制されてい
る。支点軸１０が方向変換の開始位置から方向変
化の終了位置まで移動する過程で、上方の２つの
ガイドローラ９は、弾性手段１５に抗して第２の
ガイド部材５を上方に押圧しながら移動するた
め、ハンガープレート３は、方向変換の開始から
終了の時点まで第２のガイド部材５に接し遠心力
の作用によつて傾かないように規制されている。
このような動作および作用は、その他の方向変換
位置でも同様に行われる。

したがつて、チエーン２の移動速度が速くな
り、方向変換部分でハンガープレート３に遠心力
が作用したとしても、第１および第２のガイド部
材４，５は、ハンガープレート３のガイドローラ
９に接し、また２つのガイドローラ９の動きを許
容しながら接することによつて、ハンガープレー
ト３の姿勢を規制していく。

考案の他の実施例 上記実施例は、第２のガイド部材５をフレーム
１２に対し蝶番１４によつ平行移動可能な状態で
支持しているが、この第２のガイド部材５は、水
平方向に移動可能であればよいから、例えば第４
図に示すように、２本のガイドバー２１と圧縮コ
イルスプリングなどの弾性手段１５を組合わせた
状態で支持してもよい。

また、前記実施例は、第１のガイド部材４を垂
直方向に、また第２のガイド部材５を水平方向に
配置しているが、上記の位置関係は逆であつても
よい。

さらに、第２のガイド部材５のほか、第１のガ
イド部材４も平行移動可能な状態で設けられてい
てもよい。この場合、すべての位置で姿勢規制が
行われるため、姿勢規制のために、重力作用が特
に必要とされず、よつて支点軸１０は、ハンガー
プレート３の重心と同じ高さの位置例えば中心位
置に設けることもできる。

なお、ガイドローラ９は、第１の移動方向につ
いて、また第２の移動方向について少なくとも２
つあれば足りる。

考案の効果 本考案では、次の効果が得られる。

ハンガープレートが方向変換する過程で、第２
のガイド部材がハンガープレートの２つのガイド
ローラに同時に接し、その姿勢を強制的に保持し
ているため、高速移動時にもハンガープレートが
支持軸を中心として揺動することがなく、ハンガ
ープレートの姿勢が安定する。

ハンガープレートが支点軸を中心として揺動し
ないため、ガイドローラとガイド部材との衝突が
なくなり、静かな運転が可能となる。

第２のガイド部材が平行移動可能であり、平行
移動可能な範囲でハンガープレートの２個のガイ
ドローラに追従しながら接しているため、内周部
分にガイド部材が特に必要とされず、従来のもの
に比較して構造が簡略化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のハンガープレートの移送装置
の概略的な正面図、第２図は要部の拡大正面図、
第３図は要部の拡大断面図、第４図は他の実施例
の正面図である。 １……移送装置、２……チエーン、３……ハン
ガープレート、４……第１のガイド部材、５……
第２のガイド部材、６……スプロケツトホイー
ル、７……減速機付のモータ、８……ピン、９…
…ガイドローラ、１０……支点軸、１５……弾性
手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１の移動方向と第２の移動方向との間で方向
   転換して移動するチエーンと、このチエーンの一
   部に設けた支点軸に回動自在に懸架されると共に
   上記第１のおよび第２の移動方向と平行に各々少
   なくとも２個ずつのガイドローラを配列したハン
   ガープレートと、上記第１および第２の移動方向
   に各々上記チエーンと平行に設けて上記ハンガー
   プレートのガイドローラを当接させる第１および
   第２のガイド部材とを備えた移送装置において、
   上記第２のガイド部材を上記第２の移動方向に対
   応した上記チエーンとほぼ平行に移動可能な状態
   で支持すると共に、弾性手段により上記チエーン
   側に付勢し、上記ハンガープレートの方向変換位
   置に臨ませてなり、上記ハンガープレートが第１
   の移動方向から第２の移動方向に方向転換する際
   に、上記第２のガイド部材が上記ハンガープレー
   トの上記第２の移動方向と平行に配列された少な
   くとも２個のガイドローラを同時に押圧付勢して
   案内することを特徴とするハンガープレートの移
   送装置。