JPH0562336A - 光情報記録デイスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハブ取付けの調整装置を用いることなく、偏
心精度が良い光情報記録ディスクを提供する。 【構成】 スピンドル７と光情報記録ディスクの基板１
の案内トラック1aの位置決めを行なうスピンドル孔２が
基板１に設けられ、マグネットクランプ用の金属製ハブ
８の内径がスピンドル孔２の径よりも大きい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ビームが照射される
ことによって情報の再生、記録または記録／再生が行わ
れる光情報記録ディスクに関し、特にターンテーブルに
付設されたディスク吸着用マグネットの磁力によって前
記ターンテーブルにクランプされる光情報記録ディスク
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、図９に示すように、基板１’
の基板中心孔１０にスペーサ３ａと強磁性体３ｂから成
るハブ９を取り付け、ハブ９の強磁性体３ｂに明けられ
たスピンドル孔２’にディスク駆動装置のスピンドル７
を挿通することによって、基板１’に渦巻状または同心
円状に形成された案内トラック１ａの心出しを行うよう
にし、光情報記録ディスクのターンテーブル５に付設さ
れたディスク吸着用マグネット６の磁力にてハブ９の強
磁性体３ｂを吸着することによってディスクのクランプ
を行うようにしたディスク駆動装置が知られている。

【０００３】このディスク駆動装置においては回転中心
であるハブ９のスピンドル孔２’と基板１’の案内トラ
ック１ａの心出しの精度はできるだけ高精度にしないと
基板１’を回転させた時に案内トラック１ａの軌跡に偏
心が生じ、光学ヘッド（図示せず）から照射されるレー
ザービームの追従が困難になり最悪の場合にはレーザー
ビームの脱輪を生じて正常な記録・再生が不能になると
いった事態を生じる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では基板中心孔１０へのハブ９の取付において中心
孔あるいは治具をガイドとするために中心孔１０を案内
トラック１ａに対して一定精度以上におさえてもハブ取
付の際にはさらに取付治具による誤差が発生し、接合さ
れたハブ９の偏心が大きくなる傾向にあった。ハブ９と
記録グループの偏心を防止するために偏心を調整しなが
らハブ９をセットする装置も考えられているが、極端に
生産性が悪く偏心についても充分に管理されているとは
言えないのが現状であった。

【０００５】本発明の目的は、ハブ取付けの際の調整装
置を用いることなく、偏心精度の良い光情報記録ディス
クを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の光情報記録ディ
スクは、スピンドルと光情報記録ディスクの基板の案内
トラックとの位置決めを行うスピンドル孔が前記基板に
設けられ、ディスク吸着用の金属製ハブの内径が前記ス
ピンドル孔の径よりも大きい。

【０００７】

【作用】本発明は、スピンドル孔を基板に設け、ディス
クのターンテーブルへのクランプは基板スピンドル孔の
径より大きい内径を有するハブの強磁性体とターンテー
ブルのディスク吸着用マグネットとの磁力というふう
に、ディスクの回転中心孔とディスククランプを機能分
離させることによって従来例の様なハブ取付けの際の前
述した様な調整装置は不要になり、かつ、スピンドル孔
と案内トラックとの中心位置を精度良く加工するだけで
さらに偏心精度の良い光情報記録ディスクを提供するこ
とが可能になる。

【０００８】

【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【０００９】図１は本発明の第１の実施例の光情報記録
ディスクの要部の縦断面図である。

【００１０】光情報記録ディスクの基板１は、例えばガ
ラスなど透明なセラミックスや、ポリカーボネイト、ポ
リメタルメタクリレート、ポリメチルペンテン、あるい
はエポキシのごとき透明な樹脂材料より成り、基板１の
中央部には案内トラック１ａに対して同心度が１０〜２
０μｍなるようなスピンドル孔２が設けられている。こ
の１０〜２０μｍの同心度については、従来のハブなし
光記録媒体が、基板に設けられた中心孔を用いてスピン
ドルに位置決めされる形態となっていたので中心孔と案
内トラックとの同心度を高精度にすることは、すでに確
立された技術となっている。また、基板１上のスピンド
ル孔２の近傍にはハブ８が取り付けられている。ハブ８
にはスピンドル孔２の径より大きいスピンドル７をガイ
ドするスピンドル用ガイド孔４が形成されている。そし
て、スピンドル用ガイド孔４の中心と、スピンドル孔２
の中心が略一致する様にハブ８は基板１に取り付けられ
ている。また、ハブ８は強磁性体で形成されており、こ
の強磁性体はマグネットクランプ方式のディスク駆動装
置に適用するための磁性吸着板として併用する場合に
は、例えば軟鉄、フェライト系あるいはマルテンサイト
系のステンレス鋼などの強磁性体金属材料が用いられ
る。また、ハブ８と基板１を一体化する手段としては接
着など公知に属する任意の手段を用いることができる。
また、本実施例ではディスクを単板構成で表している
が、これに限定されるものではなく、本発明は両面基板
やディスク構造について任意の構造を有する光情報記録
ディスクに適用することができる。

【００１１】本実施例は、スピンドル孔２（スピンドル
７と基板１上の案内トラック１ａとの位置決めを行う
穴）を基板１に設け、金属製のハブ８は単にターンテー
ブル５とディスクを固定する機能にすることによって、
従来まず基板形成時に中心穴と案内トラックとの位置を
精度良く加工し、その後さらにハブ取付けの際にハブの
スピンドル孔と基板案内トラックの位置合せを２重に行
っていたものが、ハブの位置合せ工程を省けるようにな
りコストダウンをはかれるばかりでなく、基板形成時の
スピンドル孔位置加工精度向上がそのまま偏心精度向上
につながるという二重の効果がある。

【００１２】図２は本発明の第２の実施例を示す縦断面
図である。

【００１３】本実施例では、ハブ８の孔の形状が基板１
からディスク吸着用マグネット６に向って広がるすり鉢
形状をしたドーナツ状強磁性体であることを特徴とす
る。すり鉢形状にすることでスピンドル７の挿脱がスム
ーズに行える。

【００１４】図３は本発明の第３の実施例を示す縦断面
図である。

【００１５】本実施例は、ハブドーナツ状強磁性体８は
基板１にインサート成形されていることを特徴とする。
インサート成形することにより、基板１とハブ８の生産
性が向上する。

【００１６】図４は本発明の第４の実施例を示す縦断面
図である。

【００１７】本実施例では、基板１を貼合せて得られる
貼合わせディスク１１のスピンドル孔周辺にドーナツ状
強磁性体８がはさみ込まれていることを特徴とする。デ
ィスク１１の貼合わせ工程内にハブ８の装着工程を含め
ることができる。

【００１８】図５は本発明の第５の実施例を示す縦断面
図である。

【００１９】本実施例はハブスペーサ部分３ａを基板１
凸部１ｂとして基板成形時に形成し、ドーナツ状強磁性
体薄板３ｂを凸部１ｂにインサート成形したことを特徴
とする。あらかじめ凸部１ｂが設定されているので基板
１と強磁性体薄板３ｂの一体化の際の位置決めがさらに
容易になり、強磁性体を薄板としたことから重量低減が
はかれる。

【００２０】図６は本発明の第６の実施例を示す縦断面
図である。

【００２１】本実施例では、ハブ３はスペーサ部分３ａ
と強磁性体薄板３ｂで構成され、あらかじめ３ａと３ｂ
がインサート成形で一体化され、しかる後基板１とスペ
ーサ３ａが公知の一体化手段で一体化されている。ハブ
部３を全く別工程で扱え、かつ強磁性体を薄板としたこ
とから重量低減がはかれる。

【００２２】図７は本発明の第７の実施例を示す縦断面
図である。

【００２３】本実施例は図６のスペーサ３ａの孔をすり
鉢状にしたことを特徴とする。スピンドル挿脱がスムー
ズになり、またディスク重量低減もはかれる。

【００２４】図８は本発明の第８の実施例を示す縦断面
図である。

【００２５】本実施例は、ディスク駆動装置のマグネッ
ト６と十分吸着可能な磁力を得られる強磁性体材料を使
用した強磁性体８を使用してマグネット６と中空結合さ
せたことを特徴とし、吸着効果を高めるためにディスク
駆動装置にマグネット６に近接させる手段（例えば１
ｂ，３ａ，）が不要になるという効果がある。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、次のよう
な効果がある。 （１）請求項１，２の発明は、孔（スピンドルと基板上
の案内トラックとの位置決めを行う孔）をディスク基板
に設け、ハブは単にターンテーブルとディスクを固定す
る機能にすることにより、従来まず基板形成時に中心穴
と案内トラックとの位置を精度良く加工し、その後さら
にハブ取付けの際にハブのスピンドル孔と基板案内トラ
ックの位置合せを２重に行っていたものが、ハブの位置
合せ工程を省けコストダウンにつながるばかりでなく基
板形成時のスピンドル孔位置加工精度向上がそのまま偏
心精度向上につながるという二重の効果がある。 （２）請求項３の発明は、請求項１の効果に加えて、ス
ピンドルの挿技がスムーズに行なえるという効果があ
る。 （３）請求項４の発明は、請求項１の効果に加えて、基
板とハブの一体化の生産性が向上するという効果があ
る。 （４）請求項５の発明は、請求項１の効果に加えて、デ
ィスク貼合せ工程内にハブ装着工程を含めることができ
るという効果がある。 （５）請求項６の発明は、請求項１の効果に加えて、基
板と強磁性体薄板の一体化の際の位置決めが容易になる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の光情報記録ディスクの
要部の縦断面図である。

【図２】本発明の第２の実施例の光情報記録ディスクの
要部の縦断面図である。

【図３】本発明の第３の実施例の光情報記録ディスクの
要部の縦断面図である。

【図４】本発明の第４の実施例の光情報記録ディスクの
要部の縦断面図である。

【図５】本発明の第５の実施例の光情報記録ディスクの
要部の縦断面図である。

【図６】本発明の第６の実施例の光情報記録ディスクの
要部の縦断面図である。

【図７】本発明の第７の実施例の光情報記録ディスクの
要部の縦断面図である。

【図８】本発明の第８の実施例の光情報記録ディスクの
要部の縦断面図である。

【図９】従来例の光情報記録ディスクの要部の縦断面図
である。

【符号の説明】

１ 基板 １ａ 案内トラック １ｂ 基板凸部 ２ スピンドル孔 ３ ハブ ３ａ スペーサ ３ｂ 強磁性体薄板 ４ スピンドル用ガイド孔 ５ ターンテーブル ６ ディスク吸着用マグネット ７ スピンドル ８ 強磁性体 ９ ハブ １０ 基板中心穴 １１ 両面貼合せディスク

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ターンテーブルに付設されたディスク吸
   着用マグネットの磁力に金属製のハブを吸着させること
   によって前記ターンテーブルにクランプされる前記光情
   報記録ディスクおいて、 スピンドルと前記光情報記録ディスクの基板の案内トラ
   ックとの位置決めを行うスピンドル孔が前記基板に設け
   られ、前記ハブの内径が前記スピンドル孔の径よりも大
   きいことを特徴とする光情報記録ディスク。
2. 【請求項２】 前記ハブがドーナツ状強磁性体で構成さ
   れている請求項１記載の光情報記録ディスク。
3. 【請求項３】 前記ハブの孔が、前記基板から前記ディ
   スク吸着用マグネットに向って広がるすり鉢状になって
   いる強磁性体である請求項１記載の光情報記録ディス
   ク。
4. 【請求項４】 前記ハブが前記基板にインサート成形さ
   れている請求項１または２に記載の光情報記録ディス
   ク。
5. 【請求項５】 前記基板が両面貼り合せタイプであり、
   前記ハブがその間にはさみこまれている請求項１または
   ２記載の光情報記録ディスク。
6. 【請求項６】 前記基板の一部がハブとスペーサ部分を
   構成している請求項１または２記載の光情報記録ディス
   ク。